社会福祉士やソーシャルワーカー、精神保健福祉士などの相談支援職が、転職サイトを使わずに転職しようと思ったら、どんな方法があるの？
こうした疑問に、本音でお答えする記事です。
社会福祉士や精神保健福祉士として転職を考えたとき、
「転職サイトを使わないと無理なのでは」と感じる方は、決して少なくないでしょう。
ですが実際には、転職サイトを使わずに転職している人も多く、私自身もその一人です。
この記事では、現場で働いてきた立場から、転職サイトを使わない社会福祉士・精神保健福祉士の現実的な転職ルートについて、体験を交えながら整理していきます。
私自身は、転職サイトを使わずに2回、転職をしています。
1つは、過去の実習先に応募し、合格しました。
もう1つは、公務員試験を受け、こちらも合格することができました。そして現在に至ります。
だから、社会福祉士や精神保健福祉士、ソーシャルワーカーは、転職サイトを使わなければならないのかというと、決してそんなことはありません。これが、まず押さえておきたいリアルです。
私はこのサイトで、おすすめできる転職サイトや転職エージェント、考え方やガイドも紹介しています。
ただし、それはあくまで「使う人」に向けた内容です。
必ず使うべきだとは、まったく考えていません。なぜなら、私自身が使わずに転職してきたからです。
社会福祉士・精神保健福祉士が転職サイトを使わない場合、どうやって転職しているか？
それで、具体的にどんな転職方法があるかというと、こちらの記事で統計をもとにランキングにしてあります。
▶社会福祉士の仕事の探し方・就職＆転職方法ランキングTOP10【統計調査より】
| 順位 | 方法 | 割合 |
| １位 | 友人・知人からの紹介 | 21.6％ |
| ２位 | ハローワークの無料職業紹介 | 18.7％ |
| ３位 | その他 | 16.7% |
| ４位 | 民間の職業紹介、就職情報誌、求人チラシ、求人情報サイト等 | 13.4％ |
| ５位 | 学校・養成施設等での進路指導 | 10.9％ |
| ６位 | 法人・会社の求人（就職説明会等） | 9.3％ |
| ７位 | 行政広報誌（区報・市報等） | 7.6％ |
| ８位 | 実習・施設見学・ボランティア | 5.5％ |
| ９位 | 福祉人材センターの無料職業紹介 | 4.9％ |
| １０位 | 前の職場からの紹介 | 3.2％ |
友人や知人の紹介という転職方法が多いのは、実際のようですね。
なぜ「友人や知人の紹介」が多いのか
どうして友人・知人からの紹介が多いかというと、やはりこの福祉の仕事っていうのは、筆記試験や1回の面接だけでは掴み切れないものが、何より優先されるからです。
それが人間性であるとか人柄、「一緒に働きたいと思える人か」というところなんですよね。
勉強ができるかどうかよりも、とにかく人柄、姿勢、やる気、そういったところが評価されている。
実際、この相談支援の仕事についていたら感覚的にもわかると思います。
文章は確かに書きます。
いろんな記録、新記録、計画表、サービス利用計画、調査票。
児童相談所なら、さらに文章仕事は多くなります。
でもやっぱり、「しゃべってなんぼ」の仕事なんですよね。
相談支援は「ライブ感」のある仕事
一番その時間が表れるのは、喋っているときのライブです。
会話をして、人と共同する時間がとても多い仕事ですよね。
個人プレイでは決してできない仕事ばかりです。
だから、内部での人間関係はもとより、クライエント、利用者さん、患者さんとの関係が築ける人間かどうか。
さらに、関係機関とも大きなトラブルなく、対立ばかりにならない仕事ができる人間かどうか。
そういうところが見られているんだと思います。
でもそれって、1回の筆記試験じゃわかりませんし、正直、国家試験に受かって国家資格を持っているだけではわからない。
国家資格は、筆記試験に受かれば取れます。そこに面接はありません。
人柄や、実際に相談支援ができるかどうかは、わからないわけですよね。
あくまで「相談支援をやるための知識は持っているだろう」という前提があるだけ、ということです。
「紹介」は一番確実な情報
だから何よりも、「今まで会ったことがあるのか」「どんな人なのか」という点では、紹介されることが一番確実なんですよね。
これって、彼氏彼女やパートナーを探すときに「良い人紹介してよ」と友達に聞く心理に近い。
合コンもそうでしょうが、ある程度「身元がわかっている状態」で出会いたい、という感覚です。
募集する側からすれば、「この人が言うんだから大丈夫そうだ」と思える。
就職する側としても、すでに知っている人が働いている場所なら安心できる。
内情もリアルに聞けるので、お互いに安心なんですよね。
だから、どの業界でも友人・知人の紹介は多いですし、特にこの社会福祉士・精神保健福祉士・ソーシャルワーカーの業界では、転職サイトを使わないなら、この方法がメインになりやすいと思います。
紹介ルートがない社会福祉士・精神保健福祉士はどうするか
とはいえ、紹介してくれる相手がいない人もたくさんいると思います。
私自身も、転職で紹介を使ったことはありません。
自分で開拓して転職してきた、という経過です。
実習・アルバイト・ボランティアの力
例えば、過去に実習に行っていた、アルバイトをしていた、ボランティアに行ったことがある。
これはとても大きな要素になります。
人柄がすでにわかっているから働いてもらいやすい。
筆記試験や面接だけでは見抜けない人となりが見えている。
だからお互いに働きやすく、転職もしやすいわけです。
「自分にはそういう選択肢はないだろうか？」と、改めて振り返ってみるのも1つだと思います。
もし余裕があるなら、興味のある法人や病院がやっている休日ボランティアなどに参加してみる。
下心なく、「ちょっと関わってみる」くらいの感覚でやるのは、メリットがあります。
内部の雰囲気も見られますし、こちらとしても安心して入職しやすくなります。
社協の「福祉のお仕事」という選択肢
転職サイトや転職エージェント以外の方法として、「福祉のお仕事」という、福祉版ハローワークのようなサービスがあります。これも結構使われています。
実際、社会福祉士が転職した方法としては9位に入っているので、のぞいてみる価値はあると思います。
私が転職サイトをおすすめしている記事でも、「まずはこれを使ってみては」と紹介しています。
転職を無理に進めてくる感じもなく、営業感やうさん臭さはあまりないでしょう。安心して使いやすいサービスだと思います。
ハローワークも選択肢ですが、福祉業界に詳しくない方が多い印象はあります。
私なら、ハローワークより「福祉のお仕事」を使いたいですね。
直接応募・学校経由という方法
あとは、興味のある法人・病院・会社のホームページを直接見て、募集していればダイレクトに応募する方法です。
また、卒業した大学や専門学校に求人が届いていることもあります。これも立派な情報源です。
私も初めて転職したとき、卒業した大学に戻って「何か求人ありませんか？」と聞いた覚えがあります。
当時は精神保健福祉士として転職したかった。
精神保健福祉士の求人は一般に出ていないことが多いと聞いていたからです。
求人は「信頼経由」で流れる
求人というのは、信頼できる人を経由して流れることが多いです。
だから一般公開されない、いわゆるクローズドな求人も多くなります。
「この人経由で、誰かいい人いませんか」という形で紹介が広がっていく。
そういう構造があるんですよね。
だから、人脈が広いのはそれだけで強みですし、今すぐ動けなくても、周りの人に声をかけてみるのは1つです。
「転職を考えていて」と知人に話してみると、案外情報を持っている人がいます。
私も、昔ボランティアで知り合った先輩から、思わぬ情報をもらったことがありました。
社会福祉士・精神保健福祉士の公務員という選択肢
ほかにも、法人の建物前に「募集中」と貼り紙があることもありますが、転職サイトを使わない方法としては、行政・公務員系への転職もあります。
公務員系は情報をまとめてくれているサイトがあり、かなりありがたい存在です。
転職活動がしんどくなる理由
正直、転職って自分から情報を取りに行かないと、なかなか集まりません。
だから疲れるんですよね。
転職を考えるときって、職場で疲弊していたり、人間関係がしんどかったり、メンタル的に追い詰められていることも多い。
働けないくらい追い込まれている人もいると思います。
私にもそうした経験があります。
だから、そんな状態で転職サイトや転職エージェントを複数使って精力的に動くのは、現実的にかなりきつい。
最後に：転職サイト・エージェントは「厳選」でいい
そういう意味も含めて、転職サイトやエージェントを使うなら、厳選したほうがいいと思います。
（そもそも「転職サイト？」「転職エージェント？」「何が違うの？」という疑問から始まるのが普通ですし、その整理だけで疲れてしまいますよね）
転職に人が介在すると、
気遣いと情報が増えすぎると判断がぶれやすくなりますし、選択肢が多すぎると、決定した選択に後悔しやすくなる――そんな逆説的な事実もあるからです。
私のサイトでは、立場別におすすめのエージェントやサイト、転職までの流れや考え方をまとめています。
社会福祉士・精神保健福祉士・ソーシャルワーカー、それぞれに向けて書いていますので、検討されている方は、こちらもあわせてご覧ください。
あなたの今後が、あなたの希望に合ったものへと変わっていくことを願っています。
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