こんにちは!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。
児童相談所で児童福祉司として働いていると、たくさんの通告を受けます。
通告者は緊張していたり切迫していることが多く、こちらも動揺したり動転しやすくなります。
そうなるとケアミスが起きたり、相手方の不満・不安といった陰性感情をわき起こしやすいです。
対策として、関係機関からの通告を受ける時に備えて「相手方が何に則って通告しているのか(するべきなのか)」を知っておくと、リラックスして対応しやすいです。
児相、児童福祉司にありがちな衝突・対立も減らせます。
通告元でよくあるのは学校や教育委員会。教育サイドは、虐待とどのように向き合う立場にあるのか?
これを知る方法が『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』を一読するということです。
児童福祉司なら知っておきたい『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』
この手引きは文部科学省が学校・教育委員会等に向けて出した虐待対応のマニュアルのようなものです。
まっとう(?)な学校(特に校長や教頭)や教育委員会であれば、この手引きに沿って対応しているでしょう。
『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』は3種類あり
手引きは3種類公開されています。
内容は同様ですがボリュームが違います。
「忙しくて読んでられない!」という人は概要版だけでも読んでおきましょう!1ページだけです。
児童福祉司として『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』を活用する
学校からの通告は、通告という形ではなく”相談”として話がもちこまれることが多いですね。
「通告すると保護者にわかってしまうのでは・・・」「通告するほどの状況ではないと思うので・・・」とためらう方も多いです。
しかし、手引きにおいて虐待を受けたと思われる子どもについて、市町村(虐待対応担当課)や児童相談所等へ通告することは義務となっています。
しかも、通告時のポイントでは「保護者との関係よりも子供の安全を優先すること」と明記されていますから、踏んばって対応していただきたいと言えるわけです。
そして、保護者と向き合う覚悟をもって通告いただいた場合でも、「これで良かったんだろうか?」と不安になられる学校職員の方がいます。
そうした先生方に向けても、子どものために正しいことをしたと声をかけられるでしょう。
ちなみに、学校・教育委員会等が児童相談所に直接通告するのは下記の4パターンです。
児童相談所に直接通告する場合
- 明らかな外傷(打撲傷、あざ(内出血)、骨折、刺傷、やけどなど)があり、身体的虐待が疑われる場合
- 生命、身体の安全に関わるネグレクトがあると疑われる場合
- 性的虐待が疑われる場合
- 子供が帰りたくないと言った場合(子供自身が保護・救済を求めている場合)
身体的虐待・ネグレクトについては程度をみて児童相談所へ通告となっていますが、性的虐待については、疑いだけで程度の差は関係なく児童相談所へ直接通告することになっていますね。
あと、学校からの通告では「子どもが帰りたくないと言っています」と言われることが多いですが、児相へ直接通告する場合として明記されているんですね。
さいごに
児童相談所で働く児童福祉司は、自分たちの業務だけわかっていてもうまくいきませんね・・・。
関係機関とのやり取りの中で「なんで○○してくれないんだ!?」「どうして●●なんて、できないことを要求してくるんだ!」と不満を抱くのは、あるあるだと思います。
ひどくなると対立・緊張関係になって支援に支障が出ることも・・・。これは避けたい事態ですよね。
子どもを救いたい目的は同じはずの者同士が対立なんて、ナンセンスです。
対策は、例えば関係機関の役割や義務・指針などを知ることでしょう。
我々が他機関の対応に不満を抱く時は、相手の役割・立場をよく知らない場合が多いんですよね。(これは児童相談所に限らず、福祉現場全体に言えることです。)
相手機関の義務や役割を知れば、余計な摩擦を減らせます。
今回は一例として、『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』をとりあげてみました。
手引きを読めば、学校や教育委員会の立場がわかるようになって、良好な関係で連携しやすくなるし、落ち着いた対応が増やせるはず。
児童福祉司は激務で多忙。
やることは多いですが、できることからコツコツやっていきましょう!
以上、児童福祉司なら知っておきたい『学校・教育委員会等向け虐待対応の手引き』という話題でした!
コメント