人事異動のからくり発見|社会福祉士&精神保健福祉士のキャリアを拓く

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人事異動や配属って、どうやって決まるの?からくりを知りたい。異動したいけど、異動させてもらえないし・・・。どうして?

などなど、人事異動のからくりが気になる社会福祉士・精神保健福祉士・福祉の仕事をしている方へ。

この記事の内容

  • 人事から目配りされていないミドルパフォーマーの人が8割
  • 異動には『適材適所』と『適所適材』の2パターンがある!
  • 人事面談・自己申告書は『社内転職活動』と心得えるべし!

この記事の論拠は、パーソル総合研究所の藤井薫氏の著書『人事ガチャの秘密 配属・異動・昇進のからくり』です。

同書のエッセンスは、こちらの動画を観ることでもわかります。著者自身が出演しているしわかりやすい。忙しい方にオススメ。

この記事を読んでもらうと、転職のミスや後悔を防いだり、希望の叶ったキャリアを歩むことにつながるはずです。

わたしは社会福祉士・精神保健福祉士で、現場歴は10年以上です。異動も転職も経験してきました。

ではまいりましょう!

人事異動のからくり発見|社会福祉士&精神保健福祉士のキャリアを拓く

  • 大手企業86社へヒアリング調査
  • 40年超の人事関連キャリアある著者

人事から目配りされていないミドルパフォーマーの人が8割

会社や法人では、働きの評価成績によって概ね3段階の格付けをしています。

  1. ハイパフォーマー
  2. ミドルパフォーマー
  3. ローパフォーマー

それぞれの人数割合と内容は次のとおりです。

人数割合 説明
ハイパフォーマー 10%~20% 次世代の経営人材候補
ミドルパフォーマー 75%~85% 会社や上司の期待にほぼ応えている人。大切な戦力だが人数が多いので、目が行き届かない。
ローパフォーマー 5% 数年連続で人事評価が低い人、今の職場が合っていない人など

次世代の経営候補となるくらいの高評価な人材が、ハイパフォーマー。

上司は手放したくないので抱え込もうとしますが、人事としては様々な経験をさせたいので異動候補となります。

なので、現場の上司と人事とで引っ張りあいになります。

ローパフォーマーについては、現状では問題があるので、「適材適所」のために新たなマッチング先を探すべく、異動候補者となります。

(あなたの周りにも思い当たる人がいませんか?)

人事部が目配りできるのは、ハイパフォーマーとローパフォーマーの2グループです。人数が少ない分、個別に覚えられてもいたりします。

ところが約8割を占めるミドルパフォーマーの人は、放置されやすいです。

なぜなら、今の職場での大切な戦力であるものの、特に問題が起きていないし、テコ入れする必要もないからです・・・。

「このまま頑張ってね」ということで、人事の対応の優先度は、ハイパフォーマーとローパフォーマーの方が高くなるのです。

8割の人はミドルパフォーマーとすると、私を含め、多くの人がミドルパフォーマーです・・・。

なので、(失礼ですが)組織や人事は、私たちが思っているよりも、私たちのことを気にしていないと考えておくのが賢明です。

「自分に合ったキャリアを考えてくれているはず」と、甘い期待を抱いていると、人事や配属の結果に失望してしまうでしょう。

ミドルパフォーマー、頑張っている中核戦力なのに置いてけぼり・・・。口惜しや。しかし、これが人事の現実なんですね。

異動には『適材適所』と『適所適材』の2パターンがある!

「適材適所」は、人をその才能に適した仕事につけること。誰しも向き・不向き、得意・不得意があるので、その力をいかせる配属にすることですね。

人事において『適材適所』は、異動候補者を決めてから、異動先を考えるという順番です。

どんな人が異動候補者になるのでしょうか?例えば、

  • 数年連続で人事評価が低い人
  • 今の配属が合っていない人
  • 「若手には10年間で3部署を経験させたい」という会社で働く若手

などなど。これが適材適所の異動候補者です。

一方で「適所適材」の人事異動もあります。適所適材は人事業界での造語ですね。

「適所適材」は、空きポジションがあるので、そのポジションに適した異動者を決めるという順番です。適材適所と逆です。

「適所適材」の人事異動とは、例えば、

  • 組織改編
  • 新プロジェクト
  • 退職者の欠員補充
  • 「適材適所」による異動の欠員補充

などなど。

欠員を補充するために、いわゆる「玉突き人事」が起きます。被害にあったことのある方、いますよね・・・?

適材適所と適所適材の人事異動が起きるパターンを知っておくと、人事異動のカラクリを読み解きやすくなります。

「あの人はどうして異動になったんだろう?」
「なぜ自分がこの配属に!?」

と思ったら、その異動は適材適所だったのか、適所適材だったのかと分析してみましょう。人事の狙いを読み解けるかもしれません。

組織に雇われて働く以上、人事ガチャは避けることができません。

ならば、人事ガチャを理解できずに苦しむよりは、カラクリを知って渡り歩くほうが賢明でありましょう。

人事面談・自己申告書は『社内転職活動』と心得えるべし!

異動したい配属があるなら、希望先を言うだけでは不十分です。例えば、

  • 異動先でやりたいこと
  • 異動先でできること
  • それを裏付けるあなたの経験や資格

これらをアピールすることが大切です。

就職活動や転職活動では、自分の資格や経験、得意などをアピールして、採用をつかみますよね。

人事面談や自己申告書なども同様で、これはいわば『社内転職活動』。

転職活動と同じくらいの準備と労力をかける価値があるという話です。

ただし、私たちが働く福祉現場は、大企業というより中小企業レベルの規模が多いと思います。

したがって、「人事面談」なるものも、「自己申告書」なるものもない人が多いんじゃないかと。異動先すらない人もいるでしょう。

このあたりは、各個人の状況によってケースバイケースですし、本書は参考にならないこともあるかもしれません。

しかし、もしあなたの職場に人事面談や自己申告書などのシステムがあって、異動先にも恵まれているならば、

  • 今の仕事に合わない
  • 他にやりたいことがある
  • やりたい配属先にいけないし、辞めようか迷っている

などのことがあれば、まずは人事面談や自己申告書などで社内転職活動をしてあがいてみるのは賢い選択です。

即転職するのも1つの道ですが、転職だけが全てではない。

社内転職活動がうまくいかなかった時に、転職活動を始めるという道があるということですね。

最後に

人事ガチャの秘密』で人事異動のからくりを知ることはできるのですが、注意点が1つあります。

注意点とは、本書は『大手企業』を対象に調査していることです。

お気づきかと思いますが、福祉関係の法人に『人事部』なるものは存在しないことが多いし、ましてや『大手企業』レベルの法人などほとんどないでしょう。

なので、本書で書かれているからくりを、福祉現場の人事異動にそのまま当てはめるのは難しいです。

ただし、大手のやり方を中小の法人は見習いますから、当てはまることもあります。

本書は人事異動のからくりだけでなく、昇格・昇任などのシステムも暴露しています。

わたし自身、社会人になって10年以上となりますが、「わけのわからない人事異動」にストレスをたびた感じてきました。

しかし、本書を読んで人事異動のからくりがわかり、今までの人事異動を振り返って「そういうことだったのか・・・」と気づきを得られました。

社会福祉士や精神保健福祉士、福祉の仕事をする人が、組織の中で希望するキャリアを歩むのにマストな1冊。特に、昇格・昇任・異動に関心のある方に役立つでしょう。

一生モノの知識を1,000円以下で買えるなら安い。早く知るほど、役立つ期間も長くなります。

本を読む時間がない人は、こちらの動画だけでもチェックしてみると参考になると思います。

なお、人事異動に期待をもてなくなれば、転職活動の始め時かと思います。これは著者も言っておられますね。

辞めたくなった方に向けては、下記の記事を公開しています。ご参考くださいね。

≫社会福祉士さんへ

≫精神保健福祉士さんへ

≫児童指導員の方へ

≫児童相談所の児童福祉司の方へ

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