自閉症の特徴とは?乳児期(0~1歳)と幼児期(6歳まで)の行動例

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うちの子って自閉症なんかな・・・
自閉症の子ってどんな特徴あるん?

自閉症の特徴は小さい頃から表れる。
乳児期(~1歳)と幼児期(1~6歳)の特徴と行動例を伝えるからチェックしてみて。

こんにちは。社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。

この記事にたどり着いた方は、わが子が自閉症かもしれないという不安を持っている方だと思います。

初めてのお子さんの方であればもちろんのこと

  1. 2人目だけど1人目と少し違う・・・
  2. なんだかとても育てにくい・・・
  3. 他の子はどうなんだろう?

等々、ご不安を抱えてしまうお気持ちはとてもよく分かります。

そのご不安を解消するためには

不安解決の4ステップ

1.自閉症の特徴を知る

2.事実を観察する

3.必要であれば専門機関に相談する

4.具体的な対策をする

この4ステップが大事になります。

この記事では、ステップ1として、自閉症の特徴や乳児期と幼児期の行動例をまとめましたので、あなたの不安解消のために使ってください。

私は社会福祉士・精神保健福祉士として、自閉症の方(子どもから大人まで)を支援しています。当然、親御さんの想いや子育ての悩みをよくうかがっています。

その中で共通するのは、子育てでほぼ全ての方が何らかの苦労や違和感を経験されています。

子育てに悩みや不安はつきものですので、この記事であなたの不安を少しでも取り除けたらと思います。

この記事の内容

・自閉症の特徴

・乳児期(出生~1歳)の特徴・行動例

・幼児期(1歳~6歳)の特徴・行動例

それではまいりましょう。

自閉症は「自閉症スペクトラム」に

話のまえに、ちょこっとだけ言葉の整理をさせてください。

「自閉症」は昔は「広汎性発達障害」の1つでした。

いまでは「広汎性発達障害」は「自閉症スペクトラム」と呼ぶようになってきています。

最新の診断基準のDSM-5で「自閉症スペクトラム障害」という診断名がつかわれるようになりました。

なので、今からこの記事では、「自閉症」のことは「自閉症スペクトラム」とよんでいきます。

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自閉症スペクトラムの特徴

自閉症スペクトラムの特徴は、臨機応変な対人関係が苦手で、自分の関心・やり方・ペースの維持を最優先させたい本能的な志向が強いことです。

自閉症スペクトラムにはたくさん特徴があるようにみえますが、ポイントをしぼると下記の2つです。

自閉症スペクトラムの特徴

  1. 対人関係が苦手
  2. こだわりが強い

顔つきに特徴は?」というギモンにお答えした記事はこちらです。

自閉症の赤ちゃんの顔つきに特徴はありません!でもね・・・
自閉症の赤ちゃんの顔つきって、特徴あるのかな?うちの子は自閉症なのかも・・・。 こうした思いでご不安な方へ。 この記事でわかること 自閉症の赤ちゃんの顔つきに特徴はない 大きくなるにつれて、顔つきに特徴が感じられることはある 顔貌に特徴があ...

自閉症スペクトラムの特徴は誰にでもあります!

自閉症スペクトラムの特徴は対人関係が苦手なのと、こだわりが強い・・・
それってオレのことやん!?

10人に1人が自閉症スペクトラムだといわれるくらいだ。
ポイントは、生活や仕事に支障が出るレベルかどうかってことだ。

自閉症スペクトラムの「スペクトラム」の意味は、連続していることを意味します。グラデーションと同じような意味です。

つまり、自閉症スペクトラムと健常の境目は、あいまいということです。

どこからどこまでの色を自閉症スペクトラムと診断するのか。

どこからどこまでの色なら健常なのか。

自閉症スペクトラムと健常の境界線をどこに引くかは、文化・時代・環境でかわります。これは、自閉症スペクトラムだけでなく、いろんな病気や障がいに言えることです。

要は、自閉症スペクトラムの特徴は、多かれ少なかれ、健常な人にもあるということです。
自閉症スペクトラムと診断がつくほどではないけど、「自閉症スペクトラムっぽい人」はたくさんいるのです。支援が必要なほど自閉症スペクトラムの特徴がないなら「健常」ということになるのです。

自閉症スペクトラムのお子さんの特徴・行動例

それでは、自閉症スペクトラムの特徴や行動について、乳児期(0~1歳)と幼児期(1歳~6歳)の具体例をお伝えします。

乳児期(0歳~1歳)の特徴・行動例

下記のような行動が、乳児期の自閉症スペクトラムの赤ちゃんには見られることがあります。

乳児期(0歳~1歳)の特徴・行動例

・カレンダーの数字をじっと見つめて、おとなしく過ごしている

・お気に入りの音楽なら機嫌良く過ごしているが、それが聞こえなくなると不機嫌になる

・「いないいないばあ」やくすぐり遊びに反応して喜ぶが、変化があると身を固くして不機嫌になる

・人工ミルクや離乳食にこだわり、固形物を口にしない

・食べさせてもらうことにこだわり、スプーンを持たない

・食べ物を手づかみで食べることにこだわる。止めると怒る

・抱っこされても抱かれる姿勢をとらない

・もの静かであまり泣かない

・おとなしくじっとしている。手がかからない

・発語の開始が遅れている

・発語がなかなか増えない

いかがでしょうか?

これらはあくまで具体例です。お子さんごとに違いはありますから、似ている特徴があるかどうかが大切です。

1歳前後の健常な子との違い

健常な子どもは、1歳前後から「社会的参照」と「共同注意」が発達します。

社会的参照と共同注意・社会的参照とは、乳幼児が何かの行動中にひんぱんに親の表情をうかがうことです。

・共同注意とは、他者が何かに注意を向けていることに気づいて、自分も同じものに注意をむけることです。

社会的参照と共同注意が発達することで、健常な子どもは次のような行動をするようになります。

  • 自分の興味のあるものを相手にみてもらいたくて、指をさしてしめす。
  • 自分の興味のあるものをもっていって、相手に見せる。
  • 相手が指をさした方向をふり向いて見る。
  • 何かをしめされたときに、その物と相手とを見比べる。

こうした行動は、健常な子どもなら1歳前後であらわれるようになります。

でも、自閉症スペクトラムの子どもだと3歳以降になることが多いです。

自閉症スペクトラムを発見しやすいのは1歳前後から

じつは、乳児期に自閉症スペクトラムと判別するのは難しいです。

なぜなら、そもそも乳児期の赤ちゃんは動きが小さいからです。

体も言葉もまだまだ育っていないのが乳児期です。

健常な赤ちゃんと自閉症スペクトラムの赤ちゃんの差が目立たないので、気づかれにくいし、わかりにくいのです。

なので、1歳の時点で「自閉症かも?」と疑問をもたれたのであれば、とてもよくお子さんを観察されている方ではないかと想像します。

差が目立ってくるのは1歳ごろからです。社会性が発達する1歳前後から、健常な子との違いが目立つようになります。

幼児期(1歳~6歳)の特徴・行動例

自閉症スペクトラムの特徴は、社会性の発達が遅れることです。

特に、1歳ごろからは保育園などの生活にうつる時期です。いつも保護者の方と一緒に過ごしていた生活から、同年代の子どもたちとの集団生活をするようになる時期。

行動が活発になって、発語だけでなく、言葉の内容や文脈がポイントになります。ちょっとした違和感がより目立つようになります。

特に、特徴がでるのは会話です。

会話の内容はかみあっているか、会話のずれをどれだけ察知して修正しようとするか、などで違いがでてきます。

自閉症スペクトラムの子どもは人とあまり関わらないかというと、そうでもありません。

中には、人なつっこくて積極的に関わろうとする子もいます。でも、人との関わり方が健常な子どもとは違うのです。

下記のような行動が、幼児期の自閉症スペクトラムの赤ちゃんには見られることがあります。具体例ですので「似たようなことがあるか」という視点でチェックしてみてください。

幼児期(1歳~6歳)の特徴・行動例

・関わり方が一方通行

・話し方に抑揚がない。あるいは、アナウンサーのようにはっきりした抑揚で話すが、大げさすぎる

・不自然な敬語など、大人びた言葉を使う(ドラマやアニメの言葉をまねている)

・身ぶり、指さしがうまくできない

・表情や文脈がうまく理解できない(いわゆる”空気がよめない”感じがする)

・発語の大半は人に向けた言葉ではなく、誰かの言葉をくり返ししているだけのオウム返し

・歩きだす年齢をすぎても立って歩こうとせず、ハイハイのまま

・ばんそうこうを貼っても、気にしてはがしてしまう

・かさぶたをいじって取ってしまう

・母親や父親が散髪などをして身なりがかわると、近寄らなくなる

・こわい体験をした場所には二度と近づこうとしない

・いつものお茶わんやお皿にこだわり、それ以外では決してご飯を食べない

・水の流れや水遊びがとても好きで、ずっと見たり触り続けている

・特定の服にこだわり、ボロボロになっても毎日同じ服を着ようとする

・暑い夏になっても、冬服をこだわってきている(逆もある)

・特定のテレビ番組にこだわって、何が何でもチャンネルを変えない。番組が放送されないと怒ったり泣いたりする

・特定の状況や環境になるといつもと同じものを求める

・気に入ったCMやテレビのフレーズを繰り返し言い続けている

いかがでしょうか?

くりかえしますが、あくまで具体例です。お子さんごとに違いはありますから、似ている特徴があるかどうかが大切です。

自閉症スペクトラムかどうかを判別するのは、簡単ではありません。

何らかの違和感がおありであれば、専門機関に直接みてもらうのがベストなのです。

自閉症スペクトラムの可能性が高い「折れ線現象」

なお、自閉症スペクトラムの子の中には、折れ線現象がみられる場合があります。

折れ線現象とは、1歳半ごろまではある程度発語が出ていたのに、1歳半~1歳後半ごろになると急に言葉を話さなくなる現象です。

この場合については、自閉症スペクトラムの可能性がかなり高くなると言われています。

自閉症スペクトラムは1歳半健診・3歳児健診で発見できるが・・・

自閉症スペクトラムの子を発見するしくみが日本にはあります。

それは1歳半健診、3歳児健診です。

厚生労働省がすすめている事業で、全国の市町村に実施が義務付けられています。自閉症スペクトラムの早期発見・早期対応につながる健診です。もう行かれたでしょうか?

≫母子保健関連施策 – 厚生労働省

ただ、1回限りの健診なので、発見されないこともあるのが実態です。

もし1歳半健診・3歳児健診で発見されなくても、幼稚園や保育園の先生が発見することがあります。そのため、5歳までには自閉症スペクトラムの子は大半が発見されています

発見してもらえれば、支援をもらうことができます。
ところが残念ながら、5歳になっても発見されない子がいます。

なので、保護者の方が自らご相談いただくことが必要となるのです。

より早く、専門機関に相談することが大切な理由

自閉症とは生まれつきのものです。

まわりの子どもと行動や様子が違うように感じられるのは、子育ての仕方が原因ではありません。
それなのに、子育てに奮闘されているお母さん(お父さん)が、「お前の教育が悪い」「あなたのせいじゃないの?」と責められることがよくあります。
自信をなくしているお母さん(お父さん)は「私の育て方が悪いからこの子は・・・」と深く傷つかれることもあります。

これは本当に悲しいことですし、腹立たしいことです。

決して育て方が原因ではないのです!

しかし、もし本当に自閉症スペクトラムで、無理をしてご家庭だけで育てられた場合、二次障害といって、深刻な状態になっていくことがあります。例えば、身体症状や精神症状が起こり、不登校・ひきこもり・暴言・暴力・自傷行為などに至ることがあります。

そうなれば、ますます大変です。二次障害はなんとか避けていただきたい状態です。

なので、より早く支援をうけていただくことが大切です。

「まだなんとかなるはず」「人に相談するなんてできない」

そうお思いの方をたくさん見てきました。

お気持ちはとてもわかります。私だって、親として自閉症スペクトラムかもしれない子どもをもてば、そう感じるかもしれません。

でも、客観的な事実としては、無理を続けてご家庭だけで長くみようとされた場合ほど、支援が加わってもうまくいかなくなっていきます。

なのでより早期に、専門機関にひとまずご相談いただきたいです。

どこに相談すれば良いかはこちらの記事でお伝えしています。

うちの子は自閉症?診断・相談はどこに?【社会福祉士解説】
うちの子、ひょっとしたら自閉症かも・・・ 診断してもらうにはどうしたらいいの? かかりつけの小児科なら相談しやすいんじゃないかな。 かかりつけがないなら、児童精神科や発達小児科が良いですよ。 専門機関にもぜひ相談してみてくださいね。 こんに...

自閉症スペクトラムについて詳しく知りたい方へのおすすめ本

自閉症スペクトラムのお子さんには、世界が私たちと違って見えています。その世界を理解できないと、良い関わり・子育てはできないでしょう。何に困っていて、どんな気持ちになっているのかわからないからです。

ところが、彼らは言葉では教えてくれません。どのように世界が見えているのか完全に理解するには、体を入れ替えでもしないとできないでしょう。でも、そんなことはできないわけで・・・。

ならば、わかりやすく書いてくれている本を読むのがベストです。この本はとても優しさにあふれていて、私が自閉症スペクトラムの子ども達を支援するのにとても役立っています。

次におすすめするのは、ご自身も自閉症スペクトラム(非障害)という精神科医の本田秀夫先生の本です。NHKプロフェッショナルに出演されました。

10人に1人がかかえるという自閉症スペクトラムという生きづらさ。自閉症スペクトラムは病気ではなく種族であるという言葉が印象的です。

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