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匿名で語る福祉ブログに、どう説得力を持たせるか――「何を語ったか」ではなく「何をやってきたか」

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福祉の現場で働いていると、
「それは理想論だよな」と感じる場面に、たびたび出会います。

きれいな言葉、正しい理念、筋の通った理屈。
どれも間違ってはいない。
けれど、現場は理想だけでは動かない

私自身、そうした言葉に救われたこともありますし、
同時に「それは現実には難しい」と感じる経験も重ねてきました。

だから私は、福祉の実践において
「何を語ったか」よりも「何をやってきたか」が、
言葉の説得力を左右すると考えています。

ただし、ここには一つの前提があります。
私は匿名で発信している立場にあり、
その「やってきたこと」を十分に証明できるわけではありません。

それでもなお、
特別な実績や肩書きを持たない一人の現場職員として、
なぜ私は福祉について語ろうとしているのか。

この記事では、その葛藤も含めて書いていきます。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働くソーシャルワーカー。児童相談所などで十数年の実務経験あり。
このブログでは、福祉を学ぶ人・働く人が明日から使える視点を持ち帰れるよう、現場の知見や考察をもとに発信しています。
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福祉の実践は「何を成したか」で説得力が変わる

福祉の実践というのは、何を成したかでその人の説得力が変わる世界だと私は思っています。

政治の世界もそうでしょうし、学校の先生の世界もそうでしょう。
福祉の仕事も同じで、言葉できれいなことを言うのは簡単ですし、理想を語るのも簡単です。

だから、言葉だけを語っている人の話には、どうしても「薄いな」という感覚があります。

一方で、本当に現場でやっている人の話には、自然と耳を傾けたくなります。
理想だけを語る言葉は、どうしても現実から浮いて聞こえてしまうのです。

だから、理想や理念だけを語るものには、私はあまり価値を感じません。

大事なのは、理想をどう現場で活かし、どう現実化していくかというプロセスであり、そのための試みや工夫、手法だと思います。
そこが欠けた理想は、やはり軽い。
私はそういう理想が好きではありません。

私は「何を成した人間」なのか?

とはいえ、これだけブログで発信していても、私自身が「何を成したのか?」と言われると、福祉業界で大きなことを成したとは正直思っていません。
多くの事業を立てたわけでもなく、賞賛されるような成果があるわけでもありません。

私はただ、現場でサラリーマンとして働き、福祉職として働き、社会福祉士・精神保健福祉士・ソーシャルワーカーとして仕事をしてきただけです。

現場では先輩から学び、書籍から学び、後輩に教え、後輩からも学び、ケースを通して人と向き合い、苦心し、悩み、苦しんできました。

その中にはやりがいや変化もあったし、辞めたいと思う時もありました。
その中で面白さや興味も見出してきました。

つまり、私はただ「やってきただけ」です。
経歴に大きく書けるような成果があるかと言われると、そうでもないと感じています。

普通の私だからこそ発信できる価値がある

いつか人生を人生を振り返ったときに「何を成し遂げましたか?」と問われると、正直かなり苦しいかもしれません。

目に見えてわかるような命題は、私にはないのかもしれません。
それは、私が多くの現場職員と同じ立場にいる人間だからです。

しかし、だからこそ、ここで私が発信する内容には価値があるのかもしれません。
特別な肩書きや派手な実績がない現場職員だからこそ、読者と近い距離で語れる。

福祉には専門書がたくさんあります。
大学教授や専門学校の先生、法人代表など、権威ある人たちが書いている本は、知識も実践値も豊富で倫理観も哲学もあり、私には書けない内容が多い。

しかし、勝ち負けではありません。
私には私が書けることがある。私が発信できる強みもある。

読者に近い立場の現場職員として、
「現場でどう考え、どう学び、理論をどう使い、リアルをどう捉えているか」
を語ることができる。
それだけで十分に価値があるのではないか。

読者がそこから自分に役立つものを選び取るのも自由ですし、「ああ、自分と同じように苦しんでいる人がいる」と感じることも価値だと思っています。

匿名で発信する「限界」と「工夫」

ただ、ずっと難しさを感じていることがあります。

「本当にお前は何かを成しているのか?語るだけの経験があるのか?」
という点について、私は何も証明できません。

ブログという媒体で匿名性を保ちながら発信している以上、
私は誰なのか、本当に現場で働いているソーシャルワーカーなのか、読者が確かめる手段はありません。

これはインターネットの利便性であり、限界でもあります。

私が匿名性を保つのは、支援しているケースに影響が及ぶ可能性があるためであり、名前や写真、声を明かせないのはそのためです。
結果として、「誰が発信しているのか」「何を成している人なのか」が分かりにくくなるのは避けられません。

福祉の世界では「何を成しているか」はとても大事です。
私が読者なら、それが気になります。
「本当にこの人はやっているのか」と。

だからこそ私は、プロフィールや記事の冒頭で経験年数や書いてきた記事数、所属してきた事業の概要を繰り返し書いています。
自慢したいわけではありませんし、好きな作業でもありません。

それでも、初めて来てくれた人には最低限の情報が必要です。
そうでなければ、そもそも読まれもしません。
そうした世界で発信すると決めた以上、私は歩み寄る必要があるのです。

「理想ではなく、実際にできること」を語り続ける

もし私が著名人であれば話は別ですが、そうなることはおそらくありません。
1人のソーシャルワーカーとして、一般的な立場から発信し続けることが、どんな影響をもつのかもわかりませんし、何か実を結ぶかどうかも正直わかりません。

それでも、私が大事にしたいことがあります。
理想ではなく、実際にできることをベースに話すこと。
それが、自分の言葉の説得力を高める唯一の方法だと思っています。

そして現場でも同じ姿勢でケースと向き合い、同僚と向き合いたいと思っています。

ただし、理想を忘れたくもない。
その間で、私はいつも揺れています。
その揺れを抱えたまま、私はこれからも記事を書いていきます。

この記事を書いた人
ぱーぱす

自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士|現場経験15年、地域・医療・行政の3つの立場を経験。ブログ歴6年、記事約350本。福祉職のキャリアや生活に役立つ実践的な情報を発信しています。

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