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精神保健福祉士とPSW(精神科ソーシャルワーカー)の違いとは?【現役解説】

精神保健福祉士とPSWって違うの?

同じ意味で使われるけど、厳密には違う言葉なんだ。

 この記事の内容

  • 「精神保健福祉士」と「PSW」の違いについて

こんにちは!精神保健福祉士・社会福祉士のぱーぱすです。

精神保健福祉士って、PSW(精神科ソーシャルワーカー)とも呼ばれますよね?違いはあるんでしょうか?

答えはこの図のとおりです。

呼称資格要件
精神保健福祉士精神保健福祉士
PSW(精神科ソーシャルワーカー)なし

精神保健福祉士資格を有する人だけが、精神保健福祉士です。

PSWは、精神保健福祉士よりも広い概念、かつ、精神保健福祉士を含んでいます

どうして!?

「”精神保健福祉士もPSWも一緒だ”って紹介してるサイトを見たけど?」という方もいるでしょう。

確かにそうしたサイトはあります。おそらく、精神保健福祉士の成り立ちを知らない人(業者とか)が書いているのでしょう。

困ったことに、リアルにおいても、PSWと呼んでも精神保健福祉士と呼んでも、モンダイなく伝わったりします。

それで、意識せず同じ意味で使っている人が増えているかもしれません。

しかしこの記事では、厳密なレベルで話します。精神保健福祉士の成立ちにかかわる大切なポイントだからです。

精神保健福祉士やPSWは、言葉をつかって成り立ちます。相手の発する言葉、こちらの発する言葉は、意思疎通の精度を高めるために、注意を払う必要があります。

私たちは言葉をあつかうプロであらねばなりません。

だからこそ、ふと「精神保健福祉士とPSWって何か違うんだろうか?」とギモンに思ったあなた!

「言葉」の違いにアンテナを高く張っているあなたは、専門職としてのセンスありです。(偉そうにすみません)

自信をもって、この記事を読み進めてください。

精神保健福祉士とPSW(精神科ソーシャルワーカー)の違いとは?【現役解説】

精神保健福祉士は「国家資格」の保有者のみ

PSW(精神科ソーシャルワーカー)という名前は、資格がなくても使えます。

精神保健福祉士資格はないけど、PSW(精神科ソーシャルワーカー)として働いている人もいます。

でも、精神保健福祉士という名前は、資格がある人だけ使えます。

PSW(精神科ソーシャルワーカー)は資格ではなく『役割』を意味する

PSWは「Psychiatric Social Worker」の略です。頭文字をとってPSW。

日本語で言うと、「精神科分野で社会福祉を専門とする人」という意味です。

「じゃあ、精神保健福祉士とPSWは同じじゃないの?」と思うかもしれません。でも、実はそうではありません。

なぜなら、PSWは資格ではなく役割の名前だからです。

資格があってもなくても、精神科分野で働いている人はPSWと呼ばれることがあります

では、どうしてこんなことになったのでしょうか?それは歴史的な理由があります。

PSW(精神科ソーシャルワーカー)と精神保健福祉士の歴史

先にできたのは、精神保健福祉士よりもPSWです。

PSWは1950年代から存在していました。1950年は精神衛生法が制定された年ですね。戦後の時代で、精神障害のある方々の支援が必要でした。

この時代、PSWは医療チームの一員として活躍してきましたが、当時のPSWには資格制度がありませんでした

そのため、精神科領域で働いているワーカーは、誰でもPSWと名乗ることができました。

そして、PSWの方々が活躍し続けて50年近く経った1997年。精神保健福祉士の国家資格が誕生しました。

まとめ

  • 1950年代 PSWが誕生
  • 1997年  精神保健福祉士の国家資格が誕生 PSWが国家資格化される動きとなる

精神保健福祉士の資格制度ができたからと言って、これまで活躍してきたPSWが消えたわけではありません。

「精神保健福祉士の資格はもっていないけど、PSWとして働き続けている」という方がたくさんいました。

それで今でも、精神保健福祉士のことをPSWと呼ぶ人がいるのです。

昭和39(1964)年、日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会が発足して以来、PSWという呼称が普及しました。

当初から、PSWは必ずしも精神科病院あるいは総合病院の精神科と領域を限定するものではなく、精神科医をチームの構成メンバーとして成り立つ病院、施設等に所属するソーシャル・ケースワーカーを、PSWと呼称することを期待したのです。

当時、大学等で福祉を専修し卒業した児童福祉司、家庭裁判所調査官、保護観察所保護観察官等は、精神科医とチームを組んで、クライエントにかかわるPSWであると規定しました。

以後、PSWは医療・福祉・司法そして地域コミュニティの事業所等、多領域にわたって、その職域を広げてきました。

引用元:PSW通信No.208 PSWという名称を考える 柏木昭氏

まとめ

PSWと精神保健福祉士は違います。

精神保健福祉士を含む概念が、PSWです。

その違いは、精神保健福祉士資格の有無です。

呼称資格要件
精神保健福祉士精神保健福祉士
PSW(精神科ソーシャルワーカー)なし

要点

  • 精神保健福祉士という名称は、国家資格のある人だけが使える(名称独占資格だから)
  • 国家資格はないけど、PSW(精神科ソーシャルワーカー)として働いている人がいる
  • 精神保健福祉士資格があってもなくても、精神科分野で働いている人はPSWと呼ばれる

※2021年10月30日追記

精神保健福祉士協会によって、PSWの略称は『MHSW(メンタルヘルスソーシャルワーカー)』へと変わりました。

PSWという呼称は、今後は使われなくなっていくでしょう。

PSWからMHSWへの名称変更には、賛否両論がありました。反対意見を聞くと、PSWの『P』に込められた意味の重さがわかりますね。

したがって、精神保健福祉士の名称にまつわる流れとしては、このようになります。

まとめ

  • 1950年代 PSWが誕生。現場で活躍しはじめる。
  • 1997年  精神保健福祉士の国家資格が誕生。PSWは国家資格化され、精神保健福祉士の略称が、PSWとされるようになる。
  • 2021年  精神保健福祉士の略称は、PSWからMHSWへと変更される。

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