
精神保健福祉士、やめたほうがええかな?

迷ってる理由次第だね。
よくある悩みに答えていこう!
どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
精神保健福祉士にはネガティブなイメージがたくさんあると思います。例えば、あなたにはこんなイメージがありませんか?
- 給料が低そう
- 役に立たない?
- しんどくて大変そう・・・
- 仕事が無さそう
- 将来性が無さそう
- 自分まで病気になりそう・・・!
実は困ったことに、当たっているポイントがあるんです。
なので、リアルを知らずに受験・就職すると「もっと早くにわかっていたら・・・」と後悔しかねないわけです。
しかし、いまのうちに現実がわかれば、解決できることがたくさんあります。
この記事では、上記のようなギモンやイメージに答え、対策方法もご紹介していきます。
あなたが精神保健福祉士になるかどうか決めるのにきっと役立つでしょう。ではまいりましょう!
精神保健福祉士はやめたほうが良い!?【現役PSW解説】
精神保健福祉士は給料が低い?
これは正解です。
2020年の精神保健福祉士の平均年収は404万円でした。
対して、全産業の平均年収は436万円でした。
つまり、精神保健福祉士の年収は平均年収より32万円低いです。

なんや少ないんか・・・
しかし朗報もあります!
2015年の精神保健福祉士の平均年収は347万円でした。
つまり、2015年から2020年にかけての5年間で平均年収が57万円も上がったことには注目すべきでしょう。


低いのはわかったけど、何とかならんの!?

解決方法は大きくわけて3つだ。
対策① 精神保健福祉士の公務員になる
精神保健福祉士の公務員の平均年収は約550万円、給料は約34万円(額面)です。

精神保健福祉士の平均年収より200万円程多いです。(2015年当時)
年収差だけでもかなりのインパクトですけど、生涯収入だともっとエグイ。家2軒買えてしまうほど強烈な差です。
あなたが精神保健福祉士の公務員になったなら、お金の悩みはかなり解消できるでしょう。

でもさ、公務員になれなかったらどうしたらええん?
試験難しいやん・・・ 自信ないわ

次の解決策をみてみよう
対策② 年収の高い職場で働く

年収高い職場ってどこ?

精神保健福祉士の年収高い職場ランキングを見ればわかるよ
各職場の給料は公開されていないことが多いので、わからなくて困る人もいるでしょう。
そうした人向けに、公式調査をもとに精神保健福祉士の職場の平均年収をランキングにしました。職場によって年収が数百万円違いますから要注意です!あなたの職場選びにお役立てくださいね。

対策③ お金をうまく貯めて増やす
収入が少なくても、20代や独身の間は何とかやっていけるでしょう。でも、結婚や子どもを考える30歳頃からはお金の悩みがふくれあがっていくと思います。
人によっては、経済的な理由で
- 転職しようかな・・・
- もう精神保健福祉士を続けられない・・・!
という深刻な悩みにつながってしまいます。
かつて、奨学金を返しながら働いている精神保健福祉士の同僚が、こんなことを言っていました。

精神保健福祉士の仕事を続けるにはお金が必要ですね・・・。
彼は精神保健福祉士の仕事を続けたいがために、副業でお金を稼いでいました。
奨学金を借りる人は約5割と言われますので、他人事では無い人が多いはずです。
なので、年収の低い精神保健福祉士は、ふつうよりも、うまく節約、うまく貯金、うまく資産形成することが重要です。
みんなと同じことをしれば安心ではなく、貧乏まっしぐらかもしれません。
私自身は、本をかなりよみあさって実践していることがあり、それなりに生活できるようになりました。
あなたがこれから精神保健福祉士をめざすのであれば、まだまだ間に合うでしょう!具体的な方法はこちらで紹介しています。(既に働いている方にも役立つ情報があるはずです)

精神保健福祉士は役に立たないのでは?

精神保健福祉士は役に立つで!!
「精神保健福祉士は役に立つ!」と確信もって言える人はほとんどいないと思います。
きっと、次のようなギモンのある人が多いはず。
- 資格は取る価値あるの?意味ないんじゃない?
- 役に立つの?
- 需要、将来性はあるの?
結論は、精神保健福祉士が役に立つかどうかはそれぞれの専門力次第です。
ハッキリ言うと、学習し続けている精神保健福祉士は役に立つが、学習をやめた精神保健福祉士は役に立たないというのがリアルです。
学習の積み上げをやめてしまうと「精神保健福祉士って役に立たないな・・・」と自己不全におちいるし、周りからも同じように評価されがちです・・・。
なので、じっさいの精神保健福祉士はピンキリなんですね。

でも、精神保健福祉士の需要は高まっていますし、将来性もあるでしょう。
求人では精神保健福祉士が資格要件となる職場がありますから、あなたが精神の分野で働きたいなら取ることを強くオススメします!
精神保健福祉士の需要と将来性については、こちらでくわしく解説しています。

精神保健福祉士は仕事が無いからやめたほうが良い?

精神保健福祉士って仕事あるん?

ある!
人手不足な現場も多いんだ。
- 精神保健福祉士は取っても仕事が無い?
- 精神保健福祉士を取っても就職で有利にならないのでは・・・
- 年齢制限があるのでは?
- 未経験だと働けない?
あなたには、こういった心配があるかもしれません。
確かに、精神保健福祉士の求人は社会福祉士ほど多くはありません。不安になるのはごもっともです。
しかし、福祉現場は人手不足が常態化している昨今です。精神保健福祉士についても例外ではありません。
実際、ネット上で求人検索するだけでたくさん出てきます。
そして、資格が無ければ働けない現場があります。例えば、精神科の診療所・クリニック・病院ですね。
制度上、医療分野では診療報酬体系のなかで収益をあげているので、精神保健福祉士資格が無い職員を雇ってもお金にならないしくみがあります。
したがって、医療分野では精神保健福祉士資格が無ければ採用してもらえなかったり、内定の取り消しが起きたり、減給されたりということが起きます・・・。
逆に言うと、精神保健福祉士資格があれば就職しやすいうえ、職場でも歓迎されやすいでしょう。特に、行政(公務員)の場合は精神保健福祉士資格が必須となる傾向です。
精神保健福祉士は需要も将来性も高まっています。「精神保健福祉士は仕事が無い」というのは、ネガティブなウワサでしかないですね。こちらでも解説しています。

また、年齢制限が気なる人、未経験でも働けるのか気になる人もいるでしょう。こちらもご参考くださいね。

精神保健福祉士は「服薬を促す職種」なのでやめたほうが良い?

精神保健福祉士って、精神障がいのある方に「薬飲みましょう」って言う職種やろ?

違うよ!
精神保健福祉士は、精神障がいのある方に

薬を飲みましょう!

再発予防には薬を飲むことが大切です!
と、促す職種ではありません。
それなのに、精神保健福祉士自身が「精神保健福祉士は服薬を促す職種」と誤解して、仕事にギモンを感じ、辞めてしまう人がいるようです。とても残念です。
この誤解のまま仕事をするのはとても辛いと思います。精神障がいのある方に服薬を促しても支援関係は悪化しがちで、何の成果にもつながらないことが多く、「私何やってんだろう・・・」と不全感におちいってしまいやすいです。
そもそも、服薬管理や服薬を促すのは医療の役割です。職種でいうなら医師や看護師の方々です。

え?でも精神科病院とか精神科クリニックの精神保健福祉士は、患者さんに服薬促さなアカンやろ?そうせんと怒られるで?

そのとき精神保健福祉士が服薬を促すのは、医療機関の職員だからだ。
精神保健福祉士それ自体の役割ではないと知っておこう。
実際には、精神保健福祉士は何らかの機関に所属して支援しますから、シンプルではありません。
例えば、精神科クリニックに勤務する精神保健福祉士は、精神科クリニック職員としての役割と、精神保健福祉士としての役割の両方をもっています。
2つの役割がいつも同じとは限りません。むしろ、対立することが多いです。
だから、精神保健福祉士は異なる役割の間で葛藤するのがフツウです。それで良いんです!
「精神科クリニック職員としては服薬するように言わないといけない。けど、服薬するよう促すと支援関係に悪影響。精神保健福祉士として良い支援ができなくなる・・・。」といった葛藤は絶えません。
服薬していない(できていない)方の支援で精神保健福祉士が考えるポイントは、例えば次のようなことです。
- そもそも病識はあるのか?
- 病気にどんな思いをいだいているか?
- 薬を飲むことについてどう感じているか?
- 薬を処方する主治医との関係はどうか?
- 薬の効果を感じているか?
- 飲む必要があると感じているか?
- 飲みたいけど忘れてしまうのか?
- 飲まなかった場合、症状はどうなるか?
総合的な視点で考え、質問や言葉をかけていくことになります。
精神障がいのある方の視点の理解に努め、彼らと同じように「生活する一人の人間」として関わります。
つまり、彼ら精神障がいのある方の視点で、薬や服薬について捉え直すのが精神保健福祉士の仕事です。
自傷他害のおそれがあるなどの急性期以外は、彼らより先んじて服薬を迫ったり、強制的な関わりをする職種ではありません。
ところが実際には、
- 薬飲んでますか?
- 薬を飲んだ方が良いですよ
- 薬を飲まないと再発して入院になりますよ!
と言わざるを得なかったり、そうした役割を期待されることがあるでしょう。でもこれは、医療機関の職員としての役割を背負わされているからです。精神保健福祉士の役割ではないことと理解しておくことが大切です。
職種としては、服薬の管理や指導は、医師や看護師の方々(医療専門職)の役割です。
精神保健福祉士は、薬が病状を左右する重要なキーであることを理解しつつ、どうアプローチすることがベストなのか慎重に判断して関わる職種です。
精神疾患・精神障害のある方はやめたほうが良い?
- 精神障害者でも精神保健福祉士の資格とれますか?
- 精神疾患にかかってるんですが、精神保健福祉士として働けますか?
精神保健福祉士になるかどうか迷う方の中には、ご自身が精神疾患をわずらっていたり、病気経験のある方がおられます。
しかし、「精神保健福祉士になるのはやめておいたほうが良いですか?」と聞かれれば「主治医とご相談ください」とお答えせざるをえません・・・。
「大丈夫ですよ!」と期待をもてるように言ってしまいたいところですが、どうしても無責任なことは言えない。
うつ病、不安障害等をはじめ、いろいろな精神疾患の病態やきっかけは人によって全然違います。
他の障がいを抱えている方もいるし、生活環境や認知的な苦しみのある方もいると思います。
精神疾患や障がいについて職場にオープンにするかクローズ(秘密)にするか、悩む人もいるはず。
事情がさまざまなので「大丈夫ですよ!」とは、言いたくても言えないのです。
でもね、もしあなたが精神疾患や精神障がいの当事者の方であるなら、個人的には応援したい気持ちでいっぱいです!
あなただからこそ、精神疾患のある方をより良くサポートできることが、実際あるからです。
その筆頭が「ピアサポーター」「ピアスタッフ」とよばれる方々の存在です。
精神疾患や精神障がいのある方が、自らの体験をもとに、同じく障がいのある方の相談相手となったり、同じ仲間として支援する。こうした活動がピアサポートと呼ばれ、徐々に広がってきています。
こちらのサイトがわかりやすいです。
ご興味のある方はお手に取ってみてください。ピアスタッフ・ピアサポーターは広がってきていますから、他にも色んな書籍が見つかるはずです。
精神保健福祉士の仕事は大変でしんどいからやめたほうが良い?
個人差があるのでハッキリ言えませんが、笑うことはあっても、気楽な仕事ではないです。1つの関わり・場面・言葉が重大な意味をもつことがありますし、緊張感が必要な時があります。
やりがい・楽しみ・面白みを感じる人はたくさんいますが、「精神保健福祉士ってラクな仕事やわぁ~」と言う人は見たこと無いです。
むしろ、「ちょっとしんどいくらいでちょうど良い」かもしれません。なぜなら、
- 生活が大変・・・
- 毎日がしんどい
- 消えてしまいたい・・・
このように感じている方に、アントニオ猪木のごとく「元気ですかー!?」と声をかけても波長が合わず、まともな会話はできません。
アニマル浜口のごとく「気合いだ!気合いだ!気合いだ!」と言っても、シャッターを下ろされるだけでしょう。
体育会系のノリは精神障がいのある方とはマッチしにくいです・・・。
わたし達だって、めちゃくちゃ落ち込んでるときに、楽し気に声をかけられたら「バカにしてるのか!?」とか「この人に話してもわかってもらえないだろうな・・・」と感じると思います。
なので、温度感や波長を合わせることが大切です。声のトーンや表情、立ち振る舞いなど、ノンバーバル(非言語)で伝わるメッセージでもあります。
だからといって、精神保健福祉士自身まで同じようにしんどくなる必要はまったくありません。
共感するのと、一緒に落ち込むのは違います。ほんとに極論を言ってしまうと、その瞬間、演じれば良いのです。
自分も一緒に落ち込んでいては、たくさんの人の支援ができなくなります。
ただ、精神保健福祉士はもともと健康な方でも、仕事をするうち精神疾患を発症してしまう方がいます。自分自身の心身の健康を保つことは、精神保健福祉士の倫理綱領でも大切にされていることです。
なので、”病まない”対策として、下記リンク先にやっておいた方が良いことを記事でまとめました。私はメンタルが強い方ではありませんが、この歳まで健康に続けてこられたのはそれなりの秘訣があるのです。

精神保健福祉士の実習は辛いからやめたほうが良い?

精神保健福祉士の実習ってつらいんちゃう?

人間関係はしんどいことがあるかもしれない。
けど、ちゃんと対策したら大丈夫!
精神保健福祉士になるには、実習をクリアする必要があります。
異なる2つの実習先(精神科医療機関含む)で合計210時間、28日間の実習です。けっこう長いですよね・・・!
単に長いだけならまだしも、新しい情報・環境・人間関係に囲まれるので、実習生はつらい立場になりがちです。
この点については下記でくわしく解説し、対策をお伝えしています。

【最後に】迷うならやった方が後悔が無い
精神保健福祉士は絵にならない仕事です。
よくドラマ化される医師のようにハデでも豪華でもありません。
理由は、精神保健福祉士が支援するのは日常であり、生活であり、ゴールの不明確な日々、人生そのものだからです。

精神保健福祉士は表舞台に立とうとする者ではありません。影武者のごとく立ちまわる者です。ハッキリ言って地味です。
でも、精神保健福祉士は魅力ある仕事です。私自身、働き始めたころはたくさん辛いことがありましたが、今ではライフワークになりました。
一言にいえば、生き方や人生が変わるくらいのインパクトがありました。この仕事をしてきたからこそ、今の私があり、安息があります。

ここまで読んでいただいたうえで、それでも精神保健福祉士になろうか迷っている方に言えること。
それは「迷うことはやった方が後悔が無い」ということです。あきらめると、「あの時ならできたのに・・・」とくり返し後悔し続けるからです。
どんな道を選んでも。あなたの今後にエールを送ります!
精神保健福祉士の取得をお考えの方へ
精神保健福祉士の受験資格は通信制大学で取れます。まとめて資料請求してからゆっくり比較したい方には下記リンクが役立ちます。
社会人で精神保健福祉士をお考えの方へ。精神保健福祉士は人の人生を支援する仕事なので、あなた自身のどんな経験・寄り道も、深みとなって相手に響くのが面白い仕事です。
高卒・福祉未経験の方でも目指せる通信制大学を当ブログでまとめました。上記サイトのまとめて資料請求には対応していない大学もあるのでお役立てください。

以上、精神保健福祉士はやめたほうが良い!?【現役PSWが解説】という話題でした!
【オススメ関連記事】
精神保健福祉士の離職率は高いのか?気になるあなたへ。

精神保健福祉士と社会福祉士、どちらを先に取ると良いか迷っているあなたへ。フローチャート付きで解説します。

この記事では精神保健福祉士を「PSW」として解説してきましたが、実は正式には「MHSW」へと名称変更されています。

コメント
わたしも今期から通信大学を受講し、精神保健福祉士の受験資格の取得を目指します。
いい記事に出会えました!前向きに頑張れます。地味かもしれないですが、とても大切で魅力的なお仕事ですよね!
ありがとうございました!
コメントありがとうございます。
そうなんですね!いつかRei.Wさんのおかげで助かる方がきっとおられるはずです。応援しております!