
試供品ってなんで無料なの?

お店が儲かるからだよ。どうしてかというと、「返報性のルール」っていうのがあるから。
試供品・サンプル品が無料な理由は何か?
答えは、試供品を無料にすることで、お店が儲かるからです。
この記事では、試供品やサンプル品が無料な理由を「返報性のルール」を中心に説明していきます。
返報性のルール
- 人から何かもらったら、お礼に何かあげないと気がすまないという気持ちのこと
- 悪い人はこれを利用して弱い人をだます
- 良い人はこれで感謝の気持ちを伝える
気をつけないと、あなたもいつの間にかセールスの術中にハマってしまい、損をするかもしれません。
この記事を読むことで、騙されたりしない知恵が手に入るでしょう。
試供品・サンプル品が無料な理由とは?|ヒントは『返報性のルール』
私が昔、体験したことを話しますね。
ある日、スーパーに行ったら、お肉のいい匂いがしてきました。
元気なおばさんが「どうぞ~」って、小さく切ったお肉を焼いてくれました。
通りかかったら、食べてみてくださいって言われました。
つまようじでとって食べてみました。私は
(味はおいしいけど、ちょっと高いし、そんなに欲しくないな・・・)
って思いました。でも、そのまま帰るのは失礼だと思って、少し買ってあげました。
こんなこと、ありませんか?
私がお肉を買っちゃった理由は、返報性のルールが働いたからです。
スーパーに行くと、食べ物やお茶やお酒など、無料でくれることがよくありますよね。おみやげ屋さんでも、サンプル品が置いてあることがあります。
店員さんがわざわざ「食べてみてください~」って持ってきてくれることもあります。
(最近は新型コロナのせいであまり見なくなりましたけど・・・)
化粧品やサプリメントの試供品もよくもらえますよね。
でも、賢いお客さんなら気づきます。お店が無料で商品を渡したら赤字になる、と。
じゃあ、なんで無料でくれるのでしょう?
お店が優しいからでしょうか?
うーん・・・世の中はそんなに甘くありませんね。そんなことをしてたらお店がつぶれちゃいます。
答えは、試供品を無料にすることで、お店が儲かるからです。
理由1:商品の良さを知ってもらえるから
まずは試してもらうことで、商品の良さを知ってもらえるし、感じてもらえるんです。
試供品で気に入ってもらえたら、商品を買ってもらえるかもしれないということです。
さっきの例で言うと、お肉の味を確かめてもらって、おいしいと思ってもらうことで売り上げにつなげるということです。
この理由はわかりやすいですよね。
理由2:無料を試した人は商品も高確率で買うから【返報性のルール】
無料の試供品やサンプル品を試した人は、その商品を買う確率が高くなるんです。本当は欲しくなくても・・・です。
この理由は、返報性のルールが働くからです。
返報性のルールって何でしょう?
返報性のルールっていうのは、「人から何かもらったら、同じようなことを返さないと気がすまない」というルールです。
最初の話で言うと「お肉を食べたらそのままでは帰れない」「お肉を買ってお礼しないと悪い」という気持ちになるのです。
つまり、試供品をもらったのにお礼をしないのは気まずいから、買ってしまうということです。
だから、試供品やサンプル品を使った商売はうまくいくんです。
お店の人にとっては、お客さんに何か渡してもらえたら、借りができるんです。そのあとの話し合いで、OKをもらいやすくなるんです。
例えば銀行では話し合いの前にお菓子やお茶を出したり、引っ越し屋さんは見積もりの時に無料の米を持ってきたりします。そうすることで契約の確率を上げているんです。
常識的な人ほど、「もらったものにはお礼しなきゃ」と思います
日本人は、返報性のルールをちゃんと守るように育てられています。
返報性のルールを守らないと周りから嫌われる・仲間外れにされるということを、「常識」として覚えているんですね。
例えば、
「ものをもらっておいてお礼をしないなんて、ひどいことです。」
「人の家に行くのだから、手土産を持っていかないと失礼です。」
っていう感じです。
こういうことは、社会のルール・常識として私たちの生活に浸透しています。
実は、返報性のルールが影響するのは日本だけじゃないです。アメリカとかでも同じですね。
つまり、世界中の人間社会のルールなんです。
皮肉なことに、優しくて、常識的な人ほど、返報性のルールに引っかかってしまうんです。
返報性のルールって何?
返報性のルールに従わない人は非常識扱い【コンビニでバイトしてた友達の話】
繰り返しますが、
返報性のルールというのは、人から何かもらったら、同じようなことをしてあげないと気がすまないという気持ちのことです。
例えば、お友達からお菓子をもらったら、お礼にお菓子をあげたくなりますよね。それが返報性のルールです。
でも、返報性のルールを守らない人もいます。そういう人は、みんなから嫌われてしまいます。
「非常識だ」「感謝しない人だ」「ずるい人だ」と言われてしまいます。
私の友達は、学生の時にコンビニで働いていました。その友達はこんなことを言っていました。
「トイレだけ借りて何も買わない人がいるんだけど、それって変じゃない?俺だったら、コンビニでトイレを借りたら、最低でもガムくらい買うよ。そういう人は非常識だよね。」
この話にも、返報性のルールが出てきますね。
コンビニのトイレは無料で使えますが、それはコンビニからのプレゼントと言えます。
トイレットペーパーや水道代はかかりますし、トイレをきれいにするのは店員さんです。
そう考えると「タダでトイレだけ使って帰るのは申し訳ない」と思って、何か買って帰っちゃうんですよね。
返報性のルールを使った商売【悪用現金!】
返報性のルールを使った商売があります。それは、試供品やサンプル品を配ることです。
試供品やサンプル品をもらったら、「お礼に何か買わなきゃ」と思ってしまいますよね。それが返報性のルールです。
試供品やサンプル品を配ると、売り上げが上がるということです。
営業マンも同じことをします。
お客さんに何か渡してもらえば、「お礼に何か買わなきゃ」と思わせることができます。その後の話し合いで、「はい」と言わせやすくなります。
例えば銀行では話し合いの前にお茶やお菓子を出しますし、引っ越し屋さんは見積もりの時に無料の米を持ってきます。
これは返報性のルールを使って売り上げを上げようとしているんです。
日本人は返報性のルールを守ろうとする
日本人は小さい頃から返報性のルールを守るように教えられています。
返報性のルールを守らないとみんなから仲間外れにされたり、認めてもらえなくなったりするということを、「常識」として覚えています。例えば、
「物をもらっておいてお返しをしないなんて、ひどいことだ。」
「人の家に遊びに行くのだから、手土産を持っていかないと非常識だ。」
というように教えられてきました。
これは日本だけのことではありません。アメリカなどでも同じです。
つまり、人間社会の世界共通のルールなのです。
でも、人が優しくて、常識がある人ほど、返報性のルールに騙されてしまうことがあります。
返報性のルールへの対策方法【悪徳業者に騙されないために】
「タダより怖いものはない」
この言葉を覚えておきましょう。
無料サンプルや試供品をもらうときは注意が必要です。
無料サンプルや試供品をもらうと、そのあとで断るのが難しくなります。そうならないためには、最初から無料サンプルや試供品をもらわないのが一番です。
でも、相手が本当に親切で渡そうとしてくれる場合もあります。それを断ると仲が悪くなってしまいます。
相手が本当に親切なのか、悪いことをしようとしているのかを見分けるのは難しいです。
だから、もらってもいいですが、返報性のルールで「はい」と言わせようとしている悪い人だとわかったら、何も買わないでください。
「非常識だと思われても断る勇気」が大切です。
返報性のルールを使った悪徳セールスに注意!【社会福祉士の注意喚起】
私は社会福祉士として働いています。社会福祉士は、高齢の方や障害のある方など、生活に困っている人たちを支援することです。
でも、悪い人は返報性のルールを利用して、生活に困っている人をだますのです。
どうやってだますかというと、
こんな感じです。
高齢の方は、人から何かもらったらお礼をしなくてはならないという常識を持っています。だから、悪い人の言うことを聞いてしまいます。
そうして買わされた物は、後で後悔して泣きます。でも、家族には言えません。恥ずかしいからです。
こんなことが起こらないようにするには、返報性のルールに気をつけることです。
無料で何かもらったからと言って、何か買わなくても大丈夫です。断っても非常識ではありません。
まとめ
この記事では、返報性のルールについて説明しました。
返報性のルール
- 人から何かもらったら、お礼に何かあげないと気がすまないという気持ちのこと
- 悪い人はこれを利用して弱い人をだます
- 良い人はこれで感謝の気持ちを伝える
ということでした。
返報性のルールは、人間社会のルールです。日本人はおろか、世界中の人が返報性のルールを守ろうとします。
『タダより怖いものはない』という言葉を胸に刻み、あなたの資産・財産をまもっていきましょう!
『返報性のルール』の関連書籍
この本は、返報性のルールを良いことに使って、人間関係を良くしたり、仕事で成功したりする方法を教えてくれます。
人がどうして他人の言うことに従ってしまうのかを科学的に解明した名著です。著者は、悪い人が使う「返報性のルール」という心理テクニックを暴露します。
この本を読めば、そんな悪い人に騙されないようになります。また、社会で生きるために必要な知識がたくさん詰まっています。ぜひ読んでみてくださいね!
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