利用者さんとどう関わったらいいんや!?
めっちゃ悩むよなあ。
どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
「利用者とどう関わったら良いかわからない・・・。」という悩みは、就職して福祉現場で働くようになった後輩や新人からよく聞きます。
○○という病気がある患者、○○という障がいがある利用者、いろんな課題があって目立っている利用者などなど。
いままで関わったこともないような方々を前にしたとき、「どう関われば良いのかわからない」と悩むのは自然なことだと思います。
むしろ、全く悩まない方が、勝手に答えを決めつけていたり、独りよがりになっているかもしれず、危ういものです。
では、どう関われば良いのかですが、ポイントは2つです。
- クライエントの支援目標実現のために必要な関わりをする
- 支援目標と関係ないことは支援しない(くらい割り切って関わる)
です。つまり、自らの機関で、自らの役割として、利用者にできる役割を果たすことに専念するのです。そういった話をしていきますので、この記事は
・利用者との関係でトラブルや悩みを抱えている方
上記のような方に役立つ内容になっています。それではまいりましょう!
【福祉現場】利用者との関わり方がわからない悩みの解決ポイント
はじめに言うと、私自身もこのテーマで悩んできました。
特に社会福祉士・精神保健福祉士として働きはじめた頃は、正解を求めて考えたり、まわりによく相談したりしたものでした。結局見つけた答えは、原点に立ち返ることでした。
ちょこっとだけ理論的な話におつきあいくださいませ。相談支援の展開プロセスを思い出してみますと、
インテーク(受理面接)⇨アセスメント(事前評価)⇨プランニング(計画)⇨インターベンション(介入)⇨・・・
という順番でした。これは支援展開の一部ですが、関係で悩むのはインターベンション(介入)でのことが多いと思います。つまり、日々の支援でのことです。
なので、支援関係としてどう関わるべきかという話は、そもそもどうインテークし、アセスメントしたかという話に戻らないと答えが出ないのです。
ここを抜きに考えるのは、砂の上に城を建てようとするようなものです。
例えば極端な例ですが、障害福祉施設なのに、まったく障がいの無い方で仕事を探している人を何かの間違いで利用者としてむかえたとしましょう。
何を支援したら良いのでしょう・・・?どう関わったら良いのでしょう・・・?
答えは、関わる必要性がないし、支援の必要性もない、支援できないってことです。利用してもらわなくて良いってことなんです。
インテーク(受理面接)やアセスメント(事前評価)に戻らないと答えがでないという理由は、こういうことです。
支援計画や支援目標がある場合はどう関わると良いか?
例えば、障害福祉サービスの事業所などのように、利用契約をして支援している機関の場合。
インテーク(受理面接)やアセスメント(事前評価)では、利用者の悩みや目標があなたの機関で支援できることとわかったので、利用希望をOKし、支援スタートとなったのです。
この時に、利用者と一緒にサービス等利用計画や個別支援計画などをつくったはずです。
相談支援事業所が作っていたりもしますね。どう関われば良いのかという悩みのヒントは、この支援計画につまっています。
つまり、支援計画のニーズを満たす関わり、支援目標実現となるような関わりをすればOKなのです。
そして、もう一つポイントです。
誤解を恐れず言います。
支援目標の実現と関係のない支援は、何もしない(くらい割り切って)関わりましょう。
あれもこれも支援しないといけないとか、たくさん関わって話したほうがいいんじゃないかという類の悩みは、この割り切りがないのです。支援と関係のないことを聞き出したり、首をつっこんでしまったりということになって、困ってしまうんです。
関わり方というのは、根拠や意図が必要です。その手掛かりは、支援計画ということでした。
※ただし、特殊な事情で、支援計画に本人のホンネが書けなかった場合などは、ホンネにそった支援をすることになります。
支援計画も支援目標もない場合はどう関わると良いか?
おい!大変だ!
オレんとこには支援計画とかって紙は無いで!
大丈夫だ。
手掛かりはキミの機関の役割は何かってことだ。
支援計画や支援目標がない、わからない。これはよくあることだと思います。
病院に入院している方の支援
例えば、病院に入院している方々の支援。退院支援計画がつくられる病院もあるでしょうけれど、ない場合もあるでしょう。
どうであれ、そもそも病院とは暮らす場所ではなく、治療・療養を目的に一時的に過ごす場所です。なので、退院できるように関わるのが基本になります。
その人が退院するには、どんな言葉かけがいるのか?どんなプログラムを提供したり、サポートがいるのか?
この点の答えは個々に違うので考えていただくしかありません。でもポイントは、「退院して生活するのに必要な関わりをする」であると考えます。
電話相談や手続きだけの支援
これは例えば、相談支援機関や行政機関でよくあることでしょう。ヒントはご自身の機関の役割、できることは何か?につまっています。
支援計画はないので、その都度の電話や手続きで毎回インテークしたりアセスメントしたりするようなものです。
その方の相談内容や手続き依頼などが、自身の機関で支援できることなのか、受理できることなのかを考えることになります。
つまり、ふるい分けです。
ということは、そもそも自身の機関がどんな役割をもっていて、どんな支援ができるのかをわかっていないと、このふるい分けができません。
できること、役割として担っていることなら希望に応える。できないこと、役割として担っていないことなら、断ったり、しかるべき支援機関やサービスなどの情報を伝えることになります。
このあたり、ばっさり割り切れるのも必要なことだと考えます。
何でもかんでもやろうと関わるのではありません。自らの機関の役割でもないのに、ついボランティア精神でやってしまうことで、依存や苦情を生んでしまうというのが私の経験則です。
支援計画・支援目標・所属機関の役割にヒントあり!
クライエント、利用者さん、患者さん、メンバーさんに私たちはどう関われば良いのか悩んだり迷うことは必ずあるはずです。ヒントは、支援計画や支援目標、所属機関の役割にあります。
支援計画や支援目標はケースファイルにあるでしょうか。所属機関の役割なども、上司にきいても良いかもしれません。
優しい上司や真剣な上司なら一緒に考えたり、問いかけたりして答えてくれるはずです。
ちなみにわたしが「答え」ではなく「ヒント」ということばを使う理由は、もっと他の考え方もあるかもしれないと思うからです。
もちろん、根拠もって実践していることですが、完成したと思ったら成長はないでしょうから。
人の人生に正解がないように、支援にも不変の正解はないでしょう。その都度その都度のベターがあるだけだと思います。
そのベターをめぐって、あれこれ思考や対話を繰り返すのは私たち社会福祉士・精神保健福祉士、福祉現場の宿命なんですね。
なお、利用者さんとの関わり方を考えるなら、自己覚知が必須です。必要な理由ややり方はこちらの社会福祉士の自己覚知【必要な理由・やり方を社会福祉士が解説】で解説しています。
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