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一時保護の行政不服審査・不服申立て【児童福祉司経験者が解説】

児童福祉司

う・・・漢字だらけ・・・

法律の話になっちゃうからなぁ。

こんにちは。社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。児童福祉司経験があります。

児童相談所が行う一時保護には「不服申立て」ができます。

ざっと解説していきますが、一時保護への不服申立てには「ある問題点」があるので、あわせてお伝えしていきます。

ではまりいましょう。

一時保護は行政処分

行政の処分にはいろいろなものがあります。身近な例でいうと、運転免許ですね。運転免許についての処分というと

  • 免許の拒否(免許拒否処分)
  • 免許の保留(免許保留処分)
  • 免許の取消し(免許取消処分)
  • 効力の停止(免許停止処分)
  • 自動車等の運転の禁止(運転禁止処分)

こういったものがあります。(処分されたくないですね!)

そもそも「処分」とは何なのか?ですが、

ここでいう「処分」とは、法令に基づいて行政に認められた権限(公権力)を、国や地方公共団体が、国民や住民などに対して行使することをいいます。営業許可などの許認可やその取消し、改善命令など特定の作為・不作為を命ずる命令などのほか、人や物を強制的に収容・留置する行為なども含まれます。
引用元:政府広報オンライン 1.「行政不服審査制度」とは?

なので、一時保護は児童福祉法(法令)にもとづいて、児童相談所が住民に行使することというわけです。

一時保護(行政処分)には不服申立てができる

処分に納得できない!」というときにできることは何か?

一時保護をふくめ、行政の「処分」に対して、不服申立てができる制度。それが行政不服審査法です。学校で習った記憶のある方もいるかもしれません。

なじみの無い方が多いと思いますが、世の中ではけっこう行政不服審査が申し立てられています。

出典:政府広報オンライン 1.「行政不服審査制度」とは? 総務省「平成26年度における行政不服審査法等の施行状況に関する調査結果」

お金関係が多いですね。地方では生活保護の審査請求が3分の1です。

不服申し立てができる期間は?

不服申立てができるのは、一時保護されたことを知ったときから60日以内です。

一時保護は、保護者の同意の有無に関わらず、児童相談所長又は都道府県知事の判断により処分がなされる行為であり、当初の同意、その後の不同意により行政処分そのものの変更が要請されるものではないため、一時保護がされたことを知ったときから60日以内が申立期間である。
引用元:厚生労働省HP 子ども虐待対応の手引き 第10章  児童相談所の決定に対する不服申立てについて

「一時保護されてから」ではなく「知ってから」なんですね。

不服申し立てができるのは誰?

一時保護について、不服申し立てができるのは「保護者」です。「親権者」ではないことは要チェックです。

保護者と親権者って何が違うん?

いろんな定義があるが、児童福祉法上の定義で理解するのが大切だ

この法律で、保護者とは、第十九条の三、第五十七条の三第二項、第五十七条の三の三第二項及び第五十七条の四第二項を除き、親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護する者をいう。
引用元:児童福祉法 第六条

つまり、児童福祉法でいう「保護者」は「親権者」を含んだ意味なんですね。親権者よりも広い概念ということです。

不服申し立ての方法は?書式・記載例

行政不服審査法により、不服申し立ては原則、書面審査となっています。

出典:政府広報オンライン 3.不服申立ての手続の流れは?

上の図でいうと(1)のところなのですが、審査請求をするには「審査請求書」を提出することになります。

「審査請求書」の様式に決まりはありませんが、記載しないといけない内容が法で決まっています。

処分についての審査請求書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
一 審査請求人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 審査請求に係る処分の内容
三 審査請求に係る処分(当該処分について再調査の請求についての決定を経たときは、当該決定)があったことを知った年月日
四 審査請求の趣旨及び理由
五 処分庁の教示の有無及びその内容
六 審査請求の年月日
引用元:行政不服審査法 第19条第2項

審査請求書の書式や記載例は大阪市が公開していて、ダウンロードできます。(公開していない自治体も多いので、親切だと思います)

≫大阪市 行政不服審査制度

審査請求書は、審査を行う行政機関(審査庁)宛てに出すことが必要です。

不服申し立ての費用は?

手続きは無料です。

じつは不服申し立てをしても・・・

じつは、一時保護の不服申し立てには実効性があまり無いといえます。

なぜかというと、一時保護の不服申し立てがあって、仮に裁決で申立てが認めらるとしても、裁決がでるまで一時保護は継続されるのです。

一時保護のひとまずの期限は2か月まで。なので実際のところ、一時保護解除の方が早くなる可能性があります。

つまり、裁決がでるまでに一時保護が終わるという可能性があるんですね。なんだかなあ・・・というところです。

なお、一時保護については児童相談所の一時保護とは?【児童福祉司の職務解説】でも解説していますので、お読みいただくとご理解が深まると思います。

この記事を書いた人

社会福祉士 兼 精神保健福祉士です。
大学受験失敗 → 浪人・転向 → 国家資格ダブル合格 → 就職 → パワハラ遭遇 → 転職 → 福祉現場で10年超
現職で働きながらブログ書いてます。月3万PV。妻と猫が大切。

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しゃふくさん

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