- 精神保健福祉士は役に立たない?意味ない?
- 精神保健福祉士の仕事の価値は?
このようなギモンのある方へ。
- 資格を取っても現場ではまだ役に立たない理由3つ
- 精神保健福祉士自身も自ら「役に立たない」と感じてしまう理由
- 役立つ精神保健福祉士になる方法
私は社会福祉士・精神保健福祉士として働いています。現場経験は約10年です。
精神保健福祉士って役に立たないん?
結論は、精神保健福祉士資格を取っても、現場ではまだ役に立たないです。
精神保健福祉士自身も「役に立たない・・・」と感じてしまう場合があります。
対処法はシンプルかつ正攻法です。
では解説していきます!
精神保健福祉士資格を取っても、現場ではまだ役に立たない理由3つ
精神保健福祉士は、資格を取れても現場ではほぼ役に立ちません。
理由は3つ。
現場の役に立たない理由3つ
- 知識を詰め込んだだけで実践力が無いから
- 現場で必要な知識はもっと深い
- 業務独占では無いから
知識を詰め込んだだけで実践力が無いから
精神保健福祉士資格をとっただけでは、知識を詰め込んだに過ぎません。頭でっかちな状態です。
なぜなら精神保健福祉士国家試験は、マークシート方式のテストだけだからです。実技試験は無いですね。
例えば、国家試験合格には障害年金制度や精神疾患について学ぶことになります。しかし実際の支援で、知識を活用できるか?ということです。
これが難しい。必要な知識を必要な時に使うには、経験値も必要です。数年レベルの年月がかかるということです。
また他には、「個別化」が支援の原則ときいて、これを実際にするのはカンタンでしょうか?
「個別化」をするには、例えば各利用者の背景・思い・障がいへの理解、自己覚知などができていないとカンタンではありません。これらに熟練するには、かなりの経験や時間がかかるのが普通なのです。
なので、資格を取れたての精神保健福祉士が役に立つまでは時間がかかる。これが精神保健福祉士の実情なんです。
精神保健福祉士の価値(何を目指すのか)や、実際の面接技術など、磨くべきことも多いです。
精神保健福祉士資格を取っただけでは、まだまだ役に立たないのです。
現場で必要な知識はもっと深い
現場で必要な知識は、国家試験範囲に比べて狭く、深いです。
理由は、実際の精神保健福祉士は特定の分野で働くからです。
高齢分野もあれば、児童分野、障害分野もあります。
しかし実際に働くのは、どこか1つの分野ということが大半です。
例えば老人保健施設、学校、就労継続支援B型事業所など、それぞれで実務上求められる知識には違いがあります。
高齢分野で働くなら、精神保健福祉士国家試験で求められる知識だけでは足らないんですね。
だから、現場に合わせた知識をさらに学ばないと、役に立つ精神保健福祉士にはなれないです。
合格レベルよりももっと狭く、深い知識が必要なのです。これは仕事をしながら学び続けることになります。
業務独占では無いから
誰がやっても良い仕事をするのが精神保健福祉士です。
精神保健福祉士は名称独占資格です。名称独占の資格とは、資格をもっていない者は名乗ることを禁止されている資格です。その名のとおり、名前を独占する資格です。
「この資格をもつ人しかできない」という業務独占の資格ではありません。
すなわち、精神保健福祉士の仕事の大半は質さえ問わなければ誰がやっても良い仕事です。
例えば、作業所で働く精神保健福祉士は、利用者さんと一緒に内職したり、食べ物をつくったり、販売したりします。相談を受けたり、面談することもあります。
しかし上記全て、精神保健福祉士以外の人がやっても良い仕事です。
おっちゃんでもおばちゃんでも、無資格の兄ちゃん姉ちゃんでも、優しいハートってやつで「とりあえず何とかできてる風」になります。(作業所の職員配置基準はありますが)
ただし精神保健福祉士の支援は、お人好しや、お節介さんがすることとは、ゴールも違えばもプロセスも違います。
支援の質・視点・目標が違うということです。
精神保健福祉士は誰がやっても良い仕事をしますが、素人とはひと味違った支援をする専門職なのです。
精神保健福祉士自身が自ら「役に立たない」と感じてしまう理由
支援について、自分自身はできているのか、できていないのかわからないという苦しみがあります。
精神保健福祉士の支援による結果・変化はわかり辛いです。生活や人生に関わるからですね。
人生には正解がありません。どんな生活が良いか、どんな人生にしたいのかは人それぞれですよね。
例えば、親と同居し続けるか、1人暮らしするか、というテーマに正解はありませんね。
自分なりの考えはあっても、ケースバイケースだし、助言はできても最後はご本人が決めることでしょう。
ゆえに、支援に正解は見つかりません。ベターはあってもベストは無いのです。
また、支援に進展が無く、何も変わっていないように感じられることもあります。
熱心に関わっても、肩透かしを食らうこともあります。
このような「できているのか、できていないのかわからない」という状況が続くと、いつの間にか「私は何もできていない」「精神保健福祉士は役に立たない」と捉えてしまいがちですね。
役立つ精神保健福祉士になるには?
精神保健福祉士として役に立てるかどうかは、学習し続けられるかどうかにかかっているでしょう。
誰でもやって良い仕事をするからこそ、誰がやってもそれなりにできてしまいます。
例えば、誰でも目玉焼きは作れるかもしれません。けれど、いつも、きれいな目玉で、おいしい味付けで、焦げず、相手の好みに合わせて作れる人はどれだけいるでしょうか。
「支援する」というのも同じで、
それなりには誰でもできそうですが、その中身は精神保健福祉士によってピンキリなのです。
役に立つレベルの支援をするために必要なことは、たくさんあります。
例えば、以下の視点は必要でしょう。
- 利用者・患者さん精神疾患はどんな病気で生活にどんな障がいをもたらすのか
- 何ができて何ができない人なのか
- どんな生活をしたい方か
- 精神保健福祉士・所属機関として支援できることは何か
- 今の支援はどういう段階にあるのか
こういったポイントを確認しながら、意図的に関われることが大切です。
そのためには、研修参加・読書・仲間との議論。
何でも良いので続けることが効果的だと思います。
最後に
誰でもやって良い仕事を、精神保健福祉士はします。
だからこそ、誰にでもできる支援を、精神保健福祉士ならではのクオリティで実践することが大切ですね。
支援の品質を磨いていきましょう!そのためには継続です。私も頑張ります。
精神保健福祉士についてもっと知りたい方は、「【簡単に】精神保健福祉士とは?12視点で現役がまとめ解説」もご覧下さいね!
なお、精神保健福祉士になる方法を知りたい方は下記記事をご覧ください。学歴別や社会人などの条件に合わせた最短ルートも解説しています。
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