
今日も電話1時間・・・。長電話の対応、疲れるなぁ~・・・。
こうしてお困りの方へ。
この記事の内容
- 福祉現場でよくある長電話について、4つのパターンに分けて対処法を紹介

わたしは社会福祉士・精神保健福祉士で、現場経験は10年以上です。
この記事では、福祉現場でよくある利用者との長電話について、4つのパターンに分けて対処法を紹介します。
- 話を聴いて欲しい欲求の強い利用者・ご家族さん
- 発達障がいのある利用者・ご家族さん
- 躁状態の利用者・ご家族さん
- 早く切った方が良い長電話
利用者との長電話、どう対処すべき?疲弊する福祉職に贈る対処法4つ
話を聴いて欲しい欲求の強い利用者・ご家族さん
このパターンでは、利用者・ご家族さんは色々な不安やストレスがあって話して解消したいのですが、他に話せる人や場所がない孤立状態です。
そこであなたに電話してきて、話し続けるわけです。
この場合は、長電話に意味があります。あなたが話を聴いてくれることで、利用者・ご家族さんは気持ちが軽くなったり、寂しさを解消できたりします。
また、あなたと関係を築くことで、将来的には他のコミュニティや事業所につなぐことや、ご家族との関係修復をはかることができるようにもなります。
ですから、このパターンの長電話は、やりがいを感じて良い場面です!
「長い電話だけど、この時間には意味がある」と思えたら、あまり疲れなくて済みます。
ただし、利用者・ご家族さんの利益になっているか、支援者の自己満足になっていないかはチェックしておきましょう。
発達障がいのある利用者・ご家族さん
利用者・ご家族さんに発達障がい(またはその傾向)があって、電話が長くなる場合です。
つまり、発達障がいの特性によって、相手の気持ちや知りたがっている情報を読み取れなかったり、話が一方的かつ長くなったりするという場合です。
ただしこの場合は、長電話になる背景をよく分析することも大切です。
例えば、話を聴いて欲しい欲求も強いようなら、長電話を覚悟して話を聴くことには意味があります。
しかし、そうでなくて発達障がいの特性ゆえに話が長くなってしまうようであれば、なるべく短くなるようにサポートした方が良いです。
なぜなら、自分でも話をうまくできていないと感じていたり、話しているうちに何を相談したかったのか忘れてしまいがちだからです。
なので、話題や話せる時間をあらかじめ提示したり、話を整理して要約して返す方法が有効です。
これによって、相手に「伝わった」「わかってもらえた」という思いが生まれて、話が短くなりやすいです。
躁状態の利用者・ご家族さん
利用者・ご家族さんが、精神疾患の躁うつ病や統合失調症などで躁状態になっているパターンです。
躁状態の特徴のひとつが多弁です。つまり、たくさん話しちゃうんです。
躁状態では、何でもできる気になっていたり、アイデアが次々に浮かんできたりします。
話題も、結論の出ないうちにどんどん変わってしまいます。なので、一方的かつ長く話してしまいがちです。
対応のポイントは、以下が考えられます。
- 相手のハイテンションに合わせず、落ち着いて冷静にこたえる
- 簡潔に話す
- 感情は否定しない
上記をやっても、電話が長くなるのは避けられないかもしれません。
他にチェックしておきたい事柄としては、以下の通りです。
- 眠れているか
- 服薬できているか
- 通院できているか
- 主治医と相談できているか
躁状態となれば主治医へご相談いただくことが大切です。
ただし多くの人は自らが躁状態と気づきにくいし、「調子が良い」「何でもできる」と感じているので、主治医に相談されにくいのも現実です。
早く切った方が良い長電話
早く切った方が良い電話は、例えば以下の通りです。
- 利用者・ご家族さんはあなたのプライベートや個人的な好意を詮索
- 他に話せる人やしかるべき相談先があるのにあなたに頼る
- 無理な要求をしてくる。
この場合は、長電話に応えていても、支援としての意味が乏しいです。
こうしたパターンの長電話は、キッパリと断っていきましょう。
断り方は、例えば「すみませんが、次の予定がありますので」「(電話回線が少ない場合)他の方からのお電話もありますので」という言い方が使えます。
断ることで不安になるかもしれませんが、必要な方に支援を届けるためにも、電話を切ることや断ることは必要なスキルです。
ただし電話を断ることで、クレーム等に発展しそうなら、あらかじめ上司に相談する等、機関としての方針を明確にしておくことが大切です。
まとめ
まとめます。
福祉現場でよくある、利用者さんからの長電話には、4つのパターンがある。
- 話を聴いて欲しい欲求の強い利用者・ご家族さんとの長電話は、話を聴くことで孤立感を防げたり、今後の支援につなげやすくなる。
- 発達障がいのある利用者・ご家族さんとの長電話は、話題を提示したり整理したりして短くなるようにサポートしよう。
- 躁状態の利用者・ご家族さんとの長電話は、感情を冷静に受け止め、簡潔に答えよう。ただし、主治医へ相談したり服薬状況を確認したりすることも忘れずに。
- 早く切った方が良い長電話は、キッパリと断っていこう。必要な方に支援を届けるためにも、電話を切ることや断ることは必要なスキルだ。
お役に立ちましたら嬉しいです!
以上、利用者との長電話、どう対処すべき?疲弊する福祉職に贈る対処法4つと言う話題でした!
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