相談、何となくやってるけどこれでええんかな・・・?
なかなか自信もてないもんだよな。
- 相談者の話に振りまわされる
- 信頼関係はつくれるが、現実問題の解決にすすめない
- 何となくうまくいっていない感じがする
- 家に帰ってからも、相談内容をモンモンと考え続けてしまう
こういった悩みのある方へ。
私は社会福祉士・精神保健福祉士として働いています。現場で10年超の経験です。
みなさまは、ご自身の相談スキルにご不安は無いでしょうか?すでに満足されていますか?
相談スキルがないと良い支援ができないどころか、「何もできていない」「役に立てない」といった自己嫌悪や無力感におちいる方も多いです。私も同じでした。
しかし、理論に裏打ちされた相談スキルをマスターできれば、自己嫌悪や無力感から抜け出せるはずです。
書籍「相談力」入門では、相談に求められるコミュニケーションスキルが36にまとめられています。
【現役推薦】「相談力」入門レビュー【相談スキルに悩む方へ】
本タイトルには「入門」と書かれていますけど、かなり実践的な本です。
ハッキリ言って、これが入門レベルなら、現場の対人援助職の9割以上は入門にすら到達していないことになると思います。
いいかえれば、スキルを意識できていない人が多いからこそ、できる人の支援は一味違って見えるはずです。
「相談力」入門はどんな本?
社会福祉士・行政書士で「相談の学校」を主宰する”リーガルソーシャルワーカー”鈴木雅人氏が、「相談」を36のスキルにひもといて解説した本です。
「相談なんて、誰もができるもの。」
「話をきいて『なるほど』とか『はい』とかうなずいて共感してたら、それらしくできるもの。」
「先輩や上司が相談の仕方を具体的に教えることは無い。だって、相談は人によってやり方が違うものだから・・・。」
このような相談現場の実情に対し、鈴木雅人氏は「そもそも相談とは・・・」と定義のし直しから始まり、人間心理の深い洞察力に裏打ちされた具体的スキルを教えてくれます。
例えば、著書から一部引用させていただきますと
現状のままでは問題が解決できないから、相談者は相談に来ます。私たち相談対応者は、その現状を変えていく必要があるのです。
それでは、相談者に変化をもたらすために、効果的なコミュニケーション手法は何なのでしょうか。それは、「質問」と「アドバイス」です。
引用元:鈴木雅人(2013)『「相談力」入門 対人援助職のためのコミュニケーションスキル36』中央法規出版 P152
この後、質問がなぜ効果的なのか。アドバイスをする注意点は何か。タイミングはいつなのか等が具体的に解説されていきます。
ボリューム・読みやすさは?
約220ページで、読みやすいです。ブックカバーがやけにシンプルなので、内容で勝負している本ですね。
難点があるとすれば?
スキル本なので、「社会福祉士・精神保健福祉士、福祉専門職が支援で大切にすべきことは何か?」といった価値・倫理的な話は別で学習することが必要です。
スキルは使い道次第で良いことにも悪いことにも使えてしまいます。どんな目的でそのスキルを使うかが大切なのです。
例えば、「包丁」はおいしい料理をつくるために使える一方、人を傷つけることにも使えてしまいますよね。スキルにも同じことが言えます。
巧みなコミュニケーションスキルは、人を支援するためにも、だまして搾取するためにも使えてしまうのです。なので、相談の目的は見失わないよう注意がいります。
どんな人に役立つか?
この本が役立つのは、「相談」を仕事にしている人すべての方でしょう。社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士などの福祉専門職ならもちろん役に立ちます。
「何となく相談支援してるけど、これでいいのかな?」
「自己流でやってるけど限界・・・」
という方には特に役立つでしょう。
ちまたでは「社会福祉士は役に立たない」とか「精神保健福祉士は役に立たない」と言われたり、思われたり、自ら思ってしまったりする方もいます。
誰もが相談のプロになれるはずなんです。ただ、相談の確かなスキルがあまりよく知られていないのが課題です。
これが社会福祉士や精神保健福祉士の国家試験レベルの知識では足りないポイントで、自ら学習するしか道がありません。
でも、相談のコミュニケーションスキルを会得したならば、もう「役に立たない」なんて言わせない。「親切な人」「優しい人」を卒業した確かな結果を出せるはずです。
以上、【現役推薦】「相談力」入門レビュー【相談スキルに悩む方へ】という話題でした。
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