
社会福祉士や精神保健福祉士に法律の知識って必要なのかな?
社会福祉士や精神保健福祉士、児童福祉司にとって支援力の中心は「相談技術」だと思われがちですが、現場で本当に力になるのは、相談技術だけではありません。
民法や福祉関連法をはじめとした法律の知識、そして日常生活で積み重ねてきた生活経験が、支援の現実的な力になります。
本記事では、社会福祉士・精神保健福祉士・児童福祉司にとって欠かせない法律知識の例と、生活経験がどのように現場で役立つのかを、実体験を交えながら解説していきます。

自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士です。児童相談所などで14年程の実務経験があり、その知見をもとに役立つ情報を発信しています。
社会福祉士の武器は法律の知識と生活経験|現場で役立つ支援力のつくり方
社会福祉士に法律の知識は必要か?
社会福祉士にとって、法律の知識は武器になります。
もちろん、最小限の法律知識でも現場で「戦えなくはない」かもしれません。 しかし、その武器が貧弱だと、いざというときに守り切れず、不利になりやすいのも事実です。
これは精神保健福祉士や児童福祉司にも共通します。
国家試験の勉強では、児童福祉法や生活保護法など幅広く学びますが、実際のところ「ピンとこない」と感じた方も多いのではないでしょうか。私自身もそうでした。
ところが、現場に出ると分野ごとにさらに深い法律知識が求められることを実感します。例えば次のように。
法律の知識がクライエントを守る
(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
引用元:民法第五条

ぜんぶ覚えるのって大変そう。ボクにはできないよ。
ぜんぶ覚えるのは大変そうに思えるかもしれません。法律家でない限り、最初からすべて頭に入っている人はいません。
さらに言うと、実際に弁護士の方々も「こういう条文があったな」と探しながら確認することが多いそうです。
だからこそ私たちも、「何かおかしい」と感じたときに、法律ではどう定められているかを調べる姿勢が大事なのです。
丸暗記しなくていいのです。
私たちは、「何かおかしいな」と感じたり、対応に困ったときに「法律ではどう決まっているか?」と考え、調べられたらまずOKです。
日常生活でも役立つ法律知識 ~私の体験談~
(賃貸人による修繕等)賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。
引用元:民法第六百六条
生活者としてのあらゆる経験が支援に生きる
- 恋愛、結婚、離婚
- 子育て、不登校、障害のある子との暮らし
- 介護、看取り、家事・介護と仕事の両立
法律の知識と生活経験の相乗効果
学生・社会人・現場の方へメッセージ
学生・社会人(福祉職への転職を考えている方など)・現場の方へ、お伝えしたいのは次のことです。(偉そうにすみません。)
- 学生の方へ:恋愛、アルバイトや日常生活でのトラブルも、将来必ず支援に活きます。ぜひ、経験を前向きに積み重ねてください。
- 福祉以外で働く社会人の方へ:営業、銀行、SE、看護など、どんな経験も福祉職の仕事に活かせます。他分野から入職される方は多いです。
- すでに現場で働く方へ:今の職場で求められる法律をまず整理し、興味のある部分だけでも調べると、支援の力を確実に強めます。
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