- 彼女が境界性パーソナリティ障害だった
- 境界性パーソナリティ障害の彼女と、付き合ったり別れたりを繰り返している
- 彼女の自傷行為にどう関わったら良いのか?
- 彼女がもしかしたら境界性パーソナリティ障害かも・・・
という方へ。
- 境界性パーソナリティ障害の症状9つ
- 境界性パーソナリティ障害が女性に多いように見える理由とは?
- 境界性パーソナリティ障害の彼女を支えるポイント10個

わたしは社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験は約10年です。

彼女が境界性パーソナリティ障害なんやけど、どう関わったらええん?うまくいかんのよなぁ
境界性パーソナリティ障害は、別名
- 境界性人格障害
- ボーダーライン
- BPD
と、呼ばれることもあります。
いわゆる「メンヘラ」という俗語がありますが、その意味するところに近い障がいです。
でも「メンヘラ」は中傷的な言葉としても使われるため、私は好きな言葉ではありません。
でも、それだけ境界性パーソナリティ障害が目立つ世の中になってきているのでしょう。
境界性パーソナリティ障害には、さまざまな激しい症状があります。
でもその根底にある思いは、シンプルです。
境界性パーソナリティ障害の根底
- 強い自己否定
- 他者不信
境界性パーソナリティ障害は、精神障がいの1つです。
精神保健福祉士として、わたし自身、支援でつまづいてきた経験があります。
支援の難しさは忘れられないほど味わってきました。
実は、精神障がいの分野では、境界性パーソナリティ障害の方々は支援の難しいケースとなりがちです。
境界性パーソナリティ障害の支援はプロでも手を焼くのです。
しかし、そうしたプロではできないことが、彼氏・パートナーさんにはできます。
なぜなら、安定したパートナーの存在によって、境界性パーソナリティ障害の方々が年月をかけてなる良くなることがわかっているからです。
この記事では、境界性パーソナリティ障害の特徴について解説し、彼女と関わり支えるポイントをご紹介していきます。
私の実務経験もまじえてお話しますね。それではまいりましょう!
境界性パーソナリティ障害の彼女・恋人との接し方|精神保健福祉士解説
境界性パーソナリティ障害の症状9つ
今から解説する9つの症状が、境界性パーソナリティ障害の典型的な症状です。
また、診断基準のポイントとなります。
5つ以上にあてはまれば、境界性パーソナリティ障害の可能性が考えられます。
もちろん、正確な診断は精神科で受けることになります。あくまで目安としてみていってくださいね。参考:MSD マニュアルプロフェッショナル版 境界性パーソナリティ障害(BPD)
見捨てられることへの不安が強い
わずかな拒否や否定でも、極端に受けとめて「見捨てられる」と不安になります。
「見捨てられる」と感じた時は、必死の思いでつなぎとめようとします。
それは生存戦略といえます。
もちろん、人には好かれているのがベストと思っています。
でも、最悪の場合はどんな関心であっても良いから、自分に関心を向けさせないと生きていけないと思うのです。
その関心とは、怒りであろうが、嫌悪であろうが、攻撃であろうが・・・です。
怒りや攻撃といったマイナス感情も、関心があることにかわりはなく、見捨てられてはいないからです。
だから、相手がどうしても放っておけないように行動します。
例えば、自殺企図や自傷行為などです。
よくあるのは、リストカットなど。
彼女達がもっとも恐れるのは、無関心になられること。
忘れ去られること、どうでも良いと思われることなのです。
それは見捨てられることと同じなのです。
対人関係が両極端で不安定
境界性パーソナリティ障害の世界には、「良い」か「悪い」の2つしかありません。
- 白か黒か
- 〇か×か
- 0か100か
いつも2択で世界を捉えています。
これを二分法的認知といいます。グレーがないのです。
そのような色メガネで周りをみたらどうなるでしょうか?
「断られた」 ⇒ 「拒否」「見捨てられる」
「彼氏がそっけなかった」 ⇒ 「嫌われた」「最低な人」
このように極端にとらえてしまうのです。
気分が良い時なら
- 「あなたって最高!」
- 「なんでもわかってくれる。理想の人。」
- 「こんな人に出会えたのは初めて!」
と言葉にしてくれるでしょう。
ところが期待外れなことが起きると、最高から最低に。全否定の言葉がでてしまいます。
- 「最低!最悪!」
- 「良かったことなんて、全部水に流れたわ。」
- 「今まであんたにかけた時間とお金を返せ。」
このような時に手ごろな別の相手を見ると、その相手の方が本当の理想の人だと思えて移ってしまうこともあります。
境界性パーソナリティ障害の世界では、ものごとはいつも極端にしか見えません。
事実はどうあれ、彼女達にの目にはそう見えるのです。彼女達には極端な世界が事実なのです。
世界が極端にしか見えないので、気分もつられて極端に動きます。
気分に人間関係もつられ、不安定で長続きしなくなってしまうのです。
怒りや感情のブレーキがきかない
境界性パーソナリティ障害の人は、親しい関係になるほど、感情のブレーキがきかなくなります。
これは、ほんらいは親に求めていたけど得られなかった愛情や関心を、親しい人(あなた)から得ようとしているからです。
例えば、付き合うまでは物静かで控えめに見えていた彼女が、付き合いだしてからはとても不安定で感情のブレーキがきかなくなりませんでしたか?
境界性パーソナリティ障害の人は、愛情や関心にとても飢えています。
それは底なしに近い愛情飢餓です。
とても傷つきやすく、傷つけられると過剰に反応しやすい特徴も、親しい相手にだけにでることが多いです。
逆にいうと、どうでも良い人の前では感情のブレーキがききやすいのが特徴です。
初対面の方や関係の浅い人の前では、「とても良い子」でふるまおうと頑張っているのです。
めまぐるしく気分が変わる
一日のなかで気分がめまぐるしく変わります。
気分良く、希望が感じられ、すべてがポジティブに考えられるとき。
いっぽうで、最悪の気分で、すべてがダメだと思えてしまうとき。
この落差が激しいです。
例えば、ついさっきまで気分良く過ごしていたのに、次の瞬間にはイライラや不安にとりつかれた様子になることがよくあります。
気分がめまぐるしく変わる理由は、見捨てられ不安をかき立てられた時だけではありません。
思い通りにならない時や体調が悪いとき、睡眠不足の時などもあります。
ささいなことでも、自分で良く分からないまま気分が大きくゆれ動いてしまいます。
逆にご機嫌に戻るのも極端なので、「さっきまであんなに怒ってたのにもう良いの?」とびっくりするかもしれません。
まるで赤ちゃんのように感じられるかもしれませんね。
赤ちゃんも、ささいなことで泣きだしたり、機嫌が直ったりを繰り返しますよね。
じつは原理は同じです。
境界性パーソナリティ障害の感情は幼い頃のまま未発達で、気分がめまぐるしく変わるのです。
それはまるでジェットコースターのようで、彼氏・パートナーの方にとってはハラハラと感じられたり、時に情熱的にも感じられるかもしれません。
自殺企図や自傷行為をくりかえす
境界性パーソナリティー障害の彼女にとって、自殺企図や自傷行為は、基本的には関心・愛情をもとめての行為です。
わざわざ彼氏や周りの人に宣告・報告したり、見ている前で行動に移そうとするのはそのためです。
人の目や関心を意識しての行為なのです。
境界性パーソナリティ障害の人の7割以上に自傷行為の経験があるといわれます。
自傷行為とはリストカットなどです。
リストカットをした後に彼氏に連絡し、心配した彼氏が駆けつける、ということがよく起こります。
リストカットなどの自傷行為をして周りの関心や心配が得られると、愛情欲求が一時的に満たされるのです。
また、自殺企図とは、自殺をくわだてることを指しますが、
- 「別れたら死ぬから!」
- 「今から飛び降りてやる!」
と彼氏や親しい人にいって、周りが自分を放っておけないようにしてしまいます。
強烈なインパクトがありますから、ふつうは周りは放っておけないでしょう。
リストカットなどの自傷行為では関心が得られなくなったと感じたら、エスカレートしてこうした行為に至ることもあります。
ただ、「気を引こうとしているだけ」と決めつけるわけにはいきません。
首をくくったり、飛び降りによる自殺企図がみられる場合は、本当に自死を遂げてしまう可能性が高いとされます。
本当はそうなるつもりは無かったのに、誤って自死を遂げてしまうこともあります。
このような患者の自殺リスクは一般人口より40倍高く,患者の約8~10%が自殺により死亡する。このような自己破壊的行為は通常は養育者または恋人による拒絶,見捨てられる可能性,または失望により引き起こされる。
彼女をささえるには、支援機関の支援をうけるなど、適切な対応がいります。
パートナーの存在はとても大きな支えにはなりますが、それだけでは難しい。
通院やカウンセリングの継続など、しっかりとした支援をうけられることが大切なのです。
自分を損なう行為に夢中になって深入りする
自分を損なう行為に入りこみやすいです。
- 買い物依存
- むちゃ食い
- アルコールへの依存
- 無謀な運転
- 万引き
- 場当たり的な性行為
- 薬物乱用 など
境界性パーソナリティ障害の彼女達は、自傷行為や自殺企図のように、直接的に体を傷つけるだけでなく、間接的にも自分を傷つけたり損なうことをしてしまいます。
つまり、自分を大切にすることができないのです。
「自分なんてどうでもいい」とよく言いますが、心底そう思っていたりします。
自己肯定感がとても低いのです。
いつも空虚感をいだいている
この感覚は境界性パーソナリティ障害に特徴的です。
健康で幸福な方には想像つきにくいかもしれません。
「何のために生きるの?」
「自分に生きる価値なんてない。」
このような考えがいつもあるのです。
とても幸せであるはずの時でさえ、何か満たされない空虚感、違和感があります。
まるで自分と外の世界との間に分厚いガラスがあるような感覚を通して、周りを見ています。
それだけ周りとは断絶された世界に暮らしているのです。
自分が何者かがわからない
「自分って何なんだろう?」
「自分が何をしたいかわからない」
といった違和感、居場所の無い感覚を感じています。

え?ボクもそういうのあったんやけど。

誰しも10代の頃には大なり小なりある。境界性パーソナリティ障害の人はその苦悩がより深刻なんだ。20代以降でも続くのが特徴だよ。
一時的に記憶が飛んだり、精神病に似た状態になる
強いストレスがかかったときに、記憶がとんだり精神病に似た状態になることがあります。
精神病に似た状態とは、例えば
- 実際には聴こえていないはずの音や声が聴こえる幻聴
- 被害的で訂正のきかない思い込みである被害妄想
- 激しい興奮や無言・無反応の状態
などです。こういった症状は、統合失調症などでとくにみられます。
統合失調症のような精神病とハッキリ違うのは、症状は一時的にしか起こらないことです。
境界性パーソナリティ障害が女性に多いように見える理由とは?
境界性パーソナリティ障害の男女比ですが、統計的には男女とも同数くらいとされています。
ただし、症状は女性の方が強い傾向です。
その原因は、女性ホルモンにあると考えられています。
じっさい、境界性パーソナリティー障害の方のうち、通院して治療をうけている人は、女性が75%です。(参考:MSD マニュアルプロフェッショナル版 境界性パーソナリティ障害(BPD))
女性ホルモンは不安やうつを感じやすくする作用があるので、気分の波をよりいっそう激しくしてしまうのです。
したがって、境界性パーソナリティ障害の症状は女性ホルモンの分泌がピークとなる10代後半~30代前半頃が、最も強まる傾向にあります。
境界性パーソナリティ障害の彼女を支えるポイント10個
境界性パーソナリティ障害の彼女を支えるのは、誤解を恐れずいうと、大きな赤ちゃんを育て直すようなものです。
体は大人になっても、情緒的には赤ちゃんの頃で立ち止まっているのです。
「オレがやってやる!」
「オレならできる!」
と意気込むのはちょっとタンマです。
中途半端に関わて別れたくなって放り出すなら、彼女たちの傷をさらに広げることになるでしょう。
向き合い続ける覚悟がある方には、次のポイントが参考になるはずです。
支えるポイント
- 安全基地になること
- 共感的に心をくむこと
- 大きな視野でルールや問題解決の道筋を示すこと
安心感を与え、変わらない存在でいる
どんなことがあっても見放さず、とことん付き合い続ける姿勢が必要です。
ただし、意気込みすぎてはいけません。
変わらないペースで、変わらない距離を保ちながら、変わらない関心を注ぎ続けるというのが最も重要です。
よくある失敗は、最初だけ熱心に関わって何とかしようとすることです。
何とかしようと関わるものの失敗を繰り返し、本人からは感謝どころか攻撃を受けるようになり、
ついに嫌気がさして「もう面倒見切れない」と、本当に見捨ててしまうのです。
彼女達にとっては、傷口に塩をぬられるようなものです。
「やっぱり私は見捨てられるんだ」という思いをよりいっそう強めてしまうことになります。
これは避けてほしいことです。
同じ熱量で変わらず関わり続けられる力が必要なのです。
(でも、言うは易く行うは難し、です・・・)
彼女がすべきことは肩代わりしない
彼女がすべきことまで、あなたが肩代わりしてはいけません。
これは境界性パーソナリティ障害の気分の渦に巻き込まれず、コントロールされないコツでもあります。
すでに肩代わりを続けてきたかもしれませんが、今からでも自分の力と努力で対処できるように徐々に切り替えていく必要があります。
いつも彼女を応援する味方ではありますが、代わりにはプレーはできない。プレイヤーは彼女自身であることを繰り返しつたえましょう。
あなたがいる場所は、どうあってもスタンド側なのです。もどかしいかもしれませんが、大切なことです。
彼女達は助けを求める力が高く、周囲は
- 「助けてあげたい!」
- 「代わりにやってあげたい!」
と、つい思ってしまうような魅力をもっています。
しかも、「断ったら悪い気がする」と感じてしまうような所作があったりします。
身だしなみも、キレイにしている方が多いでしょう。
それは境界性パーソナリティ障害の人の魅力の1つであり、関心を寄せて助けをもらうための生存戦略なのです。
お願いされたあなたはつい代わりにしてあげたくなるほど、心をかき立てられるかもしれません。
「頼られたい」「好かれたい」というあなた自身にある心が、邪魔するでしょう。

彼女のため!って思ってやってきたけど、違うんか・・・
お願いを断ったときには、心にズシッと引っかかる思いがするでしょう。
しかし、それで良いのです。
本人がすべきことまで責任を肩代わりして代行すると、要求はどんどんエスカレートしていずれ天井にとどいてしまいます。
天井に届いてから断ろうものなら
「あの時はしてくれたのに、どうして今はしてくれないの!?嫌いになったの!?」
と、見捨てられ不安をかき立てることになってしまいます。
要求がかなえられない時がやってきて、結果として傷つくのは彼女達です。
なので、彼女自身ができることは、肩代わりせず、応援する味方として声をかけ続けましょう。主体はいつも彼女なのです。
穏やかで冷静な態度をとる
境界性パーソナリティ障害の恋人への対応の原則は、穏やかで冷静な対応です。
あなたが感情的に過剰反応すれば、より不安定な状態になってしまうからです。
ただ、これは口でいうほど簡単なことではありません。
実際、専門家ですらミスをしてしまうからです。
かくいう私もそうで、常に冷静とはいかないときがあります。
疲れ切っている時、色んな業務で余裕が無いときなど、穏やかな時とは違った反応を返してしまいます。
そのわずかな違いも、パーソナリティー障害の方は敏感に察知します。
彼氏の立場であれば、仕事中や眠っている時間などに無理な要求をされても、穏やかで冷静な態度をとれることが重要です。
もちろん、無理な要求なら聞き入れなくて良いのですが、穏やかで冷静な態度で返せることが必要です。
他にも、境界性パーソナリティ障害の人は自分の苦しさやいら立ちを相手にぶつけたり、こちらの急所を突いてくることがあります。
そのような時も冷静に返すことで、本人も冷静さを取り戻しやすいです。
決めつけない
どんな場面でも決めつけた言い方をしないことが大切です。
決めつけられる接し方をたくさんされてきたため、決めつけらることに過敏になっているからです。
誰しも、決めつけられて腹が立ったり傷ついた経験があるかと思います。
境界性パーソナリティー障害の彼女たちは、その時のダメージが人より大きいのだと考えると良いでしょう。
なので、
- 「もしかして~~じゃない?」
- 「~~ということはある?」
- 「違うかもしれないけど~~ということはある?」
という言い方で、「違う」と答えやすい言い方をすることがコツです。
傷つける言葉や挑発を真に受けない
その言葉自体に反応して感情的にこたえたり、逆ギレしてはいけません。
「サイテー!」
と言われたら、その言葉の裏にある彼女の思いをくみとりましょう。
「最低とは何だ!馬鹿にしてるのか!?」と答えたら、ほんとうに最低になります。
「サイテー!」という言葉の裏に”私は傷ついた。ちゃんと慰めてほしい。”という思いがあるようなら、その思いの方に話の焦点をあてるのです。
こうした点で、彼氏の感受性がためされると言えます。
伝えられた言葉そのものに反応するのではなく、気持ちや思いを想像するようにしましょう。
期待・価値観をおしつけない
境界性パーソナリティ障害の方は、「良い子でないといけない」と思っています。
親の期待や価値観が強く、自由にふるまうことが許されなかったのです。
無条件の愛ではなく、条件付きの愛(関心)を注がれてきたとも言えます。
あなたは彼女を、かけがえのない存在として認めてあげましょう。
良い子じゃなくてもOKというメッセージを送り続けるのです。
支える限界ラインを明確にすること
明確な枠組みを示すようにしましょう。
なぜなら、境界性パーソナリティ障害の彼女達は、明確でないことはよくわかりません。
グレーなことは、白か黒に振り切って見えてしまいます。それゆえよく誤解してしまいまうのです。
曖昧さは感情コントロールがきかなくなる原因です。
なので、例えば電話やLINE、デートなどができる日や時間をハッキリ決めておくことが大切です。
時にはその約束が守れないことがあることも、伝えておきましょう。
際限なく長い電話を続けたり、エンドレスにラインを続けていては、あなた自身の身がもちません。
それに、身が持たなくなったときに彼女の不安をかきたてることになってしまいます。
柔軟にあれこれ世話を焼こうとすると、始めは良くてもいずれ破綻してしまいます。
なので、この枠組みを固く守る姿勢が必要です。
気持ちには理解を示しつつも、決めたルールや枠組みはしっかり守るようにしましょう。
それが、長い目でみれば彼女の気持ちの安定・安心につながります。
批判や反論はしない
批判や反論は要注意です。
わずかな批判や反論も、彼女達の見捨てられ不安をかき立てることになるからです。
感情コントロールがきかなくなり、あなたとの関係が不安定になるでしょう。
彼女の言葉が事実かどうかよりも、彼女はそう現実をうけとめているとわかってあげることです。
正しいか間違っているかではなく、そのことで彼女が傷ついていることに共感することが大切です。
自殺企図・自傷行為への対応はどうするか?
自殺企図や自傷行為は、関心をもとめての行為であるのがポイントです。
なので、自殺企図や自傷行為があった直後だけ優しくすると、その優しさが彼女へのごほうびとなります。
自傷行為などをしたときに、親身になりすぎて話をたくさん聞いたり、逆に感情的にあわてふためいたりするのはいけません。
なぜなら、「自殺企図や自傷行為をしたら彼氏は私に構ってくれる!」という誤った学習をしてしまうからです。
その後も自傷行為や自殺企図の繰り返しになります。
良い関わりは、普段に共感的な言葉をよくかけておくことです。
自傷行為や自殺企図の直後は、むしろ関わりを減らすようにしましょう。
繰り返しますが、彼女に「リストカットして良かった」「気にかけてもらえた」と思われないようにするのがポイントです。
「リストカットなんかしても意味ないな・・・」「普通に過ごしてる方がたくさん関わってもらえるなぁ」と感じられるように関わりましょう。
医師やカウンセラーの治療継続が大切
通院やカウンセリングは、境界性パーソナリティ障害の治療に必須です。
彼女の苦しみを和らげていくためです。
しかし、通院やカウンセリングが途絶えたり、転々としがちだったりします。
境界性パーソナリティ障害は、人との関係の障がいといえます。関係が安定しないのです。
あなたの彼女は通院やカウンセリングを続けているでしょうか?
境界性パーソナリティ障害の治療に必要なのは、主治医やカウンセラーとの安定した治療関係です。(関係の安定が大切なのは、彼氏・パートナーについても同じですね)
病院やカウンセラーとは相性が大切です。
相性は実際に通院しないとわかりません。なので残念ながらどこの病院がベストかはお伝えできないのです・・・。
が、「もし私が通院するなら精神科・心療内科をどう選ぶか」は精神科・心療内科の選び方【もし精神保健福祉士の私が発症したら】でお伝えしています。ご参考までに。
最後に
この記事の内容は、境界性パーソナリティ障害についての一般的な話をあつかってきました。
境界性パーソナリティ障害といっても、お一人お一人違います。
個別の話については、この記事よりも医療機関・支援機関からの助言・支援を優先してくださいね。
あなたが本気で境界性パーソナリティー障害の彼女・恋人のことをお考えなら、この記事だけで終わらず、解説本を読むことを強くオススメします。
それくらい、深い理解と接し方に配慮がいるのが境界性パーソナリティー障害だからです。
繰り返しますが、プロでも接し方を間違うくらい、難しさがあるのです。
この分野の第一人者は、精神科医の岡田尊司先生です。私は氏の本から境界性パーソナリティー障害について学びました。
手早く知りたい方は、岡田尊司先生のこちらの著書が良いです。要点に絞られています。
あなたと彼女の関わりが今よりも安定し、苦しみが和らいでいくことを願っています。
一時的に気合を入れて頑張るのではなく、意気込みはおさえてなるべく一定のペースで。
この記事がお二人のお役に立てたなら幸いです。
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