精神保健福祉士は役に立たない!?現役が徹底解説

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精神保健福祉士って役に立たないんちゃう?

役立てるかどうかは、それぞれの専門力次第。

需要は高まっているし、資格はあると役立つ。

こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。

この記事は「精神保健福祉士は役に立たない?」という疑問に答える内容です。この疑問には、二つの意味が込められています。

1つ目は、精神保健福祉士の仕事に価値はあるのか?という精神保健福祉士の存在価値を問う意味です。例えば、「精神保健福祉士は周りや社会の役に立つの?」「需要はあるの?」というギモンです。

2つ目は、精神保健福祉士の資格取得に価値はあるのか?という意味です。例えば、「資格を取っても役に立たないのでは?」「精神保健福祉士資格の取得メリット・デメリットは何?」というギモンです。

「役に立たない」疑問の意味

①精神保健福祉士は周りや社会の役に立つのか?需要はあるのか?

②精神保健福祉士の資格は役に立つのか?資格取得メリット・デメリットは?

この記事では、上記二つの疑問にそれぞれ分けて解説していきます。それではまいりましょう!

精神保健福祉士は社会や周りの役に立たない?需要はあるのか?

これは精神保健福祉士の価値そのものを問う疑問ですので、ハッキリと辛口で解説します

資格を取れただけでは役に立たないのは正解

認めたくありませんが・・・、精神保健福祉士は資格を取れただけでは役に立たないのは当たっているでしょう。

そもそも精神保健福祉士の仕事は「質さえ問わなければ誰がやっても良い仕事」という特性があります。これは、精神保健福祉士が名称独占の資格であるがゆえの特性ともいえます。

名称独占の資格というのは、資格をもっていない者は名乗ることを禁止されている資格です。その名のとおり、名前を独占する資格なのです。

対して、業務独占の資格というのがあります。これは、その資格をもつ者だけがその仕事をできるということです。業務独占の資格もその名のとおり、業務を独占する資格です。

例えば精神の分野でいうと、医師の役割は、診察・診断・投薬の調整・診断書作成などです。看護師の役割は、診察の補助、病気や怪我の介助、体調・服薬の管理、注射などの医療行為を行います。

じゃあ、精神保健福祉士は何をするのか?

一文で表現すると「精神障がいのある方の生活のしづらさを支援する仕事」といえます。

え?それって精神保健福祉士じゃなくてもできる仕事じゃない?

そのとおり。

だが、その誰でもできる仕事を高いクオリティでするのが精神保健福祉士とも言える。

学習し続けないと、自他ともに「精神保健福祉士は役に立たない」と感じてしまう

精神保健福祉士がするのは、業務の質さえ問わなければ誰がやっても許される仕事。精神保健福祉士は雑用だってよくします。

なので、「精神保健福祉士は何をしてくれるんだ?」「何が得意なんだ?」と周りの目に映ることがあるわけです。こうした目線の中で、「精神保健福祉士は役に立たない」と周りに思われたり、自分自身もそう感じてしまうことがあるのでしょう。

精神保健福祉士の無資格者との違いは知識・技術・価値といった専門力にあります。しかし悲しいことに、資格をとるだけではこれらの専門力は全く不十分なのです。

資格をとれただけの精神保健福祉士では、誰でもできることを誰でもできるくらいのレベルでしかできないのが普通です。現場で「精神保健福祉士は役に立つ」と思われるような実績をしめせないのです。

その理由は、資格知識はあくまでも理論だからです。理論を実際の支援で活かすには、経験が必要です。数年レベルの時間がかかるということです。

例えば「個別化」が支援の原則ときいて、これを実際にするのはカンタンでしょうか?「個別化」をするには、例えば各利用者の背景・思い・障がいへの理解、自己覚知などができていないとカンタンではありません。これらに熟練するには、かなりの経験や時間がかかるのが普通なのです。

さらに、国家試験でもとめられる知識は「どの現場の精神保健福祉士も最低限必要」というレベルの知識です。各現場で役立つ知識は、もう少し狭くて、もっと深い知識です。各現場とは、例えば精神科病院・精神科クリニック、障害福祉サービス事業所、行政機関などのことです。

各現場に合わせた知識をさらに学ばないと、役に立つ精神保健福祉士にはなれないでしょう。そんなわけで、資格を取れたての精神保健福祉士が役に立つまでは時間がかかります

ところが、精神保健福祉士は熟練しないうちから利用者や患者の人生を支援することになります。人の人生には正解がありません。どんな生活が良いか、どんな人生にしたいのかは人それぞれです。

したがって、支援にも正解は見つかりません。自らの仕事による結果や変化がわかり辛いし、できたのかできていないのかもわからない。言葉で周りに説明することも難しい。

こうした状況の中で精神保健福祉士は

  • 周囲のスタッフから「精神保健福祉士は役に立たない」と評価される
  • 自分自身も「精神保健福祉士は役に立たない」と評価してしまう

2つの落とし穴に落ちてしまうのです

厳しいことを言ってしまうと、精神保健福祉士として役に立てるかどうかは、現場についてからも学習・実践を繰り返せるかどうかにかかっているのです。資格をとっただけで役に立つレベルの業務ができるわけではないのです。

えー、資格勉強だけでも大変やったのに~

まだやらなアカンの?

気持ちはわかる。

できる範囲でコツコツ続けてな。

役に立つレベルの仕事をするために必要なことは何か。例えば、利用者・患者の方の精神疾患はどんな病気で生活にどんな障がいをもたらすのか、どんな生活をしたい人なのか、何ができて何ができない人なのか、精神保健福祉士・所属機関として支援できることは何なのか、今の支援はどういう段階にあるのか。

こういったポイントを確認しながら、意図的に関わっていけるようになることでしょう。しかし、熟練するまでには時間が必要です。

実際の現場についてからは分かれ道があります。経験と理論の学習を続けられる精神保健福祉士と、資格をとった後はパッタリと学習をやめて自己流にハマっていく精神保健福祉士とに分かれていくのです。精神保健福祉士の質がピンキリなのもそのためです。この話は下記の過去記事でも解説しています。

【こんな人は偽ベテラン】社会福祉士・精神保健福祉士の裏知識
あのベテラン先輩の支援、なんか間違ってるように感じるねん・・・。 鋭いな。 現場では教えてもらえない裏知識を伝えよう。 こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。...

説教くさい話になりましたが、誰にでもできる支援を、精神保健福祉士ならではの一味違うクオリティで実践することです。これができれば「役に立たない」とは言わせない精神保健福祉士の仕事ができるでしょう。そのためには、研修参加でも読書でも仲間との議論でも何でも良いので、学習しつづけることが大切です。私自身も日々精進しているところです。

精神保健福祉士の需要は高まっている

精神保健福祉士の内実としては、ピンキリということでした。その一方、精神保健福祉士の需要は高まっているといえます。理由をカンタンに3つご紹介します。

精神疾患が5大疾病の1つに

精神疾患は4大疾病に追加されて5大疾病の一つになりました 。2013年度の医療計画からのことです。5大疾病というのは、厚生労働省が対策に重点的に取り組むべきとしている疾病です。精神疾患のほかには、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病があります。

とうぜん、精神疾患に特化した国家資格は精神保健福祉士です。厚生労働省が重点的に対策していくにあたり、精神保健福祉士の需要は高まっていくでしょう。

精神疾患患者数は400万人超

2017年、精神疾患患者数は400万人を超えて419万人となりました。2017年の日本人人口は1億2680万人でしたから、精神疾患患者の人口比率は約3.3です。 30人に1人ということです。

増加している理由ですが、近年はうつ病・認知症が特に増えているということです。

(参考:厚生労働省『みんなのメンタルヘルス総合サイト』精神疾患のデータ

ちなみに2002年の精神疾患患者数は258万人でした。つまり、15年間で約60%増です。しかも、近年も増加し続けています。精神保健福祉士の支援を必要とする方々は増え続けているといえるでしょう。

精神病床の平均在院日数はダントツで長い

精神病床の平均在院日数は266日です。約9か月間です。平均在院日数とは、入院してから退院するまでの期間の平均です。(参考:厚生労働省「病院報告」

長すぎちゃう?
ありえないよな。

9か月入院したことのある方はおられるでしょうか?ほとんどおられないと思います。9か月間も入院すれば、学業・職業・生活に甚大な影響を与えるでしょう。休学・休職したとして戻れるのかどうか。夫婦関係・親子関係はどうなるのか。

平均在院日数を比べてみると、一般病床では16日療養病床でも140日です。明らかな差があります。精神疾患や精神障がいがあっても、地域で当たり前の暮らしができるような社会や環境を作る。この役割が精神保健福祉士にはあります。

私が学生の頃、実習でかかわった患者さんの中には、入院が10年以上となって「もう帰る家が無い」「病院が住所になっている」という方もおられました。精神保健福祉士の役割・使命は、いまだ残る長期入院・社会的入院の解消にあるのです。

精神保健福祉士の資格は役に立たない?メリット・デメリットまとめ

ここからは、精神保健福祉士という資格は役に立たないのか?というギモンに答えるべく、取得するメリットとデメリットをまとめてカンタンに答えていきます。

精神保健福祉士の資格メリット

資格手当をもらえる

精神保健福祉士の資格があれば、資格手当のもらえる職場があります。手当がもらえるのは職場の27.6%ですが・・・。もらえる場合の平均手当額は13,147円です。

(参考:精神保健福祉士就労状況調査結果

精神保健福祉士資格が必須の現場で働ける

精神保健福祉士資格を採用要件とする求人があります。例えば、行政とか精神科の医療機関です。そういったところで働きたい場合、精神保健福祉士の資格は役に立ちます。

専門性の証拠

精神保健福祉士と名乗れるので、名刺に堂々と精神保健福祉士の肩書きをかけます

精神保健福祉士は国家資格ですから、国が専門的知識を保証しているということになります。

とうぜん、専門性はある方が(あると思ってもらえる方が)、利用者や関係者から信頼を勝ち得やすいです。とくに相談支援関係では信頼感はとても大切ですから、精神保健福祉士資格はあった方がスムーズに支援しやすいでしょう。

精神保健福祉士の資格デメリット

無資格でも働ける現場か多い

精神の分野の福祉現場では、精神保健福祉士の資格が無くても働ける現場がけっこうあります。資格を取れなくても働けてしまうので、「せっかく精神保健福祉士を取ったのに役に立たない」と思うことがあるかもしれません。

資格難易度の割に給料・年収が見合っていない

国家資格であり、取得難易度もなかなかの精神保健福祉士資格。

「年収や給与は見合っているのか?」と聞かれたら、全力で

見合ってない!

と答えます。民間だと大学生初任給レベルに毛が生えた程度でとどまります。

そんなに低いん!?
平均年収を下回ってしまうくらいだ。

精神保健福祉士の年収や給料はこちらの過去記事でわかります。

なお、このような低年収・薄給のなかでいかにお金を貯め、増やすのか。精神保健福祉士ができる私の実践法をまとめた記事はこちらです。

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まとめ

結論をまとめます。

精神保健福祉士は名称独占資格なので、精神保健福祉士じゃないとできない仕事はありません。無資格や素人との違いは専門力です。なので、役に立つレベルの仕事をするには専門力が必要です。

専門力を鍛えるには、就職後も学習しつづけることが最重要ポイントです。

学習方法は研修、読書、仲間との会話、なんでも良いので、少しでもプラスし続けて、誇れる精神保健福祉士になりたいですね。どれが合うかは人それぞれです。

というわけで、めちゃくちゃ辛口表現ですが、ハッキリ言うとこうなります。

この記事のまとめ

・学習し続ける精神保健福祉士は役に立つ

・学習をやめた精神保健福祉士は役に立たない

とても厳しい言い方になりましたが、利用者や他職種からの視点はこれくらいシビアなものではないでしょうか。

そのいっぽうで、国内情勢としては精神保健福祉士の需要は高まっています。働き口に困ることはそうないと思われます。福祉現場はどこもが人材不足になげいていますから。


最後にちょっと余談です。

名称独占資格では「役に立たない」という疑問が起きがちのようです。精神保健福祉士だけじゃないんですね。なので、精神保健福祉士が役に立たないと感じられるのは、名称独占資格ゆえの悩みともいえます。

名称独占資格の一覧はこちらです。見ていただくと「知らない資格が多い」と気付かれるでしょう。

(業務独占にすれば良いという話ではありません。業務独占にすると、精神障がいのある方の相談支援は精神保健福祉士しかやってはいけないなんてことになります。当事者にとってはかえって不利益でしょうから。)

以上、国家資格『精神保健福祉士』は役に立たない?現役が解説という話題でした。

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