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不幸の宝くじを、知らずに買わないために。ソーシャルワーカーが生命保険を考える

https://syahukusan.com/seimeihokennowana/

社会福祉士や精神保健福祉士、ソーシャルワーカーの仕事はやりがいがある一方で、収入面では厳しさを感じる方も多いと思います。

私自身がそうでした。
ボーナスが出ない職場も経験してきました。

それなのに、お金のことは難しい気がして、ろくに勉強もせず。
毎月の保険料を支払うことも当たり前。
親からの勧めで、特に疑問を持たないまま続けていました。

「みんな入ってるらしいし」「安心のためになるのだろう」
──そう思って、何年も医療保険に加入していたのです。

けれどあるとき、ふと立ち止まって考えるきっかけになったのが、山崎元さんの著書「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」でした。

本を読んでみて、「そもそも保険って何のために入っているんだろう?」と、あらためて考えるようになりました。もっと知りたいと思った。

そして、後田亨さんの著書「生命保険の罠 保険の営業が自社の保険に入らない、これだけの理由」に行きついたのです。

この記事では、その本での学びをもとに、生命保険をめぐる考え方や実態を知識として共有したいと思います。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働くソーシャルワーカー。児童相談所などでの実務経験をもとに発信。
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生命保険は「不幸の宝くじ」?

生命保険は、“もしものとき”の安心を買う仕組みですが、裏を返せば、不幸な出来事が起きたときにだけお金がもらえる制度です。

著者の後田さんは、これを「不幸の宝くじ」と表現しています。

当たるとお金がもらえる。
でも、出来事は決して喜べるものではなく、不幸に値する。

”不幸の宝くじ”という呼び方は、その通りと思いますね。

知らないうちに損しているかもしれない

日本人は保険大国だそうで、以下のような人が多いそうです。

  • なんとなく生命保険に入っている
  • 医療保険にも加入している
  • 無料の保険相談に行ったことがある
  • 毎月の保険料が高く、家計の負担を感じている

そして、保険料の中には保険会社の利益が大きく含まれているとのこと。
業界の慣例として内訳は公表されていませんが、一般的におよそ30%前後が保険会社の取り分だそうです。

つまり、支払ったお金の一部は、最初から戻ってこないということ。
(もちろん、商品や会社によって条件は異なります)

『生命保険の罠』とはどんな本?

私が生命保険を深く知ることとなった「生命保険の罠 保険の営業が自社の保険に入らない、これだけの理由」について。

著者の後田亨さんは、日本生命で10年以上の営業経験を持つ方です。
現場を知り尽くした元営業マンだからこそ書けた、保険業界の“裏側”と“仕組み”を丁寧に解説した本だと思います。

「保険は不幸の宝くじ」
加入者が損をしやすい構造を、数字と事例でわかりやすく説明してくれます。

営業の人も、自分の保険には入っていない?

本書で印象的だったのは、保険を売る営業の人が、自分では同じ保険に入っていないケースが多いという話でした。

だからもし、保険営業の人から保険をおすすめされたら、次のように聞くと良いんですね。

「あなたはどんな保険に入っていますか? 証書を見せてもらえますか?」

営業の人自身も、すべての商品を理解しているわけではないそうです。
「わからない人が、もっとわからない私たちに商品を売ろうとしている」──
そんなの、誠実じゃないですよね。

保険に入る前に考えたいこと

後田さんが繰り返し伝えているのは、

「まず、保険より貯金で備えられないかを考えてみよう」
ということです。

貯金で対応できるリスクには、保険を使う必要がありません。
万が一の損失が大きく、貯金で対応できない場合に限って、最小限の保険を“理解したうえで”選ぶ
これが入るべき保険についての基本的な考え方となります。

私が実際にしたこと

後田さんの著書を読んだあと、私は医療保険を見直しました。
すると、重複して加入していた入院保険などもありました。

結果として、医療保険を解約し、その分を貯金やNISAにまわすことにしました。

もちろん、保険が必要な方もいます。
家族構成や年齢、持病の有無などで条件は大きく変わります。
大切なのは、「なんとなく不安だから」ではなく、学んで理解して選ぶことだと思います。

最近では、リベラルアーツ大学(両学長)のYouTubeなど、
無料でお金の知識を学べる機会も増えました。
福祉の仕事を続けていくためにも、お金のリテラシーは重要です。

▼リベ大の保険についての動画(おすすめ)

まとめ:ソーシャルワーカーが仕事を続けるために必要なこと

かつて、奨学金を返済しながら懸命に働いていた同僚が、こんなことを言っていました。

「福祉の仕事を続けるには、他にも稼ぎが必要ですね。」

その言葉が、いまでも心に残っています。
好きな仕事を続けるために、別の仕事をしなければならない──
それは、あまりにも切ない。

業界全体の問題ですが、遅々として進まない。
だからこそ、まずは「お金の流れを見直すこと」から始めたい。
不要な出費を整えることも、自分と支援を守る一歩になると感じています。

生命保険もまた、善意ではなくビジネスとして成り立っている仕組みです。
生命保険は不幸の宝くじ。
それが悪いわけではありません。

ただ、その構造を知らずに「安心」を買おうとすると、損をすることがあります。

不幸の宝くじと、知らずに買わないこと。
お金の知識と知恵を持つことは、
ソーシャルワーカーが現実と向き合いながら働き続けるための、支えになると思います。

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