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【簡単】障害支援区分認定調査員とは?なるには?【元調査員が解説】

障害支援区分認定調査員って何するの?なるにはどうしたら良いのかな?

こうしたギモンのある方へ。

 この記事の内容

  • 障害支援区分認定調査員とは?
  • 障害支援区分認定調査員になるには
  • 「相談支援専門員」と「障害支援区分認定調査員研修」について
  • 障害支援区分認定調査1件の委託料は6,800円・・・

私は某自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士です。元認定調査員で、現場経験はおよそ13年です。

障害支援区分認定調査員とは、「障害支援区分認定調査を行って調査票をまとめる専門家」です。

障害支援区分認定調査員になるには、2ステップです。

認定調査員になるには?

  1. 相談支援専門員等になる
  2. 都道府県が主催する「障害支援区分認定調査員研修」を修了する

認定調査及び認定調査員の基本原則
○ 障害支援区分に係る認定調査については、市町村職員又は市町村から委託を受けた指定一般相談支援事業者の相談支援専門員等であって、都道府県が行う障害支援区分認定調査員研修を修了した者(以下「認定調査員」という。)が実施する。
≫出典:障害者総合支援法における障害支援区分認定調査員マニュアルマニュアル

元調査員経験をふまえてシンプルに解説しますね。

【簡単】障害支援区分認定調査員とは?なるには?【元調査員が解説】

「障害支援区分認定調査」は、障害福祉サービスを使うには必ず受けないといけないものです。

この調査をするのが、障害支援区分認定調査員です。詳しくはこちらの「障害支援区分認定調査とは?【元調査員がカンタンに解説】」でわかります。

障害支援区分認定調査員とは?

障害支援区分認定調査をして、調査票をまとめる専門家

障害支援区分認定調査員は、「障害支援区分認定調査をして調査票をまとめる専門家」です。

調査票はどんな書式になっているか、イメージできるように一部ぬき出してみますね。

これらの調査票は、障害支援区分を決める重要資料です。

障害支援区分認定調査員の調査票は影響力大


≫出典:厚生労働省 障害者総合支援法における「障害支援区分」の概要(赤枠は私が入れました)

認定調査員のまとめた調査票の影響力は大きいです。「主治医の意見書」とセットになって区分の一次判定にかけられます。

障害区分認定調査の1次判定をシミュレーションするには?

認定調査を委託された事業者は、調査票をまとめた後でExcelなどの自動シミュレーションにかけて、区分を予測していたりします。私も使っていました。

ネット上でもシミュレーションできるWEBページがありますね。こちらからできます。
≫JJけあサービス 障害支援区分シミュレーション

判定結果画面。こうなると、だいたいは区分3の判定となる。

ケースバイケースでしょうが、私の経験では、1次判定の結果予測と最終的な認定区分は同じ、ということが多かったです。

つまり、「調査票の予測区分=最終的な区分」となっていた。

もちろん、主治医の意見書も検討されるし、最終的な区分決定は、二次判定(市町村審査会)で行われます。調査票だけは決まりません。

しかし、調査票は区分決定に大きな影響力があると思います。

障害支援区分認定調査員になるには?【条件2つ】

障害支援区分認定調査員になるには、2つの条件があります。
≫根拠法:障害者総合支援法第20条第2項

障害支援区分認定調査員になる条件

  1. 市町村 or 「指定一般相談支援事業者」の相談支援専門員等であること
  2. 都道府県が行う「障害支援区分認定調査員研修」を修了している

相談支援専門員?都道府県の研修?

1つずつ説明しますね。

市町村 or 指定一般相談支援事業者の「相談支援専門員」になるには?

相談支援専門員になるには、条件が2つあります。

相談支援専門員になる要件

  1. 実務要件(3~10年)
  2. 相談支援従事者初任者研修の修了

「実務要件」については、次の表でチェックできます。

詳しく知りたい人は、ジョブメドレーのサイトもわかりやすいのでご参考に。

「障害支援区分認定調査員研修」とは?

「障害支援区分認定調査員研修」は都道府県が行います。

残念ながら、誰でも受けられるわけじゃないんです。

受けられるのは、障害支援区分認定調査員の候補者だけです。

詳しくは各都道府県のホームページ等で告知されますが、受講要件が決まっています。

例えば、次のように告知されていますね。

受講者は、市町村が選定し道に申し込みをします。
引用元:北海道HP 障害支援区分認定調査員研修について

本研修の対象者は、市町村等(※)から委託を受けて認定調査に従事する予定の方が対象になりますので、受講申し込みは、各市町村等において行っています。
引用元:愛知県HP 認定調査員研修等について

市町村の推薦が必要なんだね。

障害支援区分認定調査は市町村から委託をうけて実施することになるので、研修を受ける人選は市町村がすることになっているんですね。

≫参考:厚生労働省:障害支援区分に係る研修実施ガイド

指定一般相談支援事業者は、市町村と委託契約をする必要がある

市町村職員ではない人が障害支援区分認定調査員になるには、事業者として各市町村と委託契約をかわす必要があります。

なぜなら、国の考え方は

国の人

障害支援区分認定調査は市町村職員がやってくださいね。これが原則。

というものだからです。「市町村職員ができない事情があるなら、信頼できる事業者に任せてください。」ということですね。

認定調査は、支給決定の基本となる重要な業務であり、その実施に当たっては、専門性に加え、中立性・公平性の確保が重要であり、安易に外部に委託することなく、まずは市町村職員による実施、あるいは認定調査の能力があると認められる者を嘱託職員として活用する等による実施を検討することが適当である。

引用元:厚生労働省HP 認定調査の委託の考え方

障害支援区分認定調査1件の委託料 = 最大6,800円

では、障害支援区分認定調査1件の委託料はいくらかというと、国基準では1件あたりの上限は6,800円です。
≫参考:厚生労働省HP 域生活支援事業の実施について

6,800円ってどうなの?高い?安い?

認定調査の委託料6,800円は、ハッキリいって安いです!

例えば、調査面談から調査票提出までにかかる時間を測ってみましょう。

行程所要時間
アポ取り5分
 家庭訪問(往路)30分
 調査面談1時間
家庭訪問(帰路)30分
 調査票作成3時間
合計5時間5分

あくまでサンプルですが、約5時間はかかります。

6,800円を5時間で割れば、時給を計算できますね。

1時間1360円ほどの稼ぎです。シミュレーションしてみましょう。

  • 6,800円 ÷ 5時間 = 1,360円(時給)

どうですか?1,360円って、十分でしょうか。

事業者はこの6,800円から、人件費や移動費用などの経費を差し引くことになります。

当然ですが、人件費は1時間あたり1,360円未満じゃないと赤字です。運営が成り立たなくなりますね。

もっというと、委託料6,800円ならまだ良いほうで、3,000円の市町村もあるんです。

実際、ネット上で検索すれば、委託費3000円の契約書がヒットします。

例えば愛知県日進市の委託契約書の第4条を見てみると、委託料は3,000円とされていますね。

第4条 甲は、調査の業務の委託料として、次に定めるところにより算定される額を、乙に支払うものとする。
調査1件当たり 3,000 円(消費税及び地方消費税を含む。)
≫参考:日進市 障害支援区分認定調査等業務委託契約書(案)

障害支援区分認定調査は営利目的の業務ではありませんが、あまりにも安いです。

福祉の仕事をしている人の善意が、食い物にされていると感じます。

障害支援区分認定調査員の待遇が改善されると良いなぁ・・・

障害支援区分・障害福祉サービスの理解を深めるには?

障害支援区分や障害福祉サービスの根拠法は、障害者総合支援法です。

法律の条文を読める方は、しっかり読んでおきたい。
≫参考:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律

「難しいのは苦手」という方には、↓の本は図解があってわかりやすくなっています。私も持っています。

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