どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
今回は平野浩二先生の『聞こえているのに聞き取れないAPD【聴覚情報処理障害】がラクになる本』の書評です。
APDの特徴は、音としては聞こえても言葉としては聞き取れない点です。
あなたには↓のような体験はありますか?
- 騒がしい所では話が聞き取れない。
- 複数人での会話がついていけない。
- 電話や無線だと聞き取れない。
上記のような体験がある方には本書が役立つと思います。
また「支援対象者がAPDの場合はどう関わると良いか」という視点でも役立つ本と思います。
【書評】聞こえているのに聞き取れないAPDがラクになる本
本書『聞こえているのに聞き取れないAPD【聴覚情報処理障害】がラクになる本』の内容をまとめます。
- APDをチェックする方法2つ
- APDの関連疾患3つ 発達障害・精神疾患・聴覚過敏
- APDの聞こえづらさをラクにする方法5つ
以下、1つ1つ掘り下げてみていきます。
1.APDをチェックする方法2つ
本書において「APDかどうかチェックする方法」は2つ紹介されています。
1つ目は、正確に診断する方法である聴覚情報処理機能検査(APT)です。しかし受けられるのは全国でもわずかの様。ハードルが高いですね。
2つ目に、手軽にできる方法であるフィッシャーの聴覚情報処理チェックリストです。
下記サイトでチェックできるので、ご自身がAPDかも?と心配な方はお試しあれ。
2.APDの関連疾患3つ 発達障害・精神疾患・聴覚過敏
本書は、APDと合併しやすい疾患(発達障害・精神疾患・聴覚過敏)に触れています。ただし、各疾患とAPDの因果関係はまだよくわかっていないようですね。
実際には、発達障害のある方には、聴覚も過敏という方がよくいます。聴覚が過敏だと聴覚情報を受け取りすぎて処理しきれず、「聞こえているのに聞こえていない」というAPDと同様になるのかもしれません。
APDを疑ったら、発達障害や精神疾患の可能性も疑ってみると発見があるかもしれません。
3.APDの聞こえづらさをラクにする方法
著者によると、APDを治す方法はまだ見つかっていないとのこと。つまり、工夫してラクにするしかないのが現状です。
対処法をまとめると、↓のようになります。
- 環境を改善する
- 周囲の理解を得る
- ノイズキャンセリング機器を使う
- ボイスレコーダーを使う
- 話し手の口元を見る
環境の改善や周囲の協力を得るのも1つですが、実際には難しい方が多いでしょう。
3つ目の対処法は、ノイズキャンセリング機器で周囲の騒音を減らす方法です。
例えば、キングジム デジタル耳せん 黒 MM2000は聴覚過敏の方向けの商品ですが、生活で必要な音は聞こえるよう工夫されています。
しかし仕事で耳栓をつけるには周囲の理解がいるので、難しいこともあると思います。
対処法4つ目は、ボイスレコーダーです。例えば会議録を書くときに役立つでしょう。録音はスマホのアプリでできますね。他にはAutoMemo S(オートメモ)エコ包装 | AIボイスレコーダーは文字起こししてくれるボイスレコーダーです。
ただし文字起こし機能を月1時間以上使うには、有料プランに入らないといけません。
5つ目の方法は、話し手の口元を見ることです。視覚情報で聴き取りを補うテクニックですね。しかし難点は、コロナ禍で皆さんマスクをつけているので、口元が見えにくいことです。
まとめ
聞き取れない辛さを軽くする方法はありますが、残念ながら万能な対処法・治す方法はまだありません。
APDの人ができることは、仕組みを理解して、対処法を組み合わせて行うことでしょう。
ラクになる方法をもっと知りたい方は、本書をお手にとってみてくださいね。
以上、【書評】聞こえているのに聞き取れないAPDがラクになる本という話題でした!
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