論破王ひろゆき!
最近よく見るようになったなあ。
どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
匿名掲示板「2ちゃんねる」開設者であり、最近は「論破王」として人気のひろゆき氏の著書「なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23」を読んでみました。
ひろゆき氏はとても合理的で効率重視な考えが強いように思われ、福祉業界とは相容れない面があったり、いいかえれば福祉業界には無い発想と感じました。なかなか刺激的です。
福祉関連の本ばかりでなく、違った業界の人の本を読むことで、新しい発想ができたりしますので、面白いですね。
ひろゆき氏の『なまけもの時間術』を社会福祉士が書評
「時給」という発想の残念なところ
たとえ仕事の質を上げる余地があっても、頑張ろうと頑張らなかろうと時給は大して変わらない。そうなると、人間ってだんだん腐ってきちゃうこともあると思うんですよね。どんどん生活のテンションが落ちてきて「人生つまんねぇな」ってなってもしょうがない気がします。
引用元:ひろゆき著 なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23 学研プラス出版(2020)
時給仕事は、質の高い仕事をするほどコスパが悪くなるというお話。
福祉の仕事はだいたいが時給仕事ですね。
例えば、介護サービスや障害福祉サービスは、支給量が時間・日数で区切られていることが多いですね。
現場でも、利用者・患者さんが増えたら給料が上がる・・・、満足度が上がればボーナスがつく・・・なんて職場はほとんど無いと思います。
どれだけ支援の質を上げても得られる報酬は同じことが多いので、コストパフォーマンスで考えると辛くなってしまいそうです。
そうした意味で、ひろゆきさんの発想は、社会福祉とは相容れないところがあると思います。(だからこそ面白いのですが)
「努力は必ず報われる」というパワーワード
最近の日本って、「努力は必ず報われる」とかいうパワーワードに縛られて、努力ではどうにもならん世界で、努力を強いられて苦しい思いをしている人が多い気がします。いっそ僕みたいに、主人公キャラとしての自分の能力値は見切ったらどうでしょうか。
引用元:ひろゆき著 なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23 学研プラス出版(2020)
これは共感するところがあります。
例えば、私たちって“自己覚知”で自らと向き合わないといけない時があります。
でも、自己覚知しているうち「このままの自分じゃダメだ。努力して変わらないと」という考えに縛られる方が多かったりします。
私自身もそうだったので、けっこう苦しい思いをしました。
でも社会福祉士・精神保健福祉士となって約10年も経つと、「この部分は変われたけど、この部分はもう受け容れるしかないな・・・」という、諦めの境地のようなものに至ってきました。
例えば、「人と人をつなげる」のは社会福祉士・精神保健福祉士の大切な役割だと思いますが、残念なことに私自身、人とつながるのは結構疲れるタイプです。
これは努力しても変えようがありませんでした。
憧れの先輩や上司のように、色んな人と怖じ気ずバンバン関わったりつながったりするのは、私は不得意です。スキルとしてはいくらか身につけましたが、根本的には得意ではないので、努力ではどうにもならないところがあるとわかってきました。
一方、努力で変わる部分もあったので、はじめから諦めるのはもったいないということもあるでしょう。
努力でどうにかなることなら努力したいし、どうにもならないなら発想を変えたいものです。しかし、”努力でどうにかなる世界かどうか“、これをジャッジするのに時間がかかると思います・・・。
こうした時に思い出すのは二ーバーの祈りの言葉。
神よ、変えることのできないものを静穏に受け入れる力を与えてください。変えるべきものを変える勇気を、そして、変えられないものと変えるべきものを区別する賢さを与えてください。
引用元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』二ーバーの祈り
プログラミングには「正解」があるが福祉には・・・?
プログラミングはパズルと一緒で必ず「正解」があります。やり方さえ間違えなければ絶対に動く。そういう点で、正解がないことも多い営業職とかよりは僕の性に合っているとは思います。
引用元:ひろゆき著 なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23 学研プラス出版(2020)
「正解」が無いことが多いというのは、まさに福祉の仕事(特に相談支援)も同じですね。
にしても、「正解がないことも多い営業職」というのは、文脈的に「こうすれば必ず売れる」みたいな絶対が無いということでしょうか。
対人という意味では、営業職も福祉の仕事も共通点があるわけですね。
資格試験の勉強法
資格は、つきたい仕事につくための手段です。目的は「試験に受かって、資格を手に入れること」であって、「教科書に書かれていることを隅々まで覚えること」ではありません。だから「いかに時間と手間を省いて試験に受かるか」を考えることが必要だと思います。
引用元:ひろゆき著 なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23 学研プラス出版(2020)
ひろゆき氏らしい合理的な意見ですが、至極もっともだと思います。社会福祉士・精神保健福祉士の資格についても同じように感じますね。
社会福祉士も精神保健福祉士も、資格試験の内容を覚えれば現場で役立つかというと、そうでもありません。
国家試験で求められるのは「社会福祉士(精神保健福祉士)なら最低限これくらいは覚えておいてね」という広くて浅い知識です。現場で役立つのはもっと狭くて深い知識でしょう。
なので、社会福祉士・精神保健福祉士という資格は、つきたい仕事につくためのスタートラインということが多いと思います。
資格勉強の手を抜くという話ではなく、効率的にやりましょうということですね。
勉強方法については、ひろゆき氏は
まず過去問を解いてみて、解けなかったところを勉強した方が手っ取り早いでしょうね。
引用元:ひろゆき著 なまけもの時間術 管理社会を生き抜く無敵のセオリー23 学研プラス出版(2020)
と言っています。これも私は同感です。
国家試験合格をめざす皆さま、過去問題集はご用意できていますか?
以上、ひろゆき氏の『なまけもの時間術』を社会福祉士が書評という話題でした!
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国家試験合格を目指す方へ。やはり過去問題集が必携でありましょう。
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