社会福祉士と精神保健福祉士の実習で得たもの3つ【10年後も活きる経験】

しゃふく・PSWの実習
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社会福祉士とか精神保健福祉士の実習、受けてええことあったか?

めっちゃあるが、3つ伝える。

実習をうけたのは10年以上前だが、今も活きていることを厳選するぞ。

こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。

社会福祉士や精神保健福祉士の実習、みなさまはどんなお気持ちでのぞまれるでしょうか。「めんどい」「緊張する」「バイトができなくて困る!」いろんな思いがあろうかと思います。

私は10年以上前に社会福祉士と精神保健福祉士の実習をそれぞれうけました。振り返ってみると、10年たっても実習経験を案外よく覚えています。当時の戸惑いや抵抗感、感謝といった感情は鮮明にうかびあがってきます。

今では実習生をうけいれる立場になりましたので、実習生をみながら当時の自分自身を振り返ったりします。実習生は実習先の環境に慣れるだけでいっぱいいっぱいです。経験の全てを吸収することはまずできないでしょう。知らない現場、知らない人たち、知らない病気や障がい、知らない制度等々。新しい情報があふれかえった中で実習の日々を過ごすのです。

私も学生の頃はそんな感じで実習を終えました。

実習前は、「実習なんてうけても大した勉強にならない」「資格をとるための手続きのようなもの」と考えていました。当時のわたしのように「実習は社会福祉士や精神保健福祉士になるための義務」とネガティブに感じている方もいるかもしれません。でも実際、実習はめっちゃタメになります!ってことをお話していきます

結論をいいますと、社会福祉士・精神保健福祉士の実習経験で、3つの良いことが得られますそれは

  1. 就職先を選ぶ材料になる
  2. 他機関と連携しやすくなる
  3. 就職後、現場と比較することでヒント・打開策が得られる

それぞれ詳しく説明していきます。本記事は実習で得た3つの解説と、社会福祉士実習の体験談をくわえた内容でして

この記事が役立つ方

  • 社会福祉士や精神保健福祉士の実習をうけるか迷っている方
  • 社会福祉士や精神保健福祉士の実習をうける予定の方
  • 実習のモチベーションが上がらない方

上記のような方に役立つ内容になっております。それではまいりましょう!

社会福祉士の実習経験【「余命」がよびかうMSW現場】

本題のまえに、少しだけ私の実習経験のお話をします。10年以上前のことですが、強烈な体験は覚えているものです。

私自身の社会福祉士実習を思い返してみると、ほんとうにいっぱいいっぱいでした。新しい情報や環境のなかで、余裕なんてありませんでした

私の実習先はMSWの現場でした。MSWは医療ソーシャルワーカーのこと。英語でMedical Social WorkerなのでMSWです。

けっこう大きな大学付属病院でした。その現場のMSWさんは、病棟の患者さん達の転院や経済的相談、治療方針選択などの相談をひとまとめに受けていました。病棟の看護師から依頼をうけて、病棟の患者さんに会いに行って相談を受けるということもよくありました。

現場では毎日のように「余命〇ヵ月」とか「余命〇年」などという情報が行きかいました。当時の私は、そういった情報をリアリティをもって全く感じられませんでした。現実感が無い。なぜか、全くピンとこなかったのです。

MSWさんに正直に、「こんなに悲しいことなのに、悲しいと思えない。」と話したことがありました。返ってきたのは「あまりに衝撃的なことばかりで、感情が傷つかないように守られているんじゃないか」というご意見でした。

私は納得しつつも、内心「いや・・・単に自分は非常な人間なのではないか・・・」「福祉の仕事に向いている人ならもっと心を痛めたり共感するのでは」と感じていたのを覚えています。

今もそのような現場につけば、恐らくはじめは衝撃をうけるでしょう。でも次第に、感傷にひたらなくなっていくと思います。

働くうえでは、感情をいちいち揺さぶられていては仕事にならないでしょう。涙を流している間にも、面談や訪問をまつ患者の方々が次々と待っているのです。感情が鈍麻するのは職業上やむを得ないことなのかもしれません・・・。

しかし、亡くなっていく方やそのご家族の目には、淡々と慣れたような対応はどのように映るでしょうか。そう考えるとわたしは「仕方がないとはいえ割り切りきれない」という引っかかりを覚えます。(命をたくさんあつかう医師の方々は、よりそういったご経験をされているのではないかと想像します。)

私にとってMSWの現場は衝撃的でした。本当に幸いだったのは、実習担当の方が熱意のある、しかしクールでもある、ソーシャルワーカーとして模範的と思える方だったということです。その方は今でも私のなりたいソーシャルワーカーの1つのモデルイメージとなっています。

で、精神保健福祉士の実習経験のほうは?

長くなるし、また今度な。

社会福祉士と精神保健福祉士の実習で得たもの3つ【10年後も活きる経験】

そもそも福祉の現場は、それぞれがオリジナルです。同じ型で、チェーン店のように展開とはいかない。理由は、そこにいる利用者・患者の方々がそれぞれで大きく異なるうえ、その現場の社会福祉士や精神保健福祉士、福祉職員、機関上層部の考え方・働き方によって、10職場10色となるからです。(100職場100色ともいえるでしょう)

学生の方々がいずれ就職される福祉現場も、10職場10色のうちの1色ということです。実習先もそのうちの1色であり、福祉現場の具体例、サンプルイメージとなるでしょう。

また福祉の現場は、業務範囲があいまいだったり、どの職種がやっても良い仕事が多かったりします。白黒きまっていないこと、グレーゾーンが多いんです。逆に言うと、自由度が高かったり、色んな答え、現場や機関、支援のあり方が存在します。

そのような福祉現場ですから、教科書をみれば現場がわかるようなものではありません福祉現場は、1つ1つの現場を直に見て、経験してようやくわかるものです。経験がめちゃくちゃダイジ。つまり、経験がえられる実習はすごく有意義ってことです。

それでは、実習経験で得られる3つのことを、詳しくはなしていきます。

就職先の選択材料になる

どこに就職するか、考えやすくなるってことか?

そういうこと。

これは想像つきやすいかもしれません。福祉の仕事をするといっても、色んな分野があります。どの分野、どの機関で働きたいかは、福祉現場で仕事をしようと考える方の中でも違いがあるものです。

支援の対象としては高齢者・障がい児・者(身体障がい、知的障がい、精神障がい)、生活保護、児童相談所など。支援機関としては、行政・医療機関(病院・診療所・クリニック)・地域の施設など。

学生の方々は、「福祉の仕事はしたいけど、分野はまだ迷っている」という方がけっこうおられるのではないでしょうか。どの分野、どの機関で働きたいか希望を選ぶときに、実習先が選択材料になるのです。

例えば、実習先が病院だったなら「就職先も病院がいいな」とか「就職先はやっぱり病院以外がいいな」といった感じで、進路選択の材料になります。もちろん中には、実習先の希望段階から就職先の希望を固めている方がいるかもしれません。でも、実習を経て気が変わることだってあるでしょう。(シビアな話、希望する就職先に就職できない可能性もあるので、他の選択肢を体験するのはメリットです)

「当たり前のことを・・・」と思われたかもしれませんが、私にとって実習経験が就職先選択で大いに参考になったので、強調するため書きました。

就職後、他機関と連携しやすくなる

加えてポイントになるのが、就職した後のことです。実習経験によって、他機関と連携しやすくなります

例えば、地域の施設に就職したら、地域の施設だけで仕事がいつも完結するかというと、そんなことはありえません。精神疾患のある方を支援する場合、その方は病院なりクリニックなり診療所なりに通院しているのが通常です。その時、病院とか診療所がどういう仕事をしていて、どういう人たちが働いているのか知っているってことで、連携しやすくなるんです。(未受診の方がいたりしますが、医療につなぐ意味で、やはり連携はポイントになります)

医療機関の立場を想像しやすくなるし、円滑な仕事がしやすくなる。ひいては、より良い支援・仕事がしやすくなる。それは、利用者がより良い支援・利益を得られることにつながっていきます。

実習先はどの機関であっても良いでしょう。病院、地域、行政、どこでも活かせるはずです。

例えば、病院で実習を受けた方が地域や行政に就職したならば、病院との連携がしやすくなるでしょう。病院で実習を受けた方が病院に就職した場合でも、病院現場のイメージを2つもつことになるわけですから、医療機関同士の連携がしやすくなります。

どこで実習をうけても、就職後に活かす道があるのです。

現場と比較することで、ヒント・打開策が得られる

就職した後に実習経験が活きるってことか。

そうだ。

実習先の良いところを、就職後の現場でマネたり活用できる。

一番お伝えしたいポイントです。

実習先は、就職後の現場との比較材料になります。現場と比較することで、改善のヒントや打開策を見出すことができるのです。

不思議なことかもしれませんが、就職した後はその現場だけで考えたり、支援したり、日々を送りがちなものです。発想がこりかたまったり、新たな考えや方法が選べなっていきがちです。だからこそ、実習経験が活きるのです。

どういう時に役立つかというと、例えばうまくいかないときや引っかかりを覚えたときです。福祉の現場では、いわゆる困難ケースだとか、困難な施設運営・状況に直面する場合があります。

そうした時に、「実習先では実現できていたことが、なぜ今の現場ではできていないのか?」と考えたり、比較することができます。そうすることで、現場を改善するヒントやひらめきが得られるのです。

相談室を拡充されたMSWさんの実践から「数を示せば組織が動くイメージ」を得た

具体例をお話します。

私にとって、社会福祉士の実習でMSWさんの実践を知った経験は、今も活きています

MSWは医療機関にいるので、医師の方々と関わることになります。組織を動かすには、医師の方々との関わり方や伝え方が重要です。

実習先におられたMSWさんの相談室は、数名規模でした。しかし話をきくと、MSWさんが雇われた当初は、MSWさんお一人だけの相談室だったようです。

MSWさんお一人だけの相談室が、MSWが数名いる相談室にまで拡大できたのは、MSWの働きぶりや雇うメリットが医師の方々に伝わったからでしょう。

医師の方々が納得・理解できる伝え方を工夫して、組織内のMSWの仕事の理解や充実にとりくまれていました。「ドクターに動いてもらうには数を示すことが大切」とMSWさんは話されていました。数とは例えば、相談件数や面談件数、入院期間等です。

社会福祉士の実習経験で、数を示すことで組織改編・改善された福祉現場のイメージを得たのです。今でも現場で壁につきあたったときは、主観ではなく、数などの客観的データを積み上げるようにしています。

数やデータを示すことで説得力が段違いになるのは、明白です。福祉の現場は、数で示すことが難しい内容が多いです。人の変化や成長、相談の内容などは、数値化しづらいものです。なので、ともすると私たちは主観的な表現や憶測だけで話や議論をすすめがちです。そうしたなかで、数を示された意見や実践は、強烈な説得力をもちます

実習先は現場と比較することで改善するヒントになる

つまりお伝えしたいのは2つ。

  • 実習経験によって、実習先と就職後の現場を比較できるようになる。
  • 比較することで、ヒントや打開策を見いだせたり、改善できるイメージをもてるようになる。

ってことです。

何かうまくいかないことがあっても、やり方次第で状況が変わると心から信じられるのです。「あの実習先で実現できていたのだから、この現場でもできるはず!」と希望をもてるようになるのです。

なんかアツ苦しくなってきたやん・・・

理想論ちゃうんか?

そういう気持ちはわかるが、めちゃ理論的なことだ。

変化の可能性を信じるには、色んな現場をしっていることが必要だ。

実習経験もその一つ。

やり方次第で状況が変わると心から信じられるかどうかは、とってもとっても大切です!これが信じられないと、諦め感となり、学習できなくなったり、努力できなくなったりします。何やったって状況がかわらないなら、何もしたくないってなりますよね。

でも、やり方次第で状況がかわると信じられるなら、あの手この手の工夫や努力を続けられるでしょう。

実習先は、現場のあり方の1つの具体例です。良いところもあれば、悪いところもあるのがフツウです。実習先の良いところも悪いところも、福祉現場の具体例として後に活きる経験となるでしょう。良いところがあれば特に、詳しく聴いておくことで「やり方次第で現場は変わる」ってことが信じやすくなるはずです。実習現場をしっかりと目で観て、骨身で感じとっていただきたいです。

【番外】社会福祉士国家試験の受験資格を得た

あたりまえやん?

うむ。

だが、めちゃダイジなことだ。

当然ですが、社会福祉士・精神保健福祉士の実習をやり遂げられなかったら、それぞれの国家試験を受けられなくなります

とにもかくにも、私は無事実習やり遂げられたわけで、国家試験の受験資格が得られました。その後は国家試験にも合格でき、社会福祉士・精神保健福祉士になることができました。

今は社会福祉士の資格を活かして働いています。私の今があるのは、社会福祉士実習をやり遂げられたこと、結果として得られた社会福祉士資格のおかげです。資格によって職業選択、人生の選択肢が広がったおかげなのです。

まとめと記事のいきさつ

ここまで読んでくださって、とっても嬉しいです!(長かったですよね!)

そもそもこの記事を書こうと思った理由は、現場で、大学の先生方から「学生に社会福祉士実習の心構えを教えてほしい」とご依頼いただくことがあったからです。諸事情で見送りになったのですが、どのような心構えが必要かと私自身が考えるきっかけになりました。

学生の方々にとっては、大学や専門学校の授業・講義では「実習の心構え」というテーマで、お話をきかれるかと思います。そういった記事を書こうかとも思いましたけど、いかにも勉強くさくて面白くないと思いました。それで「実習で得たこと」というテーマで書くことにしたわけです。

社会福祉士になるにも、精神保健福祉士になるにも、実習は必ず受けないといけません。「面倒だな」とか「緊張する」とか「バイトができなくて困る!」と思う方がいると思いますし、それが普通の感じ方です。

そうした方にお伝えしたかったのは、「いや~、俺もそう思ってたんだけどね。社会福祉士や精神保健福祉士の実習は案外タメになるんだよ。就職後10年たっても活き続ける経験が得られるんだよ。」ってことでした。

実習をうけようか迷っている方、うける予定の方にとって、何か感じてもらえる内容だったなら嬉しいです。

以上、社会福祉士と精神保健福祉士の実習で得たもの3つ【10年後も活きる経験】という話題でした。

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