こんにちは、ぱーぱすです。社会福祉士兼精神保健福祉士ブロガーです。
あなたは福祉の仕事に興味がありますか?もし、そうだとしたら、この記事はあなたにぴったりです。
この記事では、福祉の仕事でよくある課題の一つ、「利用者さんのできることまで手伝ってしまう」ということについて、話していきます。
この記事でわかること
- 利用者さんのできることまで手伝ってしまうと、どうして良くないのか?
- どうして手伝ってしまうのか?
- 福祉現場で「利用者さんのできることは手伝わない」方法4つ
などについて、わかりやすく解説します。
では、始めましょう!
福祉の仕事で「手伝わない」ことが大切な理由と対処法|経験者が解説
福祉の仕事をする人は、困っている人を助けたいという気持ちが強いです。
だから、利用者さんがお願いしたら、何でもしてあげたくなりますね。私もそうです。
例えば、「自分で着替えられるけど、面倒だから手伝って」と言われたら、「わかりました。手伝いますよ」と言ってしまいたくなる。
でも、これは本当に利用者さんのためになっているでしょうか?
実は、利用者さんのできることまで手伝ってしまうと、次のような悪いことが起こります。
- 利用者さんが自分でできる力を失ってしまう
- 利用者さんが支援者に依存してしまう
- 利用者さんが自分で何もしなくなってしまう
- 利用者さんが支援者に無理を言ったり、暴力をふるってしまう
- 利用者さんが自分の人生を楽しめなくなってしまう
これらは、私たちが望んでいることではありませんよね。私たちは、利用者さんが自立して幸せに暮らせるように支援したいのです。
だから、私たちは「利用者さんのできることは手伝わない」という原則を守らなければなりません。これが、自立を支援する支援者としてのプロフェッショナルな姿勢です。
では、どうやって「利用者さんのできることは手伝わない」ようにするのでしょうか?
福祉現場で「利用者さんのできることは手伝わない」方法4つ
「利用者さんのできることは手伝わない」という原則を守るには、次の4つの方法を試してみてください。
方法4つ
- 利用者さんの能力や状況を正しく把握する
- 自分の感情や動機をチェックする
- 利用者さんに説明や相談をする
- 苦情や抵抗に対応する
利用者さんの能力や状況を正しく把握する
利用者さんが、何ができて何ができないかを知ることが大切です。
そのためには、利用者さんに病気や障害がある場合は、その特徴や影響を学ぶ必要があります。
また、高齢の方の場合は日常生活動作(ADL)や認知機能を評価する必要があります。
しかし、これらの知識や評価を確実にするのはカンタンではありません。だから、私たちはつい「病気や障害があるから手伝わないと」と思ってしまいます。
これだと素人的になってしまいます。
何ができて、何に困るのかは人によって違いますね。特に病気や障害は個人差や状況によって変化するものです。
だから、その利用者さんの能力や状況を正しく把握することが大切です。
そうして、利用者さんに必要な支援内容や方法を決めます。例えば、「掃き掃除」をする場合、
- 適切な掃除用具を選ぶ
- 掃除用具を持ってくる
- 掃く(できる場所、できない場所、丁寧さはどうか)
- ごみを回収する
- 掃除用具を片付ける
など、細かく工程を分けてみます。そして、それぞれの工程で利用者さんがどれだけ自分でできるかを見極めます。
自分でできる部分はそのまま任せて、難しい部分だけサポートします。
自分の感情や動機をチェックする
私たちは「人を助けたい」という気持ちが強いです。でも、その気持ちが支援に悪影響を与えていることもあります。例えば、
- 自分の不安や罪悪感に耐えられなくて、手伝ってしまう
- 喜んでもらいたいから手伝ってしまう
- 早く終わらせたいから手伝ってしまう
などです。これらはすべて自分本位の理由です。利用者さん本位ではありません。
だから、支援する前に自分の感情や動機をチェックすることが大切です。「本当にこれは利用者さんのためになるか?」と問いかけてみましょう。
もしそうではないと感じたら、支援方法を変える必要があります。
「そんなこと言われても自分の感情とか動機って、よくわからない」という方がいるかもしれません。
大丈夫です。福祉の仕事でプロフェッショナルをめざすなら、誰もが通る道です。
対処法は、自己覚知することです。カンタンに言えば「自分を知って支援に活かす」ということです。具体的なやり方はこちらの記事でわかります。
利用者さんに説明や相談をする
私たちは「利用者さんのできることは手伝わない」という原則を守りますが、それは決して無関心や無責任ではありません。
私たちは常に利用者さんとコミュニケーションを取ります。
例えば、「掃除」をする場合、
- 掃除したい理由や目的を聞く
- 掃除した後のイメージやメリットを話す
- 掃除する部屋や範囲を決める
- 掃除する頻度や時間帯を決める
などです。これらはすべて利用者さんに説明や相談をしながら行います。私たちは一方的に指示や命令をするのではなく、協力的に関わります。
このようにすることで、利用者さんは自分の意思や目標を明確にしやすくなります。また、私たちも理解や信頼関係を築きやすくなります。
苦情や抵抗に対応する
私たちは「利用者さんのできることは手伝わない」という原則を守りますが、それが必ずしもスムーズに進むとは限りません。中には、
- 前任者や他職員が手伝ってくれたから今回もそうして欲しい
- 面倒だから手伝って欲しい
- 自分では無理だから手伝って欲しい
と言って苦情や抵抗を示す利用者さんもいます。このような場合はどう対応すれば良いでしょうか?
例えば、「手伝わない理由」を丁寧に説明することです。
「手伝わない」で言葉を終わらせず、例えば
「自分でできる力を奪うことになってしまうから」
「サービスの利用目的が『自立のため』だから」
などの旨で言い添えてみることができます。
それでも抵抗があったり、利用者さんが自分でできそうか不透明な場合は、
「一緒にすることはできます」
「ひとまず、隣で見ていますので、やってみてください」
のように、「手伝う」「手伝わない」の間の方法を探ったり提案してみましょう。
まとめ
この記事では、福祉の仕事で「利用者さんのできることは手伝わない」という原則を守ることの重要性と対処法について解説しました。
利用者さんのできることは手伝わないことで、利用者さんの自立を支援することができます。
私たちは自分の感情や動機をチェックしたり、利用者さんの能力や状況を把握したり、コミュニケーションを取ったり、苦情や抵抗に対応したりする必要があります。
そうすれば、利用者さんの利益になる支援ができるようになるはずです!
この記事があなたの仕事に役立てば嬉しいです。もし、この記事に関する質問や感想があれば、コメント欄にお気軽に書いてくださいね!それでは、また!
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