
何が厳しいん!?

体、メンタル、生活だな!
どうも!社会福祉士・精神保健福祉士のぱーぱすです。児童指導員経験があります。
- 児童養護施設の仕事って厳しい?
- 働いていて辛いことって何?
- 残業があるの?
このようなギモンのある方はきっと多いでしょう。
ハッキリ言って児童養護施設の仕事は、体、メンタル、生活が厳しい!この3重苦に耐えられる人だけが残れる現場。これが児童養護施設のリアルです。(障害児入所施設も同様)
ラクして稼ぎたい人には絶対オススメできない仕事です。
この記事では体・メンタル・生活が厳しい12のリアルな理由をお話ししますが、タフにこなす知識もあわせてご紹介していきます。
児童養護施設にかぎらず、福祉現場は大なり小なり似た課題があります。体・メンタル・生活が厳しいのは福祉現場あるあるなので、対策も考えやすい。ご安心くださいね!(苦笑)
ではまいりましょう!
児童養護施設の仕事が厳しい12の理由【元児童指導員解説】
体が厳しい!
なぜ児童養護施設の仕事は体が厳しいのでしょうか?理由はこれです。
体が厳しい理由
- 宿直や夜勤があって睡眠時間を削られる
- 宿直明けに8時間勤務もザラ
- 残業がある
- 交代制勤務(シフト制)で6連勤、7連勤ということがある
- 人手不足で有給休暇をとりにくい
- 子どもとの食事が休憩扱いで休まらない
全ての児童養護施設の仕事に当てはまるかは知りませんが、すべて私が経験したことです。
宿直や夜勤で睡眠不足になる
宿直と夜勤の違いはこちらがくわしいです。
超カンタンにまとめると、
宿直 | 眠ってもOKだが、何か起きたら対応しないといけない。 |
夜勤 | 眠るのはNGで、夜中にいつも通り仕事をしないといけない。 |
私は宿直が多かったです。宿直時間中に見回り巡回もしないといけなかった。
最終に見回りをしてから即眠れたとしても、6~7時間の睡眠が限度。朝の定刻には起きて、ごはんの準備をしたり子どもたちに声をかけないといけなかったからですね。
睡眠時間をしっかり確保したい方にとっては、体が厳しいと感じると思います。実際、そういう方は多かったです。(逆に、4~5時間睡眠でバリバリ動ける人は強い)
それと、「何かあったら起きないといけない」という状態で眠るのはけっこうキツイです。緊張感があるので、眠りが浅くなるんですよねえ。
宿直明けに8時間勤務もザラ

宿直明けは、すぐに帰って良いやんな?

いや、もう8時間勤務が始まるのさ。
おかわりです。
宿直明けは眠い・・・。当然、仕事は終わっても良いはず・・・。
そう思う人が多いはずですが、そんなことはありません!
宿直明けからさらに8時間勤務がスタートするのが普通でした。
なので、
8時間勤務 → 宿直 → 8時間勤務
というのが当たり前なんですね。拘束時間がとても長い!まさに一泊二日。慣れないうちは翌日の勤務が眠くてたまらない・・・。残業で二晩目を迎えることも。
翌日の8時間勤務(残業含む)が終わったら、合宿から解放されたかのような心持ちになったものです。
ただ、こうしたシフトのあり方は現場によって違いますので、就職・転職先を探すときはどのようなシフトが組まれているか聞いておくと良いでしょう。
残業がある
翌日の8時間勤務が終わったら帰れるのでしょうか?
答えはNOです!さらに残業があるのがよくあることでした。(二晩目を迎えて家に帰ることもありました)
少ない人員で現場を回している場合、交代の職員が出勤するまで、前の職員が残業で間をつなぐのはよくあることです。
あと、残業時間になってはじめて自分のの事務仕事ができる現場もあります。残業ありきの体制になっているわけですね。(例えば、学校の先生が子どもの下校後に事務仕事をするイメージに近い)
児童養護施設の職員はほんとに体力勝負です。
交代制勤務(シフト制)で6連勤、7連勤ということがある
このような宿直・残業の日々が、運悪く6~7日続くことがあります。(とうぜん、土日祝も勤務アリです)
少ない人員で回していると、各職員の予定や休みの都合でどうしてもしわ寄せがでてしまうことがあります。
私も勤務シフトを組んでいたこともありますが、かなりの苦行でした。はっきり言って、勤務調整(シフト組み)は難解なパズルゲームです。
例えば、「叱れる職員がいないと無法地帯になるからCさんが必須」「通院の同行に職員1人を割かないといけないからもう1人出勤しないと回らない」「AさんとBさんは仲が悪いので一緒にしてはいけない」のように。
あちらを立てればこちらが立たずで、どうにもならないことすらあります。
結果、誰かが6~7連勤になってしまうこともありました・・・。自分もふくめてそうなるのですが、勤務調整を担当する者の苦しいところです。
皆さん、勤務調整を担当する人には優しくしてあげてくださいね(笑)
人手不足で有給休暇をとりにくい
6~7連勤ができてしまうくらいですから、かなりの人手不足なわけです。有給休暇だってとりにくいです。
私の現場では、有給休暇をとれる時というのは、体調をくずしたとき、メンタル疾患になったとき、家族の病気くらいなものでした・・・。
誰かが有給休暇を取るということは、誰かが残業・超過勤務しないといけないということがほとんど。お互い遠慮してしまって、なかなか有給休暇を希望できないわけです。
毎年、使えない有給休暇が消えていきました。これは辛かったですね。
子どもとの食事が休憩扱いで休まらない
食事を一緒に食べている時間が休憩時間あつかいとなるパターン。これは児童養護施設にかぎらず、福祉現場のあるあるでしょうねえ。
食事中のトラブルはよくあることですから、ごはんを食べつつ全体に目を配るわけです。ゆっくり落ち着いては食べられません。
とうぜん、労働基準法としては休憩とならないはずですが「チームワーク」の名のもとに強制されている現場は多いと思います。
メンタルが厳しい!
なぜ児童養護施設の仕事はメンタルが厳しいのか?理由は次のとおりです。
メンタルが厳しい理由
- 支援が思うようにはいかない
- 暴言や暴力を受けることもある
- 職員関係で気を遣う
- 休日に仕事の連絡がかかってくる
支援が思うようにはいかない
児童養護施設にかぎりませんが、支援は私たちが頑張っても結果がついてくるとは限りません。
例えば、愛情に飢えている子や、心に傷を抱えている子にたいして、「愛情を伝えたい!」「傷をいやしたい!」と思うハートはとても素敵だと思います。
親に捨てられたと思っている子ども、誰も信頼できないと思っている子どもに、何とか手を差しのべたいという方は、きっとあたたかな思いのある方でしょう。
けれど、ハートだけではうまくいかないのが支援の奥深さ。ささいなことなら成長や変化がみられるものですが、深刻な課題ほど支援が思うようにいかないものだと思います。
支援は一筋縄ではいかないので、私たちは自信を失ったり、無力感にさいなまれたりします。メンタルがつらくなっていくんですね。
どんなときに辛くなってしまうのか?どういった子どもは苦手で、どういった子どもは好きなのか?関わりすぎてしまう時、逆に関わりを避けたくなる時はどんな時か?
こういった理由を掘り下げていくと、自分自身と向き合っていくことになります。
自分自身を知ってこそ、気持ちをコントロールして、「気の向くまま」な素人支援ではなく、意図や狙いをもったプロフェッショナルな支援ができるんですね。こうした大切なことを自己覚知といいます。
自己覚知はより良い支援をするために大切なことですが、自分の気持ちを守ることにもつながります。タフに続けていくには習慣化しておきたいですね。

暴言や暴力を受けることもある
支援が思うようにいかないポイントとして、子どもから暴言や暴力を受けることがあるでしょう。
私もたくさんの言葉を受けてきました・・・。
- 黙れ!
- 帰れ!
- 話しかけてくるな!
- 何も知らないくせに!
- 大人は信用できん!
- くそじじい!
たとえどんなに若くても、男性職員ならジジイ、女性職員ならババアと言われてしまうのが暴言あるあるです(苦笑)
また、言葉だけでなく、手や足がこちらに出てくる子どももいました。中学生や高校生となると体もしっかり育っていますから、力が強い。痛いし、実際にケガをすることもありました。
こういった暴力は、無差別なものではなくて、職員との関係性(愛着関係)のなかで起こるものでした。見ず知らずの人に暴力はしないんですよね。
彼らのこれまでの育ちの過酷さに思いをはせつつも、暴言や暴力行為を許すわけにはいかない。こうした中で「叱れない」という悩みを抱える人もいます。
優しさだけではなく、毅然とした関わりも求められる、難しい現場です。暴言や暴力は、体の痛み以上にメンタルの痛みがあるので気をつけましょう。
職員関係がツラい
児童養護施設や入所施設での仕事は、たくさんの職員と協働しないとできません。
なので、一緒に働く職員の立ち回りや子どもとの関わりによって、こちらも影響を受けることになります。(プラスもマイナスも)
例えば、あなたが職員のAさんと一緒の勤務シフトだったとします。Aさんが子どもと関わると子どもは楽しくなりすぎて、大騒ぎになったり野放図になったりケンカが勃発したり・・・ということがよくあります。あなたはそのフォローをしないといけなくなります。
したがって、職員同士でそれぞれの立ち回りや子どもとの関わりについて、指摘しあうことが多いんですね。
良く言えば、人材の指導や育成がしやすい環境なのですが、運が悪ければ言い方のキツイ方がいたり、妙なコダワリのある方、とても支配的な方がいたりして、職員からの言葉で萎縮することがあるでしょう。(私はすべて経験済み)
そうなると神経をすりへらしてして、メンタルにダメージを受けてしまいます。
児童養護施設の現場は女性が多いという意味で、男性の皆さまにはこちらの記事が役立つかもしれません。

休日に仕事の連絡がかかってくる
児童養護施設は24時間365日稼働しています。誰かの休みは誰かの仕事日です。
「担当職員しか知らないこと」があったり、「上司に相談しないと判断できない場面」があったりします。
そうした時、けっこう気軽(?)に休日中の職員に電話やLINEされてしまいます。
休んでいるときに仕事の連絡がはいってしまうと、仕事モードのスイッチが入ってしまって、すぐにはOFFに戻れないんですよね。
休日連絡のツラさには個人差がありますけど、私は「カンベンしてくれー!」と思うタイプでした。

自分が病んでしまいそうや・・・

しっかり対策しておこう!
高ストレスで精神労働な対人援助職あるあるですが、「自分が病むのではないか」「病気になるんじゃないか」と心配な人はとても多いです。
こちらは社会福祉士や精神保健福祉士むけにまとめた内容ですが、あなたが児童養護施設で働く場合も活用できる内容となっています。

生活が厳しい!
児童養護施設の仕事は、生活も厳しい!
生活が厳しい理由
- 給料が良いとは言えない
- 土日休みが少なくて人と会いにくい
給料が良いとは言えない
職場によるでしょうけれど、児童養護施設は給料が良いとは言えません。生活はできるのですが、平均よりやや下くらいという感じでしょうか。もっと欲しいですね!
具体的な給料については、こちらの記事がわかりやすいです。児童指導員についてまとめた記事ですが参考になります。

児童指導員の給与・年収について、正確な統計調査は見当たりません。上記サイトもそうですが、特定サイトの求人情報等から計算しているわけで、現に働いている児童指導員の実態とは違うと思います。あくまで参考程度で考えましょう。
お金のモンダイは、福祉の仕事共通の課題です。こんな記事もかいていますので、役立つ情報があるかもしれません。

土日休みが少なくて人と会いにくい
勤務シフトによっては土日も仕事があります。
彼氏や彼女、友だちや家族と会おうとしても休みが合いにくくて「いつの間にか疎遠に・・・」なんてことにならないように、努力と工夫がいります。
あらかじめ休みの希望を言えば通りやすい職場もあるでしょうから、予定は早めに相談して決めていくと良いでしょう。
また、子ども同士のトラブル等が起きれば、定時で帰れないことが起きたりします。
児童養護施設は他律的な職場です。つまり、自分の都合ではなく、周りの都合に合わせないといけないことが多いのですね。
こうしたわけで、仕事日の勤務後に予定を入れても、トラブル等が起きて予定通りいけないことがある(遅刻・キャンセルなど)ので、ますます人と会いにくくなりがちです・・・。
さいごに
児童養護施設の仕事が厳しい理由をお話ししてきました。
これらの理由は障害児入所施設のように、「入所施設系ならだいたい同じことがある」と考えてもらって良いでしょう。
ここまでひどくない職場もあるでしょうし、もっとひどい職場もあるかもしれません。(私の現場は、たぶん過酷な方だったと思う)
正直、ここまでリアルに語ってしまうと「児童養護施設の仕事につきたいと思えなくなるんじゃないか?」と不安にもなります。
けれど、「児童養護施設の仕事ってやりがいがあって楽しいよ!」なんて、期待や希望だけを見せてリアルを隠すようなことは言いたくないですね。
リアルを知ったうえで、仕事を選んでもらえると良いかなあと思います。
でもね、きびしい面ばかりクローズアップしてきましたが、児童指導員にはやりがいや魅力もあります!
簡単に言えば、子どもを育てるこれだけの苦労があるからこそ、子どもの育ち・成長を目の当たりにした時の喜び・感慨は深いものがあります。
興味のある方はこちらの記事も見てみてくださいね。

以上、児童養護施設の仕事が厳しい12の理由【元児童指導員解説】という話題でした!
実は、児童養護施設などの社会福祉施設で働く社会福祉士はたくさんいます。社会福祉士資格は通信講座でとれるのでリンクを貼っておきます。
社会福祉士 通信講座を比較
社会人から社会福祉士をめざす方には、こちらが役立つでしょう。社会福祉士は社会人経験や、もっと言うと人生の寄り道すら活かせる仕事です。
社会人から社会福祉士になるには?受験資格や必要な実務経験について
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