【福祉現場】利用者・患者の呼び方、どれにしてますか?

対人・支援関係
あだ名で呼んじゃあかんの?
はっきり言って、あかん。

こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。

利用者や患者の方の名前は、どう呼んでいますか?あるいは、どう呼ぶのが良いと思いますか?

社会福祉士や精神保健福祉士、福祉現場ではたらく職員であるまえに、私たちもいち個人。友達や恋人、夫婦間での関係があって、名前の呼び方も様々あるでしょう。落ち着く、気持ちの良い呼び方・呼ばれ方は人それぞれですね。〇〇さん、〇〇ちゃん、〇〇くん、ニックネームやあだ名もあるでしょう。

名前の呼び方・呼ばれ方は、その人との関係性をわかりやすく表しているポイントなのです。プライベートでは、双方が納得している呼び方なら自由です。

では、福祉現場ではどのように呼ぶと良いのでしょうか?プライベートと同じようにして、個人的な好き嫌いで名前の呼び方をかえるのはNGなのはわかってもらえると思います。結論は「名字+さん」がベストアンサーでしょう。

「そんなの知ってるわ!」と言われそうですが、なぜ「名字+さん」が良いのか説明するのは難しくないですか?

この記事は色んな呼び方パターンに私の意見をくわえつつ、「名字+さん」がベストな理由を解説していく内容となっております。「呼び方ひとつに社会福祉士・精神保健福祉士がこだわる理由」がわかる内容となっています。

それではまいりましょう!

「呼び方」はカンタンにできる関係操縦テクニック

「福祉の現場で利用者や患者の方々の呼び方をどうしたらいいのか?」という話をしていきます。

基本的に、人は環境に合わせて変化する傾向があります。呼び方もそのひとつです。

例えば、「〇〇さん」と呼ばれたら「〇〇さん」と呼ばれるのにふさわしい立ち振舞いを意識するようになります

「〇〇くん」「〇〇ちゃん」と言われる場合も同じです。そういう距離・関係になるわけです。「〇〇さん」よりは距離感は近くなりますし、仕事やビジネスよりも友達に近い親しい関係になると思います。

「〇〇先生」と呼ばれれば先生らしくなっていく。先生らしい振る舞いをしたり、あるいは「自分は偉い人間なんだ」と誤認するようになる・・・。そういう弊害もあったりします。
「名前の呼び方で距離感を操縦する」のは、カンタンにできるテクニックです。相談支援関係でいえば、関係をつくる入り口です。

「操縦」というと悪い印象があるかもしれませんけど、利用者との関係性は、私たち専門職側が意図した形でつくれている必要があると思うんです。関係性を利用者や患者任せにしない。関係性を利用者任せにすると、「振り回されている」状態になりやすいと思います。

大人の利用者・患者の呼び方

ではでは、施設や医療機関などでよくある大人の利用者・患者の方の呼び方パターンに、私の考察をくわえていきます。

名字+さん

施設や病院によって違いはあると思います。でも、基本は

「名字 + さん」

これが最も対等であり、尊厳に配慮した関わりであり、自立を損なわない最良の呼び方でしょう。日本では、大人同士の関係の常識・マナーだからというのもあるでしょう。
どの福祉現場でも通じるベストアンサーは「名字+さん」です。私自身もこれです。

下の名前+さん

「下の名前+さん」で呼ぶと親密に見えるかもしれません。「名字+さん」よりも友達感がアップして、距離感は近くなるイメージでしょう

原則は「名字+さん」で呼ぶことになっているところでも、施設内や病院内に同じ名字の方がおられる場合は、やむなく「下の名前+さん」で呼ぶことがあると思います。

ニックネーム・あだ名

やっほー、カピちゃん!

てやんでい!

オレはカピバラでい。

ニックネームは「下の名前+さん」よりも、より一層、親密感・友達感がアップして、距離感が縮まるイメージかもしれません。

嬉しい人もいれば、嫌がる人もいるでしょう。

グループで過ごす場所では、支援者がニックネームで呼ぶ利用者と、呼ばない利用者といった差がうまれやすいです。ニックネーム、あだ名には個人的な親しみ、好き嫌いが出やすいんですね。

平等性に欠けるので原則NGでしょう。

〇〇くん、〇〇ちゃん

「子どもあつかいされた」と受け取る方もいるでしょう。

お互いをどう呼び合っているかにもよりますけれど、職員は「名字+さん」で呼ばれているなら上下関係をつくることになります。

これも原則、NGでしょう。

呼び捨て

呼び捨ては、おそらくどの現場でもNGでしょう。

子どもの間は、呼び捨てで呼び合うのはよくあることだと思います。

でも、大人の関係で呼び捨てが使われるのは、とても親密な関係や、上下関係がある場合、怒られる場合(感情的な時)くらいではないでしょうか。

呼び捨てで利用者・患者のことを呼んでいるところがあったら、強烈な上下関係があるのでしょうから、虐待などが起きてはいないか心配になってしまいます。

自立のためにも「呼び方」は超重要

利用者・患者の方々との距離感はすごくダイジです。

社会福祉士も精神保健福祉士も「利用者ご自身ができることは自分でしてもらう」くらいの関係性・距離感は保った方が良いと思います。友達や親子関係とは違って、一定の距離感があるイメージです。

この一定の距離感が自立を促す、依存関係に陥りにくい、振り回されにくいポイントなのです。ご自身でできることまで支援者がしてしまうと、依存やクレーム等の新たな課題に発展しやすいです。

そして、一定の距離感を保つのに、誰でもできるテクニックが「呼び方を変えること」です。「名字+さん」はまさに最適なのです。

そんなに「名字+さん」じゃないとアカンか?

ニックネームで呼んだ方が喜んでくれるし、心を開いてくれるやん?

その場は喜んでもらえるかもな。

だが依存関係をつくるリスクがある。

確かに、ニックネームなどで呼べば、喜んでくれる方はいるでしょう。周りから見ても関係性に特別感があるように見えて、うまく支援関係がつくれているように見えるかもしれません。

しかし、喜んでもらうのは名前の呼び方以外ではできないでしょうか?心を開いてもらう方法は、呼び方以外に無いでしょうか?そして、その先にどんな目標・ゴールがあるのでしょう?

ニックネームは失礼じゃ!それに尊厳を損なうからダメなんじゃよ。

ハイ、その通りです。

他にもつけ加えたいことがありまして・・・

私自身の経験によりますが、ニックネームや○○ちゃん等と呼んでいると「その場が良ければOK」という支援におちいりがちだと思うのです。関係性に節度が抜け落ちたり、意図しない依存関係になったり。支援者自身の心が制御しにくくなるリスクもあるでしょう。なので、よろしくないと思います。

社会福祉士も精神保健福祉士も、先を見すえた支援をするわけで。究極的には「私たちが支援しなくても生活できる」というのが支援の到達点です。そのためには、「ご自身でできることは自分でしてもらう」ということが必要です。

「名字+さん」であれば、お互いに節度を保ちやすい。過度な甘えが起きにくいし、心理的にも巻き込まれにくくなる。「自分でできることは自分でする」自立を目指した関係性にしやすいのです。

とくに、日々顔をつきあわせる環境(作業所・デイケア・病棟など)では、どうしても距離感が近づきすぎてしまいます。接触回数が多いと親密になりやすいのは、心理学的にわかっていることです。「名字+さん」と呼んでいても、近づきすぎてしまうでしょう。だからこそ、より一層、ニックネームやあだ名、「下の名前+さん」で呼ぶ必要性は無いのです。

【福祉現場】利用者・患者の呼び方 まとめ

結論ですが、大人の利用者・患者の方の呼び方は「名字+さん」がベストでしょう。理由は

「名字+さん」がベストな理由

①尊厳や敬意がある

②節度ある関係にしやすい

③自立を目指した関係にしやすい

といった具合です。(他にもいろんな視点のご意見あろうかと思いますが、現時点で私が思いつくのはこんな感じです)

では「子ども」や「知的障がいのある方」の呼び方はどうしたら良いのか?これはさらに考察がいりますし、様々な意見があるでしょうから、別記事にてトライしてみます。

以上、【福祉現場】利用者・患者の呼び方、どれにしてますか?という話題でした。

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