働きたい職場に合わせよう。フローチャート付きで解説しましょう!
- 社会福祉士と精神保健福祉士、どちらを先に取れば良い?
- 精神保健福祉士の方がカンタンだから、先が良い?
- オススメはどっち?
こういった悩みのある方へ。
- 【前提①】一番オススメはダブル取得
- 【前提②】どちらでも(無くても)就職できる場合あり
- 精神保健福祉士の方がカンタンは誤解
- 働きたい職場に合わせて先にとる資格を選ぼう!
- 精神保健福祉士の資格が必須の職場
- 社会福祉士の資格が必須の職場
- 社会福祉士をオススメする理由
私は社会福祉士・精神保健福祉士として働いています。一発ダブル合格したのち、現場で10年超の経験です。
このような悩みのある方は、社会人の方、子育てをしている方、履修要件の都合がある方、ダブル受験は自信が無いなど、ご事情のある方でしょう。
「どちらかを先に」とお考えのあなたに向けた結論は、↓です。
記事ではこのフローチャートができた理由を解説します。
社会福祉士と精神保健福祉士、どちらを先に取るのか?私の結論は、働きたい職場に合わせること。資格要件や資格手当があるのかどうか。まだ働きたい職場が決まってないなら、社会福祉士から取る。参考にしてみてくださいね。#社会福祉士 #精神保健福祉士https://t.co/r0bHcU6P31
— ぱーぱす (@syahukusan) August 17, 2022
社会福祉士・精神保健福祉士のどちらを先に取るかは、人生を変える選択です。幅広い考えを知って決断していただければ嬉しいです。
社会福祉士と精神保健福祉士どちらを先に取る?【両資格者解説】
【前提①】一番オススメはダブル取得
タイトルとずれますが、私の一番オススメはダブル取得です。その理由は2つ。
ダブル取得を勧める理由
- 就職・転職の選択肢が広がる
- コスパが良い
両資格ともあれば、就職・転職の選択肢が広がります。近年、求人の応募要件に社会福祉士や精神保健福祉士と書かれているのをよく見かけます。
また、国家試験勉強は1回で早く終わらせた方が良いです。合格に必要な知識は覚えるのに時間と労力がかかる割に、現場で活用しにくいからです。
試験を2回に分けて受けるのは、コスパも悪いです。私は【ダブル受験】社会福祉士・精神保健福祉士の独学勉強法【現役解説】で紹介のとおり、ダブルで受けて一発合格できました。
いやいや、そう言うけどさ。どっちか先を選ばなあかんねん。
大丈夫!ちゃんと答えるよ。
【前提②】どちらでも(無くても)就職できる場合あり
けっこうな数の福祉職場では、社会福祉士でも精神保健福祉士でも働けます。
実際の求人では、「社会福祉士か精神保健福祉士があれば尚可」のように記載されてたりします。
こうした場合、どちらを先にとっても問題無いのです。いずれかの資格さえあれば就職には有利な傾向です。
もっと言うと、無資格でも働ける場合はあります。「資格が無いとできない仕事」は少ないからですね。
万が一、国家試験に失敗しても、どこでも働けないという事態に陥ることは少ないでしょう。
ただしいずれかの国家資格を取らないと、応募できない求人があるのは事実です。また、国家資格があれば良い雇用条件で働ける傾向です。資格手当がもらえたりします。
やはり、社会福祉士か精神保健福祉士は取った方がベターです。
誤解『精神保健福祉士の方が簡単』
合格率は社会福祉士の方が低いやん?精神保健福祉士から取った方がステップアップになるんちゃう?
それは誤解だろう。
社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験難易度は「ほぼ同じ」
私の経験では、社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験難易度はほぼ同じです。
確かに合格率は社会福祉士の方が低いです。毎年の合格率は、平均的に↓の通りです。
合格率
約30%
合格率
約63%
合格率だけを見ると、精神保健福祉士の方がカンタンそうです。そのためか、次のようなアドバイス(?)を目にします。
社会福祉士の試験は、精神保健福祉士より難しいです。
精神保健福祉士から取る方がオススメです。
率直に言って、これは国家試験を受けたことが無い人の意見だと思います。合格率だけを見た業者や、その意見を鵜呑みにした方かもしれません。
私の学生当時、日々の勉強で難易度差を感じたことはありませんでした。周りの学生から「精神保健福祉士の方がカンタン」と聞いたこともありませんでした。初めての国家試験で、私はダブル合格しました。その際の合計点数は同じでした。
合格率差の原因は、受験者層の違いではないか
社会福祉士と精神保健福祉士の受験者層は、↓の2点で違うと考えます。
- 受験生のモチベーション
- 精神保健福祉士の受験生には、社会福祉士の有資格者が多いかも
1.国家試験受験生のモチベーション
社会福祉士 < 精神保健福祉士
この理由は、社会福祉士と精神保健福祉士の支援対象範囲の違いです。
社会福祉士の対象範囲は幅広いです。児童養護・虐待・身体障害・知的障害・精神障害・生活保護・介護・医療(MSW)etc。
一方、精神保健福祉士の支援対象は、主に精神疾患や精神障害です。
支援対象の範囲は、↓のように言えます。
社会福祉士 > 精神保健福祉士
社会福祉士の受験生には「大学から言われて仕方なく受験する」という方や、「受験資格があるから」と記念受験する方もいます。
一方で精神保健福祉士の受験生には、「精神の分野で働きたい」という意志の明確な人が自然と集まり、モチベーションの高い方が多いと考えられます。
2.精神保健福祉士の受験者には、社会福祉士の有資格者が多いかも
短期養成校等では、「社会福祉士保有者が、精神保健福祉士を受ける」というケースが多いようです。
社会福祉士保有者にとって、精神保健福祉士の国家試験はイージーモードです。(逆もしかり)
理由は、難易度の高い共通科目をパスできるからです。
比較的カンタンな専門科目だけ受ければ良いのです。学習時間は短時間で済みますし、集中的に対策できます。自然と合格率は高くなるでしょう。
難しいのは専門科目より共通科目
社会福祉士と精神保健福祉士の国家試験では、2つの科目を受けます。
② 専門科目
共通科目は、社会福祉士の受験生も精神保健福祉士の受験生も一緒に受ける科目です。
社会福祉士と精神保健福祉士、それぞれの独自科目だね。
専門科目は、社会福祉士・精神保健福祉士それぞれ別に受けます。
共通科目と専門科目の難易度をまとめたのが↓です。
共通科目 | 専門科目 | |
社会福祉士 | 難しい | やさしい |
精神保健福祉士 |
- 共通科目 知識がないと解けないので、難しい。
- 専門科目 良識で解ける問題が比較的多いので、易しい。
働きたい職場に合わせて先にとる資格を選ぼう!
精神保健福祉士から取った方が良いのは、↓にあてはまる方です。
精神保健福祉士から取った方が良い人
- 働きたい職場 = 精神保健福祉士の資格が必須
- 働きたい職場 = 精神保健福祉士の資格にだけ資格手当がつく
つまり、あなたが働きたい職場の求人の応募要件に、「精神保健福祉士」が書かれているなら、「取らなきゃ働けないので取りましょう」ということです。
また、資格手当が精神保健福祉士だけに支給されるなら、精神保健福祉士を取っておきましょうということです。
精神保健福祉士についてよくあるギモンは【簡単に】精神保健福祉士とは?11視点で現役がまとめ解説で一通り網羅できるように書きました。
まだ働きたいとこ決まってないんやけど・・・
それなら社会福祉士から取ろう!
「まだ働きたい福祉職場が決まっていない」という方は、社会福祉士から取るのがオススメです。(理由をすぐ知りたい方はこちらへジャンプ)
精神保健福祉士の資格が必須の職場
福祉職場の資格要件は求人ごとに違います。ただし、職場ごとの傾向はありますからご紹介します。
求人の応募要件で精神保健福祉士資格が必須なのは、↓の職場が筆頭です。
②精神科診療所・クリニック
③行政の精神保健福祉士採用
①②の理由は診療報酬制度です。
結論を言うと「精神科の経営上、精神保健福祉士は稼ぎ手になるが、無資格は稼ぎ手にならない(なりにくい)」ということです。
医療機関の収入は診療報酬がメインです。精神保健福祉士が行うことで診療報酬上に算定される例は、こちらの厚生労働省資料「精神保健福祉士に求められる役割について」でわかります。結構な量がありますね。
こうした事情があるので、就活において精神科医療機関から内定をもらっても、精神保健福祉士に合格できなければ内定を取り消されたり、雇用条件の変わることがあるのです。
また、行政(公務員)は精神保健福祉士を採用することがあります。配属先の例は↓です。
- 精神保健福祉センター
- 精神医療センター
- 保健所(健康福祉事務所等)
- 役場の精神保健福祉担当 など
求人数は少ない傾向です。欠員がでれば募集する、という場合が多いですね。
社会福祉士の資格が必須の職場
求人の応募要件で社会福祉士資格が必須傾向なのは、↓です。
- MSW(医療ソーシャルワーカー)
- 行政の社会福祉士採用
- 社会福祉協議会
MSW求人の大半は、社会福祉士必須ですね。こちらのMSWとPSWの違いとは?社会福祉士・精神保健福祉士解説で掘り下げて話しています。
また、行政(公務員)も社会福祉士必須の求人が多いです。
配属先の例は↓があります。
・福祉事務所、家庭児童相談、生活保護
・地域包括支援センター
・児童相談所 など
行政の求人は、精神保健福祉士より社会福祉士の方が多いですね。実際に調べてみるとわかるでしょう。
なお、社会福祉協議会も社会福祉士が要件となる場合があります。社会福祉協議会の職員給料は公務員レベルです。詳細は社会福祉協議会の職員=公務員?【社会福祉士解説】で解説しています。
社会福祉士をオススメする理由
社会福祉士から取るのがオススメな方は、「精神保健福祉士から取った方が良い人」以外です。
社会福祉士から取った方が良い人
- 働きたい職場 = 精神保健福祉士の資格が必須ではない
- 働きたい職場 = 社会福祉士資格に手当てがつく
- どの職場で働くか迷っている
精神保健福祉士から取るべき理由が無いなら社会福祉士から取った方が良いでしょう。
社会福祉士の支援範囲は精神保健福祉士より広いので、社会福祉士の方が求人の選択肢は多いからです。
例えば私自身も、社会福祉士・精神保健福祉士をダブル取得し、いちどは精神保健福祉士として働きましたが、
転職する時は社会福祉士の資格が活きました。社会福祉士が応募要件だったんですね。「社会福祉士をとっておいて良かった」と感じました。
私たちは10年後、20年後、30年後も同じ仕事をしているでしょうか?
何があるかわからないのが人生ではないでしょうか。
例えば、
- 別の分野に挑戦したくなった
- 人間関係がひどい
- パワハラがある
- 結婚でライフスタイルが変わった
- 価値観が変わった
- 親の介護をしないといけない など等
こうした転機で、社会福祉士は精神保健福祉士より選択肢が多いのでオススメなのです。
最後に
もう一度、フローチャートを貼っておきます。
要は、精神保健福祉士を取らないといけない事情が無い方は、社会福祉士から取るのがオススメということです。
消去法的ですが、私が友人・身内に勧めるならそう言います。
「社会福祉士から取る」になったあなたへ
社会福祉士の基本的なギモンについては【簡単に】社会福祉士とは?12視点で現役がまとめ解説で答えています。どんな仕事なのか、全体イメージをつかんでもらえると思います。
また、社会福祉士になるには12のルートがあります。下記記事で学歴や社会人などの条件に合わせた最短コースも解説しています。関心のある方はご参考くださいね。
「精神保健福祉士から取る」になったあなたへ
精神保健福祉士についての基本的なギモンについては、【簡単に】精神保健福祉士とは?11視点で現役がまとめ解説でお答えしています。精神保健福祉士の仕事の全体イメージをつかんでもらえると思います。
また、精神保健福祉士になる方法は11ルートに分かれています。学歴別や社会人などの条件に合わせた最短ルートを下記で解説していますので、ご興味のある方はチェックしてみてくださいね。
答えが出なかった方へ
働きたい職場は決まっているけど、資格要件・資格手当がどうなっているかわからない、という方は答えが出なかったと思います。
これには、実際の求人を見てみるほかありません。
ひとまず求人をチェックするだけならIndeedが便利です。登録しなくて良いし、求人数が多い。条件にお住いの地域も入れてみるとイメージがわくと思います。(就職活動での利用にはあまりオススメしません)
お試しあれ~。
コメント