精神保健福祉士とPSWってなんか違うんか?
同じ意味で使われるけど、厳密には違う言葉なんだ。
理由を説明しよう。
こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。現場経験は約10年です。
精神保健福祉士はPSW(精神科ソーシャルワーカー)とも呼ばれますよね。
どちらで呼んでも伝わることは伝わるので、「精神保健福祉士とPSWって何か違うんだろうか?」と疑問に感じる方もいるのではないでしょうか?
実は、PSWと精神保健福祉士は日常的には同じような意味合いで使われますが、厳密には違う言葉です。
「え!?一緒だって紹介してるサイトを見たけど・・・?」というご意見があるかもしれません。確かにそうしたサイトはあります。
でも、“一般的には一緒”ぐらいの意味で紹介されていたり、違いについては特に触れられていなかったりするはずです。
この記事は、一般レベルではなく、厳密なレベルの話をします。でも、精神保健福祉士の成立ちにかかわる大切なポイントです。
というわけで「精神保健福祉士」と「PSW(精神科ソーシャルワーカー)」の違いについて解説していきます!
PSW(精神科ソーシャルワーカー)と精神保健福祉士の違いとは?
では結論です。
PSW(精神科ソーシャルワーカー)は精神保健福祉士を含む概念です。下記の図の通りです。
このようになる理由は、それぞれの言葉の歴史が違うからです。
PSW(精神科ソーシャルワーカー)について
PSWはPsychiatric Social Workerの略です。
Psychiatricは精神医学や精神科を意味します。Socialは福祉や社会福祉を意味します。Workerは働く人や職人の意味です。
なのでPSWを直訳すると、「精神科分野で社会福祉を専門とする人」となります。
別名、精神科ソーシャルワーカーと呼ばれてきました。
日本では、1950年代からPSWは精神科医療機関を中心に医療チームの一員として活躍してきました。
1950年は精神衛生法が制定された年ですね。そして、1950年代というと戦後まもなくの時代です。
精神保健福祉士について
1950年代からPSW(精神科ソーシャルワーカー)は、資格制度が無いまま活躍してきました。
そして1997年、ようやく精神保健福祉士の国家資格が誕生しました。
PSW(精神科ソーシャルワーカー)がもともと現場で働いていて、その後に精神保健福祉士の国家資格が誕生したのです。
流れとしてはこうなります。
- 1950年代~ PSWが登場
- 1997年 精神保健福祉士資格が誕生
PSW(精神科ソーシャルワーカー)と精神保健福祉士の違い
歴史的には、PSW(精神科ソーシャルワーカー)は精神科領域で働いているワーカー全員です。
精神保健福祉士の国家資格をもっていなくても、精神科領域で働いていればPSW(精神科ソーシャルワーカー)です。
いまでも、精神保健福祉士の国家資格誕生前から精神科領域でPSW(精神科ソーシャルワーカー)として活躍している方には、精神保健福祉士の資格をとっていない方がいます。
精神保健福祉士は名称独占資格なので、その人たちが精神保健福祉士ではないのは確かです。
でも、精神保健福祉士の資格制度誕生とともに、PSWが無くなったわけでもありません。
つまり、「精神保健福祉士ではないけれど、PSW(精神科ソーシャルワーカー)」という方々がいるのです。
まとめ
歴史的に考えれば、1950年代からPSW(精神科ソーシャルワーカー)は存在し、1997年になって精神保健福祉士の国家資格が誕生しました。
そのため、精神保健福祉士資格は持っていないけれど、精神科領域で働いているPSWはいます。
したがって、PSW(精神科ソーシャルワーカー)は精神保健福祉士を含む概念となります。
※2021年10月30日追記
という話をさんざんしているうちに、PSWはMHSW(メンタルヘルスソーシャルワーカー)へと呼び名が変わっていました。
疑問が解決できたなら嬉しいです。
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