
精神保健福祉士の離職率って高い?

イメージほど高くはないだろう。
離職率は職場ごとにも違うから、見分け方も教えよう。
こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
精神保健福祉士について、「精神疾患の人と関わるのは大変そう」「自分まで病気になってしまいそう」といったイメージのある方は多いのではないでしょうか?
「精神保健福祉士の離職率は高そう」と気になるのは、自然なことです。離職率が高い仕事は過酷なイメージがありますし、低いなら働きやすそうですよね。
その仕事の過酷さのバロメーターともいえる離職率。精神保健福祉士はどうなのか?よく知らないまま精神保健福祉士になることはリスキーでしょう。
しかし実際は、「精神保健福祉士の離職率はそう高くもなさそうだ」と考えられます。
この理由を解説する記事なので、読んでいただくと
この記事でわかること・精神保健福祉士の離職率の推測
・離職率の低い職場を見つけるポイント
上記2点がわかります。それではまいりましょう!
精神保健福祉士の離職率は?
まず結論ですが、残念ながら「精神保健福祉士の離職率」の統計調査はありませんでした。
しかし、「医療福祉産業」や「介護職員」の離職率調査をもとに、精神保健福祉士の離職率を推測することはできます。見ていきましょう。
「医療福祉産業」の調査から推測
「医療福祉産業」の統計調査では、離職率は1年で12.9%です。

どうなんそれ?

8人中就職したら1年で1人退職する。
けっこうリアルだな。
医療福祉産業の2019年の離職率(1年以内)は12.9%でした。それほど高く感じない方が多いのではないでしょうか。
しかし、3年以内の離職率は38.4%でした。「2017年に大学を卒業して医療福祉分野に就職した人は、3年以内に38.4%が離職した」ということです。
大学卒平均は32.8%、短大等卒平均は42.8%なので、ちょうど間くらいです。
(参照元:厚生労働省 新規大卒就職者の産業分類別就職後3年以内の離職率の推移)

でもさ、「医療福祉産業」って精神保健福祉士とは違うやろ?

その通りだ。
「精神保健福祉士を含む離職率」だから、正確とは言えない。
精神保健福祉士は医療分野で働くことも、福祉分野で働くこともあります。なので、「医療福祉産業」の離職率は、精神保健福祉士の離職率をふくんでいます。
しかし、医師・看護師・薬剤師・介護福祉士・社会福祉士などなど、精神保健福祉士以外の職種もふくんでしまっているのです。
では別角度からということで、精神保健福祉士と同じ福祉である介護職員の離職率をみてみましょう。
介護職員の離職率から推測
介護職員の離職率は、1年で16.2%です。介護職員は精神保健福祉士と同じ福祉職。少し強引ですが離職率は同じくらいと推測できます。
ちなみに、全産業の平均離職率は1年で14.9%なので、介護職員の離職率はさほど高くありません。ワーストは宿泊業・飲食サービス業で、1年で30%です。
(参考: 厚生労働省ー平成29年度雇用動向調査結果の概要ー産業別入職率・離職率)
ここまでの話を以下にまとめます。
- 12.9%(医療福祉産業)
- 16.2%(介護職員)
- 14.9%(全産業)
- 38.4%(医療福祉産業)
- 32.8%(大学卒)
- 42.8%(短大等卒)
- 39.5%(高校卒)
- 59.8%(中学卒)
比較の話ではありますが、精神保健福祉士の離職率は実はそんなに高くなさそうです。
離職率の低い職場を見つけるポイント2つ
離職率は、事業所の大きさや法人格で差があります。介護の現場調査をもとにした内容ですが、精神保健福祉士の就職先・転職先を探すなら知っておいて損は無いでしょう。
離職率は大きな事業所ほど低い
結論は、大きな事業所ほど離職率は低いということです。「大きい」というのは、働いている人の数が多いということです。
働く人の数が多い職場ほど、離職率は低くなっているのがおわかりいただけるでしょうか?離職率の低い職場で働きたい方は、従業員が多い職場を選ぶのがベターです。
民間企業は離職率が高い
各法人によって離職率に差があります。介護職員(施設等)の1年以内の離職率は以下のようになります。
ここから言えるのは、離職率が低い職場で働きたい方は、民間企業を避けるのがベターということです。
【まとめ】精神保健福祉士の離職率【実はそんなに高くない?】
まとめです。
- 12.9%(医療福祉産業)
- 16.2%(介護職員)
- 14.9%(全産業)
- 38.4%(医療福祉産業)
- 32.8%(大学卒)
- 42.8%(短大等卒)
- 39.5%(高校卒)
- 59.8%(中学卒)
上記のように、精神保健福祉士の離職率を、医療福祉産業や介護職員と同じくらいと考えてみると、実はそんなに高くないのではないでしょうか?(あくまで比較の話ですが)
そして、離職率の低い職場を選ぶポイントをまとめると以下のようになります。
もちろん、あくまで統計調査の結果ですから、絶対ではありません。精神保健福祉士に限定した調査ではありませんし、各職場によって違いはあるでしょう。
結局のところ、離職理由で一番多いのは「人間関係」で、離職理由の2割というのも見逃せないポイントです。
(参考:平成29年度介護労働実態調査結果について)
良い人間関係の職場なら働きやすいですが、こればっかりは働いてみないとなかなかわかりません。
福祉現場ならではの人間関係の悩みを解消するポイントは、下記記事で紹介していますから、役立つでしょう。

以上、精神保健福祉士の離職率【実はそんなに高くない?】という話題でした。
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