インベスターリターン?
ファンド保有者の成績のこと。
全世界ファンドで比較してみよう!
- どの全世界株式ファンドが良いのかわからない。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)で良いの?
- SBI全世界株式(雪だるま)ってどうなの?
こうしたギモンのある方へ。
【比較】インベスターリターン-トータルリターン
①全世界株式(MSCI ACWI)
②全世界株式(MSCI ACWI 除く日本)
③全世界株式(FTSE GACI)
④その他の全世界株式
⑤おまけ
【まとめ】全世界株インベスターリターン差ランキングTOP11
私は社会福祉士・精神保健福祉士です。福祉職は収入が少ない・・・ゆえに投資について勉強してきました。
全世界インデックスファンドといってもいくつか投資信託があるので、いざ選ぶとなると迷ってしまうと思います。
そもそも、インデックス型の投資信託の比較において、何を重視すると良いのでしょうか?
私が思うに下記の4点は外せない重要ポイントです。
インデックスファンドの重要ポイント
- 低コスト(信託報酬0.2%未満)
- ベンチマークとの乖離が少ない
- 純資産の継続的な増加
- 償還日が無期限
そこで加えてもう1つ、全世界株式のインデックスファンド選びでチェックしておきたいのがインベスターリターンです。
インベスターリターンとはファンド保有者の成績のことです。平たく言うと「このファンドを持っている投資家は、どの程度儲かっているか?」ということです。
投資信託そのものの成績とインベスターリターンは同じではないんですね。
このインベスターリターンの値によって、ファンド保有者の質を推測できます。どういう仕組みになっているかというと・・・
- ファンドを購入するにあたり、「高値掴み」「安値売り」をした人が多ければ、インベスターリターンは低下する。
- 逆に安値の時に購入する人が多く、資金が流入するファンドはインベスターリターンは向上する。
引用元:セゾン投信株式会社HP インベスターリターン
つまり、インベスターリターンとトータルリターンの差からファンド保有者の質がわかります。
ファンド保有者の質が悪いファンドを選ぶと、余計な売買をされて実質コストが高くつく(リターンが悪くなる)ことがあるので避けたいですね。
「全世界株インデックスファンドを選ぶ時には、インベスターリターンとトータルリターンの差にも注目したい!」ということで、
そこで、この記事では全世界株インデックスファンドについて
(インベスターリターン) - (トータルリターン) = ???
この結果を比較してみた内容となっています。
比較するのは以下の12本。
- eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
- たわらノーロード 全世界株式
- つみたて全世界株式
- 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 『愛称:楽天・バンガード・ファンド(全世界株式)』
- SBI・全世界株式インデックス・ファンド 『愛称:雪だるま(全世界株式)』
- SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド 『愛称:SBI・V・全世界株式』
- eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
- eMAXIS 全世界株式インデックス
- 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスF
- 野村 つみたて外国株投信
- eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
- ニッセイ 世界株式(GDP型バスケット)
この中で一番優秀だったのは「野村 つみたて外国株投信」でした。意外じゃないですか?
どうしてこのような結果になるのか。比較しながら見てみましょう!
全世界株式12本のインベスターリターン差を比較【2022年2月末】
全世界株式(MSCI ACWI)のインベスターリターン-トータルリターン比較
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース、配当込み)をベンチマークとする全世界株式インデックスファンドを比較してみましょう。
1年 | 2年(年率) | 3年(年率) | 設定来(年率) | |
たわらノーロード 全世界株式 | -7.89% | -5.51% | – | -2.08% |
eMAXIS Slim 全世界株式 | -8.34% | -8.20% | -2.73% | -2.41% |
つみたて全世界株式 | -11.99% | – | – | -14.45% |
たわらノーロード全世界株式がベストパフォーマンスです!eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)も良好ですね!
目を見張るのはつみたて全世界株式。比較的信託報酬が高いので、ネット証券を開いている方はほとんど選ばないファンドでしょう。
ファンド保有者の層の違いがインベスターリターンを悪化させているのではないでしょうか?
全世界株式(MSCI ACWI 除く日本)のインベスターリターン-トータルリターン比較
次に、MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本、円換算ベース、配当込み)をベンチマークとする全世界株式インデックスファンドを比較してみましょう。
1年 | 2年(年率) | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | 設定来(年率) | |
野村 つみたて外国株投信 |
-3.04% | -1.12% | +1.60% | – | – | +4.45% |
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | -6.16% | -4.07% | +0.32% | – | – | +2.91% |
三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスF | -3.37% | -1.65% | +1.06% | +2.63% | +1.02% | +2.71% |
eMAXIS 全世界株式インデックス | -2.04% | -1.08% | -0.17% | +0.03% | -1.56% | -0.80% |
全体的にインベスターリターン差は良好でした。日本除く全世界のファンドには良い投資家が集まっていそうです。
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)のインベスターリターン差は、設定来でプラスに振れていて好成績です。
eMAXIS 全世界株式インデックスは今となっては信託報酬が高いので、これから選ぶ余地はありません。でも、インベスターリターンは安定していますし、しっかりホールドしている投資家が多そうですね。
野村つみたて外国株投信は、その名の通り積立買付しかできません。
しかし、積立買付しかできない制約が功を奏してか、抜群のインベスターリターン差を誇っています。
ついついスポット売買したくなる意志の弱い私には、とても教訓になる結果でした。
全世界株式(FTSE GACI)のインベスターリターン-トータルリターン比較
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース)をベンチマークとするインデックスファンドを比較してみます。
1年 | 2年(年率) | 3年(年率) | 設定来(年率) | |
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | -4.13% | -2.71% | +0.76% | +3.77% |
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま) | -6.74% | -6.02% | -0.94% | +2.73% |
SBI・V・全世界株式インデックス・ファンド | – | – | – | – |
楽天・全世界株式インデックス・ファンドのインベスターリターン差が一番ですね!
SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)のインベスターリターン差もプラスです。
FTSE GACIをベンチマークとするファンドの保有者には、長期投資志向の方が多そうです。
ちなみに、SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドは設定間もないので、インベスターリターンがまだわかりませんでした。これからに期待ですね!
その他の全世界株式のインベスターリターン-トータルリターン比較
個性派(?)の全世界株式も比較してみましょう。
1年 | 2年(年率) | 3年(年率) | 設定来(年率) | |
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | -1.84% | -1.97% | +0.80% | +2.44% |
ニッセイ 世界株式(GDP型バスケット) | -3.98% | – | – | -12.01% |
ベンチマークが無いファンドなので比較しようがないですが・・・(笑)
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) のインベスターリターン差は優秀です。きっとツウな人が好んで積み立てているのでしょう。
ニッセイ 世界株式(GDP型バスケット)のインベスターリターン差は10%を超えるマイナスです。良くない結果ですね。
参考:iFreeレバレッジ NASDAQ100のインベスターリターン
全世界株インデックスファンドのインベスターリターンを比較してきました。実は、全世界株のインベスターリターン差は、どれをとってもだいたい悪くないです。
このことはインベスターリターン差の悪い例と比較するとよくわかります。
例えば、大人気を博したiFreeレバレッジ NASDAQ100のインベスターリターン差を見てみましょう。
1年 | 2年(年率) | 3年(年率) | 設定来(年率) | |
iFreeレバレッジ NASDAQ100 | -24.69% | -52.23% | -43.44% | -36.87% |
設定来では、トータルリターンよりもインベスターリターンは年率36.87%も低いです。
確かに、iFreeレバレッジ NASDAQ100のトータルリターンは40.22%(年率)を誇ります。
でも実際は、iFreeレバレッジ NASDAQ100の恩恵を受けられた投資家はほとんどいないということです。
頭ではわかっていても、こうしたレバレッジ商品をホールドし続けるのは至難の業ということなのでしょう。
「レバレッジ商品は短期売買向きの商品」と言われますが、短期売買された結果がこの惨憺たる成績とも考えられます。
私自身、下記の全世界株2倍レバレッジファンドには興味をもっていますが、投資するにはやはり二の足を踏みますね・・・。
まとめ【全世界株インベスターリターン差ランキングTOP11】
インデックスファンドを比較する時はトータルリターンでみるのも大切ですが、インベスターリターン差で比較してみるとまた違った評価ができます。
さいごに、ベンチマーク混合でトータルリターンとインベスターリターンの優秀な全世界株ファンドを設定来(年率)でランキングにしてみます。
1年 | 2年(年率) | 3年(年率) | 5年(年率) | 10年(年率) | 設定来(年率) | |
🥇野村 つみたて外国株投信 |
-3.04% | -1.12% | +1.60% | – | – | +4.45% |
🥈楽天・全世界株式インデックス・ファンド | -4.13% | -2.71% | +0.76% | – | – | +3.77% |
🥉eMAXIS Slim全世界株式(除く日本) | -6.16% | -4.07% | +0.32% | – | – | +2.91% |
4位 SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま) | -6.74% | -6.02% | -0.94% | – | – | +2.73% |
5位 三井住友・DCつみたてNISA・全海外株インデックスF | -3.37% | -1.65% | +1.06% | +2.63% | +1.02% | +2.71% |
6位 eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型) | -1.84% | -1.97% | +0.80% | – | – | +2.44% |
7位 eMAXIS 全世界株式インデックス | -2.04% | -1.08% | -0.17% | +0.03% | -1.56% | -0.80% |
8位 たわらノーロード 全世界株式 | -7.89% | -5.51% | – | – | – | –2.08% |
9位 eMAXIS Slim 全世界株式 | -8.34% | -8.20% | -2.73% | – | – | -2.41% |
10位 ニッセイ 世界株式(GDP型バスケット) | -3.98% | – | – | – | – | -12.01% |
11位 つみたて全世界株式 | -11.99% | – | – | – | – | -14.45% |
※SBI・V・全世界株式インデックス・ファンドはまだ結果が出ていないので省きました。
ナンバーワンは、積立投資しかできない野村つみたて外国株投信でした。
示唆に富んだ結果ではないでしょうか?余計な売買はするなということでしょう。
ちなみに、私のベストファンドはeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)です。
このファンドは、投資家目線で真に良いファンドを選ぶ「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2021」でも堂々の1位となり、3年連続で首位に君臨し続けています。
信託報酬・ベンチマークへの連動性においても文句のつけようがないのですが、インベスターリターン差で見ると9位にとどまるというのは意外な結果でした。
なお、全世界株インデックスファンドのトータルリターン比較は、投信ブロガーの水瀬ケンイチさんやNight Walkerさんのブログで定期更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね!
以上、全世界株式12本のインベスターリターン差を比較【2022年2月末】という話題でした!
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