
調べるとか書くとか、ニガテだなぁ・・・
― 月2冊ペースで本を書く“知の巨人”に教わる ―
こんにちは、社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
福祉職の現場では「調べるのが苦手、書くのも苦手」という声をよく耳にします。
人とのやり取りは得意でも、書類や報告になると一気に苦手意識が出る――そんな方、多いですよね。
ある市役所の福祉担当の方が、こんな話をしていました。
「事業所さんが出してくる書類、不備が多くて…。
何回訂正しても残ってるから、こっちで直してるんです。」
……グサッときました。
私もブログを書いている身として、耳が痛い話。
そこで、「調べる・書く」について知の巨人・佐藤優に学ぼうと、この本を手に取りました。
「調べるのが苦手」な福祉職の方へ|佐藤優『調べる技術 書く技術』に学ぶ知の鍛え方
社会福祉士・精神保健福祉士に必要なのは「知識のアップデート」
佐藤優によると、「総合力は、基礎学力と専門知識のアップデート、それをもとにした思考力、人間関係構築力の三拍子」とのこと。
総合力は人間のなせるワザだと。
社会福祉士や精神保健福祉士にとっても、「知識のアップデート」こそが命綱です。
国家試験に受かったら終わりではなく、現場に出てからが本番。
でも現実は、プライベートを削ってまで勉強する余裕なんてないですよね。
そこで私なりの結論。
本当に困ったときに、その解決につながりそうな本を読むこと。
切羽詰まっているときほど、脳が「これは必要な情報だ!」と判断してくれる。
だから一番吸収しやすいのは“苦しいとき”なんです。
そう思えば、ハイパー勤勉な人になれなくても、十分戦えます。
「頭に残らない…」の正体は“基礎力不足”かもしれない
佐藤優によると「多くの場合、情報を自分のものにできないのは、基礎的な知識・教養が不十分なため」です。
「勉強してるのに覚えられない…」
そう感じるとき、実は基礎知識が足りてないだけかもしれません。
佐藤氏がすすめる基礎科目は、
- 日本史A
- 世界史A
- 政治経済
- 数学Ⅰ・A
つまり、“教養の地盤”を固めることが、情報を定着させる近道。
福祉の世界のニュースや法改正も、背景がわかれば理解が深まります。
といっても、私も苦手なんですけどね。覚えてもすぐに忘れてしまう(苦笑)
「自分の頭で考える」力をどう鍛えるか
福祉の現場には、正解がない問いが多いですよね。
社会福祉士の倫理綱領でもこうあります。
(説明責任)社会福祉士は、クライエントに必要な情報を適切な方法・わかりやすい表現を用いて提供する。
引用元:社会福祉士の倫理綱領 2020年6月30日採択 倫理基準Ⅰ-4
でも「適切な方法」とは何か?
それは自分で考えなければならない。
相手の年齢、障害特性、心理状態、理解度……。
つまり、状況に応じて“考える力”が求められる職業なんです。
だから疲れたとき、皿洗いやデータ入力みたいな“考えなくていい作業”に逃げたくなる(笑)
でも、現場で生き残るには自分の頭で考えられる人になるしかない。
そのために大事なのが批判的思考(クリティカルシンキング)。
Aだけでなく、B・C・Dと複数の視点を持つこと。
いろんな人の意見や支援スタイルを知ることが、考える力を鍛えます。
「自分の頭で考える」はセンスではなく努力で育てられる。
凡人でも、まだまだ伸びしろありということです。
お金の「取り分け方」にも哲学がある
ちょっと逸れますが本書では、佐藤氏のお金の扱い方にも触れられています。
貯める・殖やす・残す の3区分が基本。
区分 | 内容 | 補足 |
貯める | 日本国債 or 現物の金 | 手間をかけて引き出しにくくする |
殖やす | 配当狙いの株式投資 | 売買でなくホールド重視 |
残す | 家族・パートナーへ | 口座分けや保険で準備 |
本書では「投資信託はすすめない」という主張があります。
ボッタくりの投資信託が多いのは事実ですから、調べる姿勢が欠かせません。
ちなみに我が家はNISAやiDeCoで投資信託を買っています。
福祉職は収入が爆発的には上がりにくい分、地に足のついた“殖やし方”を身につけることが大切だと思います。
私はこちらの本で勉強しました。わかりやすいし読みやすくて、おすすめです。
料理とブログ、そして福祉
佐藤優はこう言います。「料理とは、ひとことでいえば付加価値を与えるということだ。」と。
これ、私にはブログや福祉支援にも通じると思いました。
素材(情報・制度)は誰でも手に入る。
でも、それを整理し、分かりやすく伝え、読んだ人が「助かった」と思えるようにする。
それが“付加価値”です。
私のブログも、福祉に関心のある方が、
「読むことで少し楽になる」「役立つことがある」
そんな価値を感じてもらえるよう、これからも書き続けていきたいです。
まとめ:調べて、考えて、伝える。福祉職こそ“知の職人”に。
『調べる技術 書く技術』は、単なるノウハウ本ではありません。
知を磨き続ける姿勢そのものを教えてくれる一冊です。
だから、手っ取り早いコツを求める人には、少し物足りなく感じるかもしれません。
けれど、福祉職にこそ必要なのは「調べる」「書く」「考える」力。
苦手意識を少しずつほどきながら、自分の言葉で現場を描いていけるようになれたら素敵ですね。
それではまた!
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