- 共同生活援助は区分なしでも使える?
- グループホームに必要な障害支援区分は?
- 共同生活援助と障害支援区分の関係は?
こういった疑問のある方へ。
- グループホーム(共同生活援助)を使うには障害支援区分の認定が必要?
- 外部サービス利用型と介護サービス包括型とは?
- グループホームに入居できない2つの理由
私は社会福祉士・精神保健福祉士として働いています。現場経験は約10年です。計画相談や障害支援区分認定調査員の経験があります。
グループホームは障害福祉サービスのひとつ。共同生活援助ともいいます。この記事は以下の2つのギモンに答えていく内容です。
障害支援区分認定調査で「非該当」と判定された方でも「グループホームに入れない!」と焦る必要はありません。
「非該当」でも入れますし、「区分6」でも入れます。区分は関係ないです。
ただし、障害支援区分を理由に入居を断られることはあります。
今回はそのあたりをくわしくお話する記事ですので、
この記事が役立つ方・グループホームへの入居をご検討の方
・支援者の方で、グループホーム(共同生活援助)の利用条件が知りたい方
上記のような方に役立つ内容となっております。それではまいりましょう!
グループホームに障害支援区分は必要?【社会福祉士解説】
まず前提として、グループホームの利用が、はじめての障害福祉サービス利用の時は、障害支援区分の認定調査は必ずうけることになります。下記の記事で解説しています。
つまり、通常、認定調査はうけることになりますが、区分の認定までいるかどうかはケースバイケースということです。
グループホームを利用するには障害支援区分の認定がいるのか?
グループホーム(共同生活援助)は訓練等給付です。原則として、訓練等給付は障害支援区分の認定がいりません。
でも、グループホームは例外で、障害支援区分の認定が必要な場合があります。
必要な場合とは以下の2つです。
区分認定が必要な場合2つ
- 利用者が介護サービスの利用を希望している場合
- 利用者の状況等から、介護サービス利用が必要な場合参考:共同生活援助利用者の障害支援区分認定について(通知)
なお、区分の認定を受けなかった場合は、障害支援区分は「非該当」として支給決定されます。
実際、グループホームの利用者の多くが非該当です。外部サービス利用型では、区分無しの方が約7割以上です。参考:障害福祉サービス等について – 厚生労働省
区分なしが7割!?ってか外部サービス利用型ってなんや?
グループホームは2種類あるんだ。外部サービス利用型と介護サービス包括型。
外部サービス利用型と介護サービス包括型とは?
グループホームの別名が共同生活援助です。そのグループホームには2種類あります。
外部サービス利用型と介護サービス包括型で違うポイントはいくつかありますが、重要なのは「介護サービスをしてくれるのは誰か?」ということです。
「外部サービス利用型」だと、原則、入居している人が介護サービスをうけたい時は、外部の事業所からホームヘルパーにきてもらうことになります。
いっぽうで「介護サービス包括型」だと、原則、入居している人が介護サービスをうけたい時も、グループホームの職員が介護サービスをしてくれることになります。
グループホームを利用するには障害支援区分の条件があるのか?入居できない2つの理由
制度上は、グループホーム(共同生活援助)に障害支援区分の条件はありません。
でも、区分を理由に入居を断られることはあります。
つまり、「制度上は障害支援区分に関係なくグループホームに入れるけど、実際のグループホームに入れるかどうかは別」ということです。
「障害支援区分を理由にグループホームの入居を断られた!」ということがあるのはそのためです。
なぜ断られることがあるのでしょうか?ここからは私の経験から2つの理由をお伝えします。
障害支援区分によってグループホームに入る報酬が違うから
障害支援区分は、区分無しが最も軽く、区分6が最も重いイメージとなります。
それで、この障害支援区分の重い人ほど報酬が高く、逆に、障害支援区分が軽い人ほど報酬は低くなっています。
なので、「障害支援区分が重いほどグループホームに入るお金が多くなり、軽いほどグループホームに入るお金は少なくなる」ということです。
とは言え、一般的に考えると障害支援区分が重いということは、支援も人件費もよりいっそう必要です。グループホームの報酬が高くなるのは当然でしょう。
いっぽうで、障害支援区分が軽ければ、それだけ支援の手がはぶけて、人件費も浮きます。「だったら報酬も安くて良いよね」というシステムになっています。
ちなみに「報酬」と言ってきましたが、専門的には「報酬単価」とよばれるものです。
各都道府県に国民健康保険団体連合会(国保連)というものがありまして、グループホームが国保連にお金を請求するシステムになっています。
そのときの報酬をきめるのが「報酬単価」ということです。
グループホームの報酬単価は以下のPDFをみてもらうとわかります。
PDF:厚生労働省 障害福祉サービス費等の報酬算定構造(共同生活援助)
区分ごとに報酬が変わっていますよね。非該当は「区分1以下」の報酬単価なので、一番安い。
要はお金の問題です。グループホームの経営がかかっている問題です。
なので現実問題として、障害支援区分は必要ないのに、いざ利用しようと思うとグループホーム側から「区分〇以上の方でないと受け入れできません。」みたいな返事をされることがあるのです。
そもそもグループホームの報酬は高くありません。厳しい経営状況におかれているところが少なくありません。それゆえ、グループホーム自体が不足しがちです。
グループホーム側が利益を追求しているというよりも、グループホーム側の経営上の切実な問題が横たわっていると考えた方が良いかもしれません。
グループホーム側の支援力では受け入れられないから
障害支援区分によって入居が断られる理由の2つ目は、支援力の問題です。これは、障害支援区分の高い方の場合にあることです。
障害支援区分が高いということは、グループホーム側にとっては支援の質も、量も要求されるということです。
そんなときに、「グループホームの人手が足りない」とか「専門的に介護サービスのできる職員がいない」となれば、入居をお断りせざるを得ないというわけです。
福祉の業界は慢性的に人手不足です。理由はいろいろありますが、給料や年収が安いことは大きな理由でしょう。
仕事は大変だったり過酷だったりするのに、その分のリターンが見合っていないのです。
人材離れが慢性的な課題なので、人手は不足するし、スキルアップもなかなかできない課題があるわけです。
グループホーム利用に障害支援区分は必要か?【まとめ】
最後にもういちどまとめておきます。
コメント