嫌いな利用者・患者さん・メンバーさんがいれば福祉職失格か?

しゃふく・PSWの適性
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嫌いな利用者がおるんやけど、そんなん思ったらアカンやんな?

全く問題ない。

むしろ、その気持ちに気づいている時点で前進できている。

こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。

 

最近、職場の後輩から嫌いな利用者がいるという相談をされました。この話、あなたはどう思われますか?「そんなこと思ってはいけません。」というご意見もあろうかと思います。

全ての人を平等に支援しないといけないのに、ネガティブな気持ちがわきおこってくることに戸惑ってしまう。これは、私が新人だったころを含めて、多くの福祉職新人が突き当たる課題だと思います。

しかし、嫌いなクライエントがいるからといって、福祉職失格ではありません。「クライエントのことを好きになれないなんて・・・」みたく、ご自身を責めることはありません!

この記事で私がつたえたいのは超絶ベテランでも、クライエントの個人的な好き嫌いはある。」「好き嫌いの気持ちを自覚して、ほんらいやるべき支援へ起動修正する。」ということです。

「嫌いなクライエントがいたらどうしたら良いのか?」「嫌いでも良いのか?」といった悩みや疑問に答える内容となっております。

それではまいりましょう!

クライエントの好き嫌いの自覚が第一ステップ

わたしたち社会福祉士や精神保健福祉士は、それぞれ倫理綱領がさだめられています。倫理綱領は各会のHPで確認できます。

精神保健福祉士の倫理綱領

この倫理綱領では「平等」が支柱となっています。

なんや~、いきなり倫理綱領とか、カタイな!

やだやだ。

辛抱してくれ。

倫理綱領は、社会福祉士や精神保健福祉士が何をめざして、何を専門とする職種なのか決める憲法みたいなものだ

倫理綱領アレルギーの人も現場にはおられます。しかしズバリいってしまうと、倫理綱領を単なる標語のようにあつかっている組織・職場の福祉職は、目指すべき方向がみえなくなり、利用者よりも自分のための仕事になっていくのが私の認識です。

なので、倫理綱領は重視しましょう。教科書的な意見ですが、私は大切なスタンスだと確信していますし、このブログでは繰り返しお伝えしていくつもりです。

社会福祉士も精神保健福祉士も、福祉の専門職。プロです。個人的な好き嫌いではなく、平等な支援をすることになります。これは倫理綱領でハッキリしていることです。

したがって、例えば、好きなクライエントには気持ちの向くままにたくさん関わったり特別扱いするけど、嫌いなクライエントには塩対応。これでは専門職といえないわけです。

そうはいっても、私たちは専門職という仮面なり化粧なりをする以前に、どうしたって一人の人間です。誰しも、好きな人・嫌いな人がいますよね。

友達になれるタイプ・なれないタイプ。異性として好きなタイプ・嫌いなタイプ。などなど・・・。こういった個人的な感情が消え去ることはないでしょう。私も同じです。

経験をつむことで、どんなクライエントも好きになれるでしょうか?そんなことはありえません。少なくとも、私は今も無理です・・・。

私が経験から得たのは「クライエントの好き嫌いを自覚して、支援に気をつけることができるようになる」ということです。

もちろん、経験さえあれば自然とできるようになるわけではないでしょう。そもそも好き嫌いの自覚ができなければ、気をつけることもできません。自覚をして、気をつけて、支援に反映させることができてようやく活きるのです。

だから、好き嫌いの自覚は第一ステップというわけです。

「やるべき支援」と「好き嫌い」の照らし合わせが第二ステップ

クライエントが嫌いならどうしたら良いでしょうか?

私の答えは「嫌いのままで良い」ということです。

例えばですが、ご自身の父親がアルコール依存症で、ギャンブルにお金を使い切って、家にかえっては暴力する人物だったとします。当然、父親に恨みつらみがあります。そんなあなた様のところへ、ちょうど父親とおなじような課題のある男性利用者がきました。

好きになれるでしょうか?あるいは、冷静に、平等に関われるでしょうか?

これはとっても難しい場面ですが、でも答えはシンプル。嫌いなままで良し、なのです。ただ、嫌いな気持ちは置いておき、どう関わるかが超重要です。

嫌いと思った時、行動パターンは例えばこのようになるでしょう。

  • 「かかわりたくない・・・」 ⇒ 関わりを避ける
  • 「イヤなところが目に付くし、むかつく・・・」 ⇒ 批判的になる
  • 「間違いを正してやりたい・・・」 ⇒ 審判的な関わり

なので、理性的に言動を変えるのが正しい選択になります。

  • 関わりを避けたくなるなら、あえて踏み込む意識と勇気を。
  • 批判的になってしまうなら、その理由をほりさげ、批判的な言葉をいったん横に置こう。
  • 審判的な関わりになるなら、クライエントの生い立ちを知って、今に至る必然に共感を。

ただし、言うは易し行うは難しです。一朝一夕ではうまくできっこありません。センスもあるでしょうけれど、こればっかりは時間と経験がいるでしょう。

コツとしては、わたしの場合、「嫌いじゃなかったら、こんな風に支援するだろうな」と想像して、それを行うようにしています。

好きという感情も要注意

嫌いというネガティブな感情が支援の邪魔になるのは、わかりやすいのではないでしょうか。しかし、見落とされがちなのは好きという感情のほうです。好きというのは、ポジティブな気持ち。

好きなら積極的に支援できてええんとちゃう?

違うな。

嫌いな時より、ダンゼン気をつけることになる。

じつは「好きは嫌い以上に厄介」というのが私の考えです。好きなクライエントへの支援を、平等にするのは苦しく辛いものです。(この記事で「好き」とは、異性への好意に限定せず、ひろく人への好意といった意味でつかっています)

さきほどの例を、好きバージョンで、どうなるか考えてみましょう。

  • 「もっとたくさん関わりたいな。」 ⇒ 不必要に関わり過ぎて依存関係になる。
  • 「長所だらけだなあ。」 ⇒ クライエントの課題を見落として支援できない。
  • 「良いところをほめちぎりたい!」 ⇒ 良いところしか認めてもらえない気がしたクライアントは自由に振る舞いにくくなる

例えば、このような感じですね。

ですから、嫌いよりも、よほど自制心を働かせて、冷静にとらえないと、ちゃんとした支援ができなくなるんです。しかも、好き」はポジティブな気持ちなので、自覚しにくかったり、課題として表出しにくかったり、肯定的に捉えていたりして、修正しにくい。つまり、自覚という第一ステージにすら立ちづらいのです。

やるべきことは、嫌いへの対処と同じです。とにもかくにも、自覚することが第一です。「好きじゃなかったら、こんな風に支援するだろうか?」と振り返って想像するようにしてください。

職場に振り返りの話ができる同僚や上司・部下にめぐまれている方はラッキーです。話すことで気づける可能性があります。

気づくには自己を客観視する必要があります。振り返って言葉にすることで客観的な意見をもらえますし、自分自身でも客観的に捉え直しやすくなるのです。

社会福祉士も精神保健福祉士も、一人だけで成長するのは難しい仕事です。自分自身の気持ちや支援をオープンにはなすのは、批判されそうで怖かったり、面倒だったりしますが、成長するには欠かせないことです。

「好き嫌い」を自覚して、平等な支援ができたら理想形

というわけで、クライエントに好き嫌いがあるのは普通です。あるのが当然。あなたの先輩も上司も偉大な先生も、皆あります。(あっても言わないだけ)ご安心ください。

なので私たちがすることはシンプルです。好き嫌いの気持ちに気づいて、やるべき支援へ軌道修正する。これだけのことです。

好き嫌いで支援してる社会福祉士や精神保健福祉士なんて、担当してほしくないですよね。平等に支援してくれる人こそ、専門職であり、プロでしょう。そのようなプロになるには、振り返って話せる仲間がいれば、ラッキーですし、いないなら日記などに書くのも良いでしょう。ブログとして書くのも振り返りになりますので、個人的にオススメです。

時間はかかりますが、アウトプットしないことには始まりません。偉そうに言ってきましたが、わたしもまだまだ途上です。一緒に成長していきましょう。!

以上、嫌いな利用者・患者さん・メンバーさんがいれば福祉職失格か?という話題でした。

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