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A型・B型作業所の平均工賃&給料【月いくらもらえる?生活できない?】

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作業所で働くと月いくらもらえるのかな?生活できないって本当?

この記事では、次のような疑問にお答えします。

 この記事の内容

  • A型・B型作業所は月いくらもらえる?生活できない?
  • A型・B型作業所のメリット・デメリットは?
  • A型・B型作業所の給料(工賃)で生活できない時の対処法3つ

私は某自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験はおよそ13年で、B型作業所で相談員として働いていたことがあります。

A型・B型作業所では、どれくらいの工賃(給料)がもらえるのでしょうか?

また、それぞれの作業所での生活はどうなっているか?生活はできるのか?

そういったギモンについて、統計調査に私の経験をまじえてお伝えしますね!

この記事では、便宜上、工賃・賃金・給料はざっくり同じ意味で書いています。

A型・B型作業所の平均工賃&給料【月いくらもらえる?生活できない?】

A型・B型作業所の平均工賃&給料

A型・B型作業所の平均工賃&給料はいくらか?次のとおりです。

時間額(時給)月額
A型 作業所899円79,625円
B型 作業所222円15,776円

≫参考:厚生労働省HP 令和2年度工賃(賃金)の実績について

A型・B型作業所の平均工賃(時給)

まずは時給から。グラフでは次のようになります。

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A型作業所は、最低賃金を保障されます。雇用契約を結ぶからですね。

その分、作業はハードになります。

B型作業所は最低賃金を保障されません。 雇用契約を結ばないからです。

その代わり、自分の能力や体調に合わせて働きやすいです。しんどいときは休んだりもしやすい。

A型・B型作業所の平均給料(月いくらもらえるか?)

次は給料です。

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ただし、実際の時給・給料は作業所によって違います。特にB型作業所は千差万別でしょう。

利用する前には、見学や体験があるはず。その時に、職員さんに聞いておきましょう。

A型作業所(就労継続支援A型)の平均給料・賃金と生活

A型作業所の平均給料(賃金)は、月額79,625円でした。

月8万円なら生活できるかな?

1人暮らしは難しいですね…。他にも収入があったり、支出が少なければ生活できます。

月8万円の収入だけでは、生活できないことが多いでしょう。

例えば

月8万円の稼ぎで暮らすには?

  1. 他の収入がある(障害年金、同居者の収入など)
  2. 支出が少なくて済む(親やパートナーと同居している等)
  3. 貯金がある

こうした条件がいりますね・・・。

A型作業所のメリット・デメリット

では、A型作業所のメリットとデメリットはどうでしょうか?

A型作業所のメリット

  1. 週5日ほど働くので、一般就労へのステップアップに使いやすい
  2. B型作業所よりも給料が多い
  3. 給料以外にも収入(年金など)があれば、生活できる人もいる
  4. 利用期限なし
  5. 障害や病気に理解ある(はずの)職員がいる
  6. 所属意識をもてる
  7. 仲間とのつながり
  8. 役割・やりがいをもてる

⑤~⑧のメリットは、あるかもしれないし、無いかもしれません。ケースバイケースです。

A型作業所のデメリット

  1. 週20時間以上働くので、しんどいかもしれない
  2. B型作業所よりも自由に休みにくい
  3. 職員・利用者さんとの相性が悪いとつらい
  4. 前年所得(世帯収入)によっては利用料がかかる

働くのに利用料がかかるの!?

A型作業所は「障害福祉サービス」の1つなので、利用料がかかる場合があります。(B型作業所も同じ)

利用料については、後でまとめてお伝えしますね。

B型作業所(就労継続支援B型)の平均給料・工賃と生活

B型作業所の平均給料(賃金)は、月額15,776円でした。

うーん。もっと欲しいなぁ・・・。生活できないんじゃない?

B型作業所で働いても、その収入だけで生活するのは難しい。

月にもらえるお金を知れば、明らかにわかることですね・・・。

なので、次のような条件が無いと生活は厳しいでしょう。

B型の稼ぎで暮らすには

  1. 他の収入がある(障害年金、同居者の収入など)
  2. 支出が少なくて済む(親やパートナーと同居している等)
  3. 貯金がある

でも実際には、こうした恵まれた条件が無い方は多く、生活保護を利用する方はよくおられます

B型作業所のメリット・デメリット

B型作業所のメリットとデメリットはどうでしょうか?

B型作業所のメリット

  1. 自分のペースで利用しやすい(週1日利用の人もいる)
  2. 体調などで行けない日は休める
  3. 給料以外にも収入(年金など)があれば、生活できる人もいる
  4. 利用期限なし
  5. 障害や病気に理解ある(はずの)職員がいる
  6. 所属意識をもてる
  7. 仲間とのつながり
  8. 役割・やりがいをもてる

⑤~⑧のメリットは、作業所とあなたの相性や感じ方次第です。なのでケースバイケースかな。

B型作業所のデメリット

  1. A型作業所よりも給料(工賃)は少ない
  2. 職員利用者さんとの相性が悪いと辛い
  3. 前年所得(世帯収入)によっては利用料がかかる

一番のデメリットは、工賃額でしょう。工賃だけでは、どうやっても日々の生活はできないです。

私の知る利用者さんの中には、

作業所に通う交通費のほうが、工賃より高いんです・・・通うほど生活が苦しくなります。

ということで、利用日数を減らす方もいました。

作業所の利用料について

作業所で働くのに、どうしてお金を払わないといけないの!?

働いてお金をもらう一方で、人によってはお金を払わないといけない・・・。

なぜでしょうか?

それは、A型・B型作業所は「障害福祉サービス」だからです。

なので、あなたの前年の世帯所得によっては、利用料がかかることがあります

利用料は4段階に分かれます。

「世帯」とは、あなた自身と配偶者を意味します。 親やきょうだいは含まれません。

なので、利用料に気をつけないといけないのは、去年までバリバリ働いていたけど、今年から作業所で働き始めた人です。

私が知る方の中には、

B型作業所に通っても、給料より工賃のほうが高くついて、赤字です・・・。

という方がいました。

次の年もB型作業所に通われていたら、利用料は無料になるんですが・・・。

そこまで待つのが長いのです。

工賃(給料)で生活できない時の対策3つ

A型・B型作業所の給料や工賃だけで生活できる人は少ないでしょう。

同居者のサポートを得られると良いですが、そうもいかない方は多いはず。

では、工賃だけで生活できない時、どうしたらいいのか?

一般的な方法ですが、対処方法は次の3つが考えられます。

工賃(給料)で生活できない時の対策

  1. 障害基礎年金・厚生年金を申請
  2. 社協で生活福祉資金を借りる
  3. 生活保護の申請

対策1|障害基礎年金・厚生年金を申請

障害基礎年金・厚生年金とは、障害や病気で働けなくなった場合に国から支給されるお金です。

障害基礎年金について

「障害基礎年金」は、1級と2級があって、もらえる金額は次の図の通りです。

  • 1級 1,020,000円/年
  • 2級 816,000円/年

障害基礎年金には受給要件があります。

1~3すべてに該当しないと、障害基礎年金は受け取れません・・・。

障害厚生年金について

次に、障害厚生年金ですが、1級~3級があり、もらえる金額は人によります。

障害厚生年金受給要件は、次のとおりです。

受給要件がよくわからない!申請できるのかよくわからない!という方はどうすべき?

漢字が多くてややこしい。難しいなぁ。ボクは申請できるのかな?

自分は障害年金をもらえるのか?

上記の図を見て「???」となった方は、ひとまず日本年金機構 障害年金ガイド 令和6年度版(PDF)をご覧いただきたい。

それでもギモンが解けなかったり、申請書類の準備などを一人でするのは難しいと思った方は、社会保険労務士へのご相談をおすすめします。

実際に申請しようとすれば、初診日の証明や、今の障害状況などを資料としてまとめたり、それなりの知識や労力がかかります。

そういった複雑なタスクをこなすのが、難しい方はたくさんいると思います。

私も申請を一緒にしたことがありますが、調べたり勉強したり、その方の病歴をご本人やご家族に聞きながら進めるのは、なかなか大変でした。

制度の仕組みは複雑ですし、準備物も多い。

なので、いちから勉強したりするよりも、社会保険労務士にお願いしたほうが早くて楽かもしれません。

状況によりますが、申請が遅れるほど、もらえる金額が減ってしまう場合もあります。

ただし、社会保険労務士の代行申請は、無料サービスではないです。

お金がいくらかかるのか、相談して聞いておきましょう。

社会保険労務士とは、社会保険や労働保険などの分野に詳しい専門家です。

障害年金の申請代行を行っている社会保険労務士も多くいます。

社会保険労務士に頼むと、以下のようなメリットがあります。

社労士に頼むメリット

  1. 障害年金の申請に必要な書類や証明書を用意してくれる
  2. 障害等級の判定基準や申請時期などのポイントを教えてくれる
  3. 申請書の記入や提出を代行してくれる
  4. 申請後の手続きや連絡を代行してくれる
  5. 申請結果に不服があれば、再審査や訴訟を代行してくれる

ただし社会保険労務士に頼むと、以下のような費用がかかります。

社労士に頼む費用(例)

  1. 着手金:障害年金の申請を開始する際に支払う費用
  2. 成功報酬:障害年金が支給された際に支払う費用

実際の費用は、各社会保険労務士が決めているので、勇気を出してとりあえず相談してみると良いと思います。

お近くの社会保険労務士は、NPO法人 障害年金支援ネットワークから探せます。こちらは私が実務で紹介することもあります。

 障害年金支援ネットワークには、全国各地に多数の会員が所属しており、日曜日・祝日を除く毎日、交替で電話相談に応じています。

障害年金請求(申請)手続きの代行依頼があった際には、お近くの会員(社会保険労務士)を紹介することができます。

引用元:NPO法人 障害年金支援ネットワーク ホームページより

対策2|社協で生活福祉資金を借りる

「貸付」ですが、次の世帯の方は、社会福祉協議会から『生活福祉資金』を借りられます。

社協からお金を借りられる世帯

  1. 低所得世帯
  2. 障害者世帯
  3. 高齢者世帯

利率は、連帯保証人がいれば無利子、連帯保証人がいない場合は年1.5%です。

生活福祉資金は、例えば以下があります。
≫参考:生活福祉資金一覧

  • 生活支援費
  • 住宅入居費
  • 一時生活再建費
  • 福祉費
  • 緊急小口資金
  • 教育支援費 など

「どれが使えるかわからない」という方は、とりあえずお近くの社会福祉協議会に相談してみると良いでしょう。

生活福祉資金は、生活に必要な最低限の費用を補うためのものです。

返済能力や返済計画に応じて借りられる額や期間が決まります。返済方法は、口座振替や窓口払いなどがあります。

ただし、生活福祉資金を借りる場合、以下のような書類や証明書が必要です。

  • 本人確認書類(運転免許証や健康保険証など)
  • 所得証明書(源泉徴収票や確定申告書など)
  • 支出証明書(家賃や光熱費の領収書など)
  • 連帯保証人(無利子で借りたい場合)
  • その他(借りたい目的に応じて必要なもの)

社協で生活福祉資金を借りるメリットは、

社協で生活福祉資金を借りるメリット

  1. 利息が低いか無利子で借りられる
  2. 返済期間や方法が柔軟に対応してもらえる
  3. 社協の職員から相談や支援を受けられる

デメリットは、

社協で生活福祉資金を借りるデメリット

  1. 借りられる額や条件が厳しい場合がある
  2. 返済しなければならない

お近くの社会福祉協議会の探し方は、

ネットで「あなたのお住まいの市町村名」と「社会福祉協議会」で検索すれば見つけられるでしょう。

対策3|生活保護を申請する

生活保護とは、国や自治体から最低限度の生活を保障される制度です。

生活保護を受けることで、以下のような支援を受けられます。

  • 生活費(食費や家賃など)
  • 医療費(医療券で無料で治療や薬を受けられる)
  • 教育費(学校給食費や教科書代など)
  • その他(介護費や就職支援など)

生活保護を受けるメリットは、次の通りです。

生活保護のメリット

  1. 最低限度の生活が保障される
  2. 医療費や教育費などの支援が受けられる
  3. その他の福祉サービスや就職支援などの利用がしやすくなる

デメリットは、

生活保護のデメリット

  1. 所得や財産が制限される
  2. 扶養義務者に連絡される場合がある
  3. 申請や調査が面倒で時間がかかる
  4. 申請後も定期的に報告や再調査が必要になる
  5. 周囲からの偏見や差別に遭う可能性がある

生活保護って聞くと抵抗感がありませんか?

  1. 生活保護を申請するようになったら人生おしまいだ・・・
  2. 扶養義務者や親族に連絡されるのが嫌。知られたくない。
  3. 相談に行っても申請させてもらえそうにない

このように感じるのは自然だと思います。

世間では『生活保護が財政を圧迫してる』という論調があったりしますが、おかしな話です。

なぜなら、そもそも日本の生活保護受給率は諸外国と比べてかなり低いからです。

また、こんな動画もあります。生活保護のリアルや申請のポイントわかりますね。

要は、生活保護はわたしたちの権利なので堂々と使いましょう!ってことです。

ただし、生活保護の申請については、役場でできるのですが、ひとりで行って散々な思いをされることがよくあります・・・。

知識を武装して一人で行くか、支援機関の職員さんに相談して一緒に来てもらうなど、対策してから行くのをおすすめします。

私は何度か、申請手続きを一緒にしたことがありますが、いろんな障害を抱えた方にとって、大変なハードルと感じました。

Amazonなどでは、生活保護の申請について、わかりやすい本がいくつか売られています。活用できるのでこちらもおすすめです。

まとめ

A型・B型作業所の平均給料・工賃、メリット・デメリット、生活できないときの対策について解説しました。

もういちど確認しておきましょう。

A型・B型作業所では、次のような給料・工賃がもらえます。

時間額(時給)月額給料
A型 作業所899円79,625円
B型 作業所222円15,776円

しかし、これだけでは生活できない人が多いでしょう。 そうした場合は、以下のような対処法があります。

工賃(給料)で生活できない時の対策

  1. 障害基礎年金・厚生年金を申請
  2. 社協で生活福祉資金を借りる
  3. 生活保護の申請

作業所で働くことは、障害のある方にとってメリットがあります。

でも、もらえるお金だけでは生活できないでしょう。

そんな時は、あなたの状況に応じて、適切な支援を活用していただきたい。

悔しかったり、負い目に感じたり、情けなく感じたり、恥ずかしく思う方もおられるでしょう。

私だって、もし同じような立場なら、きっと抵抗感を抱くでしょう。プライドが傷つくかもしれないし、そのような自分を受け容れたくないと思う気がします。

そのような私が、あなたに易々と言うのはおこがましいのですが・・・

障害年金、生活福祉資金、生活保護、なんでも使って、たくましく生きていただきたい

その姿に勇気をもらった人が、同じように行動に移せて、救われるかもしれません。意味は必ずあるのです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。あなたの今後を応援します!

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