ソーシャルワーカーの仕事は、人の人生を支える代わりに、
自分の心と体を削る仕事です。
私も何度も立ち止まりました。
「このまま続けられるのか」と。
それでも折れずにここまで来られたのは、
自分を守る方法を、あきらめずに探してきたからです。
本から学んだ知識を、現場で試し、形にしていく。
うまくいかなかったことも多いけれど、
一つひとつ積み重ねてきた習慣が、今の私を支えています。
この記事には、14年間の実践の中で残った“本当に効いた20の習慣”を思いつくまますべて書きました。
きれいごとではなく、現場でやっている”続けるための知恵”です。
これは、社会福祉士や精神保健福祉士、ソーシャルワーカーが折れずに働き続けるための
リアルなメンタルヘルス実践録です。
- 夜を整える:入浴で“眠りの波”をつくる
- 光を落とす:夜の脳を覚醒させない
- スマホを切る:読む専用デバイスを持つ
- 暗闇をつくる:寝室の光を完全に断つ
- 計測する:体感とデータをつなげる
- 朝を使う:7時間睡眠と朝のゴールデンタイム
- 寝具に投資する:3分の1の時間を快適に
- 腸を整える:バナナと整腸剤の習慣
- 仕事を整える:シングルタスクと早めの切り上げ
- 裁量感を持つ:好きより“自分で決める”を優先
- 体を動かす:散歩・バーピー・7000歩の習慣
- 姿勢を守る:立つ・伸ばす・整える
- 仕事と私生活を分ける:仕事トリガーを家に持ち込まない
- 連絡を断つ:休日は“通知のない自由”を取り戻す
- 没頭する:考えすぎる脳を動かして止める
- 吐き出す:書く・話す・外に出す
- 呼吸する:吐く時間を長くして整える
- 課題を分ける:相手の課題は相手に返す
- 型を作る:生活をパターン化して脳を休ませる
- まとめ:成熟したソーシャルワーカーになるために
夜を整える:入浴で“眠りの波”をつくる

福祉の仕事をしていると、どうしても夜まで頭が回り続けます。
「あの対応、あれでよかったのかな」とか、
「明日またあのケースがある」とか。
そんな夜ほど、私は湯船につかるようにしています。
寝る1時間くらい前に、15分~20分。ゆっくりと。
――これは『スタンフォード式 最高の睡眠』で学んだ方法です。
体温が一度上がって、ゆるやかに下がるタイミングで眠ると、
ぐっと深く眠れるのです。
シャワーで済ませる日も、前はありました。
でも、いまはもう湯船に入らない夜はないです。
時間もお金もかかるけれど、
睡眠の質は買う価値があるのです。
光を落とす:夜の脳を覚醒させない
夜の時間って、静かだけど危険なんですよね。
少し油断すると、スマホの光で頭が冴える。
YouTubeを開いて、気づけば0時すぎ。
だから私は、夜の光を意識的に減らしています。
風呂場や寝室の照明を落として、
スマホはナイトモード+ブルーライトカットフィルム。
家の電気も、調光タイプのものにしました。
強い光を浴びないようにするだけで、
脳が「もう夜だ」と思ってくれるんです。
夜は「落とす時間」。
光も、音も、刺激も。
そうしておくと、翌朝の立ち上がりがぜんぜん違うのです。
スマホを切る:読む専用デバイスを持つ
夜に本を読むときは、スマホを使わないと決めています。
スマホって、読んでても誘惑だらけなんですよね。
通知が出るし、アプリひとつで世界が変わる。
「ちょっと動画見るか」と思ったら最後。
眠気が一気に飛びます。
だから私は、Kindle Paperwhiteを使っています。
“読むしかできない機械”です。
紙の本も好きなんですが、
明るいライトをつけないと読めないのが難点。
Paperwhiteは、目に優しくて、眠気を妨げない。
内容も、あえて少し「勉強っぽい本」を読む。
その方が自然と眠くなるんですよね。
これはもう、夜の儀式みたいなものです。
暗闇をつくる:寝室の光を完全に断つ

寝室の明かり、意外と多いんですよね。
空気清浄機のランプとか、
充電中のスマホの光とか。
あれ、目に見えてなくても、
脳はちゃんと感知してるらしいです。
このことは、岡田尊司さんの『人はなぜ眠れないのか』で知りました。
だから私は、そうした光を全部ふさいでます。
マスキングテープとか、紙とかで。
完全に暗くして寝るようにしてから、
夜中に目が覚めることが減りました。
朝の目覚めもスッと軽くなる。
ほんの少しの工夫で、
睡眠の質って、本当に変わるのです。
計測する:体感とデータをつなげる
私は、寝るときもApple Watchをつけています。
最初は「意味あるかな?」と思ってたんですが、
これがけっこう役に立つ。
睡眠の深さとか、心拍とか、
アプリのStressWatchと連携させるとグラフや数値で出る。
“なんとなく”が減るんですよね。
「昨日はよく眠れた気がする」っていう感覚と、
データが一致したときは、妙にうれしい。
逆に、「今日は眠りが浅い」と出たときは、
前の日の行動を振り返ります。
夜に動画を見てたとか、コーヒーが遅かったとか。
そうやって、自分の体を自分で研究していく。
これが、自己覚知のトレーニングにもなる。
自分で自分の機嫌をとる力にもつながる。
▶関連記事:【書評】不機嫌は罪である!ソーシャルワーカーが学ぶ自己覚知と上機嫌の力
高価な時計じゃなくてもいいです。
数千円のスマートウォッチでも、十分。
大事なのは「見える化する」こと。データにすることです。
朝を使う:7時間睡眠と朝のゴールデンタイム

私は、ショートスリーパーじゃないです。
しっかり寝ないとダメなタイプ。
7時間前後がベストですね。これは一般的な水準でもある。
これ以上削ると、仕事でもイライラしたり、
判断がぶれることが多い。
夜に自由時間を作るより、
朝に自由時間を作るほうが圧倒的にいい。
これは、樺沢紫苑先生の「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術」で知りました。
早起きした朝って、静かで、頭がクリア。
本も読めるし、ブログも書ける。
もう、それだけで「今日はいけるな」と思えます。
4時半に起きてブログを書けた日なんかは、
「やったぞ!」って気分です。
朝は一番集中できる時間。
夜は「消耗の時間」。
だから私は、夜は守り、朝で攻めるようにしています。
寝具に投資する:3分の1の時間を快適に
人生の3分の1は、ベッドの上。
だったら、そこにはお金をかけていいと思うんです。
私は、マットレスと枕は少し良いものを使っています。
あと、ちょっと恥ずかしいけど、抱き枕も使っています(笑)。
▶理由記事:ソーシャルワーカーとして、生きる人として。私を支えた本24冊─社会福祉士・精神保健福祉士の読書録
これが意外にいい。
体の位置が安定するし、
安心感もあって、中途覚醒が減るんです。
寝具って、毎日使うものだから、
一度整えるとずっとリターンが続く投資。
ここをケチると、他で取り戻すのが大変です。
腸を整える:バナナと整腸剤の習慣
朝は、まずバナナを食べます。
味というより、“整える儀式”みたいなもの。
「脳を整えるには、腸を整えろ」ってJegさんの本に書いてあって、
実際に続けたら、本当に調子がいい。
あと、整腸剤も飲んでいます。
ちょっと値段はするけど、
これも効果を感じていますね。
お通じが規則的になると、
メンタルの波も小さくなる。
食事って、気分と直結している。
ジャンクを食べた日は、やっぱり体も心も重い。
だから基本は、低GI・高たんぱく。
ナッツとか、サラダチキンとか、魚とか。
「食べて安心できるもの」を選ぶようにしています。
仕事を整える:シングルタスクと早めの切り上げ
仕事中、私はシングルタスクを意識しています。
一度にあれもこれも考えると、
どうしてもストレスが増える。
「今はこれだけ」に集中した方が、
結局、早く終わるんですよね。
これは「SINGLE TASK 一点集中術」で知りました。
そしてもう一つ大事なのが、
早く切り上げる習慣です。
残業って、やろうと思えば無限にできる。
でも、完璧主義で夜を潰すと、
翌朝のパフォーマンスが撃沈する。
だから私は、
「夜に伸ばすより、朝に回す」ようにしています。
裁量感を持つ:好きより“自分で決める”を優先
「仕事のやりがい」って、
内容よりも自分で決められるかどうかに左右される。
これは本当に実感があります。
私は、朝少し早めに出勤して、
人がいない時間に自分の段取りをつけることがあります。
誰にも急かされず、自分のペースで始められる。
この「コントロールしている感覚」があるだけで、
同じ仕事でも全然しんどさが違う。
裁量があると、
疲れても“納得できる疲れ”になるんですよね。
体を動かす:散歩・バーピー・7000歩の習慣

私は、Apple WatchとアプリのStressWatchを連携して歩数やストレス値を記録しています。
グラフで増減が見えると、モチベーションが続きやすい。
「昨日よりちょっと多く歩けた」
――その小さな積み重ねが、自己効力感につながるんですよね。
もしApple Watchがなくても大丈夫。
多くのスマホには万歩計アプリが標準で入っています。
それで十分です。
自分の動きを“見える化”することが、習慣を支える第一歩です。
朝に太陽を浴びながら歩くのも最高です。
リズムが整って、「今日もいけるな」って感じがする。
妻は通勤に自転車を使っていて、
それがちょうどいい運動になってるみたいです。
軽く汗をかくくらいが、いちばん心にいい。
運動って、結局「体を動かすことを、楽しんで続けられるか」なんですよね。
激しいトレーニングより、気持ちよく動くことのほうが大事です。
姿勢を守る:立つ・伸ばす・整える
デスクワークの時間が長い人ほど、
姿勢がメンタルにも影響すると感じます。
私は、ノートPCスタンドを使って、
目線を少し上げています。
椅子には姿勢矯正クッションを敷いて、
背中が丸まらないように意識。
あと、1時間に1回は立って伸びる。
できれば軽く歩く。
座りっぱなしって、本当に良くない。
血流が悪くなると、思考もにぶくなる。
眠気がやってくる。
立つだけでも、気持ちが切り替わるんですよね。
仕事と私生活を分ける:仕事トリガーを家に持ち込まない
仕事を家に持ち帰らない。
頭の中だけでも、それを意識しています。
たとえば、仕事用のカバンや靴を家の奥にしまう。
机の上に置かない。
それだけでも、仕事のことを思い出しにくくなる。
職場の人の名前、電話番号、
アプリの通知……。
あれも全部、“仕事を思い出すトリガー”なんですよね。
私は家では、仕事の匂いを完全に消すようにしています。
家は、回復の場所だから。
そこでまで緊張していたら、持たない。
仕事と家の間に、ちゃんとドアを閉める。
それがメンタルを守る第一歩です。
連絡を断つ:休日は“通知のない自由”を取り戻す

休日の通知。
あれ、地味にストレスなんですよね。
せっかくの休みでも、
職場からLINEや電話が入ると、
一瞬で頭が仕事モードになる。
だから私は、休日は通知を切ります。
必要なら電源も落とす。
「なんで出なかった?」って言われたら、
「電波が悪くて気づきませんでした」
「遠出してたんです」
そう答えればいい(笑)。
それで怒ってくるような職場なら、
それ自体が問題です。
休みの日は、ちゃんと休む。
それができない職場は、
いずれ人が辞めていきます。
没頭する:考えすぎる脳を動かして止める
仕事のことを忘れたいと思っても、
頭って、勝手に考え始めるんですよね。
「あの家庭はどうなったかな」
「あの子は元気にしてるかな」
そういう思考は止まらない。
だから私は、“考えられないこと”をする。
アウトドアとか、激しめの音楽鑑賞とか、ブログ書きとか。
全速力で走りながら悩むのは無理。
ギターを弾きながら、仕事の心配はできない。
つまり、没頭こそが最強の思考停止法なんです。
私は、散歩や筋トレ、読書、カラオケ、
どれでもいいから「夢中になれること」を挟む。
悩みは、放っておいてもまた戻ってくる。
だから一度、ちゃんと手放す。
外在化を意識しています。
吐き出す:書く・話す・外に出す
考えを頭の中で回すと、どんどん重くなる。
だから、外に出す。
- ノートに書く。
- 声に出す。
- 人に話す。
それだけでも全然違う。
私はしんどいとき、
とりあえずChatGPTに話すこともあります。
書いているうちに、
「そうか、こう思ってたんだな」と気づく。
それが、自己覚知につながる。
言葉にしないと、思考は形にならない。
だからこそ、“吐き出す習慣”を持っておく。
それが、心の中の整理整頓です。
呼吸する:吐く時間を長くして整える
焦っているときって、
だいたい呼吸が浅いんですよね。
「今から面接だ」「クレーム対応だ」
そういう時こそ、呼吸で落ち着ける。
やり方は簡単。
吸うより、吐く時間を長くする。
たとえば、「4・4・8呼吸法」
4秒吸って → 4秒息を止めて → 8秒吐く。
そして、また4秒吸って… の繰り返し。
この呼吸法は「ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の 超呼吸法」で知りました。
これを繰り返すだけで、副交感神経が働いて、
身体が「大丈夫」と言ってくれる。
深呼吸って、
ただのリラックス法じゃなくて、
心の再起動スイッチなんですよね。
課題を分ける:相手の課題は相手に返す
ソーシャルワーカーをしていると、
どうしても“人の問題”を背負い込みがちです。
でも、それを全部抱えたら、
心がもたない。
相手の課題を自分のものにしてしまうと、
「どうしてうまくいかないんだろう」
「私のせいかもしれない」と苦しくなる。
でも本当は、それは相手の課題。
私は支援する側であって、
生き方を代わりに背負うことはできない。
この考え方のループからは、著書『嫌われる勇気』で救われました。
人の課題を手放したとき、
ようやく自分の人生が軽くなった気がします。
型を作る:生活をパターン化して脳を休ませる
メンタルを安定させるには、
“考えないでできること”を増やすのが一番。
私は、できるだけ生活をルーティン化しています。
この知恵は、岡田尊司さんの「働く人のための精神医学」から。
朝起きたら水を飲む。
夜は湯船に浸かる。
帰宅したらカバンを同じ場所に置く。
そういう小さな“型”が積み重なると、
日々のストレスが減る。
「今日はどうしようかな」と悩む回数を減らす。
それが、脳の余白を増やす方法です。
ソーシャルワーカーの仕事は予測不能だからこそ、
自分の生活は“予測可能”にしておく。
これ、すごく効きます。
まとめ:成熟したソーシャルワーカーになるために

いろんな方法を試してきたけれど、
要は大事なのは、自分の機嫌を自分で取ること。
自分の課題を自覚して、
相手の課題と混ぜないこと。
そして、続けられるペースで楽しみを見出すこと。
完璧じゃなくていい。
「今日はこれができた」で十分。
私はまだ発展途上のソーシャルワーカーだけど、
それでも、折れずに、誠実に働き続ける方法を探し続けています。
あなたも、どれかひとつでも試してもらえたらうれしい。
現場は変わらなくても、自分の整え方はあなたが選べる。
私も、そうやって今日を続けています。
✨ 完結:メンタルを守る20の習慣 ✨
- 夜を整え、朝を資源にする
- 光を落とし、脳を休ませる
- “読むだけ”の夜をつくる
- 暗闇で深く眠る
- 体を計測し、自分を知る
- 朝を使い、創造する
- 寝具に投資する
- 腸を整え、気分を整える
- 仕事を区切る
- 裁量感を取り戻す
- 運動で心を動かす
- 姿勢を整える
- 家を回復の場にする
- 通知を断つ
- 没頭して悩みを止める
- 吐き出す
- 呼吸する
- 課題を分ける
- 型を作る
- 自分の機嫌を自分で取る




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