
メンタルが病みそう・・・。どうしたら強くなれるの?
こうした悩みのある社会福祉士、精神保健福祉士、福祉現場で働く方へ。
この記事の内容
- メンタルを強くする2つの方法
- 日本人のメンタルが傷つきやすい理由

私は社会福祉士・精神保健福祉士で、現場での経験は10年以上になります。
今回は、メンタルの強化方法についてお話ししたいと思います。
福祉の仕事は、人の悩みや苦しみに向き合う仕事です。だから、メンタルが強い方がタフに継続できますね。
でも、実際には、メンタルが弱くて悩んでいる方も多いと思います。私もそうでした。
私が新人の頃は、次のようなことでメンタルを痛めていました。
- インテークの相談対応はどう答えたら良いかわからない。うまくできない。
- どう支援を組み立てたら良いかわからない。周りより自分はできていない・・・。
- 次の家庭訪問(面接)の自信がない。うまくいかなかったらどうしよう?
- 職場の人間関係がうまくいかない。なじめない。
- 利用者さんや関係機関を怒らせてしまった・・・。
経験を重ねてもストレスがあって悩んでいました。そんな時に手にしたのが、佐藤優という有名な作家・評論家の本『メンタルの強化書』でした。
この本は、メンタルを強くする方法だけでなく、なぜ今の日本ではメンタルに傷つきやすい人が多いのかも説明してくれます。そして、どうすればメンタルを安定させられるかも教えてくれます。
下品になることができない「上品」な人たちほど、いまの世の中には適応できず、弱者の立場に置かれている人が多い。
引用元:佐藤優『メンタルの強化書』(2020) クロスメディア・パブリッシング
この本を読んで私が学んだことをシェアしたいと思います。
『メンタルの強化書』を読んで福祉現場で生き残る!佐藤優から学ぼう
メンタルを強くするには2つの方法がある
佐藤優さんは、メンタルを強くするには2つの方法があると言っています。
メンタルを強くする方法
- 自分自身の内面を強くする(しなやかにする)
- 自分を取り巻く環境を変える
自分自身の内面を強くする(しなやかにする)
内面を強くするというのは、自分の心を大切にすることですね。心が傷ついたり落ち込んだりしても、それを受け入れて癒すことです。
つまり、ダメージを受けても良いから柳のようにしなやかに、元に戻るハートになれということです。
柳は強風に吹かれるとすごくしなりますが、折れません。硬い木よりも、むしろ丈夫なんですね。
私たちのメンタルも、柳のようにしなやかになれということです。
例えば、仕事で失敗した時や人間関係でトラブルがあった時は、
- 趣味や好きなことに没頭する
- 運動する
- 眠る
- 起きたことを紙に書く(事実とあなたの認識を分けて書く。認知療法の一種。)
- 自分に厳しい人は、「もし友人が失敗したりトラブルを起こしたら、どんな言葉をかけるか」を想像して、同じ言葉を自分にかけてあげること。
などの方法で、心を回復させましょう。こちらの記事では私がしているやり方を5つ厳選して紹介しています。
特に睡眠は大切です。佐藤優さんも次のように言っています。
睡眠こそあらゆる病の薬となり、疲れ切った心身にエネルギーを再び取り戻す最大の方法だと考えています。逆にどんなにストレスや疲労を感じても、夜ぐっすりと眠れているうちは大丈夫。
引用元:佐藤優『メンタルの強化書』(2020) クロスメディア・パブリッシング
自分を取り巻く環境を変えていく
環境を変えるというのは、できる限りストレスの少ない、快適な環境に変えていくことです。
自分の周りの人や場所や物を変えることです。自分に良くない影響を与えるものから離れて、自分に良い影響を与えるものに近づくことですね。
例えば、
- 仕事でストレスが多い場合は、転職を考える
- 人間関係でトラブルが多い場合は、距離を置くか切り離す
- 家の中に必要以上に物があるなら、断捨離をする
などの方法が、環境を変えるということです。その環境から逃げることも大切と言います。
また、
- 仲間や友人や家族など、信頼できる人とコミュニケーションを取る
- 趣味や勉強など、共通の目的や興味がある人と交流する
- ボランティアやサークルなど何かに所属する
などの方法で、環境を良くしてみましょう。
佐藤優のアドバイス
佐藤優さんはこう言っています。何らかの集団や組織に所属しましょうと。それがメンタルの安定と安心に必要だと言うのです。
あなたは何かに所属していますか?
例えば、私たちは福祉の仕事をすることで、その集団・組織に所属していますよね。
でも、仕事だけが唯一のつながりだと、仕事を辞めた時(退職時)のダメージが大きいです
だから、仕事以外での集団や組織にも所属することで、メンタルをより強化できると言えるでしょう。
日本ではメンタルが傷つきやすい理由
佐藤優さんは、日本人はメンタルが傷つきやすい理由として次のようなことを挙げています。
佐藤優の指摘
- 日本人は他人から評価されたり承認されたりすることに敏感である
- 日本人は自分自身よりも他人や社会・組織・国家・神様など大きな存在に従属する傾向がある
- 日本人は個性や感情や欲望を抑圧されてきた歴史がある
これらの理由から、日本人は自分自身の価値観や幸せよりも他者から見られるイメージや評判・地位・名誉・お金・物質・信仰など外的要因に依存しがちです。
しかし、それらは不安定で変わりやすく失われやすいものです。だから、それらが揺らぐ時にメンタルも揺らぎます。
最後に
佐藤優さんは、「神様」から「お金」へ、「家族主義」から「能力主義」へ、「コミュニティ」から「個人」へ、「和」から「戦」へ、「上品」から「下品」へ、「美」から「醜」へ、「愛」から「性」へ、「生」から「死」へ・・・
日本社会が大きく変化してきた過程で起きた価値観・文化・制度・経済・政治・歴史・宗教・哲学・芸術・科学・技術・・・
さまざまな側面から日本人のメンタル問題に迫っています。
例えば、佐藤優さんは、「神なき後に神の位置に座ったのは、お金であり、現代の人々は『拝金教』を信じている」と言います。確かにそうだと思いませんか?
この本は読みやすいですが「パッと読んで結論がすぐわかる本」ではなく、非常に深く広く内容豊富です。私は一気読みしましたが、じっくり読み返したり参考文献もチェックしたりしたいです。
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