
診断してもらうにはどうしたらええの?

かかりつけの小児科なら相談しやすいんじゃないかな。
かかりつけがないなら、児童精神科や発達小児科が良いですよ。
専門機関にもぜひ相談してみてくださいね。
こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
この記事は
😦うちの子、自閉症の特徴にあまってる・・・
😟やっぱり、この子は自閉症かも・・・
上記のようにお悩みの方にむけて、解決策・対応策をお伝えする内容となっております。
「子どもの診断や相談をするにはどうしたら良いか?」
対応の結論は、病院や専門機関に相談する、ということになります。
社会福祉士・精神保健福祉士としての経験をもとに、くわしくお話していきます。
うちの子は自閉症?診断・相談はどこに?【社会福祉士が解説】
まずは病院に相談を
通院したり相談するのは、抵抗感があるかもしれません。わかります。
「わが子は大丈夫なのか?」とご不安・ご心配ないっぽうで
「男の子はこのくらいだって言うし・・・」
「みんな違いはあるから・・・」
と、まさかわが子がそうした自閉症スペクトラム等だとは信じたくないのが当然だと思いうのです。
ですが、疑問を残しておかれて・・・、万が一のことです。
万が一、後になって自閉症スペクトラムなどの障がいがあるとわかった場合、その子はとても不利なのです。
理由は、より早期に相談機関や専門機関から支援をうけることが、より良い今後につながることが明らかになっているからです。
また、適切な対応や支援をうけられずに過ごしていると、二次障害と言って、さらなる生き辛さがお子さんにふりかかることもあるのです。
怖い話をしてすみません。
でも、私が現場でたくさんの自閉症スペクトラムのお子さんや大人の方々をみてきた経験から言えるのは、「支援につながるのが遅れたお子さんほど、生活や支援がうまくいかない」ということです。
自閉症スペクトラムの子たちは、健常な子たちとは違った捉え方で学習をしていきます。彼らの捉え方に合った関わり方をしないと、誤った学習を積み重ねることになります。
誤った学習を積み重ねる時間・年月が長くなるほど、その訂正には更に長い年月がかかります・・・。
そうなってほしくないのです。
そのためには、まず病院でお医者さんに相談いただくことが大切なステップになります。
受診先の第一候補は、かかりつけの小児科
もし、かかりつけの小児科があるようでしたら、ひとまず相談することで道筋が見えるはずです。
「わが子が自閉症かもしれない・・・」というのは、人にはなかなか相談しづらい内容だと思います。万が一、自閉症スペクトラムだとすれば、人には絶対に知られたくないという方もいます。
知っている小児科医の先生なら、比較的話しやすいのではないでしょうか。
じっさい、自閉症スペクトラムの診断を最初にすることが多いのは、小児科医の方々と言われています。
小児科医の先生は、自閉症スペクトラムについて専門でない可能性がありますが、それでOKなのです。
適切な病院や相談機関を教えてもらうようにしましょう。
かかりつけの小児科がなければ「児童精神科」や「発達小児科」などの科へ
もし、かかりつけの小児科がなければ「児童精神科」や「発達小児科」のある病院を受診することをおすすめします。
注意点としては、科の名称は各病院で違うということです。
「小児科発達外来」と言われることもあります。「発達・心理相談」として行っている小児科もあります。
まずは受付で聞いていただき、受診・相談してください。
しかしここで1つお伝えしたいこと。
自閉症スペクトラムの診断がつくかどうか以上に大切なことがあります。
相談先をもつことです。
病院が相談先を紹介してくれたなら、かならず相談してみてください。
専門機関への相談が大切な理由
マニュアルの無い子育てに毎日奮闘するうえ、家事もこなして体が疲れ切る。
眠くても眠れないし、起こされてしまう・・・。
しかも、常に子どもの安全を考えているから、精神的にも疲れる一方で。
なのに、誰もねぎらってなどくれない・・・。
そのようななか、親御さんは孤立してしまいがちです。
大切なお子さんが自閉症スペクトラムなのかどうか、とても気になるお気持ちはわかります。
病院で診断がつくにしろ、つかないにしろ、確かなこと。
それは、いま、育てにくさや困り感、ご不安や違和感があることではないでしょうか?
もちろん、診断ではっきりさせたいというお気持ち、とてもわかります。
けれども、自閉症スペクトラムではないとわかったとしても、何らかの育てにくさを感じられているのは事実が残ってしまうのでないでしょうか?
「自閉症スペクトラムではないことがわかった・・・なら、この困り感の理由は何?」
そう思われるのではないでしょうか。
解決するには、どう育てるか、関わるかといったことを知る必要があるのです。
ですので病院の受診結果にかかわらず、子育てについて相談したり、必要に応じて支援をもらうことをおすすめします。
相談先・支援先をもつことは、可能性を広めることはあっても、デメリットになることはないでしょう。
相談することには、親御さんにとって複雑な思いがあるかもしれません。
けれども、お子さんの未来にとっては、きっと正しい選択となるはずです。
勇気をもって、ぜひ、相談いただきたいです。
ここでは、自閉症スペクトラムについて相談できる専門機関の一覧をご紹介します。
※くりかえしますが、もし病院が相談先を紹介してくれたら、そちらを優先してご相談ください。また、「発達・心理相談」など、子育て支援を小児科がまるごとしていることもあります。
自閉症スペクトラムについて相談できる専門機関
市町村保健センター・市町村の窓口です。
・子育ての悩みや疑問を相談できます。最近ではオンラインでの母子健康相談をうけている自治体もありますから、相談しやすいでしょう。
・「市町村保健センター」という名称ですが、実際は「保健所」とか、「健康推進課」とか、名称は各市町村で違います。やってることは同じですから、名称は気にしなくてOKです。
・連絡先は「お住まいの市区町村」「市町村保健センター」で検索すると出てくるはずです。自治体のホームページからたどってみても良いでしょう。
児童相談所あまり知られていませんが、児童相談所は子育ての悩みや障害児福祉、子どもに関わるあらゆる相談に応じる機関です。「虐待から子どもを守る機関」というイメージが強く、ハードルを感じるかもしれませんが、心理士等も配置されていますし、専門性が高いです。


病院が専門機関を紹介してくれたら、そこに相談するのが良いですね。
迷ったら、まずは市町村保健センターに電話してみましょう。
とにかく相談を!迷ったら市町村保健センターへ
相談先に迷われたら「市町村保健センター」に連絡してみてください。自治体の窓口なので信頼しやすいからです。
ただし、「実は、はじめにかける電話はどの専門機関でもOK」です。これは福祉業界の人間だからわかっていることなのですが。
「実は、はじめの電話はどの専門機関でもOK」な理由
「自閉症スペクトラムのことなら何でもできます」という専門機関はないから
しかも、「こういう場合はこの専門機関に相談するべきという区切りもあまり無いから」です。
地域によっても違うのです。だから、この記事で明確なことは言えないのです。
「市町村保健センター」でも「子育て支援センター」でもOKという場合があります。福祉の支援というのは、どの機関がやっても良いグレーゾーンがたくさんあるんです。
また、「市町村保健センター」も「児童相談所」も一緒にサポートしてくれることもあります。連携してくれるんですね。
もし相談先が違っていても適切な相談先につないでくれるものだから
「相談先が違う」
これは専門機関にかかってくる電話でとってもよくあることです。まったく恥ずかしいことではありません。
専門機関の方としては「たらいまわしみたいになってごめんなさい・・・」という感じなのです。なので、申し訳ないとか思わず、堂々としていただいてOKなのです。
相談内容をはじめからハッキリさせるのはとても難しいから
子育てのご不安やご苦労をかかえておられる状況で、相談内容をハッキリさせるのは誰にもできないことです。
相談してはじめて困りごとを整理できたり、新しい困りごとに気づくこともあります。
はじめから「このことに困ってるからこの専門機関」としぼることは誰でも難しいのです。

はじめの電話、緊張するなぁ…近所に知られたりせんやろか・・・

安心して。じつは電話をうけるほうも緊張してたりします。
それに、専門機関には守秘義務があるから大丈夫ですよ。
専門的には初回の相談を「インテーク」といって、ベテランになるほどその重みを理解しており、特に気を遣っています。
不親切に聞こえるかもしれませんが、専門機関に相談するときは、まずはどの機関でも良いですからとにかく電話をかけてみることをおすすめします。大変な状況を人に相談するのは、あなたが無力になることではありませんし、とっても大切な力です。
「どの機関じゃないといけないんだろう?」と悩む必要はありません。まず電話して相談した方が早いですし、適切な相談先まで教えるのが彼らの仕事です。(適切な相談先を伝えることは情報提供とよばれています)
相談を受ける機関には強い守秘義務がありますので、事情を詳しく話しやすいです。もちろん、匿名で相談される方もおられます。安心して電話をおかけください。
どこにかけて良いか迷われるのであれば「市町村保健センター」にかけてください。公的機関なので、責任をもって対応してくれるはずだからです。「お住まいの市区町村」「市町村保健センター」で検索すると出てくるでしょう。
じっさいの名称は「市町村保健センター」ではなく、保健所とか、健康推進課といった名称になってたりします。お住まいの市町村ホームページからたどってみても見つかるはずです。
自閉症スペクトラムの原因は育て方ではありません!
一番お伝えしたいこと。
自閉症スペクトラムの原因は、育て方ではありません。
教育の仕方が悪いのではありません。
保護者の方のせいではありません。
自閉症スペクトラムは、いまだに誤解されがちです。誤解とは、自閉症スペクトラムの原因は育て方だというものです。
自閉症スペクトラムはこころの傷などによるものではありません。原因は脳にあることがわかってきています。
ご自身のお子さんが自閉症スペクトラムとわかったとき、その事実だけでも苦しまれたり悩んだりされるはずです。決して、ご自身の育て方のせいだと思って、責めないでもらいたい。
そうしてご自身を責める保護者の方をみてきました。
私が支援していた、自閉症スペクトラムの子どもをもつお母さんとの話で、忘れられないやり取りがあります。
あるときお母さんは、涙ながらに「健常に産んであげたかった」とおっしゃっていました。
私にはお気持ちをきくことしかできませんでした。
子どもをもてば幸せな生活になると夢を抱いていた母さん。思い描いた人生とはまた違った形になってしまった。それでも、やはり子どもは大切でかわいいとおっしゃっていました。
子どもに障がいがあることを受容しきれる方もたくさんおられますが、そう簡単には割り切れない方もたくさんおられます。
私は当事者ではないので、そのお気持ち、言葉の重みを同じように理解することはできませんが・・・。
自閉症スペクトラムのお子さんをもつことが、保護者の方にとっていかに大きな出来事であるかを感じ、その苦しみが少しでも和らぐことを願っております。
自閉症スペクトラムが正しく理解され、その方や周りの方が過ごしやすくなりますように。
以上、うちの子は自閉症?診断・相談はどこに?【社会福祉士が解説】という話題でした。
【関連記事です】
自閉症スペクトラムの子どもの特徴、行動例などをお伝えしています。

「自閉症スペクトラムの赤ちゃんの顔つきに特徴はあるか」と聞かれれば、無いと言えます。ただし、私の経験上、厳密には違うことも言えます。

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