
「社会福祉士は簡単すぎ」って本当?難易度は?どうしたら合格できる?
社会福祉士は、福祉の仕事をする人のための国家資格です。社会福祉士になるには、国家試験に合格しなければなりません。
でも、社会福祉士の国家試験は「簡単すぎる」という噂があるんです。本当でしょうか?
この記事では、社会福祉士の国家試験の難易度について、一発合格した私がお話しします
- 社会福祉士の難易度『簡単すぎ』はあり得ない
- 社会福祉士の国家試験の内容と合格率&推移
- 合格率平均3割だが今後は5割弱かも
- 社会福祉士に合格するために必要なこと

私は大学を卒業するときに、社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験に一発合格しました。それから10年以上、福祉の現場で働いています。
私が思うに、社会福祉士の国家試験は「簡単すぎる」なんて言えません。難しいと感じる人も多いと思います。
でも、無理だと思わずに、ちゃんと勉強すれば合格できる可能性は高いです。
だから、「簡単すぎる」と聞いて勉強をサボったりしないでくださいね。そうすると、国家試験に落ちてしまうかもしれません・・・。
「簡単すぎる」と言っている人は、自分がすごいと思われたいだけかもしれません。でも、そんな人の話を信じないでください。
正しい情報をお伝えするために、この記事を書きました!
社会福祉士は簡単すぎ?難易度は?【一発合格者の結論は『難しい』】
社会福祉士国家試験の概要
社会福祉士国家試験の概要 | |
試験時期 | 年1回(2月実施) ※合格発表は3月 |
受験資格 | 1)大学等で「指定科目」を履修している 2)社会福祉士「一般養成施設・短期養成施設」を卒業している ※詳しくはこちらの記事でわかります ≫社会福祉士になるには?【学歴別&社会人の受験資格取得12ルート】 |
試験形式 | マークシート形式(5択) 出題数150問、総試験時間240分 |
試験科目 | 計18科目群 |
合格基準 | 以下の2つを満たすこと 1)総得点の60%程度以上 ※難易度補正あり 2)0点科目がない |
受験料 | 19,370円 |
合格率 | 30%程度で推移 |
社会福祉士の難易度『簡単すぎ』なんてあり得ない
私が一発合格したからといって、社会福祉士の国家試験は「簡単すぎる」なんて言えません。難しいと感じる人も多いと思います。
社会福祉士の国家試験が難しいと思う理由は、次の5つです。
社会福祉士国試が難しい理由5つ
- 出題範囲が広い(計18科目群)
- 『共通科目』は知識がないと解けない
- モチベーションを保つのが大変
- 勉強する時間を作るのが大変
- 0点になった科目があると即不合格
難易度は、他の資格試験と比べると、どんな感じでしょうか?
例えば、「車の運転免許」の試験よりは、10倍以上難しいと思います。出題範囲も広いです。
「大学入試のセンター試験」くらいの難易度かもしれません。受ける科目にもよりますけど。
「公務員の筆記試験」よりは、簡単で範囲も狭いかもしれません。
ただ、難しすぎて無理だとは思わないでください。ちゃんと勉強すれば合格できる可能性は高いです。
三大福祉国家資格で合格率を比較
「三大福祉国家資格」と呼ばれる社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士で合格率を比べてみましょう。
資格 | 合格率 |
社会福祉士 | 3割ほど |
精神保健福祉士 | 6割~7割 |
介護福祉士 | 7割前後 |
合格率だけでは難易度はわかりませんが、社会福祉士の合格率が一番低いのは事実です。
社会福祉士国家試験|合格率・受験者数・合格者数の推移
社会福祉士国家試験|受験者数の推移
毎年、4万人くらいが社会福祉士の国家試験に挑戦しています。
最新の試験(2023年2月に行われたもの)では、36,974人が受けました。
社会福祉士国家試験|合格率の推移
合格率は、3割くらいです。つまり、10人中3人しか合格できないということです。
ただし合格率は、年によって少し変わります。難易度や出題傾向にもよりますね。
第35回試験(2023年2月実施)では44.2%の過去最高合格率でした。
合格率が高くなった理由は次の通知でしょう。
令和4年度から厚生労働省の通知を踏まえ、基本的な知識を問う問題を増やす等の対応を行なってまいります。
引用元:(公財)社会福祉振興・試験センター 社会福祉士国家試験出題基準・合格基準
社会福祉士合格率は、今後は50%弱で推移していくかもしれませんね!
社会福祉士国家試験|受験者数・合格者数・合格率【10年の推移】
回(年度) | 受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第35回(令和4年度) | 36,974 | 16,338 | 44.2 |
第34回(令和3年度) | 34,563 | 10,742 | 31.1 |
第33回(令和2年度) | 35,287 | 10,333 | 29.3 |
第32回(令和元年度) | 39,629 | 11,612 | 29.3 |
第31回(平成30年度) | 41,639 | 12,456 | 29.9 |
第30回(平成29年度) | 43,937 | 13,288 | 30.2 |
第29回(平成28年度) | 45,849 | 11,828 | 25.8 |
第28回(平成27年度) | 44,764 | 11,735 | 26.2 |
第27回(平成26年度) | 45,187 | 12,181 | 27.0 |
第26回(平成25年度) | 45,578 | 12,540 | 27.5 |
- 毎年、4万人前後が受けている人気資格
- 合格者数は1万人強
- 合格率は3割前後だったが、今後は5割弱かも
まとめるとこんな感じですね。
社会福祉士国家試験|受験資格ルート別合格率【過去3年】
社会福祉士になるには、国家試験に合格しなければいけません。でも、国家試験を受けることができるのは、特定の学校や施設を卒業した人等だけです。
その学校や施設の種類によって、受験資格ルートと呼ばれるものがあります。例えば、福祉系の大学を卒業した人は「福祉系大学等」のルートです。
では、このルートごとの国家試験の合格率はどうなっているでしょうか?過去3年分のデータを見てみましょう。
受験資格ルート | 新卒の合格率(%) | ||
第33回 | 第34回 | 第35回 | |
福祉系大学等 | 50.7 | 52.4 | 65.0 |
一般養成施設 | 35.9 | 38.2 | 55.0 |
短期養成施設 | 56.3 | 56.9 | 67.4 |
≫参考:厚生労働省|社会福祉士国家試験学校別合格率 第33回、第34回、第35回

合格率、ぜんぶ高めじゃない?
この表からわかることは、どのルートも合格率が高いということです。平均3割じゃないんですね。
でも、これは新卒の合格率ということに注意してください。
新卒というのは、その年に卒業した人のことです。つまり、初めて国家試験を受けた人です。
国家試験は何度でも受けることができます。
だから、何回もチャレンジしてやっと合格した人もいます。そういう人たちを含めたら、一発合格率はもっと低くなります。詳しくはこちらの記事でわかります。
≫【発表】社会福祉士の一発合格率=36%~67%【何回目で合格?】
社会福祉士国家試験の合格率は、学校によっても違います。同じルートでも、学校によって0%~100%までの幅があります。どの学校が高いか低いか知りたいですか?ランキングはこちらの記事から見ることができます。
≫【社会福祉士国家試験】合格率ランキング|大学別&ルート別|第34回
社会福祉士国家試験の合格率は、受験資格ルートや学校によって大きく変わるということです。
あなたの目指すルートや学校を選ぶときには、この合格率も参考にしてくださいね。もちろん、合格率だけで決めるのではなく、あなたの興味や相性も考えることが大切です。
【注意!】社会福祉士の年代や男女で合格率が違うって本当?
社会福祉士の試験は難しいですよね。でも、年齢や性別によって合格率が違うって聞いたことありませんか?
実は、それは間違いなんです。
ネットで見かけるこういった話は、信じちゃダメです
- 年代別合格率 40代は20% 50代は10%
- 男女別合格率 男は35% 女は65%
これらは、受験者の割合を合格率と間違えています。
受験者の割合とは、試験を受けた人の中で、何歳の人や男性・女性がどれくらいいたかということです。
では、なぜこんな間違いが起きたのでしょうか?
それは、公式サイトのデータがわかりにくいからかもしれません。
≫参考:社会福祉士国家試験合格発表 第35回
「年代別・男女別の合格率」は出していないんです。
だから、「中高年や男性は合格しにくい」とか「女性は65%も合格してる」とか言えないんですね。
これらは間違った情報なので、信じないでくださいね。
社会福祉士の試験は難しいですが、年齢や性別に関係なく頑張れば合格できますよ!

勉強がんばるぞ!
社会福祉士に合格する勉強法【独学&通信講座】
「社会福祉士は簡単すぎ」なんてウソで、難易度は『難しい』です。
社会福祉士の試験が難しい理由は、色々あるけど、大きく分けるとこんな感じです。
社会福祉士国試が難しい理由5つ
- 出題範囲が広い(計18科目群)
- 『共通科目』は知識がないと解けない
- モチベーションを保つのが大変
- 勉強する時間を作るのが大変
- 0点になった科目があると即不合格
新卒の合格率はまだ高いほうですが、既卒の合格率はとても低く、一度落ちたら繰り返し落ちてしまいやすいのが社会福祉士です。
でもね、社会福祉士になれば、色々なメリットがあります。社会福祉士になると
- 年収が高くなる傾向
- 信頼されやすい
- 好きな仕事を選びやすい
逆に言うと、試験に落ちてしまったら、
- 勉強した時間やお金が無駄になる
- 周りから見下されるかも
- 仕事のチャンスを逃す
こういうことにもなりかねないから、気をつけなきゃいけません。
社会福祉士の試験は人生を変えるチャンスです。試験勉強は大変だけど、後悔しないように頑張りましょう!
対策は人それぞれですが、わたしは独学メインで社会福祉士と精神保健福祉士に一発合格しています。使った教材や勉強法はこちらでわかります。
≫【ダブル受験】社会福祉士・精神保健福祉士の独学勉強法【現役解説】
ただし独学はモチベーションを保ちにくいし、「この勉強法で良いんだろうか?」と不安になりやすいです。
もし、あなたに「10万円弱を払ってでも絶対に合格したい」という思いがあるなら、こちらの通信講座が役立つでしょう。
≫【おすすめ厳選】社会福祉士の通信web対策講座3つ【社会人向け】

独学と通信講座、どちらがおすすめなん?
私の結論は、『お金さえ気にしなくても良いのであれば、通信講座を受けた方が良い』です。
理由は、社会福祉士には10万円弱以上の価値があるから。
事実として、社会福祉士は無資格で働くより年収が110万円多いデータがあります。
≫【発表】社会福祉士のメリット&とって良かったこと7選|経験者解説
でも落ちると、かけた労力・お金を失い、周りからの評価もダメージを受けます。
≫【5つの損失】社会福祉士・精神保健福祉士国家試験に落ちたら・・・
社会福祉士に受かるかどうかは人生を左右します。
試験勉強は辛いですが、後悔のないように合格めざして勉強してくださいね!
社会福祉士になるには?
社会福祉士になるには、12通りのルートがあります。あなたに合ったルートは、こちらの記事でわかります。

社会福祉士は難しいけど、しっかり対策したら大丈夫なんやな!

そういうことです!頑張ってくださいね!
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