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書評『福祉の先生あのね』は社会福祉視点を入れた問答集|勉強になる

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あなたは小学校の時、「先生あのね」ってやったことありますか?

「先生あのね」は、1年生や2年生でよくやる先生との手紙みたいなものです。

その日にしたことや感じたこと、なんでも思いついたことを短く書いて先生に伝えると、先生も返事を書いてくれますね。

これを福祉の大学で先生と学生がしたら、どうなるでしょうか?

今回、紹介するのは福祉の大学での「先生あのね」みたいな本です。

一言でいうなら「社会福祉の視点を入れながら、学生の質問・相談・ぼやき100個に答えた篠原拓也准教授の問答集」です。

この本がおすすめなのは、次のような方。

  • 福祉の勉強したいけど、カタい本は苦手だなぁ
  • 頭が疲れたから、気晴らしになる本が読みたいなぁ

では、もうもう少し詳しく話していきますね。

私は某自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験はおよそ13年です。

書評『福祉の先生あのね』は社会福祉視点を入れた問答集|勉強になる

大学教員には授業に関係のない質問もたくさんくる。何年もやっていると、似たような質問があること、質問の傾向があることがわかってくる。よくわからない他愛のないぼやきのようなものもくる。
引用元:福祉の先生あのね: 対人援助職をめざす学生からの質問・相談・ぼやきにこたえる Amazonの書籍紹介文より

この本は、福祉の先生が学生からの質問や相談やぼやきに答えたものです。

たとえば、『友達の彼氏がブサイクで「いい人そう」としか言えない』と言う学生に対して、

こういう場合、嘘はいけません。社会福祉に限らず、対人援助というのは、人間に誠実でなければいけません。(中略)とにかく社会福祉の世界では、善人くさくならないといけないので、とにかくいい感じに言い換えることが大事です。嘘をつかずに、何かいい感じに言い換えてください。「徳が高そうー」とかなんとか。
引用元:福祉の先生あのね: 対人援助職をめざす学生からの質問・相談・ぼやきにこたえる 著者:篠原拓也(2021)

皮肉ありつつ、しかし芯をついた返しでもあります。面白い。

教授は、学生の言うことにちょっとした冗談を交えて答えていますが、社会福祉の大切なことも教えてくれます。教授のセンスが面白くて、読んでいて楽しいですね。

福祉の勉強は難しくて疲れるけど、気分転換しながら学びたい人におすすめです。

本が苦手な人や、むずかしい話はいやだという人も、簡単に読めると思います。

学生向けの本ですが、今働いている私も「そうだよなぁ・・・」と納得することがたくさんありました。

ちなみに、他には次のような話に答えています。

例)
「長所と短所がわかりません」
「経済的に安定する仕事か、夢だった一番したい仕事か」
「勉強しても頭に入ってきません」
「宗教勧誘のおばさんにからまれます」
「すぐに人と比べてしまいます」
「人生の意味がわかりません」
「ぶりっこはだめなのでしょうか」
「買い物しすぎてしまう自分が嫌です」
引用元:福祉の先生あのね: 対人援助職をめざす学生からの質問・相談・ぼやきにこたえる Amazonの書籍紹介文より

気になった方はぜひ読んでみてくださいね。

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