
苦手な利用者さんがいる・・・。嫌いって思ってしまうんだけど、だめだよね?明日も会わないといけないし、憂うつだなぁ。
こうした悩みのある方へ。
- 「利用者が嫌い・苦手」と思う人は福祉の仕事に向いていないのか
- 嫌い・苦手という気持ちが、実は才能の証拠である理由
- 嫌い・苦手な利用者さんと関わるための具体的なコツ

私は10年以上、社会福祉士・精神保健福祉士として様々な現場で働いてきました。
利用者さんが嫌い・苦手という気持ちになることはありませんか?
それは全く問題ありません。むしろ、それはあなたに才能がある証拠です。
私も以前は、「あの利用者さんが苦手だけど、今日も会わないといけないのか・・・」と憂鬱になっていました。
しかし、その気持ちを自覚して、行動を変えることで、嫌い・苦手な利用者さんとも関われるようになりました。
あなたの素直な気持ちを活かして、より良い支援ができるようになりましょう!
福祉現場「利用者が嫌い・苦手」は才能です|理由を社会福祉士が解説
「利用者が嫌い・苦手」と思う人は福祉の仕事に向いていないの?
福祉の仕事では、いろんな人と関わりますよね。
介護の仕事では、高齢者が相手ですが、みんないい人ばかりじゃないですよね。
実際には、子どもみたいにわがままだったり、ムチャクチャなことを言ったり、悪口を言ったり、手を出したりする人もいます。
そんな人に対して辛い思いをして、周囲に相談しても
「嫌いだなんてダメだよ!」
「苦手だなんて仕事に向いてないんじゃない?」
と言う人がいます。そんな風に言われたら、
「みんな同じように支援しなきゃ・・・。」
「みんな大切に尊重しなきゃ・・・。」
「こんな自分は福祉の仕事にふさわしくないのか?」
と不安になったり、自分を責めたりすることになります。これはとてもつらいことです。
モヤモヤしたまま、理解されないまま仕事をしていると、体も心も病んでしまいます。
でも、本当は、嫌い・苦手な人がいるのは普通です。福祉の仕事に向いてないなんてことはありません。
嫌い・苦手という気持ちが、実は才能の証拠である理由
嫌い・苦手な利用者さんがいると、支援するのがつらいですよね。例えば、
「嫌いな利用者さんがいる」
「苦手な患者さんがいる」
「あの人とは話したくない・・・」
こんな風に思ったことはありませんか?
でも、普通です。当然です。全然、悪いことではありません。むしろ、自分の気持ちに気づけているのは、才能の証拠です。
なぜかというと、良い支援をするには、自分の好き嫌いを知っておく必要があるからです。
私たちは専門職である以前に、一人の人間です。好きな人・嫌いな人がいますよね。
友達になれるタイプ・なれないタイプ。好きなタイプ・嫌いなタイプなどなど・・・。
好き嫌いの感情は、都合よく変えられません。
私も同じです。10年以上、この仕事をやっていても、苦手だったり嫌いな人はいます。
理不尽な要求をされたら嫌気がさしますし、怒りの感情を向けられたら、こちらも腹が立ってきます。
つまり、好き嫌い自体を変えたり無くしたりすることはできません。
でも、それは悪いことではありません。むしろ、自分の気持ちに気づけていることは素晴らしいことです。
危ないのは、嫌い・苦手という気持ちに気づかずに支援してしまう人です。本当は嫌いだし苦手なのに、その気持ちを認められない人です。
そういう人は、無意識に利用者さんを避けたり批判したりイジワルしたりしてしまいます。それは良くありませんよね?
だからこそ、あなたが自分の気持ちに気づけていることは、むしろ才能なのです。
嫌い・苦手な利用者さんと関わるため具体的なコツ
自分の気持ちに気づいたら、いったん置いておく
自分の気持ちに気づいたら、まずはいったん置いておくことです。
福祉や介護の現場では、自分の嫌いな気持ちをひとまず置いといて支援するということです。
例えば、嫌いと思ったまま行動すると、その利用者さんのことを避けたり、批判したり、イジワルしてしまいかねません。
(実際の現場では、こういう職員さんがいますよね?)
しかし、自分の気持ちに気づけた方なら、行動を変えることができます。
関わりを避けたくなっても、批判してしまいそうになっても、イジワルしたい気持ちが沸き起こってしまっても、
嫌い・苦手な利用者さんと関わるときは、自分の感情に流されずに冷静に。
「専門職としてどう行動するのがベストか?」と一呼吸おいて行動できたら、あなたはベテランの域に入れます。
専門職としてどう行動するかを考える
自分の気持ちを置いておくことができたら、次は専門職としてどう行動するかを考えます。
嫌い・苦手な利用者さんに対しても、フェアに支援することが私たちの仕事ですね。
実は、見落とされがちなのは好き・得意な感情のほうです。

好きなら積極的に支援できて良いんじゃない?

その「積極的に」ってのが要注意なんです。
「好き」は「嫌い」より厄介です。(「好き」は人への好感の意味で使っています)
嫌い・苦手な時よりも、好き・得意な時は自己コントロール力が必要です。
なぜなら、好きな気持ちのままに関わると、例えば
- 過度に関わり過ぎて、自分でできることまで頼られてしまう
- 良い面ばかりを見て課題を見落としてしまう
- 他の利用者さんが嫉妬したり、不公平感を抱いてしまう
といったことがあるでしょう。
「好き」「得意」はポジティブな気持ち。自覚しにくかったり、良いことに思えて、修正しにくいんですよね。
周りから指摘されてはじめて気づく方もいます。
でも、指摘を受けても受け入れにくい方が多いのも現実です。
なので、自分自身で利用者への好き・得意な気持ちに気づいて行動を修正できる方はすごいのです。
では、自分自身の気持ち(嫌い・苦手・好き・得意など)に気づいて、行動を切り替えられるようになるには、どうしたら良いのでしょうか?
これは自己覚知の習慣を身につければ解決できる問題です。
自己覚知のやり方はシンプルです。以下の記事で詳しく解説しています。
最後に
この記事では、利用者さんが嫌い・苦手という気持ちが実は才能の証拠である理由と自己覚知の重要性をお伝えしました。
また、嫌い・苦手な利用者さんと上手に関わるための具体的なコツや、好き・得意な利用者さんとも適切な距離感で支援するための注意点もご紹介しました。
これらの情報を活用して、あなたも自分の気持ちを活かして、より良い支援ができるようになりましょう!
最後までお読みいただきありがとうございます。この記事があなたのお役に立てれば幸いです。
もし、この記事に関するご意見やご感想がありましたら、ぜひコメント欄にお書きください。また、この記事が役立ったと思ったら、シェアしていただけると嬉しいです。

それでは、また他の記事でお会いしましょう!
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