精神保健福祉士実習はあなたの世界観を変える【体験談&メッセージ】

しゃふく・PSWの実習
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精神保健福祉士の実習うけてどうやった?

世界観が変わった。

一言でいうならな。

こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。

皆さんは精神科病院の中に入ったことがありますか?きっと、ほとんどの方は無いと思います。精神科病棟の中は、知る人ぞ知る世界であり、テレビなどで公開されることはほとんどない世界です。

私は精神保健福祉士実習で病棟内に入りました。実習を受けたのは10年以上前です。けれど、強烈な実習経験だったので記憶は残っています。

実習を振り返って思うのは、精神科病院での実習は、精神保健福祉士・PSWの使命に触れる機会ということです。つまり、人権の課題を目の当たりにする機会です。大学や専門学校の講義のようなキレイな話ではありません。矛盾だらけ、理不尽だらけです。

私の世界観の変化は次のようになります。

実習前

世の中は案外うまく回っているし、課題・矛盾は適切に対処されている。

実習後

世の中には知られていない課題・矛盾があるし、人はそれらを見過ごす。

こんな具合に変わりました。実習前の世間知らず感、ハンパないですが・・・。どうして私の世界観が変わったのか?今回はその実習経験をまとめた記事です。

まだ精神保健福祉士実習を受けていない方にとっては、精神科病院実習の事前知識が得られるでしょうし、心づもりができるようになるはず。

この記事は次のような方に役立つイメージです。

  • 精神保健福祉士に関心のある方
  • 精神保健福祉士の実習をうける方

それではまいりましょう!

精神保健福祉士実習はあなたの世界観を変える【体験&メッセージ】

精神保健福祉士になるには必ず受けることになる実習。しかもその精神保健福祉士実習では、精神科病院などの医療機関での90時間以上(約12日間)が必須です。

その精神科病院での実習で、特に印象に残っていることをまとめて伝えます。

精神科病院での実習で世界観が変わった体験

10年以上前のことです。大学生だった私は、精神保健福祉士実習を、地域活動支援センターと精神科病院の2か所でうけました。

地域活動支援センターの実習は受け入れやすかった。もともとボランティアで作業所に通っていたからです。地域活動支援センターの利用者さんの雰囲気や、職員の関わり方には共通しているところがあり、それほどの衝撃をうけたりはしませんでした。

ところが、精神科病院での実習は違いました。

日本にこんな場所があったのに、今まで知らなかったのか・・・」と衝撃・戸惑い・怒りの連続でした。まるで、国内で秘められていた強烈な課題を見せつけられたように感じました。

特に印象に残っていることをお伝えしていきます。

閉鎖病棟での体験

実習初日、私は職員さんの後について行き、初めて閉鎖病棟の中に入りました。

病棟には扉があり、職員さんはカギをつかって開けてくれました。少し歩くと、また扉があり、再びカギで開けてくれました。鉄製で重々しい感じでした。カギは二重。つまり、扉が開いた隙に脱走しようにも、次の扉で行き止まりという構造でした。

閉鎖病棟を開閉する扉のカギは職員が腰からぶら下げていて、歩くたびにジャラジャラと音がなりました。まるで看守かのような違和感をいだきました。

病棟の中に入ると、白く無機質なつくりの棟内と同時に、異様な空気感を感じました。

こちらに気づく様子無く、前だけを見て小刻みに歩く人。座ったまま、焦点のさだまらない目で何かを見つめる人。下を向いたままの人。こちらに気づいて、歩みを止めてじっと見ている人。1人なのに誰かと話しているかのような人。

案内してくれた職員は「ここからは病棟内での実習」ということで、私を置いて病棟から出ていきました。

一人になった私は、周囲の方に声をかけるをためらって、まずは棟内を歩いて回りました。窓には鉄格子がとりつけられていました。ものものしく厳重で、外には出られないつくりになっていました。

その後は、閉鎖病棟内の患者さんたちに声をかけてまわりました。世間話的な声かけながらも、色んな話をききました。

Aさん

早く退院したい

Bさん

ここは規則、規則・・・

Cさん

ここでの生活?変なところですよ。

入院生活をあまり良く感じていない言葉がよく聞かれました。いつから入院しているのか尋ねると、30年入院しているという方もいました。何と言葉を返して良いのかわかりませんでした・・・。

しかし、他の患者さんと話をしていると、3年や5年といった入院は全く珍しいことではありませんでした。私にとって入院期間といえば、数日とか、長くて数か月程度のイメージでしたから、入院の概念が崩壊する話でした。

患者さん達との話で一番驚きだったのは、「退院したくない」と言う患者さんがいる事実でした。「誰もが早く退院したいもの」と当然のごとく考えていたので、衝撃でした。

「退院したくない」という気持ちを理解できなかった私は、実習担当者のおられる相談室に戻ってたずねました。すると、「入院期間が長引いたり、退院しても失敗を重ねるうち、消去法的に入院生活の方がマシという心境になるのかもしれない」という話でした。

人として扱われていないかのような感覚

病棟で何とも言えない、気持ちの悪い体験の話です。

病棟は閉鎖されていましたから、病棟から出るには職員にカギをあけてもらう必要がありました。

閉鎖病棟内で患者さん達と話す時間を終えた私は、病棟から出るためにナースステーションに声をかけました。

しかし、聞こえているはずなのに、数名の職員がいるのに、誰も反応してくれませんでした。まるで、ここに人がいないかのように扱われている感覚になりました。

職員にカギを開けてもらえないと、外に出られない環境です。声をかけ続けるしかありません。

「すみません!」と大きな声をだし、窓をたたいたことで、ようやく反応してもらえました。冷たい視線でこちらをチラッと見て、だるそうに、無愛想にカギを開けてくれました。

このやり取りにおいて、病棟の患者さんたちがどのような扱いを受けているか、心境にあるのかを疑似的に体験した気がしました

これは1回ではなく、毎回の体験でした。たまたまのことではなかったのです。

芽生えた問題意識

実習担当者と話をしている時、ある職員が笑いながら「面白い患者がいるから見においで」というので見に行くと、ナースステーションの窓に両手をあてて、大声を出している患者さんがいました。

その職員は私の世話をしてくださったのでしょうけれど、私は内心「面白いってなんだよ・・・」と抵抗感をいだきました。

患者さんの行為は精神症状の1つだったそうです。私には面白いとは思えなかった。真剣な姿、苦しむ姿であり、笑うような場面ではありえない。

ここの職員はおかしい」と感じると同時に、精神科病院によっては、患者さんは人として対応してもらえないのではないかと問題意識をもつようになりました。

実習で芽生えたこの問題意識は、後に仕事をしていく過程で確信に変わっていきました。

仕事では、さまざまな精神科病院に出向いて、入院中の患者さんに会うことがあります。もちろん良い対応をされていると感じる病院もあります。でも、やはりそうではないと感じる病院もあります。(そうした病院の中でも、人としてしっかり対応されている職員さんに出会えることはあります。)

人権侵害が起きるのは精神科病院に限った話ではありません。ただ、人権侵害が起きる背景には閉鎖性があるといわれます。精神科病院の閉鎖病棟とは、名前通り閉鎖的な環境なのです。人権侵害が起きやすい環境といえるでしょう。

「精神保健福祉士・PSWには、精神障がいのある方の人権を守る使命がある」。これを精神科病院の実習によって、実体験に基づいて言えるようになるはずです。

精神保健福祉士実習をうける方へメッセージ

10年以上経った今でも、強く印象に残っていることをまとめました。

どれだけ伝わったしょうか・・・?正直いうと、精神科病院実習で私の世界観が変わったレベルの衝撃を、うまく伝えられたようには思えません。その原因は、私の表現力・文章力による部分もあるでしょう。しかし、「百聞は一見にしかず」ということわざがある通り、実際に経験いただくのがベストと思います。

もし、あなた様が学生で実習先の希望を出せるのであれば、精神科医療機関での実習先は、診療所やクリニックよりも病院をオススメします。理由は2つで、あなた様の世界観を変える経験ができると思うからと、精神科病院のリアルを知ることは問題意識をもつきっかけになると思うからです。

まとめ

精神保健福祉士の実習(特に精神科病院実習)によって、人権の問題意識を強くもつことができるようになりました。「おかしいんじゃないか?」と感じる場面によく出くわしたからです。精神保健福祉士・PSWはそうした課題の解消にとりくむ使命があると思いましたし、現在も福祉現場で仕事を続けるモチベーション・やりがいにつながる原動力です。

人権が課題になるのは、精神障がいの分野だけではありません。社会福祉士の支援対象となる方々(他障がいや児童、高齢者等)も同じく、ともすれば人権が軽視されたり侵害されたりしやすいです。たとえ精神保健福祉士として働くおつもりでなくとも、精神科病院での実習は今後の職業人生に課題意識や原動力となるはずです。

より多くの方に精神科病院の実際を知り、患者さん達の生の声を聴いていただけたらと思います。それが、精神障がいのある方々の人権を守ることにつながると信じています。

以上、精神保健福祉士実習はあなたの世界観を変える!【体験談&メッセージ】という話題でした。

※精神科病院およびそこで働く方々を一律に批判する趣旨の記事ではありません。あくまで私自身の実習経験の話をする趣旨です。理不尽な環境下であっても決して流されず、一生懸命取り組まれている病院職員の方々もおられます。

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