福祉現場で「利用者さんができることは手伝わない」が難しい理由5つ

対人・支援関係

利用者さんのためなら何でもするゾ!

オレが助けるんや!

ちょい待ち

どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。

「利用者さんが困ってるんだから助けなきゃ!」
「利用者さんが喜んでくれることをするのが一番大切」
「患者さんを助けるのがワタシの仕事」

福祉現場でこのような思いで働く方はとても多いと思います。

例えば、「不自由なく着替えができる利用者さんだけど、お願いされたので着替えを手伝わないと・・・」という衝動に駆られる、みたいな感じです。

ですが、この思いのままに支援をすると、次のような良くないことにつながりかねません。

何でも手伝っていると・・・

・利用者・患者さんのできることが減ってしまう
・依存される
・何でもかんでも頼る人になる
・断ったら暴言や暴力をうけてしまう
・利用者・患者さんが「困った人」になってしまう

わたし達、福祉の仕事をする人間は、「誰かの役に立ちたい」「喜んでもらいたい」というサービス精神が人一倍高いものです。しかし、この気持ちのままに支援すると、かえって困ったことになってしまうでしょう。

そうならないためには、私たちが「つい手助けしてしまう理由」を知り、対策できるようになることが大切です。今回はこのあたりを解説する内容になっています。

ではまいりましょう!

福祉現場で「利用者さんができることは手伝わない」が難しい理由5つ

ついつい利用者さんのできることまで支援してしまうケース。例えば、「一人暮らしをしている利用者さんのケース」ではこんな感じです。

利用者)家の掃除ができないの!助けてください!

支援者)それはお困りですね!

私が代わりにやりますよ!

と、つい頑張っちゃう感じです。

しかし、掃除は利用者さんにできないことなのか一呼吸おいて考えることが大切です。手助けするにしても、完全な代行(代わりにする)は最終手段です・・・。

・利用者さんだけでやる
・こちらが代行する

この2つの間にはたくさんの選択肢があります。例えば、

  • 必要な掃除用具を教える
  • 掃除用具を一緒に買いに行く
  • 掃除のやり方だけを教える
  • 一緒に掃除するetc…

どんな選択肢があるか考えるポイントは細分化です。

手続きや作業について、工程を細かく分けると、全くできないと思えた利用者さんが、実は部分的にはいろいろとできることがわかったりします。

そして、具体的に何に困っていて掃除できないのかをよく聞き取ることです。

利用者さんご自身でできることは、ご自身でしてもらうことが重要です。なので、内容によっては全く手伝わないというのも選択肢なんです。

ですが、どうしてか現場では利用者さんのできることまでついつい手伝ったり、代わりにしてしまいがちです。

私の思う理由を5つを解説していきます。

できることの把握が難しいから

手伝ったり、代わりにするかどうか、どう支援するか判断するには、利用者さんにどれだけの力があるか把握できないと難しいです。

例えば、利用者さんに「病気」「障がい」があると、なんでもかんでも助けてあげないといけない気になるかもしれません。助けないと悪いことをした気持ちになったりして。

助けるか助けないか、適切に判断するにはその方の患う病気や障がいの知識が必須です。

ご高齢の方ならば、どれくらいのADLなのか理解しておくことがです。

でも、こうした知識を確実にするのはカンタンではないので、ついついアレもこれも手助けしてしまう方が多いのかもしれません。

支援者の心に欠落感があるから

「支援者の欠落感」って何だってことですけど、

福祉の仕事につく多くの方は、「人を助けたい」とか、「困っている人を支えたい」って思いがあるでしょう。なのでどうしても、支援しすぎちゃうんだと思います。

自分がちゃんと支援できているのか不安になっている支援者であれば、利用者を助けたり手伝ったりすれば、「何となく」支援できた気になれます。

でも、このやり方には問題があって、支援する理由が自分本位ということです。利用者さん目線ではないのが良くないわけです。

早いしラクだから

代わりにする方が支援者にとって早いし楽なことが多いですよね。

例えば、着替えに5分かかる利用者さんがいたとします。助けたり代わりにすれば、1分ですみます。今からゆっくりと着替えをされる・・・。

こういう時、支援者として5分待つってけっこう苦しいんですよね。イライラしちゃったり、待ってられなかったり、困ってる様子もあるから助けてあげたくなったり・・・。

代わりにする場合、利用者さんの能力を分析したりもしなくてすむんです。どの部分までを支援して、どこからを本人にしてもらうかといった段取りも組まなくて良いですし。あまり考えなくて良いからラクなわけです。

こうした支援の問題点も明らかで、利用者目線の支援じゃないことです。支援者がラクだったり、職員側の都合で手助けしたり手伝ったりってことですから、支援者都合なんです。

時間がかかったとしても、利用者さん本位の支援をするのが、福祉現場や、社会福祉士・精神保健福祉士の役割だと思います。利用者を手伝ったり、代わりにしようとするときには、「これは自分の都合でしていないかな?」と考えるのがポイントです。

支援しないと苦情になるかもしれないから

「利用者さんのできることは手伝わない」ようにするには、利用者さんのお願いを断ることが必要なケースがあります

例えば、利用者さんからは

信頼してたのに!どうして助けてくれないんですか!?

えっ!?すみません・・・ええと・・・。

と責められるリスクだってあります。利用者さんが理解できるように、手伝ったり代わりにしたりしない理由を説明しないといけなくなるのです。これって、けっこう難しいときがあります。

どれだけ言葉や説明を尽くしても、「なんだかんだ言って、面倒くさいんでしょ?」って思われたり、「要は、やりたくないんだな」って思われたりすることがあるからです。

ご自身でできる部分も依存されるタイプの利用者さんと、よくよく注意がいります。苦情になったりするからです。(そういう経験があります)

よくあるパターンが、前任者やこれまでの支援で、あれこれ助ける支援をしていた場合です。「今回もしてくれるはず」と期待されてしまうので、期待を裏切ることになっちゃうんです。利用者さんとしては、傷ついて責めてくることになっちゃうかと思います。

支援者と被支援者という立場で関わるから

あたりまえですけど、福祉現場では、私たちは「支援者」という立場ですよね。いっぽうで、お相手は「利用者」「患者」「メンバー」という立場。

つまり、支援する側と支援される側という関係性です。

この関係性があるので、わたし達はつい「支援しないといけない」とか、「助けないといけない」とか、「代わりにしないといけない」という気になってしまうのではないでしょうか。

人によっては、利用者さんの思う通りに支援しないと、罪悪感にかられる人もいるでしょう。「支援する仕事なのに支援しないってのは、悪いんじゃないか?」と。

まとめ

こうした理由があるので、利用者のためにあえて「手伝わない選択」をするのは難しいのではという話でした。

結局、対策でいちばん大切なのは自己覚知です。自分のクセ、特徴を知るということです。

お医者さんが薬の作用・副作用を熟知するように、私たちは私たち自身について熟知せねばならないでしょう。こちらの記事も役に立つはずです。

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以上、福祉現場で「利用者さんができることは手伝わない」が難しい理由5つという話題でした。

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