児童福祉司に向いている人=嫌われても大丈夫な力のある人|経験者解説

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児童福祉司ってどんな仕事?向いてる人はどんな人?

こういった疑問にお答えする記事です。

この記事の内容
  1. 児童福祉司に向いている人=嫌われても大丈夫と思える人
  2. 児童福祉司に向いている人になるには「嫌われても大丈夫な力」が必要
  3. 「嫌われても大丈夫な力」をつける方法3つ

私は社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験は10年超。児童相談所で児童福祉司(虐待対応)をしてきた経験があります。

児童福祉司になりたいと思っている人はいますか?

児童相談所では、子どもたちが安心して暮らせるように、虐待や暴力などの問題に対応する仕事をしています。この仕事をする人を児童福祉司と言います。

児童福祉司に向いている人ってどんな人でしょうか?

私は、嫌われても大丈夫な力のある人だと思います。なぜなら、児童福祉司の仕事は、誰かには嫌われてしまうことが多いからです。

嫌われる理由を一言でいうと、多くの人の利害が絡む仕事だからです。

この記事では、児童福祉司に向いている人ってどんな人か、解説していきますね。

児童福祉司に向いている人=嫌われても大丈夫な力のある人|経験者解説

児童福祉司を続けられる人=嫌われても大丈夫な力のある人

親・保護者から嫌われる

児童福祉司の仕事は、子どもたちの味方です。でも、その仕事をするときに、親や先生や警察などの人から嫌われたり怒られたりすることがよくあります。

例えば、親が子どもに暴力をふるっているという通報があったら、児童福祉司は親に電話します。

児童福祉司:警察からこちらに連絡がありましたので、直接お会いしてお話を伺いたいです。日程調整のためにご連絡させてもらいました。

保護者:あー。今はもう問題無くやってますので、大丈夫です。時間も無いし、かえって負担で迷惑です。それに夫婦喧嘩なんてどこの家でもあることでしょ?もっと行かないといけない所があるんじゃないですか?

親は「暴力なんてしてない」と言ったり、「うちのことに口出ししないでほしい」と言って怒ったりすることがあります。

でも、子どものためには、親に嫌われてでも、暴力をやめさせる方法を考えなければなりません。

子どもの環境をより良くするためには、親には嫌われてでも、話す必要があると伝える強さが必要です。

また、学校や警察などの他の機関からも、児童福祉司に対して色々な要求や不満が出ることがあります。

例えば、

  • 「暴力を止められなかったのですか?」
  • 「親は反省しているのですか?」
  • 「子どもを一時保護できないのですか?」
  • 「何かあったらどうするのか?」

というようなことです。

親や先生や警察などの人から嫌われやすい理由は、児童福祉司の仕事が、色々な人の利益に関係するからです。

例えば、子どもを家から離すということは、親にとっては子どもを失うことです。

でも、子どもにとっては安全な場所に行くことです。

また、児童福祉司は、法律やルールに従って判断しなければなりません。他の機関の意見に応えられないこともあります。

例えば、他の機関は心配していても、子どもを家に戻さないといけないこともあります。

さらには、児童相談所が関わったことで「前よりは改善された」「児童相談所が関わって暴力の抑止にはなった」が、親や家庭に問題が残っている場合。

「児童相談所なら何でもできるはず」という期待があるので、 100%改善しないと、児童福祉司がどれだけ説明を尽くしても、「何とかできないのか」と不満・不信を受けたりします。

(初めから不信感を突き付けられることもあります)

残念ながら、児童福祉司は神様ではないし、児童相談所といっても人が人を支援するわけなので。

児童相談所が関わったからといっても、暴力の全く無い家庭にすることは不可能に近いです・・・。

だから、児童福祉司は所内でしっかり話し合い、子どもの最善の利益につながると思うことをやるのです。

そのためには、嫌われても大丈夫だと思える力が必要です。

児童福祉司は子どもの最善の利益のために働く仕事ですが、その過程で誰かから嫌われたり怒られたりすることが避けられません

ちゃんとできれば、嫌われたりしないんじゃない?上手くやれば大丈夫じゃないの?

そういうこともあるかも。でも、避けられない時があるんだ。

確かに、説明する力や、コミュニケーションスキル、専門的な知識や共感などによって、相手の納得を得られれば嫌われることは減らせるでしょう。

しかし限度はあります。

例えば、一時保護を強行する際は親の同意なく行うことが多いので、親から嫌われたり、攻撃されることは避けられません。

特に、児童福祉法28条の審判対応。これは、施設入所に親権者等が反対していても、家庭裁判所の承認を得て施設入所の措置を強制的に行う対応です。

同意が得られなかったり反対されているのを法的に闘って強行するので、特殊な例でなければ嬉しく思う親権者等はいない。

たいていは担当の児童福祉司が嫌れたり、猛反発を受けます。

なので繰り返しますが、子ども・親・他の機関・児童相談所内などにおいて、虐待対応をする限りは誰かには嫌われざるを得ないのです。

だから、児童福祉司(特に虐待対応をする場合)は、嫌われても大丈夫と思える人である方が向いているということです。

嫌われても大丈夫な力のある人とは?

嫌われても大丈夫という人ってどんな人でしょうか?

私は、嫌われたら悲しいけど、元気に戻れる人だと思います。

例えば、仕事で嫌われたと感じて落ち込んだりイライラしたとしても、

  • 仲間に話して気持ちを楽にする
  • 寝たら忘れちゃう
  • 運動や趣味で気分転換する

こんなふうにして、数日で元気になれる人は、児童福祉司に向いていると思います。

でも、「嫌われている」と思っているのは自分だけで、本当はそんなことなかった・・・ということもありますよね。

自分が勝手に思い込んでいるだけだったら、早く気づいて直した方がラクになれます。

「嫌われたらどうしよう」と不安になる人もいますが、自分の癖にも早く気づくことが大切です。

嫌われても全然平気な人が一番いいの?

そういうわけでもありません。

「嫌われても大丈夫」と「嫌われても平気」は違います。

「嫌われても平気な人」はほとんどいませんし、そうした人は人間関係で敵ばかりつくって、うまくいかないかもしれません。

これだと、児童福祉司の仕事では困ってしまうでしょう。むしろ、嫌われたら悲しいけど、元気に戻れる人が一番いいと思います。

嫌われることでダメージを受けるくらいの繊細さをもっているほうが、精緻なケースワークを行いやすいと思います。

保護者さんや子どもにもそうした感覚をもっている人が多いので、心情を想像しやすいんですね。

なので「嫌われても大丈夫」という、嫌われるとダメージは受けるけど、数日で回復できる人が児童福祉司を続けやすく、支援の適性もお持ちであろうと考えます。

では、児童福祉司の理想的な姿は、どんな姿なのでしょうか? それが分からないと、どうすれば向いていると言えるのかわからないですよね。

参考にできるのは、「コンピテンシーモデル」というものです。

コンピテンシーモデルって何?

コンピテンシーモデルというのは、仕事ができる人がどんなことをしているかをまとめたものです。仕事ができる人とは、ずっといい仕事をしている人のことです。

コンピテンシーモデルは、理想論が語られているのではなく、実際にやってみてうまくいっていることがまとめられています。

児童福祉司としてやっていくには、どんなことが必要なのでしょうか?面接のやり方やカウンセリングの技術なども大事ですが、それだけではなくて・・・

まずは、

「どんなことに気づいて考えたらいいのだろう?」
「その場その場で、どんなことに注意したらいいのだろう?」

という基本的なことがわかると良いです。。

でも、そういうことを教えてくれる本や人はあまり多くありません。

そこで役立つのが、コンピテンシーモデルです。これは、実際に児童福祉司の仕事をしている人たちから聞いたことをまとめたものなので、すごく参考になります。

インターネットで「児童福祉司 向いている人」と調べると、こんなことが書いてあるかもしれません。

  • 事実をしっかり見れる
  • 相手の話をよく聞ける
  • 相手の気持ちになれる
  • 心理学や社会学の勉強ができる
  • カウンセリング技法などが使える
  • 秘密を守れる
  • 人と話すのが得意
  • チームワークができる

・・・これらのことは、確かに大切ですし、最初からできたらいいですね。でも、仕事をしながら学んだり練習したりすれば、上達できます!

インターネットに書いてあることは、児童福祉司をしていた人の意見ではないこともありますし、自分に当てはまらなくても大丈夫です。

例えば、「女性の方が児童福祉司に向いている」というような偏った意見もあります。

でも、本当は男性も女性も必要ですし、性別で決められれるものではありませんから、気にしないでくださいね。

詳しくは「男性は社会福祉士に向かないって本当?【男である現役が解説!】」という記事で説明していますので、興味がある方は読んでみてくださいね。

「児童福祉司に向いている人になりたい!」
「児童福祉司に必要なことを知りたい」

という方は、コンピテンシーモデルをチェックしてみてくださいね。

コンピテンシーモデルはインターネットで見られます。ダウンロードして印刷することもできますよ。以下のリンクからどうぞ。

私はこのコンピテンシーモデルをよく見て、勉強しています。

「嫌われても大丈夫」と思える力をつける方法3つ

嫌われたくない・・・僕は児童福祉司としてやっていけるのかな・・・

そんなあなたに役立つ方法を教えますね!

メンタル対策する

嫌われても大丈夫な力というのは、心の状態をどう保つかということです。具体的な方法はこちらの記事で説明しています。

自己覚知する

そもそも、「どうして嫌われるのが辛いのか?」「本当に嫌われたのか?」といった疑問を考えてみるには、自分を知ることがオススメです。

自分を知る方法や参考になる本は下記の記事で説明してます。

覚悟を決める

難しいことですが、児童福祉司のコンピテンシーモデルに次のことが書かれています。

子どもの権利擁護のために体を張る覚悟

保護者と対立し、時には脅迫的な言動や暴力に遭遇することがある。

このような場合でも毅然と対応することが大切である。

自分の行動を決めるものさしは「子どもの最善の利益」を守ることであり、それが「社会的正義」である。

仲良くするだけでは児童福祉司の仕事を果たせません。

嫌われるのは、あなたが児童福祉司の仕事をちゃんとやっているからです。

辛い現実の話ですが、児童福祉司の仕事を理解するためには、ぜひ読んでおいてくださいね。

最後に

最近の児童福祉司は社会から「児童虐待を止めてほしい」と期待されています。相談支援職でありながら、警察官みたいな役割も求められています。

児童虐待を許さずに指摘しながら、児童虐待の原因や背景を分析して相談支援関係を作って再発しないように支援する・・・

「児童虐待です」と指摘するだけでは、保護者から嫌われて、関係が切れてしまう(支援関係にならない)ことがよくあります。

私もこの仕事で苦労しましたし、周りで働く児童福祉司も大変だったり、休んだりやめたりする人もいました。

でも、もう一度言いますが、嫌われるのは、あなたが児童福祉司の仕事をちゃんとやっているからです。悪いことはしていません。

この話はつらいかもしれませんが、児童福祉司に興味のある方や、これから児童福祉司になりたい方に役立ててほしいです!

もっと児童福祉司について知りたい方は、こちらの記事も見てくださいね。

あと、自分の心を強くする本ですが『嫌われる勇気』という本が2013年に出版されて、とても人気になりました。私も読みましたが、「人間の悩みは、すべて人との関係の悩みだ」というアドラーの考え方はおもしろいですよ。今回のテーマのヒントにもなります。

最近の書籍では『「嫌われたかも」「私がいけないんだ」「なにかと不安になる」 “落ち込みやすい自分”が劇的に変わる本 (大和出版)』がオススメです。

例えば「嫌われたのかも・・・」と思ったら、

  • 見返りを期待しないで行動する
  • 自分は悪人だと思って生きる
  • 他人の評価に左右されない など

現実的な対処法や考え方がわかりやすく説明されています。

誰よりもあなたを救ってくれるのは、あなた自身です。自分に優しくしてあげましょう!

しっかり対策したら、児童福祉司はやっていけるんだね。

そういうことです!間違いなく子どものためになる仕事。ぜひチャレンジしてみてくださいね!

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