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ソーシャルワーカーは「お金」に疎すぎる?──福祉と投資のリアルな関係

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お金とか投資って、なんか汚い気がする。福祉と関係あるの?

「福祉の仕事は“やりがい”でやるもの」

そう思っていたのは、かつての私。

ソーシャルワーカーとして働いていると、「お金より人のために」という空気がありますよね。
でも実際、福祉ほど“お金の話”と切り離せない仕事もありません。

今回は、「ソーシャルワーカーはなぜお金に疎くなりやすいのか」、そして「どう向き合うべきか」を、現場で働く私自身の経験を交えながら考えていきます。

筆者:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働くソーシャルワーカー。児童相談所などで十数年の実務経験あり。
このブログでは、福祉を学ぶ人・働く人が明日から使える視点を持ち帰れるよう、現場の知見や考察をもとに発信しています。
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福祉は“お金の話”ばかりでできている

福祉業界は「お金とは無縁の、清く尊い世界」と思われがちですが、現実にはほとんどがお金の話です。

  • 施設の利用料
  • 福祉サービスの負担上限
  • 自立支援医療や障害年金
  • 生活保護

これらすべて、「いくら支払えるか」「どこまで補助されるか」という経済的な話です。
「仕事がしたいけどできない」という相談も、お金の側面があります。

極端にいえば、お金さえあれば多くの福祉課題は早く解決できます。
逆に、資金が尽きた瞬間に選択肢が消えることもある。

つまり、お金の仕組みを知らないソーシャルワーカーは、自分の支援の幅を狭めてしまうんです。

給料が安くて辞めていくソーシャルワーカーたち

一方で、ソーシャルワーカーの経済状況は厳しい。
「給料が少ないから、もうやっていけない」と転職していく同僚を、私はたびたび見てきました。

確かに、社会福祉士や精神保健福祉士の給与水準は、平均か、やや下くらい
それでも、「人のために働きたい」「やりがいを感じたい」と頑張る。

でも現実は、生活が苦しくなると「やりがい」では埋められない瞬間がやってきます。
そして、私たちの離職は利用者さんにとっても痛手です。

だからこそ私は、思うようになりました。

支援者が安定して暮らせることは、支援の安定にもつながると。

投資=お金持ちのもの?もう古い話です

「投資なんてお金持ちしかできない」
──そう思われるかもしれません。

たしかに昔はそうでした。
でも、今は違います。

金融庁が2018年に「つみたてNISA」をスタートし、2024年には制度が拡充されました。

「もう国は年金だけでは支えきれません。老後は自分で備えてください」

そう国が宣言したようなものです。

つまり、投資は“特別な人のもの”ではなく、一般市民の生活防衛手段になったのです。

NISAやiDeCoを利用しないのは、もはや「節税の機会を逃す」レベルの損。
私はそう考えています。

「うちにはそんな余裕ない」──それもリアルです

もちろん、「投資よりまず生活がギリギリ」という現実もあります。

知人は、「毎月は赤字、ボーナスでようやく黒字」と話していました。
そういう状況で「未来のために投資を」と言われても、響かないのが本音でしょう。

投資とは「今を我慢して未来に備える行動」です。
今が限界なら、投資なんてできない。
それが現実です。

ただし、少しずつでも貯金できるようになったら、100円から投資できる仕組みもあります。
私もやっている証券会社が、楽天証券SBI証券です。

「投資=ギャンブル」だと思うなら

「投資ってギャンブルでしょ?」
──そう感じるのは自然な反応です。私の妻も最初はそうでした。

妻には何度説明してもピンとこなかったようですが、
妻自身が少額で買って実際の値動きを経験すると、
「なるほど、こういう仕組みなんだ」と実感していました。

今では妻も私も、“オルカン”(eMAXIS Slim 全世界株式)というインデックスファンドに投資しています。
もうこれは、庶民の代表的な選択肢になっています。

もちろん、投資は自己責任です。
でも、”知らないから拒否する”より、”知った上で拒否する”が賢いと思います。

私たちは「生活を支援する仕事」です。
その私たちが、お金の仕組みに疎いとしたら、少し説得力に欠けると思います。

お金の仕組みを学んで実践している支援者ほど、言葉は現実的で説得力を増す。
そのように私は思います

ソーシャルワーカーこそ、お金に強くなったほうがいい理由

支援は、「余裕」から生まれる行為でもあります。
心に余裕がなければ、支援どころではなくなってしまう。
自分がおぼれそうな時は、無意識に人を傷つけやすくもなります。

お金も同じではないでしょうか。
私たち自身の生活がままならず、不安でいっぱいになり、「もうソーシャルワーカーを続けられない」となれば、支援は続けられません。
そして、その結果いちばん困るのは、クライエントの方々です。

自己犠牲もしすぎれば、相手を傷つけてしまうことさえあります。
だからこそ、私たち自身の生活を守る術を持ちたいと思います。

まとめ:お金の知識は、自由への第一歩

お金がなければ、お金に支配されます。
「金がない…」とそればかり考えている毎日。
これでは、自由とは言えません。

お金の悩みから自由になるには、お金の知識が必要です。
そして、ソーシャルワーカーである私たちは、そもそもお金と密接に関わる仕事をしています。

給料を根本的に上げるには、税金の配分や政策が変わる必要があります。
ソーシャルワーカーとして、社会構造の問題に声を上げていく
――それも大事なことです。

けれど、時間がかかります。
私たちの人生のタイムラインは、待ってはくれません。

一方で、個人でできる改善は“今すぐ”始められる。
貯金、支出の見直し、投資の検討。
小さくてもいい、一歩を踏み出してみること。
私がお金を学んだのは、著書:新NISA対応 超改訂版 難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!の旧版でした。

やってみるかどうかは、人それぞれ。
他者ができるのは知識の提供まで。行動を選ぶのは自分自身です。

ソーシャルワーカーの面白さは、自分の生活を真剣に考えることが、支援にもつながるという点にあります。
お金の勉強も、貯金も、節約も、投資も
――すべてが支援の「肥やし」になる。

それって、素敵なことだと思います。
社会福祉士や精神保健福祉士の仕事の魅力です。

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