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私は、同僚に何度も救われてきた|児童相談所で働き続けられている理由

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児童相談所で働いていると、「誰に支えられてきたか」を振り返る瞬間があります。

上司や先輩に助けられてきたことは、これまでの記事でも書いてきました。
▶ 私のソーシャルワーカー人生を変えた6人のモデル【14年の歩み】

そのうえで、今回は少し違う視点から、私自身を支えてきた存在について書いてみたいと思います。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働くソーシャルワーカー。児童相談所などで十数年の実務経験あり。
このブログでは、福祉を学ぶ人・働く人が明日から使える視点を持ち帰れるよう、現場の知見や考察をもとに発信しています。
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私を支えてくれた同僚の話

私は過去に、自分の人生を変えるほどの影響を与えてくれた上司や先輩たちを記事にまとめました。

一般的に「人が人から教わる」というと、先輩や上司、先生など、上の立場の人から教わることが多いと思います。

でも、人が成長していく過程では、同僚、つまり「共に働く人」の存在がいると、それはものすごく強みになるし、大きな支えにもなります。

縦でも上でもない、横の関係に救われることがある

縦でも上でもない、斜めの関係。
横の関係。
指示命令系統にない、枠外の人たち。

そういう存在に救われることが、確かにあります。
私自身が救われていると感じるのも、まさにそういう部分です。

縦の関係は、職務上の命令や役割として与えられていることがほとんどです。
上司と部下という指示命令系統の中で、自由ではなく、役割として決まっている関係。そこに個人としての好き嫌いや相性は、基本的には関係ありません。

サラリーマンとして、組織の一員として、その枠の中でやっていかなければならない。
「選んでいるわけではない関係性」だと思います。

役割が終われば、関係も終わることがある

だから、役割が解消されたら、役職が変わったら、関係性が変わったり、消えたり、疎遠になったりすることは普通にあると思います。

仕事をやり続けて役職がついた。
偉くなった。
社長になった。

でも、辞めたら一気に関係がなくなった。

そういう話が、世の中で言われる「サラリーマン男性の孤独な老後」につながっていくのだろうな、と私は思っています。

横の関係を、なかなか作れなかった過去

振り返ると、私は横の関係をなかなか作ってこられなかったと感じます。

「自分の感性と違うな」と思う人が、いつも一定数いて、少し寂しいなと思いながら働いていました。
切磋琢磨しながら働いている人たちを見ると、うらやましいなと思うこともありました。

「自分にも、そういう存在がいればいいのに」

そう思っていました。

今、支えてくれる同僚がいる

その一人には、本当に自分が厳しいときに支えてもらいました。
仕事の感覚や感性も合います。

例えば、児童相談所の仕事は、正解のない事柄について決断を繰り返す、時にとても孤独な仕事です。
だからこそ、誰かに聞いてもらわないとやっていけません。

もちろん、感じ方や受け取り方は人によってずれることもあります。
それでも、その感覚が合う人が一人いるというのは、私にとって本当に大きなことです。

「助言」ではなく、「ただ聞いてもらえる」こと

結局のところ、大事なのは「ただ話を聞いてもらえる」という関係性なのだと思います。

指示命令が欲しいわけではありません。
助言やアドバイスが欲しいわけでもありません。

ただただ、聞いてほしい。
自分が抱えているケースの話を、聞いてもらいたい。

上司相手だと、どうしても「上司としての意見」「助言」を言わなければならない状況になりやすい。
それはそれで得られるものもありますし、必要な場面では私もそうします。

ただ、タイミングが合わなかったり、やりとりの中で「まだ思うところ」が残ったりする。
そうしたとき、胸の内を語れる相手が必要になります。

そこで、同僚の存在に救われるのです。

同僚に救われて、働き続けている

私は何度も何度も救われてきました。
私が児童相談所で働き続けられている大きな理由の一つも、ここにあると思っています。

同僚の支えがあってこそ、今も働けています。

ただ、こうした存在を得るのは簡単ではありません。
維持するのも簡単ではありません。

仕事の中で得たつながりである以上、今後も変化し得る関係性だという危うさはあると思います。
だから、つなぎとめる努力はしたいです。

大人になってから関係を作る難しさ

学生時代なら、小学校、中学校、高校と、同じ環境で友達ができて、今もつながっている人がいる。
私にも少ないですが、そういう人はいます。

でも、大人になって、仕事をしながら新しく関係を作っていくのは、正直カンタンではありません。
私はほとんどできた試しがなく、大学生の頃で止まった感覚があります。

それが今、改めて「いろいろ話ができる人」ができました。

自分のスタンスを変えたこと

どうして、そういう関係ができたのかを考えると、やはり自分のスタンスが大きかったと思います。

自分をごまかす生き方。
調和を優先して、本心を秘める生き方。
思っていることはあるけれど、行動を変えない生き方。

そういう選択をしている間は、深いつながりができにくかった気がします。
関係は、浅いところで終わっていく。

大人の世界でトラブルを避ける、しなやかで軽やかな身の処し方。
いわゆる、ビジネスライクな生き方です。

それも一つの正解だと思います。
多くの大人は、そうやって生きているはずです。

その分、新たな友達はできにくいかもしれませんが、余計な諍いも起きにくい。
車間距離がしっかり開いた関係性、そんなふうに例えられると思います。

「自分が正しいと思うことをやる」と決めた

でも、ある時から私は、「自分が正しいと思うことをやろう」と思いました。
自分の気持ちは、出せる限り出していこうと決めました。

これは、人に勧めるものではありません。
あくまで、私自身の選択です。

自分のスタンスを出すと、目立つこともありますし、浮くこともあります。
しっかり開いた車間距離を、あえて縮める。
わかっていながらぶつかる。

当然、「大人らしくない」「子どもっぽい」「スマートではない」と見られる場面も出てきます。
それを強いストレスに感じる人もいるでしょう。

ただ私は、仕事での立身出世や、他者からの評価を重視しなくなりました。
何のために、児童相談所で児童福祉司として働き続けるのか。
それは、お金を稼ぐためなのか。

考えてみると、「どう生きるか」という問いの答えが、仕事の中にあるのだと気づきました。
だから私は、自分が納得できる仕事をすると決めました。
心にない仕事はしない、と決めたのです。

今から公務員試験をもう一度受けたら、落ちるかもしれません。
組織で働くのであれば、従順で没個性的なほうが好かれる場面もあるでしょう。

私も一度は、そうしたスタンスで身を潜めてきました。
でも結局、根本的なところは変わっていませんでした。

抑え込んでいた自分のカラーを、少しずつはっきりさせ始めました。

その結果、気持ちは楽になり、やりがいも感じられるようになりました。

身を潜めたところで、人の根本はそう簡単には変わりません。
私には、そういう頑固な部分があったからこそ、ここまでこの仕事を続けてこられたのだと思っています。

スタンスが、人を引き寄せる

そういう仕事のスタンスや働き方、発言を見ていた人たちが、自然に声をかけてくれるようになりました。
そして私も、彼らに信頼を置くようになりました。

感性も、少しずつ合っていった。
たぶん、そういうプロセスだったのだと思います。

深い関係には、自己開示が必要だと思う

結局、深い関係を作るには、自分の気持ちに正直であること。
そして、それを開示していくスタンスが大切なのだと感じました。

人によって、やり方は違うと思います。
ただ、ある程度の「軸」や「個性」が見えないと、人はなかなか寄ってこない。
深い関係には、なりにくいのだろうなと私は思っています。

態度やスタンスを鮮明にすると、離れていく人も明らかになります。
味方ができる一方で、距離を取る人も出てくるということでもあるでしょう。

外交に例えるなら、中立を貫けば、つながりは強固にはならない代わりに、争いは避けやすい。
一方で、同盟を結べば、つながりは強固になりますが、敵国も現れます。

もちろん、浅い関係のままでも、人間関係を作るのが上手い人はいます。
それは傷つくことを回避できますし、それも一つの関係性だと思います。

ただ、「仲良くなる」ということは、やはり簡単ではないのだろうと思います。

支援の現場でも、同じことをしている

私たちが支援で意図的に自己開示を行うのも、結局は同じです。

人は、「その人自身が見えたとき」に、心を許すことがあります。
厳しいことばかり言う人にも、悩みや苦しみ、別の側面が見えたとき、人はその人を多層的に理解するようになります。

単一ではない感情を抱くようになる。
私はそう思っています。

救われているから、支えたい

話がずいぶん広がりましたが、私は同僚の一人に、とても救われています。
そして、彼が苦しんでいるときには、しっかりサポートしたいと思っています。

どうすれば、そういう存在ができるのか。
巡り合わせも大いにあると思います。

ただ、私の経験から一つ言えるのは、「自分のスタンスを出していく」ということです。

スタンダードに合わせる。
無難に合わせる。

それだけだと、浅い関係、ビジネスライクな関係しか残らない気がしています。

これは、あくまで私の場合です。
人によって違うと思います。

それでも、何か一つでも参考になるものがあればいいなと思っています。

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