
自立支援協議会って何?どんなことやってるの?市町村と県で何が違うの?わかりやすく教えて!
こういった疑問のある方へ。

私は某自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験はおよそ13年です。
自立支援協議会って何なのか? どんなことをしているのか? 市町村と都道府県では違うのか?
自立支援協議会は、各地域、各協議会でカラーがあります。同じものは1つとしてないでしょう。
いいかえると、「自立支援協議会ごとに独自色が強いので、わかりにくい」とも言えます。
なるべくわかりやすく説明していきますね!
【簡単】市町村・都道府県の自立支援協議会とは?【わかりやすく解説】
自立支援協議会|対象は?
「自立支援協議会」が誰のことについて話し合っている集まりかというと、障害者等です。
自立支援協議会|誰がメンバーなの?
決まった人はいませんが、例えば下記のようになっています。
他にも、次のような人が参加しています。
- 相談支援事業者
- 障害福祉サービス事業者
- 保健所
- 保健・医療関係者
- 教育・雇用関係機関
- 企業
- 不動産関係事業者
- 障害者関係団体
- 当事者
- 学識経験者
- 民生委員
- 地域住民 など
参考:平成24年の厚生労働省通知「自立支援協議会の設置運営について」
とてもたくさんの人が参加していますね!
自立支援協議会は、福祉だけではなく、住まいや仕事や教育など、障害者の方の生活に関わることを話し合う会です。
例えば、住まいを探そうにも、さまざまな偏見・差別によって入居を断られることがあります。
そうしたとき、自立支援協議会に不動産関係の方が入っていると解決の糸口を探せたりするのでえす。
地域の問題を解決するには、福祉関係者だけで話し合っていてもダメなんですね。
だから、自立支援協議会には、いろんな立場の方が参加しているのです。
自立支援協議会|部会とは?
自立支援協議会では、さまざまな部会をつくって、テーマごとに協議をしています。
これは、厚生労働省による一例ですが
- 地域以降部会
- サービス等利用計画等評価部会
- 権利擁護部会
- こども支援部会
- 就労支援部会
その地域ごとに、必要な部会があれば別で部会をつくって協議するのです。
これが、各自立支援協議会ごとの個性・違いとなっていきます。
自立支援協議会|何のためにあるの?目的は?
自立支援協議会の目的は、次の2つです。
自立支援協議会の目的
- 障害のある方の困りごとを聞いて、地域で共通の問題を見つけること
- 地域で障害のある方に必要な支援体制を作ること
地域によって、障害のある方に必要な支援は違います。
例えば、島や田舎では、福祉サービスやお店などが少なくて、困っている人が多いかもしれません。
移動するためのサービス(『移動支援』など)は市町村が決められることですが、厳しく決められてしまって、
サービスを使えなかったり、施設を利用できなかったりする方もいます。
こういうことは、1つの事業所だけではなく、その地域の事業所や利用者さんなども同じように困っています。
その地域ごとに問題が似ているんですね。
だから、1つの事業所だけで声をあげるのではなく、地域ごとに集まって、問題を話し合って、「その地域に合った体制を作っていこう!」というのが自立支援協議会の目的です。
≫参考:自立支援協議会設置運営要綱
自立支援協議会|根拠法は?
さまざまな福祉サービスや取り組みには、根拠法令というものがあります。
自立支援協議会については、昔は『障害者自立支援法』が根拠となっていました。
この法律の名前から、自立支援協議会という名前がつけられたのです。
今は『障害者総合支援法』という法律に変わりましたが、自立支援協議会は続いています。
≫参考:障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)
『障害者総合支援法』には、自立支援協議会の設置は地方公共団体の努力義務となっています。
(協議会の設置)第八十九条の三 地方公共団体は、(中略)協議会を置くように努めなければならない。
ひらたく言えば、国は「都道府県さん、市町村さん、自立支援協議会を作るように頑張ってくださいね!」と言っているのです。
あくまで必置ではない。
つまり、都道府県や市町村が「頑張ったけどウチは無理でした・・・」と言うのは許されています。
自立支援協議会|都道府県と市町村の違いは?
要点としては、市町村の自立支援協議会は、市町村ごとで話し合う会。
都道府県の自立支援協議会は、都道府県全体で話し合う会。市町村よりも、広域な課題に対応します。市町村にアドバイスすることもありますね。
表にすると、次のとおりです。
市町村自立支援協議会 | 都道府県自立支援協議会 |
地域の関係機関等によるネットワーク構築等に向けた協議と課題の情報共有 | 都道府県全域における関係機関等によるネットワーク構築等に向けた協議と課題の情報共有 |
個別事例への支援のあり方に関する協議、調整 | – |
地域の障害者等の支援体制に係る課題整理と社会資源の開発、改善に向けた協議 | 都道府県全域における障害者等の支援体制に係る課題整理と社会資源の開発、改善に向けた協議 |
中立・公平性を確保する観点から基幹相談支援センター、委託相談支援事業者、指定特定相談支援事業者又は指定障害児相談支援事業者の運営評価を実施 | 都道府県内の市町村自立支援協議会単位ごとの相談支援体制の状況を把握、評価し、整備方策を助言 |
基幹相談支援センター等機能強化事業及び都道府県相談支援体制整備事業の活用や地域の相談支援従事者の質の向上を図るための研修の実施等、相談支援の体制整備に関する協議 | 基幹相談支援センター等機能強化事業及び都道府県相談支援体制整備事業等による市町村の相談支援体制支援に関する協議 |
– | 相談支援従事者の人材確保・養成(研修のあり方を含む)を協議 |
– | 専門的分野のおける支援方策について情報や知見を共有、普及 |
権利擁護等の専門部会等の設置、運営 等 | その他(権利擁護の普及に関すること 等) |
自立支援協議会の解説動画
自立支援協議会について、こちらの動画で解説されています。
自立支援協議会を作り上げてきた方が「地域自立支援協議会の役割」について解説していますので、説得力があります。
最後に
自立支援協議会は各地域ごとに違うので、1つ1つが特色があります。
部会の数や名前は、各自立支援協議会ごとに違うんですね。
この違いこそが、その地域の個性となっているわけです。
自立支援協議会は、障害のある方にとっても、関係する人たちにとっても、ひいては誰もが暮らしやすい社会にするために活動する集まりです。
・・・とまあ解説してみましたが、わかりにくかったかもしれません。(ごめんなさい!)
もっと知りたい方は、こちらのリンクもご参考にしてくださいね!上記の動画でも説明されている自立支援協議会のマニュアルです。
自立支援協議会の運営マニュアルより
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