
児童相談所へメールや手紙で通報できるの?電話だと緊張するし、うまく話せない気がして不安・・・。バレるのもこわい。
こうした思いの方へ。
- 児童相談所にメールや手紙で通報できるか?
- 通報する時の注意点は?バレることはないか?
- 一番良い通報方法は何か?

私は某自治体で働く社会福祉士・精神保健福祉士です。現場経験はおよそ13年です。児童相談所で虐待対応をしていた経験があります。
結論をお伝えしますと、児童虐待の通報はメール・手紙でもできます。
具体的には、次のような通報のやり方があります。
- 電話
- メール
- 手紙
- 直接言う
ただし、一定の情報量がないと、児童相談所は何も対応できない可能性があります。
メールや手紙では、不足している情報の把握に時間がかかり、児童相談所の対応は遅れるか、何もできないかもしれません。
そのため、児童相談所がスムーズに対応できる(虐待対応など)のは『電話』です。
こうした話を解説していきますね。
児童相談所にメール・手紙で虐待を通報できるのか?【実務経験者解説】
メールや手紙で通報(通告)はできるが、ベストは電話と言える理由
通報(通告)は、メールや手紙でできます。
なぜなら、児童相談所の相談(通報含む)の受付方法で示されているからです。
(参考:厚生労働省 児童相談所運営指針(令和4年3月30日通知))
相談の受付形態
- 来所 児童相談所に直接来所、巡回相談・出張相談等の会場に来所、身柄を伴う通告・送致(迷子、家出した子ども、触法児童等警察や関係者等)
- 電話
- 文書 通告書、送致書等、意見書、届出書、援助・調査依頼書等
- その他
メールや手紙は、文書に含まれるので、通報(通告)として成立します。
「等」や「その他」といった文言もあるので、通報の方法は何でもござれです。
ただし問題は、信ぴょう性のある情報か?です。
一定の情報量や正確性がないと、あなたは通報しているつもりでも、児童相談所は通報(通告)として受け付けないかもしれません。
実際、児童相談所にはいたずらの通報が入ることもありますし、ご近所トラブルでの応酬でそうした通報をする人もいるからです。
児童相談所はメールや手紙を受け取っても、それだけでは動けないかもしれません。
児童相談所は、受け取ったメールや手紙に不足している情報を知ろうと、あなたに返事などをするかもしれません。
そのやり取りを繰り返し行うことで、初めて、児童相談所は通報(通告)として受付し、安全確認などの動きに入れるかもしれません。
つまり、メールや手紙では、児童相談所の対応に時間がかかるのが問題です。
これは、子どもの安全確認や保護者への対応が遅れることを意味します。
なので、子どもの安心・安全を第一にするには、電話での通報(通告)がベストなのです。
電話で通報・通告するには?バレないか不安だけどどうしたら良い?

でも、電話で通報したら、バレそうで怖い・・・。
児相や相手方に、通報したのがあなたであるとバレるかバレないか?
まず、児童相談所に対しては、通報(通告)は匿名でできますし、実際に匿名の方が多いです。そこはご安心ください。
ただし、相手方(通報相手)は、あなたを怪しんでくることはありえます。
なぜなら、児童相談所が相手方にコンタクトをとったとき、相手方が「誰が通報したんだろう?」と思って、心当たりのある人を推測するからです。
児童相談所があなたのことをバラすことはありません。それは法律で禁止されています。
ご不安な方が多いと思うので、詳しくはこちらの記事でも解説しています。
電話で通報(通告)する方法は?
電話で通報するには、2つの方法があります。
電話で通報するには?
- 児童相談所一覧|子ども家庭庁HPから、お近くの児童相談所へ電話する
- 「189」に電話する
通報対応を行う児童相談所は、『その子どもが住んでいる住所地を担当している児童相談所』です。
でも、子どもの住所がわからないことはあると思います。
それと、児童相談所が担当している地域を知るには、【○○都道府県 〇〇市町村 児童相談所】で検索するなど、手間はかかります。
なのでオススメは、『189』にかけることです。24時間365日かけることができます。
携帯電話から、189と入れて発信すれば良いのです。
ただし、夜間・深夜はアルバイトの方が対応していたり、体制的に整っていないことがあります。
それが困るなら、児童相談所へ直接TELすることが必要です。
ただし児童相談所は、平日で開所している時間しか電話がつながらないのでお気をつけて。
メールで通報(通告)する方法は?

やっぱりメールで通報したいなぁ。どうしたらいいの?
児童相談所のメールアドレスは、一般公開されていることが多いです。
児童相談所一覧|子ども家庭庁HPからメールを送りたい児童相談所をGoogle検索すれば、連絡先にTEL番号とセットで書かれていると思いますので、そこへ送れば良いです。
どの児童相談所にメールを送るべきかは、『その子どもが住んでいる住所地を担当している児童相談所』です。
児童相談所によってはメールは受け付けておらず、「お問い合わせ」から氏名付きじゃないと連絡できない場合があります。
いたずら防止や情報の正確性を高めたい理由と思われます。
繰り返しますが、メールの通報は児童虐待対応上のデメリットがあります。
- 児童相談所が必要とする情報を得るのに時間がかかる(対応が遅れがち)
- メールの返事は平日しか返ってこないかもしれない
- 通報(通告)として、受け付けてもらえないかもしれない
児童相談所は行政機関ですので、文書を世に出すことには慎重になります。専門的な言葉ですが、「公文書」の扱いとなり、責任が発生するからです。
つまり、メールの返信には慎重ですし、時間がかかると思われます。
児童虐待の対応は早く行わないといけないので、電話で伝えられる人は電話してもらった方が良いです。
どうしてもメールが良い方は、次の『虐待相談・通告受付票』をご参考に、通報・通告されれば対応がスムーズになるはずです。
上記について、わかるかぎり、オープンにできる限り、なるべく詳細に書いてください。
相手方の正確な生年月日や住所がわからなくても、目印などがわかれば児童相談所は調査できると思われます。
ただし情報があまりに少ないと、子どもを特定できず対応できなくなってしまうことがあります。
情報量が多く、正確であるほど対応はスムーズです。
手紙で通報・通告したい方へ
児童相談所一覧|子ども家庭庁HPから児童相談所の住所を調べて送ることができるでしょう。
ただし手紙は、メールよりも更にタイムラグが生じます。双方向のやりとりもしにくい。
結果的に、通報(通告)として取り扱われず、何も対応してもらえない可能性があります。
これでは意味がありません。
なので、よほど特別な事情が無い人は、まず電話、次にメールでの通報を考えるようにしてくださいね。
児童相談所に行って通報(通告)はできるか?
こういう方はなかなかおられないと思いますが、もちろん可能です。
児童相談所は平日の日中でないと閉まっていると思うので、開所時間を調べてから行かれることをおすすめします。
まとめ
結論をもういちど確認しましょう。
児童虐待についての通報(通告)は、メール・手紙でできます。
具体的には、次のやり方があります。
- 電話
- メール
- 手紙
- 直接言う
ただし、一定の情報量がないと、児童相談所は何も対応できないかもしれません。
そのため、児童相談所がスムーズに対応できる(虐待対応など)のは『電話』です。
次の記事もご参考になると思うので、お役立てくださいね。
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