- 精神保健福祉士は病む人多い?
- 社会福祉士は病む?
- 病気の人と関わってたら自分も病みそう・・・
こうした疑問にお答えします。
- 【体験談】私も「自分が病むのでは」と不安だった話
- 精神疾患の人と関わってわかったこと
- 病まないためにこれだけはやっておけ!対処法5つ
この記事を書く私ですが、社会福祉士・精神保健福祉士として現場歴10年以上です。
繊細でストレスに弱く内向的な私ですが、今まで病むことなく仕事を続けてきました。
社会福祉士や精神保健福祉士になって”病む”ことを心配している方は多いでしょう。残念ですが、その心配はビンゴです。
実際、社会福祉士も精神保健福祉士も「心身の健康状態の不調」は退職要因の約3割です。
「心身の健康状態の不調」を理由に辞めた 社会福祉士・精神保健福祉士の割合(複数回答) |
|
社会福祉士 | 28.0% |
精神保健福祉士 | 31.5% |
参考:(公財)社会福祉振興・試験センター調査
私の周りでも「上司から怒られる声が聴こえる・・・」と休職した方や、休職・復職を繰り返して退職した方などなど、おられます。
要因は仕事の質や職場環境だけではないでしょう。そもそも対人支援の仕事を志す人には、心に何らかの欠落感を抱えている人が多いと言われます。悩みやすい人、不安になりやすい人がいるんですね。
英語では↓のようなことわざがあります。
意訳:多くの人が羊毛を刈りに行ったのに、毛を刈られて帰ってくる
つまり「人を支援しようと思って福祉の仕事に就いたけど、病気になって仕事を辞めて支援される側になる」ということがあるのです。
オレは大丈夫や!皆に元気やって言われてるし!
と言う方はいますが、間違いです。
精神疾患は誰もがなりうる病気です。精神疾患は「心の風邪」ではありません。もっと重症です。少なくとも「心の骨折」と考えましょう。なるべく健康でいられるに越したことはありません。
ではどうしたら良いのか?解説していきます。
精神保健福祉士・社会福祉士は病む?【10年超で実証した対策5つ】
【体験談】私も「自分が病むのでは」と不安だった話
私が学生の頃は、精神保健福祉士になるか迷っていました。↓のような不安があったからです。
(精神障害のある人を支援すると、自分まで病気にならないか・・・)
大学教授に相談したこともありましたね。
そもそも私自身、ちょっと買い物に行って服を買って帰るだけで「疲れた~」とベッドに横になってしまうタイプでした。
休日だってインドアだし、ゲームが好きな内向的人間です。
社交的ではないし、コミュニケーションが得意でもない。むしろ苦手意識がバリバリ。
結局は興味が勝って、不安を残しながら社会福祉士・精神保健福祉士になりました。
でも実際に仕事をしてからも、思い悩んだり苦しんだ時期がありました。
「病まないためにはどうしたら良い?」「どうしたら楽になれる?」というテーマは、私の死活問題だったのです。
元来ストレスに弱いからこそ、本記事で紹介する病まないための対策を続けています。これも自己覚知の1つです。
≫社会福祉士の自己覚知【必要な理由・やり方を社会福祉士が解説】
精神疾患の人と関わってわかったこと
現場で精神保健福祉士として、精神疾患のある方々を支援しているとどんな習慣の方が精神疾患になっているかわかるようになりました。
わたし毎日運動してぐっすり眠ってるんですけど、うつ病なんですよ~
こう言う方は見たことないです。
そもそも精神疾患のある方には、生活習慣の悪い方が多いです。
- 不規則な食事
- 暴飲暴食
- 日中に外に出ない
- 運動不足
- 夜中までスマホ・ゲーム
- 寝不足
そうした方が支援につながり精神科デイケアや作業所に通うと、みるみる回復していく場合があります。
どうしてなのでしょう?
精神疾患のある方が日中の通所先に通うと、食事・運動・睡眠に良い影響が起きやすいです。
- 運動量が増える
- 睡眠が規則的になる
- 栄養が良くなる
決まった時間に用事があると、決まった時間に起きて外に出かけて活動して、適度に疲れて夜に眠りやすくなります。リズムができるんですね。また通所先では、健康的な食事を食べられたりします。
食事・運動・睡眠の改善は回復の基礎なんですね。それならば、私たちも同じことをすればメンタルを強くできるはずということです。
皆さんも、一度は「食事・運動・睡眠」が大切と聞いたことがあるのではないでしょうか?
知ってる知ってる。大切やんね~。
「知ってる」と感じる人が多いでしょうけど、知っていることと、できていることの間には雲泥の差があります。
病まないためにこれだけはやっておけ!対策5つ
対策① 楽しめる運動をすべし!
やだやだ運動やだ~!
気持ちはわかる!
実は私も運動が大嫌いです。めんどくさいし、効果もわかりにくい。
例えばゲームで、ポケモンを育てるならわかりやすいです。レベル上げに手間はかかりますが、経験値は数字で貯まっていくので、モチベーションを保ちやすいですね。
でも、リアルで運動しても効果はわかりにくいですね。ダイエットに取り組んだものの、体重はなかなか減らなくて挫折した方は多いでしょう。
それでも、社会福祉士・精神保健福祉士(をめざす方)は、運動したほうが良いです!
近年の研究では、運動はうつ病を予防する効果があると明らかになっています。
脳の血流が良くなって、頭の回転も速くなり、勉強・仕事の能率が上がります。ストレス解消になって、ストレス耐性もつくし、立ち直りまでも早くなります。
つまり、運動すればメンタルが強くなると言われています。
運動の効果を理論的に知りたい方には「脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方」がオススメです。私を「運動したい!」と思わせてくれた本です。
運動効果は、ダイエットやモテる体になれるとか、それだけの意味じゃないとわかります。認知症になるリスクも減らすそうですよ。
どんな運動をしたら良いのか?
さて肝心なのは、どんな運動をするかですが・・・
あなたが楽しめる運動が最高です。理由は続けられるからです。
人の忍耐力は知れています。頑張ることは続きません。でも、楽しいことはどんどんやりたくなります。
具体的な内容は人それぞれでOKでしょう。ヨガ、ウォーキング、ランニング、スポーツ、登山など。有酸素運動が特に良いとされています。
私の場合は自宅でスマホ動画を観たり読書をしながら、ステッパーを踏んでいました。好きなことをしながらできるので良いですね。
楽しみとセットなので継続しやすかったですね。寝巻のままで、雨でも室内で運動できるので、ずぼらな私にぴったりでした。
今の私が約2年ほど毎朝している運動は、↓で解説しています。
≫【病む?】社会福祉士・精神保健福祉士のストレス解消法【4分対策編】
対策② 睡眠の時間と質を死守せよ!
睡眠時間のベストは7時間!
昨日3時間しか寝てないわ~(自慢気)
福祉の仕事をしたいならシャレにならんよ!
短時間睡眠をアピールする人がよくいますが、私たちは真似しないようにしましょう。普通は脳のパフォーマンスは落とすだけです。
4時間睡眠で大丈夫なのは人間の1%未満です。遺伝的に特異な人だけなんですね。
「短い睡眠に体を慣らす」といった怪しい講習の宣伝を見かけることもありますが、科学的根拠はありません。諦めましょう。
睡眠不足になると、勉強・仕事のパフォーマンスは下がります。あなたの本来の力は100あっても、寝不足だと発揮できるのは30までだとしたら・・・勿体なくないですか?
睡眠時間は7時間の人が、最も死亡率が低いと言われています。
睡眠をいい加減にしている人が7時間に眠るようになれば、封印されていた力が解放されるごとく、数倍のパフォーマンスを発揮できるかも。
改善効果はいまの睡眠が適当だったり、乱れている人ほど期待できるでしょう。
「早く眠ったら損」ではなく眠らなきゃ損です。
規則的に眠るべし!
- 明日が休みだから遅くまで起きていよう!
- 休みの日だからまだまだ寝てよう・・・
これも気持ちはわかります。世間的には「これくらい良いでしょ」と思われるでしょうが、メンタルに良い話ではありません。睡眠リズムを乱すと、睡眠不足・質の低下につながりやすいです。
「同じ時間に寝て、同じ時間に起きる習慣をつくりましょう。」
これは精神科医が患者さんに繰り返し言うことです。
睡眠の質を上げるべし!
睡眠はシンプルに7時間寝れば良いとは言えません。睡眠の質も大切です。
質を悪くする行為にありがちなのは、寝る前にブルーライト浴びること。すなわち、テレビ画面やスマホ画面の光を浴びることです。
眠る前にブルーライトを浴びると、睡眠の質が下がります。
脳がせっかく「そろそろ夜だし寝ようかな~」と思っているところに、昼間の光(ブルーライト)を浴びると、脳は「あれ?まだ昼間?」と錯覚してしまいます。
脳が再び夜モードに入るまで、時間がかかってしまうのです。
・・・でも、見ちゃいますよね?私も同じです。
せめてもの、ですが。ブルーライトカットのメガネをかけるのも手です。
睡眠の質UPだけでなく、目の疲れや、肩こり・頭痛をやわらげる効果も期待できます。ネットだと安く手に入りますから。
スマホ画面にはブルーライトカットのフィルムを貼りましょう。
またスマホ設定を「おやすみモード」などにしましょう。やり方がわからない方は「スマートフォンの便利機能「おやすみモード」ってなに??」をご参考に。
要点をまとめます。
- 睡眠の質を高めよう
- 寝る前はブルーライトを浴びないのがベスト
- どうしてもスマホ・テレビを観たい時は、ブルーライトをカットしよう
対策③ プライベートでは没頭できる活動をせよ!
あなたは自分のミスを繰り返し反省・後悔するほうですか?
もしYESなら、今からの話がきっと役立ちます。
学校や仕事が終わってからも繰り返し悩んでると、すごくストレスになりますよね。
「同じことを繰り返し思い出して悩むこと」を反芻思考とよびます。これは精神疾患のリスクを高めるといわれています。つまり、病みやすくなる。
仕事は終わっているのに、今日のミスや利用者・患者さんのこと、職場関係のことを思い出して悩んでると、病むリスクは高まります。
そうは言っても、人は忘れようと思っても忘れられない生き物です。
例えば、こんなテストがあります。
・・・
・・・
どうでしょう?パンダを考えてしまいますよね。
嫌なことを繰り返し思い出す時も、同じことです。「もうあのことを考えるのはやめよう」と思っても、頭から離れません。
あなただけの話ではなく、「人間とはそういうもの」です。
どうしたらええんや・・・つらいよ~
忘れようとするのではなく、他のことに没頭するのがベストです。
何かに集中することで、結果的に忘れられるということです。忘れた結果、他のことに集中できるのではありません。逆です。別のことに集中しているうちに忘れるのです。
例えば人と過ごしていると気がまぎれることは、皆さんご経験があるのではないでしょうか?これは本当に効果があるのです。
社会福祉士・精神保健福祉士として働くなら、没頭(集中)できる活動があると強みです。
運動でも趣味でも特技でも良いし、家族・彼氏・彼女・友人でも良いでしょう。夢中になれる活動、気をそらせてくれる関係は、あなたのメンタルを守ってくれるでしょう。
そうした活動をもっていない方も、まだ間に合います。探しましょう!見つかれば、あなたはよりタフに続けられるはずです。
集中できるようなことが無いんやけど・・・
即興でできる方法は「頭の中で数字を数える」です。数字を数えながら悩む、という行為はできません。
もしできたとしても「数字を数える合間に悩む」くらいでしょう。人は厳密にはマルチタスクはできない仕組みになっています。
対策④ 副交感神経を優位にする呼吸法をマスターせよ!
人には交感神経と副交感神経があります。
交感神経が優位な状態とは、バトルモードです。興奮、怒り、緊張といった状態ですね。これが長期間続くと、心身はボロボロになってしまいます。
副交感神経が優位な状態は、リラックスした状態です。つまり休憩モードですね。
病まないためには、副交感神経を優位にした方が良いのです。その方法として科学的に実証されているのが呼吸法です。
オススメは「数字を数える」と「4・4・8呼吸法」を組み合わせた方法です。4秒吸って、4秒息を止めて、8秒かけて長く吐く。これを数字を数えながら行うのです。
「4・4・8呼吸法」は著書「ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の 超呼吸法」で不安やストレスを取り除く呼吸法として紹介されています。
呼吸法はいつでもどこでもできるので、習慣化しておくと良いです。気持ちが落ち着きます。
騙されたとおもって5分試してみて欲しいです。
対策⑤ 科学的に証明された究極の食事をとるべし!
食事が大切なことは言うまでも無いでしょう。
しかしどんな食事をとれば良いのか?混乱している人は多いと思います。
テレビで「納豆が良い」と取り上げられれば、スーパーから納豆は姿を消すほど売れるが、次週にはまた別の食べ物が推奨されている・・・。
視聴者は「いったい何を食べれば良いんだ?」「どれもこれもオススメなのか?」「ネタをつくってるだけ?」と困惑するでしょう。
私はあれこれ信じるのではなく著書「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」を参考に食事をとっています。オススメの著書です。
最後に
あなたが学生なら学生の間に。あなたが社会人でも、まだ間に合います。社会福祉士・精神保健福祉士の職業人生には、山あり谷あり。タフに続けるには工夫がいります。
でも急に習慣を変えようとしても失敗するのは普通のことです。三日坊主というコトワザがあるのは、先人たちも習慣化に失敗してきたからです。
人は辛いことは続けられません。頑張ることは続きません。あなたの努力不足とか、だらしないとか、そういう話じゃないんですね。
でも、人は楽しいことは続けられます。
だから継続したいことがある時は「いかに楽しむか」を本気で考えるのがオススメです。
私は運動やブログが習慣になっていますが、習慣化に役立ったのは「短期間で〝よい習慣〟が身につき、人生が思い通りになる!超習慣術」です。
自分の体が資本です。良く休まないと良く働けませんね。しっかり対策して取り組んでいきましょう!
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