児童福祉司

児童福祉司を続けられる人=嫌われても大丈夫と思える人【経験者解説】

zidouhukusisiwotudukerareruhito=kirawaretemodaizyoubutoomoeruhito_muiteiruhito 児童福祉司

児童福祉司に向いている人ってどんな人かな??児童福祉司に向いているのか気になる・・・。続けていけるかな?

こういった疑問にお答えする記事です。

この記事の内容
  • 児童福祉司を続けられる人=嫌われても大丈夫と思える人
  • 児童福祉司に向いている人になるには「嫌われても大丈夫な力」が必要
  • 「嫌われても大丈夫な力」をつける方法3つ

私は社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験は10年超。児童相談所で児童福祉司(虐待対応)をしてきた経験があります。

私は『社会福祉士・精神保健福祉士に向いてない・・・悩むのは当然!』という記事を書きたことがあります。

記事の趣旨は、続けていれば、向いた人に変わっていくから大丈夫というものです。
これは児童福祉司も同じと考えています。

つまり、児童福祉司を続けていたら、児童福祉司に向いた人に変わっていけるので、やってみる前から向いていないと決めつけなくてOK!という考えです。

ただし児童福祉司の場合は1つ注意点があります。

それは、嫌われても大丈夫と思えないと、続ける前に折れてしまうということ。

理由を解説していきます。

児童福祉司を続けられる人=嫌われても大丈夫と思える人【経験者解説】

児童福祉司を続けられる人=嫌われても大丈夫と思える人

児童福祉司を続けられる人とはどんな人でしょうか?

私は、嫌われても大丈夫と思える人と考えています。

理由は、児童福祉司(特に虐待対応業務)は、誰かには嫌われてしまうのが当然だからです。

例えば、子どもの前で夫婦喧嘩があって、110番通報されて警察が現場へ臨場。警察から児童相談所へ児童虐待通告があった場合だとどうなるか?

児童福祉司は、再発を防いで子どもが安心して暮らせるように、まずは保護者へ連絡をすることになります。

よくあるのは、↓のようなやり取り。

児童福祉司:警察からこちらに連絡がありましたので、直接お会いしてお話を伺いたいです。日程調整のためにご連絡させてもらいました。

保護者:あー。今はもう問題無くやってますので、大丈夫です。時間も無いし、かえって負担で迷惑です。それに夫婦喧嘩なんてどこの家でもあることでしょ?もっと行かないといけない所があるんじゃないですか?

子どもの環境をより良くするためには、保護者には嫌われてでも、話す必要性を伝える毅然とした対応をしないといけません。

実際、とても嫌がられるし、怒られもします。

また例えば、学校・家庭児童相談室・警察などの関係機関からは

「もう保護者が虐待しないようにしてください。」
「保護者はちゃんと反省しているんですか。」
「早く一時保護できないんですか?」
「もう一時保護を解除するんですか?まだ早いのでは?」

と、要望されたり不快感を受けることが多いのですが、

虐待の再発を防ぎきれないことはありますし

関係機関の要望どおりには一時保護できないことがありますし

関係機関は心配していても、一時保護を解除しないといけないこともあります。

さらには、児童相談所が関わったことで「前よりは改善された」「児童相談所が関わって虐待の抑止にはなった」が、保護者や家庭に課題が残っている場合。

「児童相談所なら何でもできるはず」という期待があるので、

100%改善しないと、児童福祉司がどれだけ説明を尽くしても、関係機関に嫌われることはあります。

(初めから不信感を突き付けられることもあります)

残念ながら、児童福祉司は神様ではないし、児童相談所といっても人が人を支援するわけなので、児童相談所が関わったからといっても、虐待の全く無い家庭にすることは不可能に近いです。

また例えば、小学生の保護者が繰り返し体罰をしていて子どもが骨折し、一時保護しても改善されない場合。

それでも子どもは「家に帰りたい」と言うことがありますが、その希望通りにすれば子どもの命を守れないとなれば、子どもに嫌われてでも、社会的養護(里親や施設など)の決断をせざるを得ないことがあります。

(これらはほんの一例です)

ちゃんとできれば、嫌われたりしないんじゃない?腕次第じゃないの?

そういうこともあるだろうけど、避けられない時があるんだ。

確かに、説明する力や、いわゆるコミュニケーションスキル、専門的な知識や共感などによって、相手の納得を得られれば嫌われることは減らせるでしょう。

しかし限度はあります。

例えば、一時保護を強行する際は保護者の同意なく行うことが多いので、保護者から嫌われたり、攻撃されることは避けられません。

特に、児童福祉法28条の審判対応。これは、施設入所に親権者等が反対していても、家庭裁判所の承認を得て施設入所の措置を強制的に行う対応です。

同意が得られなかったり反対されているのを法的に闘って強行するので、特殊な例でなければ嬉しく思う親権者等はいない。たいていは担当の児童福祉司が嫌われたり、猛反発を受けます。

なので繰り返しますが、子ども・保護者・関係機関・児童相談所内などにおいて、虐待対応をする限りは誰かには嫌われざるを得ないのです。

だから、児童福祉司(特に虐待対応をする場合)は、嫌われても大丈夫と思える人である方が向いているということです。

嫌われても大丈夫と思える人とは?

では「嫌われても大丈夫」という人は、具体的にどういった人なのでしょうか?

私は、嫌われるとダメージは受けるが、数日で回復できる人と考えています。

例えば、職務においてもし「嫌われたなぁ」と感じて落ち込んだりイライラしたとしても、

  • 周りの職員に話して発散できる
  • 眠ったら気にならなくなる
  • 運動や趣味に打ち込んで、いったん置いておける

などのようにして、数日のうちには回復できるなら児童福祉司を続けていけるでしょうし、いずれ向いている人に変わっていけると思います。

あと、実は「嫌われている」という事実はないけれど、思い込んで決めつけているだけだった・・・ということもあるでしょう。

こうした認知のゆがみも、なるべく早期に気づいて修正できた方が、回復も早くなるはずです。

「嫌われたらどうしよう」という予期不安に苦しむ方もいるので、そうした自分自身のクセにもなるべく早く気づいている方が良いです。

ってことは、嫌われてもぜんぜん平気な人が一番良い?

そうとも言えないだろうね。

「嫌われても大丈夫」と「嫌われても平気」は違います。

「嫌われても平気」という人はほぼいないし、おそらくそうした人は対人トラブルが絶えないと思われるので、むしろ支援でつまずくかもしれません。

むしろ、嫌われることでダメージを受けるくらいの繊細さをもっているほうが、精緻なケースワークを行いやすいと思います。

保護者さんや子どもにもそうした感覚をもっている人が多いので、心情を想像しやすいんですね。

なので「嫌われても大丈夫」という、嫌われるとダメージは受けるが、数日で回復できる人が児童福祉司を続けやすく、なおかつ支援の適性もお持ちであろうと考えます。

児童福祉司に必要な資質・知識は「コンピテンシーモデル」で学ぼう

児童福祉司に向いている人はどういった人なのか?

私の答えは「児童福祉司を続けていけば向いた人に変わっていけるけれど、土台として『嫌われても大丈夫』という力が必要」というものです。

では、児童福祉司の理想形みたいなものは、いったいどんな像なのか?

それが分からないと、どうなれば向いていると言えるのかわかりませんよね。

参考にできるのは、児童福祉司のコンピテンシーモデルです。

コンピテンシーとは何か?ですが、次のように説明されています。

持続的に高い成果をあげている人の行動特性であり、実際の行動に反映されているもの(理想論ではダメ!)
引用元:要保護児童対策地域協議会 (子どもを守る地域ネットワーク) スタートアップマニュアル 児童福祉司のコンピテンシーモデル

児童福祉司の現場では、とかく面接技法などの技術面に意識が向きがちです。そういった点も大切は大切なのですが・・・

そもそも、「どういったことに着目して考えれば良いんだろう?」「その時その時で、何に気をつけたら良いんだろう?」といったことに答えられる人や、専門書籍などは少ないと感じます。

しかし児童福祉司のコンピテンシーモデルは、実際に職務あたっている人たちから抽出された内容なので、とても実用的です。

ネット上で「児童福祉司 向いている人」と検索すれば、たいていは次のような特性などが出てくるでしょう。

  • 事実を把握できる
  • 相手の話をじっくりきける
  • 相手の立場で考えられる
  • 心理学や社会学の知識がある
  • カウンセリング技法などがある
  • 秘密を守れる
  • コミュニケーション能力が高い
  • 協調性がある

・・・確かに、これらの特性というか能力は、初めからあるに越したことはないですが、現場で経験を積むなかで成長できると思います。

ただし、実際に児童福祉司をしていた人の意見ではないと思われるものも散見されるので、あてはまらなかったからといって気にしなくて良いと思います。

中には「男性より女性の方が児童福祉司に向いている」という、乱暴な意見もあります。

実際の現場では男性も女性も必要ですし、性別によって決まるものではありませんので、気にしなくて良いです。詳しくは「男性は社会福祉士に向かないって本当?【男である現役が解説!】」で解説していますので、気になる方はご参考くださいね。

真偽の不確かな話よりも、上記のコンピテンシーモデルを読み込んだ方がよほど真実味がありますので、

「児童福祉司に向いている人になりたい!」
「児童福祉司に必要な資質・知識を知りたい」

という方は、コンピテンシーモデルをチェックしてみてくださいね。私は印刷して日々チェックして活用していました。

「嫌われても大丈夫」と思える力をつける方法3つ

嫌われたくない・・・ボクは児童福祉司でやっていけないかも・・・

君にきっと役立つ方法を紹介するよ!

メンタル対策する

嫌われても大丈夫な力というのは、メンタルをいかに保つかという話です。具体的な方法は「精神保健福祉士・社会福祉士は病む?【10年超で実証した対策5つ】」で解説しています。

自己覚知する

そもそも、「なぜ嫌われるのが辛いのか?」「嫌われたと思ったけどそれは事実か?」といった疑問を紐解いていくには、自己覚知がオススメです。

具体的なやり方や参考になる本は「社会福祉士の自己覚知【必要な理由・やり方を社会福祉士が解説】」で解説しています。

コンピテンシーモデルを知り、覚悟を決める

精神論ではありますが、児童福祉司のコンピテンシーモデルに次のことが書かれています。

子どもの権利擁護のために体を張る覚悟
保護者と対立し、時には脅迫的な言動や暴力に遭遇することがある。このような場合でも毅然と対応することが大切である。自分の行動を決めるものさしは「子どもの最善の利益」を守ることであり、それが「社会的正義」である。

仲良しこよしでは児童福祉司の職責を果たせません。

嫌われるのは、あなたが児童福祉司の職責をしっかり果たしているからでしょう。

心づもりがあればダメージを減らせるので、ぜひ読み込んでおいてくださいね。

最後に

近年の児童福祉司は社会から「児童虐待の取り締まり」を期待されていて、相談支援職でありながら、警察官のような役割も求められていると感じます。

児童虐待を毅然として許さず指摘したうえで、児童虐待の背景・要因を分析して相談支援関係をつくって再発しないように支援する・・・

「それは児童虐待です」と指摘するだけで、保護者からは嫌われて、関係が途絶する(支援関係にならない)ことがたくさんあります。

こうした現場で私も苦労しましたし、周りで働く児童福祉司も大なり小なり疲弊したり、残念ながら休職・退職する人もいました。

しかし繰り返しますが、嫌われるのは、あなたが児童福祉司の職責をしっかり果たしているからです。間違ったことはしていません。

厳しい現実の話となりましたが、児童福祉司に関心のある方や、これから児童福祉司を志す方に役立ててもらえると嬉しいです!

もっと児童福祉司について知りたい方は、下記記事もご覧くださいね。

なお、自己啓発本ですが『嫌われる勇気』という本が2013年に出版され、とても人気を博したことがあります。私も読みましたが、「人間の悩みは、すべて対人関係の悩みである」というアドラーの考え方は面白いですね。今回のテーマのヒントにもなるはずです。

最近の書籍では『「嫌われたかも」「私がいけないんだ」「なにかと不安になる」 “落ち込みやすい自分”が劇的に変わる本 (大和出版)』がオススメです。

例えば「嫌われたのかも・・・」と思ったら、見返りを期待する行動をしない、自分は悪人と言う前提で生きる、他人の評価に振りまわされない等、現実的な対処法や考え方が読みやすく解説されています。

誰よりもあなたを救ってあげられるのは、あなた自身。自分に優しくしてあげましょう!

以上、児童福祉司を続けられる人=嫌われても大丈夫と思える人【経験者解説】という話題でした!

この記事を書いた人

社会福祉士&精神保健福祉士|大学受験失敗 → 浪人・転向 → 国家資格ダブル合格 → 就職 → パワハラ遭遇 → 転職 → 福祉現場で10年超
現職で働きながらブログ書く日々|月4万PV|妻と猫が大切

詳細プロフィールはこちら

フォローしていただけると、ブログ更新を見逃しません
しゃふくさん

コメント

タイトルとURLをコピーしました