スマホ命!スマホ命!
無いと不安になっちゃうよな。
どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
Apple創業者の「スティーブ・ジョブズ」を知らない人はほとんどいないと思います。
そのスティーブ・ジョブズ、なんと、わが子にはiPadを触らせなかったようです。
これだけ世に広めたにも関わらず、わが子には使わせない・・・なぜだったのでしょうか?
今の世の中、スマホを使わない人はほとんどいないと思いますし、現にこの記事をスマホでご覧の方も多いでしょう。私もスマホは手放せません。
でも、耳が痛い話なのですが、スマホはストレスを生むし、メンタルヘルスや睡眠に悪影響という話でした。
解き明かしたのは、スウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン。著書「スマホ脳」が本国でめちゃめちゃ売れて、日本に上陸しました。
『スマホ脳』を読んでスマホとの付き合い方が変わった
「スマホ脳」は、本国ではベストセラーリストのTOP20に42週間連続で掲載され、2度の受賞を果たしている名著とのこと。
「スマホはけしからん!」って言う本?
うまく使えば問題ないんちゃう?
精神科医が書いた科学的根拠のある本なんだ。
1日2時間以上つかっているなら影響大だそうよ。
本書は「スマホなんてけしからん!」みたいな、根拠の無いお説教本ではありませんでした。
本書の第5章では「スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響」として、スマホによるメンタルヘルスや睡眠への悪影響が解説されています。
特に、「うつ状態」について、このような視点で言えるのは精神科医ならでは。
長期間強いストレスを受けた脳は、その人の気持ちを落ち込ませる。危険がいっぱいだと解釈した世界から逃げるためだ。
引用元:アンデシュ・ハンセン「スマホ脳」新潮新書 P113
全章とおして目からウロコだらけで、アンダーライン引きまくりの結果となりましたが、特に第5章が役立ちました。
スマホは私たちの集中力を奪う
要点だけを言いますと、
- 長い歴史のなかで、人は”ドーパミンを与えてくれる対象”に集中するよう進化してきた。理由は生き延びるため。
- スマホは”ドーパミンを与えてくれる対象”。
- なので、私たちはスマホに集中しないといけないように感じてしまう。
ゆえに、LINEやSNSの通知が届いたら、すぐに確認したくなるし、メールが来ていないか、面白いニュースがないか、つい頻繁に確認してしまう。スマホをもつ人ならだれもが経験しているのではないでしょうか?
これこそ、ドーパミンのなせるワザ。自然なことなんですね。
日々、私たちの集中力はスマホに吸い取られているようです。
スマホはメンタルヘルス・睡眠に悪影響
第5章は、スマホはメンタルヘルス・睡眠に悪影響をもたらすという話です。
著者は、次の原則を解説しています。
- デジタルライフ・スマホはストレスを生みだす
- ストレスを長期的に受けていると、うつになる危険性が高まる
また著者は「スマホを頻繁につかう人ほどうつのケースが多い」と言います。
調査によってスマホ依存とうつに強い相関性があることがわかり、実際、スマホを頻繁に見る人ほどストレスを多く感じているようです。
また、次の指摘も鋭い。
スマホが及ぼす最大の影響はむしろ「時間を奪うこと」で、うつから身を守るための運動や人づき合い、睡眠を十分に取る時間がなくなることかもしれない。
引用元:アンデシュ・ハンセン「スマホ脳」新潮新書 P94
やはり私たちは、”病まない”ために、運動・睡眠が大切なんですね。
寝る前のスマホで疲れが取れなくなる理由
寝る前にスマホを触ると寝つきが悪くなるのはなぜなのか?
理由の1つは、スマホを使うとストレスが増えるからです。
ストレスを受けた脳は、あえて私たちを眠らせないように、寝つきが悪いようにさせているというのです。「ここはぐっすり眠れる場所じゃないぞ!すぐに起きる準備をしておけ!」と。
なので、寝る前にスマホを触っていると翌日に疲れが残るということです。
また、スマホからはブルーライトが出ています。昔は、ブルーライトは空から降ってくるものでした。
ところが今は、スマホ・パソコンからブルーライトを浴びるようになりました。
それゆえ、ブルーライトを浴びると私たちは「今は昼間だ」と錯覚してしまうという話です。
夜にブルーライトを浴びれば、脳はいつまで経っても「まだまだ活動時間だ!」と錯覚してしまう。なので、寝る前にスマホを触ると、すぐには寝付けないわけです。
なお、1日6時間以下の睡眠が10日続くと、24時間起き続けたのと同じくらい集中力が低下するとのこと。エグイですね。
本来もっている集中力を発揮できなくなるなんて、とてももったいないですよね。(学生・受験生の皆さまは特にお気をつけて!)
スマホへの対処法
本書を読んで私が実践していくことを、ここで勝手に宣言します。
スマホを枕元に置かない
小学校高学年児童2000人を対象にした調査では、スマホを側に置いて寝ると、睡眠時間が平均21分短くなったとのこと。
なので、スマホは枕元には置かないのがベスト。
どうしてもスマホを寝室にもちこみたいなら、画面を暗くして、最低36cm離してみれば、メラトニン合成はそれほど影響を受けないようです。
36cmって・・・かなり離しますね。30cmものさしより長い。
なお、著者の精神科医であるアンデシュ・ハンセン氏は、睡眠導入剤の処方を求める人がいても、すぐには処方しないようです。
睡眠導入剤を処方する前に、まずは
- スマホを寝室以外に置く
- 週3回は運動する
上記2点をすすめているのだそう。
とにもかくにも、スマホを寝室に置くとストレスを受けるのは必至で、睡眠に悪影響のようです。私は寝室以外に置くようにしてみます。
学生さん、働く皆さまも、ぜひご一緒に(笑)
電子書籍vs「普通の」本
寝る前に電子書籍で本を読むか、紙で本を読むか。本好きの私にとっては大切なポイントです。
電子書籍なら良いだろう!と思いきや、残念ながら、本を電子書籍で読むと眠りにつくまで約10分長くかかるようです。
ぐぐぐ・・・私の愛用するkindle paperwhiteなら少しはマシと思いたいですが・・・、睡眠に影響が無いわけではないでしょうね。
でも!寝室にはせめてkindle paperwhiteだけは持って行きたい・・・
スマホは必要時以外はポケットに入れない
要はスマホを触らんかったらええんやろ?
いや、ポケットに入れているだけで影響を受けてしまうんだ。
大学生500人の調査結果では、スマホ(サイレントモード)をポケットに入れている学生よりも、スマホを教室外に置いた学生の方が記憶力と集中力が高かったようです。
国家試験を控えている学生さんは、(辛いと思いますが)ポケットからスマホを出して、カバンなどにしまっておいた方が良さそうです。
私は仕事中はスマホを携帯しないわけにいきませんが、仕事後や休日はリビングにでも放っておこうと思います(笑)
なお、本書の「おわりに」では、今すぐできる対処法がたくさん書かれていました。スマホのプッシュ通知をOFFにするとか、スクリーンをモノクロ設定にするとか、私も早速やってみます。
本書は、スマホによる悪影響の話に至るまでに、人の脳や進化、ストレスと不安、マルチタスクはできないという話等、これでもかというくらい例を出しながら論理的に解説されています。
こんな本が書けるなんて、世の中すごい方がいるものですね。今年読んだ本の中で一番の名著かもしれません。
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