
地域活動支援センターと地域生活支援センターって違うん?

違うんだけど、実態が同じというケースもあるんだ。
ちゃんと解説しよう。
どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
- 地域活動支援センター
- 地域生活支援センター
この2つ。名前は似ているので同じようなものと思われがちです。
結論は「違うものだが、実態が同じケースもある」です。
「地域生活支援センター」という名の事業所は、中身を見ないと事業内容はわからないというのが現状です。
この意味をわかってもらうには、地域生活支援センター(以下:生活支援センター)の歴史をたどることになります。では、サッと解説していきます!
地域活動支援センターと地域生活支援センターの違い【社会福祉士解説】

あのさ!
地域活動支援センターと地域生活支援センターって
名前似てるし漢字だらけで困るわあ

地域活動支援センター = 地活
地域生活支援センター = 生活支援センター
に略していこう!
地域生活支援センターとは?
1996年 精神障害者地域生活支援事業として制度化
生活支援センターは「精神障害者地域生活支援センター」が正式名称だったものです。
1996年に障害者プランの重点項目の一つとして「精神障害者地域生活支援事業」として制度化されました。根拠法は旧『精神保健福祉法』の第50条でした。
同法では以下のように定義されていました。(現在この条文は削除されています)
地域の精神保健及び神障害者の福祉に関する各般の問題につき、精神障害者からの相談に応じ、必要な指導及び助言を行うとともに、第49条第一項の規定による助言を行い、併せて保健所、福祉事務所、精神障害者社会復帰施設等との連絡調整その他厚生労働省令で定める援助を総合的に行うことを目的とする施設とする。
引用元:旧『精神保健福祉法』第50条
事業はそれぞれの独自色はあったものの、
- 相談事業
- 日中活動の場の提供
- 地域交流事業
この3つをメインとする生活支援センターが多かったのです。
職員配置は、施設長専従1名、 精神保健福祉士専従1名以上、社会復帰指導員3名以上(2名は非常勤可)というものでした。
2005年 障害者自立支援法成立によって移行
2005年10月に障害者自立支援法が成立。
「地域活動支援センター(以下:地活)」が制度化されました。
これと同時に、生活支援センターは再編されることになりました。
再編とはすなわち、市町村の地域生活支援事業である
- 相談支援事業
- 生活サポート事業
- 地域活動支援センター事業
などへの移行でした。

もともと生活支援センターやった所が、地活に変わった?

そういうこと。
けど、看板だけが変わっているようなこともある。
だから、地活と同じような活動をしている生活支援センターがあるんだ。
現在でも「地域生活支援センター」という名称の事業所は残っています。でも、実際の事業内容によって根拠法は異なるのが実態です。
つまり、地域生活支援センターという名の事業所があっても、行っているサービスや事業はさまざまというのが現状です。
例えば、相談支援事業をしていたり、生活サポート事業をしていたり、地域活動支援センター事業をしていたり、いろんな生活支援センターがあります。
また、事業内容だけを移行して、看板の名前は昔のままというケースもあるのです。
まとめ
話をまとめます。
- 1996年 地域生活支援センター(精神障害者地域生活支援センター)が誕生
- 2005年 障害者自立支援法成立により、地域活動支援センターが誕生。地域生活支援センターは地域活動支援センター等に移行。
なので、地域生活支援センター(精神障害者地域生活支援センター)は、地域活動支援センターとは違います。
ただし、もともと地域生活支援センターだった所が、地域活動支援センターに事業を変えていることがあります。
つまり、「事業実態は地域活動支援センターだが、看板は地域生活支援センターのまま」ということがあるのです。
なので、「地域生活支援センター」という名称だけでは事業内容はわかりません。ホームページを見たり、問い合わせたり、足を踏み運んでみることが必要になります。
ちなみに、地域活動支援センターはじめ、福祉制度やサービスをよく知るには現行の障害者総合支援法の理解がマストです。
こちらの本は図解があってわかりやすいので、障害者総合支援法の解説本をもっていない方にオススメです。(私ももっています)
地域活動支援センターについてもう少し詳しく知りたい方には下記記事もよければご参考くださいね。


以上、地域活動支援センターと地域生活支援センターの違い【社会福祉士解説】という話題でした!
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