
知の巨人さん?

そう呼ばれてるね。
本の執筆スピードがものすごい!
どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
知の巨人、佐藤優氏の著書『お金に強くなる生き方』を読んでみました。
佐藤優氏は、お金についてどのような考えをもっているのか?
ひょっとしたら新しい発見があるかも?(何なら儲かる話も・・・)と思って読んでみました!
本の帯では「世の中で一番強い宗教は”拝金教”」と指摘されていますね。すでに私はたくさんのお金関係の本を読んでまして、佐藤氏がいう「拝金教」の信者の類でありましょう。
しかしながら、読んでみたところ、お金に限らず、福祉現場で働く人のためになりそうな知識がたくさんありましたので、ご紹介していきます。
佐藤優『お金に強くなる生き方』を福祉現場視点でレビュー
努力崇拝主義は危険
福祉現場では、支援がうまくいかないと自らの努力不足を悔いて、自責に駆られる人が多いです。
とても真面目な方が多いのです。そうした方は、同僚、先輩、上司と自分をくらべて「全然できてない・・・」「もっと頑張らないと・・・(けど頑張れない)」と劣等感、コンプレックスを感じてしまいます。(本当はちゃんと頑張れているのに)
こうした”努力崇拝主義“について、本書ではこのような指摘があります。
思うようにいかない場合、努力崇拝主義の人ほど自分の努力が足りていないのではないか、自分がダメなのではないかと自分を責め、うつ病や燃え尽き症候群になってしまうのです。結局のところ、努力は成功のための必要条件ではあっても十分条件ではない、ということにつきます。
引用元:お金に強くなる生き方 佐藤優 青春出版社 (2017)
うまくいくには努力は必要ですが、運や偶然も必要で、努力すればすべての人がうまくいくというわけではないのが現実です。
努力しないといけない、能力を高めないといけないと思うあまり、高い教材を買い込んだり、あやしい自己啓発セミナーにいったり、高額な情報商材を買ってしまわないように気をつけましょうということですね。
福祉現場で働く私たちは、利用者・患者さんには優しくなれるのに、自分にはめっぽう厳しいことがありますから、自分にも優しく生きたいですね。
正社員をカンタンに手放してはいけない
佐藤優氏は、正社員として働く方に次のメッセージを送っています。
あなたがもし正社員として勤めているなら、けっして短気を起こして辞めたり、計画もなく独立したりしないことです。一度そこから外れて非正規採用になったら、年収は伸びないしそこから正規に戻るのは至難の業です。多少社内で思い通りにならなくても、他にやりがいや生きがいを見つけ、上手く副業で小銭を稼ぎながら、上手にズルく生き残ることを考えるべきでしょう。
引用元:お金に強くなる生き方 佐藤優 青春出版社 (2017)
個人的には、社会福祉士や精神保健福祉士といった資格を取得していれば、福祉現場で正社員への復帰は叶いそうなイメージがあります。なにせ、ほとんど年齢制限の無い求人募集も多いですから。(しかし、経験者が優先される傾向ですね)
昨今、副業解禁の風潮があります。
私の知り合いが、日中に働いたのち、夜にカラオケ屋でアルバイトをしていたことがありました。給料への不満からやむなくの選択だったようですが、体は相当きつい様子でした。
近ごろは色んな副業があるようですから、トライしてみる価値はあるのでしょうね。

貯蓄とお金至上主義
貯蓄というのは、将来の欲望の充足を極大化して捉えるという点でとても貪欲な行為です。一見堅実で地味でも、内心にはお金至上主義の極端な価値観を秘めている人が多い。極端に言えば、お金こそすべてなのだという感覚の持ち主なのです。
引用元:お金に強くなる生き方 佐藤優 青春出版社 (2017)
貯蓄・貯金は善いこと、堅実なイメージをもたれていますが、実はとても貪欲でお金至上主義の価値観を含んでいる人が多いという指摘です。(例えば、通帳の残高を見るのが趣味という人)
要は「計画的に目的をもって貯蓄した方が良いですよ」という話ですね。
本来、お金は手段ですが、お金を貯めること自体が目的にすり替わってしまうと、パートナーや家族に異常な節約を押し付けてしまったり、人間関係にお金を使わなくなってしまったりと、支障が出てしまうことでしょう。
生きたお金の使い方とは?
佐藤優氏が考える、生きたお金の使い方とは何でしょうか。
生きたお金の使い方とは、一生思い出に残るようにすることではないでしょうか。しかも、自分一人のためではなく、家族や友人と楽しさ、思い出を共有できるように使う。旅行というのは、それを実現する一番の形です。
引用元:お金に強くなる生き方 佐藤優 青春出版社 (2017)
これには私も賛成です。お金は体験に投資することが大切だと思います。大人になったら、なるべく早く。思い出の配当がずっと得られるので、幸福感が増すんですね。
書籍『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』の話とも類似する点です。下記記事でもお話ししています。
『DIE WITH ZERO』はお金と時間の使い方を変える本だった
今は新型コロナウイルスのおかげでなかなか旅行ができませんね・・・。職場でも歓迎会・送別会など、なかなか開催できなかったりします。
いわば、体験にお金を使いにくい世相なのですが、これって実は私たちの人生にとってけっこうダメージなんじゃないかと思います。う~ん、辛し・・・!
お金との付き合い=自分とどう向き合うか
お金はあっても困らないもの・・・しかし、お金があれば幸せになるわけでもありませんね。
佐藤優氏はこのように言います。
お金とどう付き合うかは、結局自分とどう向き合うかということそのものです。資本主義の原理にしたがってひたすらお金を追求するのか、自分と生活をコントロールして今あるお金を有意義に使うことに注力するのか。
引用元:お金に強くなる生き方 佐藤優 青春出版社 (2017)
佐藤優氏は、全社を自分の欲望やお金の奴隷になっていると指摘し、後者をすすめています。
そもそも私たち福祉で働く(働こうとする)人間は、ひたすらお金を追求する生き方とは決別していると思います。どれだけ働いても、大富豪のような生活を送ることは無いでしょう。(あくどいことでもしない限り・・・)
一方で、給与や所得が少なすぎるゆえに、ささやかな幸せすら実現できなくなれば元も子もありません。他人の幸せのために自らの幸せを削るようなものです。それはそれで美徳ですが、自らが幸せでなければ、あなたのパートナーや家族も浮かばれないことでしょう。
必要なのはバランス。お金を追求する必要はありませんが、無さ過ぎても困りますね。
さすが佐藤優氏の著書。小手先のテクニック等ではなく、生き方の指針にもなる内容でした。
以上、佐藤優『お金に強くなる生き方』を福祉現場視点でレビューという話題でした!
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