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社会福祉士はエリートなのか?──「比べない働き方」にこそ誇りがある

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社会福祉士になったら、エリートになれるのか?勝ち組なのか?
そう思う学生さんも少なくないようです。

結論から言えば、「社会福祉士=エリート」ではありません。
むしろ、エリートになりたい人が選ぶべき仕事ではないと感じています。

えっ、エリートじゃないの!?じゃあ社会福祉士になるのはやめようかな……

そんなふうに感じた人もいるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。

“エリートではない”というのは、「価値がない」ではなく、「別の価値がある」ということなんです。

社会福祉士の魅力は、
「上を目指す」ことではなく、「誰かの人生を支えること」にあります。
この記事では、その違いをゆっくり見ていきたいと思います。

書いた人:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働くソーシャルワーカー。児童相談所などでの実務経験をもとに発信。
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「エリート」という言葉の正体

エリートというのは、他者評価を基準にした言葉ですよね。
「選ばれた」「抜きん出ている」「優秀な一握り」といった比較の世界の言葉。

その裏には、“エリートではない大多数”が存在するという前提があります。

つまり、「上か下か」「優れているかどうか」という価値観の中で成り立っている。
そうした世界観と、社会福祉士の仕事は、そもそも噛み合わないのです。

ソーシャルワーカーが支援するのは、エリートではない人たち

社会福祉士や精神保健福祉士、ソーシャルワーカーが関わるのは、
人生のどこかでつまずいた人たちです。

経済的に苦しかったり、家族関係に悩んでいたり、精神的に疲弊していたり。

もし「自分はエリートだ」と思っていたら、
そうした人たちをどこか見下してしまう危うさがあります。

だからこそ、自己覚知が必要なんです。
支援の前に、自分の立ち位置や価値観を見つめ直す。
それが、社会福祉士としての最初の一歩だと思います。

「エリート」の具体例を挙げてみよう

たとえば政治家の小泉進次郎さん。
父親は元総理の小泉純一郎さんで、本人も早くから政治家として活躍してきた。
経歴も華やかで、まさにエリートの典型と私は思います。

一方、社会福祉士に「エリートコース」というのはあるでしょうか?
もしあるとすれば、「どの職場で、どんなポジションに就くか」というキャリア上の話になります。

資格そのものに“エリート性”はない。
むしろ、その後の働き方や立場で決まる
ものなんですよね。

「あなたの中でのエリート」という視点もある

ただし、相対的に見ればエリートと言える場合もあります。

たとえば、あなたの家族の中で大学に進学した人がいないなか、
自分だけ大学院に行って社会福祉士になった。
その場合、「わが家のエリートだ!」と呼ばれるかもしれません。

地域の中で見れば、資格を取って専門職として働くあなたは十分に誇れる存在です。
でも、社会福祉士が集まる世界に入った瞬間、
全員が社会福祉士なので“エリート”ではなくなる。

エリートというのは、常に比較の中にしか存在できないんです。

社会福祉士は「エリートではないが、勝ち組か?」

たとえば、以前の記事で「社会福祉士は中間から(職場によっては)やや勝ち組くらい」と書いたことがあります。

社会福祉士は生活がある程度安定していて、世の中の役に立ち、やりがいもある。
けれど、社会的な地位や収入の面では突出しているわけでもない。
まさに“中間”の資格です。

でも、だからこそいい。
上でも下でもない場所に立って、
どちらの人にも近しい立場にいられるのが、社会福祉士という仕事なんだと思います。

「エリート」とは、他者との比較で生まれる価値。
でも「中間」は、現実に足をつけて生きることができる位置です。
社会福祉士の価値は、まさにそこにあります。

20代のころ、エリートに憧れていた

正直に言えば、私自身も若い頃は賞賛(エリートなどの評価)に憧れていました
周囲より優れていたい、勝ちたい、モテたい、お金が欲しい。
そんな欲求がありました。

もし当時「エリートだね」と言われていたら、
きっと鼻高々に喜んだと思います。

でも、もしそうだったら、今の自分はいなかったかもしれません。
きっとクライエントや患者さん、利用者さんを上から見てしまっていたでしょう。

「同じ人間なんだ」という感覚

支援の現場では、相手と自分の間に上下はありません。
少し状況が違えば、自分が相談する側になっていたかもしれない。
助ける側でありながら、助けられることもある。
そこにあるのは、相互の関係です。

この感覚は、「自分はエリートだ」と思っていたら決して得られなかった。
だから私は、社会福祉士はエリートじゃなくていいと思っています。

エリートじゃないからこそ、できる支援がある

社会福祉士は、エリートではない。
でも、だからこそ、クライエントと同じ目線の高さで景色を眺められる。
その強みがあります。

どうしても“エリート”を目指したいなら、
国家公務員や研究職など、立場や役職で上を目指すという選択肢もあります。

ただ、その世界に入った瞬間、
周りは「すごい人たち」ばかりなので、その中では“エリートではなくなる”んですよね。

私も公務員になったとき、最初は周囲から「すごい!」と言われました。
でも、働き始めたら誰も褒めてくれない。
すごい(と言われることもある)人たちの集団”に入った瞬間、すごくなくなる。

結局、エリートってそういうものなんです。
まるで近づいたら消える、蜃気楼のようです。

さいごに:資格とエリートは、リンクしない

弁護士や医師でも、エリートとは限りません。
その世界の中で「エリート」と呼ばれるのは、さらに一握りの人たちです。
つまり、どんな世界にいても、上を見ればきりがない。

社会福祉士も同じです。
資格を取った瞬間は誇らしくても、
”エリート”にこだわれば、その先にはまた別の評価や競争が待っている。

けれど、いつまでも誰かと競わなければならない人生の先に、本当に幸せはあるのでしょうか。
少なくとも私は、そうは思いません。

社会福祉士はエリートじゃない。
でも、エリートには見えない現実を見つめ、支援する仕事です。
比べることのない場所で、人と向き合い、自分と向き合う。
そこにしか得られない面白さがあります。

そして最後に、こんなふうに問いかけてみたいと思います。

あなたは、どんな自分でいたいですか?

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