
社会福祉士、精神保健福祉士の資格は取れたけど、まだまだうまくいかない…。早く一人前になりたいなぁ。
社会福祉士や精神保健福祉士の資格は取れた。
でも、現場に出てみると「思ったより難しい…」「まだまだ一人前じゃない」と感じる。
新人のころ、上司や先輩がいろいろ教えてくれるのに、
「話が難しくてピンとこない」と感じていました。
「大切なのはわかるけど、なんだか実感がない」
「理論の話になると、急に頭が止まってしまう」
──でもこれ、あなただけではありません。誰もが通る道です。
かくいう私もそうでした。
現場で失敗をくり返し、ようやく「理論の意味」が腑に落ちてきました。
その経験を交えながら、お話します。

理論が難しい理由は、まだ「リンクする経験」がないから
支援の理論や根拠、障がい特性や歴史の理解など、
私たちが日々学ぶ内容はどれも大切です。
でも、経験がなければ理論は活きません。
どんなに上司が丁寧に説明しても、頭では理解できても「腑に落ちない」ことがあります。
「わかりました」と答えても、心のどこかで消化不良。
それは、理論がまだ自分の経験と結びついていないからです。
新人の時期は「理論過多・経験不足」になる

資格制度や教育の構造上、現場に出たばかりのころは理論だけが先行する時期です。
頭の中には知識があるのに、実際の支援場面でどう活かせばいいかわからない。
私自身、そんなもどかしさをたくさん味わいました。
理論は“卵”のようなもの
私はこう考えています。
理論は、卵のようなもの。
卵はすぐにはヒナになりません。
温め続けることで、ある時ふと命が宿るように、理論もまた経験によって孵化するのです。
「依存」と「自立」の話がピンとこなかった新人時代
新人の方が、利用者との距離感について上司と話していたとします。

Aさんとの距離感は気をつけるんだ。依存してしまいやすい方だからな。

はい。わかりました(…依存とか自立って、何が問題なんだろ?)
このとき、新人の方が理解できないのは当然です。
なぜなら、「依存」や「自立」というテーマでまだ苦労した経験がないから。
人は、失敗や迷いを通して初めて理論の意味を理解します。
失敗が理論を“響かせる”土台になる
成功は嬉しい。でも成功の理由は案外わかりにくい。
一方で、失敗には必ず原因があり、振り返りやすい。
だからこそ、失敗こそが理論の土台をつくる。
「先輩が言っていたのは、このことだったんだ。」
「当時はよくわからなかったけど、いまなら身にしみてわかる。」
そう思えたとき、理論が一気につながり出すと思います。。
それはまるで、温め続けてきた卵がふ化する瞬間のようです。
経験がなくても理論は聞いておく価値がある
では、「経験がないなら理論を聞いてもムダなのか?」
──ムダではありません。
それは、種まきです。
すぐには芽が出なくても、後で結びつく日が来るかもしれません。
だから、上司や先輩の理論的な話は、わからなくてもとりあえずメモしておくのが吉。
1ヶ月後、半年後、1年後に見返してみると、
「あの話はこのことだったのか!」と気づく瞬間が訪れるかもしれません。

理論を伝えるタイミング──“転んだあと”が一番響く
私は以前、後輩に教えるとき、
「理論は最初に伝えるべき」と思っていました。
でも今は違います。
失敗や悩みを経験したあとに、
本人が「知りたい」と思うタイミングで理論を伝える方が、響く。
教育や指導の方針には賛否ありますが、
いずれにせよ理論が本当に活きるのは、経験と結びついた瞬間だと思います。
まとめ──理論も経験も、どちらか一方では育たない
以前の記事で、私は経験だけで理論の裏づけがない人を「偽ベテラン」と呼びました。
ここで伝えたいのは、ソーシャルワーカーは
理論だけでも、経験だけでも、良い支援はできないということです。
経験と理論は、両輪のように連動している。
どちらか一方だけを極めようとしても、限界があります。
新人のうちは、理論がピンとこないのは当然。
焦らなくて大丈夫です。
「腑に落ちないのは、自分が悪いからではない。」
いずれ、理論が響くときが来る。
私はそう思います。
今日も現場を積み重ねていきましょう!



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