成年後見人って稼げるんやろか?
- もう2万円、毎月稼げたら良いのに・・・
- このままでは将来が心配・・・生活をラクにしたい!
こういった悩みのある方へ。
- 成年後見人のデメリット3つ
- 成年後見人の報酬 目安は1ケース20,000円/月
私は社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験は10年超です。
まず結論です。
- 成年後見人が稼げるかどうかはケースバイケース。報酬は管理財産額などで変わる。
- 負担はケース次第。労力に見合うかどうかはやってみないと分からない。
社会福祉士も精神保健福祉士も、収入が決して多い資格ではないですね・・・。
家族と同居していたり、パートナーが高収入といった特別な条件でもないと
「お金にもうちょっと余裕が欲しい!」と思うのが自然な成り行きです。
この悩みはけっこう深刻でして、年月とともに
「もう社会福祉士(精神保健福祉士)ではやっていけない・・・」
と、福祉業界から離れてしまう方がいるほどです。あなたの周りにもいませんか?
そうなっては、福祉業界としても損失です。
もしあなたが福祉業界からいなくなれば、あなたがもっている、継承されるはずだったノウハウが逃げてしまうのです・・・。
それでは誰もハッピーにならないですよね。解決策をお金の貯め方・増やし方TOP13【社会福祉士・精神保健福祉士向け】でご提案しています。
しかし、それでも「どうにもならない!」という人は、副業として成年後見人を考えてみるのもアリでしょう。
成年後見制度は社会福祉士や精神保健福祉士の副業として価値があるのか?
非公開となっているケースが多いのですが、公開情報をかきあつめて調べてみました。
成年後見人は社会福祉士・精神保健福祉士の副業になるか?
まずは成年後見人になるデメリットを3点チェックしてみましょう!
デメリット① 成年後見人になるハードルは高め
成年後見人になるには、手順が多く、ハードルが高めです。
社会福祉士の場合は下記のとおり。
社会福祉士が成年後見人になるには?
- 社会福祉士の国家資格を取得する
- 日本社会福祉士会に正会員登録
- 日本社会福祉士会主催の基礎研修をⅠ~Ⅲまで受ける(最低3年かかる)
- 「成年後見人養成研修」と「名簿登録研修」を受ける
- 日本社会福祉士会の権利擁護センター「ぱあとなあ」で成年後見人等候補者名簿に登録
- 家庭裁判所からの後見人指名を待つ・・・
成年後見人はとても責任の重い役割。高い倫理観が必要です。
それゆえ、登録にはハードルありますし、毎年研修を受ける必要があったりします。
なり手の敷居が低いと「ちゃんと支援してくれない」とか「お金を抜き取られる」とか、「報酬だけもらって仕事をしない」とか、成年後見人の質に問題が起きるでしょう。
敷居を高くして「社会福祉士の成年後見人の質を保証する」ことは大切だと思いますし、仕方ないことですが、成年後見人になるには労力がかかる心構えが必要です。
デメリット② 諸費用が毎年かかる
社会福祉士会の年会費
成年後見人になるには、日本社会福祉士会の正会員にならないといけません。つまり、年会費がかかります。
年会費は15,000円~22,000円です。
金額に幅がある理由は、あなたが所属する都道府県によって変わるからです。
下記リンクから、あなたのお住いの都道府県の年会費がわかりますのでご参考に。初年度は入会金もかかるので注意してくださいね。
都道府県の社会福祉士会にも入らんとあかんの?
そう。都道府県の社会福祉士会に入れば、日本社会福祉士会に登録されるしくみなんだ。
このあたりのしくみを詳しく知りたい方は、下記もごらんくださいね。
≫日本社会福祉士会・都道府県社会福祉士会の入会メリット・デメリット
「ぱあとなあ」「クローバー」の名簿登録料・受任会費・保険加入費など
社会福祉士が成年後見人になるには、日本社会福祉士会の権利擁護センター「ぱあとなあ」に登録し、諸費用(会費など)を納めないといけません。
納める費用は、おおまかに言うと次の3点。
諸費用
- 名簿登録料(定額)
- 受託費用(担当件数・内容に応じて納める変動額)
- 保険料
これらの費用額はネット上で公開されている都道府県もあれば、公開されていない都道府県もあります。全国一覧があれば便利なんですけどね。
公開されている都道府県をざっと調べたところ、下記の通りでした。
名簿登録料/年 | 受任会費/1件/年 | |
富山県 | 10,000円 | 2,000円 |
埼玉県 | 10,000円 | ?(報酬会費) |
千葉県 | 10,000円(例外あり) | 2,000円 |
東京都 | 25,000円(定額負担金) | 3,000円~10,000円 (受任負担金) |
上記に加えて、団体補償制度・賠償責任保険に必ず加入しないといけない規定があったりもします。
訴訟などに備えが必要ということでしょう。
加入保険として、例えば社会福祉士賠償責任保険のCプランが指定されている場合があります。
これは「ぱあとなあ名簿」に登録している会員限定のプランとなっていて、受託ケースが1件なら1,200円/年の負担です。それほど高くはないですね。
各費用は各都道府県で差がありますし、例外規定もあるので、詳細は規定を直接ごらんくださいね。
なお、精神保健福祉士については、本精神保健福祉士協会の認定成年後見人ネットワーク、クローバーに登録することになります。
こちらは登録費が5,000円/年である等、ぱあとなあとは違いがあります。
参考:公益社団法人日本精神保健福祉士協会 認定成年後見人ネットワーク「クローバー」規定等
デメリット③ 負担は未知数
対人支援ですから、かかる労力はどのような方を担当するか次第でしょう。
「やってみるまでわからない」のは対人支援の運命ですね。
成年後見人がやらないといけないことは、各ぱあとなあで規定されていまして、概ね次のようなことです。
成年後見人がやらないといけないこと
- 活動報告
- 継続研修等を受講し、研鑽する
- ぱあとなあ保険に加入する
- 会からの指導・助言をきいて、実現に努める
- ぱあとなあ名簿登録内容を候補者情報を必要とする個人・団体へ提供することに承認する
活動報告を出す頻度については、例えば「ぱあとなあ東京」では下記タイミングで出すことになっています。
- 新規
- 定期(年2回)
- 終了
- 辞任
- 引継完了
このあたりは各ぱあとなあで違いがありそうです。
活動報告書の書式は、千葉県社会福祉士会のHPでダウンロードができます。
A4で両面2枚は書くことになるようですね。
≫千葉県社会福祉士会 ぱあとなあ活動報告書 様式ダウンロード
これは私の経験談ですが、私が現場で見る成年後見人の方々(司法書士や社会福祉士)のもつケースは、いわゆる困難事例が多かったです。
ある司法書士さんは「成年後見人の担当を外して欲しいと裁判所に言っても認めてもらえなかった」と心労を話していました。
成年後見人は家庭裁判所が認めなければ、自らの都合で辞めることはできないことになっているんですね。やはり覚悟が必要ということです。
下記はクローバーの資料ですが、受任中の課題の「あるある」がまとめられています。
≫厚生労働省成年後見制度利用促進専門家会議 第6回地域連携ネットワークWG 認定成年後見人ネットワーク 「クローバー」の取組について
成年後見人の報酬はいくら?
成年後見人の報酬額は、法律で決まっているわけではありません。
報酬額を誰が決めるかというと家庭裁判所です。
成年後見人に報酬を与えるべきかどうか、与えるならいくらにするかは、成年後見人からの申立てによって家庭裁判所が「報酬付与の審判」で決めることになっています。
成年後見人の報酬の目安は、管理する資産額が1,000万円以下なら、1ケース月額2万円とされています。まとめると次のとおり。
管理資産額 | 報酬額の目安/月額 |
~1,000万円 | 2万円 |
1,000~5,000万円 | 3~4万円 |
5,000万円~ | 5~6万円 |
詳しくは下記サイトもご覧くださいね。
管理資産額が多いほど、報酬も多いんやな
では、社会福祉士として1ケース20,000円/月で担当した場合で、試算してみましょう。(捕らぬ狸の皮算用コーナーです)
1ケース20,000円/月で成年後見人になると?
まず、費用負担としては年間で最低23,200円はかかるでしょう。
費用/年 | |
年会費(社会福祉士会) | 15,000~2,2000円 |
年会費(ぱあとなあ orクローバー) | 5,000~25,000円 |
受任会費 | 2,000円~ |
社会福祉士賠償責任保険 Cプラン | 1,200円 |
合計 | 23,200円~ |
肝心の報酬ですが、20,000円/月であれば、年240,000円となります。
収支を計算してみましょう。
月額2万円で成年後見人になると?(報酬)240,000円 - (諸費用)23,200円~ =(年収)~216,800円
諸費用を経費として引くと、年間216,800円未満の収入です。(確定申告が必要そうですね)
給料1か月分ぐらい?
約21万ということは、ちょうど給料1か月分に相当する人が多いのではないでしょうか?福祉職ってこの位ですよね。
と、考えると多いような、少ないような・・・。
労力に見合っているのかどうかは、フタを開けてみないとジャッジできなさそうですね。
皆さんはこの金額をどう思いますか?
成年後見人は副業になり得る&今後のニーズは増えていくと思う理由
社会福祉士・精神保健福祉士にとって、成年後見人は副業として考える価値があるでしょう。
それなりの報酬があるからです。ただし、労力に見合った報酬かどうかはケース次第でしょう。
「割に合うかどうか」はやってみるまでわからないということです。
とても大変かもしれないし、そうでもないかもしれません。
管理財産額が多ければ報酬目安も上がりますが、その分大変なこともあるでしょうね。
ネット上では、無償あるいは有償ボランティアとして取り組める方に向いていると言われています。
それくらいの気持ちの人が向いているのかもしれませんね。
お金儲けだけのために成年後見人になるというのも、どこか倫理的に引っかかる思いもしますので。
しかし今後、成年後見制度のニーズは増えていくと思います。
生涯独身の方やDINKsなど、多様な生き方が増えるなか、自らの老後を子に頼れない人が増えていくでしょう。
お子さんがいたとしても「自分の子に負担をかけたくない」という人は多いはず。
そうした中で「自分の判断能力が不十分になったら、支援してくれる人が欲しい」というニーズは増していくと思うんですね。
私はこのブログで、積立NISAやiDeCoをつかって資産形成していくことをオススメしていますが、これとて「自分の判断能力が十分」であることが前提です。
長期投資・長期積立が良いとは言いますが、「長期」が意味する通り、お金が増えた頃には私たちも年を重ねているので、その価値をちゃんと活かせない可能性があります。
残酷ですが、貯めた・増やしたお金を使いたい時には、私たちの判断能力は不十分かもしれないんですね。口惜しや・・・。
判断能力を奪う可能性が高い筆頭は認知症です。
認知症の有病率は年齢とともに急峻に高まることが知られています。現在、65歳以上の約16%が認知症であると推計されていますが、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされています
引用元:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターHP
人生100年時代と言われる昨今、もはや認知症は自分事。
私たちが平均寿命をまっとうする頃には、半数近くの方が認知症を患っているのです。
成年後見制度は介護保険制度と同時にスタートしており、厚生労働省としては成年後見制度の利用を促していく方針です。
成年後見人には色んな職種がなることができます。
理想ですが、私の老後には「社会福祉士か精神保健福祉士にお願いしたい!」と思えるくらいに、私ともども、この専門職が成長していけると嬉しいです!
成年後見人にチャレンジする方はぜひ頑張ってくださいね!
最後に やっぱり成年後見人はやめておこうと思った方へ
ん~、悩むなあ。やっぱり副業じゃなくて、本業で年収UPさせたいなぁ
ここまで読んで「やっぱり本業の収入をUPさせたい」と思った方もいると思います。
そうした方には『社会福祉士で年収600万円以上は簡単?超える方法5つ紹介』が役立つと思います。
年収1000万の実現はムリめですが、年収600万なら社会福祉士・精神保健福祉士の誰もが実現チャンスをもっているとわかってもらえると思います。
年収600万超えたら家も車も買えそうやな!
なお、成年後見人に限らず「とにかくお金に困ってるんだ」という方にオススメなのはこちらの動画。
お金のことなら、とりあえずリベラルアーツ大学で調べてみると新たな発見があると思います。便利なサイトだぁ。
今回はここまでです!
チャレンジできそうなことがあったら、ぜひ試してみてくださいね!
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