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【書評】不機嫌は罪である!ソーシャルワーカーが学ぶ自己覚知と上機嫌の力

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あ~、なんだかイライラするなぁ。「怒ってる?」って聞かれるけど、どうしたらいいんだろ・・・?

日々、子どもや家庭と関わる中で、自分の感情が仕事に大きく影響すると感じます。

そんなときに出会ったのが、齋藤孝さんの『不機嫌は罪である』。
この本を読んで、「支援者にとって大事なのは自分の機嫌を整えることだ」と改めて認識しました。

この本がソーシャルワーカー(社会福祉士や精神保健福祉士など)に役立つ理由は3つあります。

 なぜ役立つのか?

  • 自分の機嫌は相手に伝わるということがわかる
  • 感情をコントロールするヒントが見つかる
  • 自分の気持ちや状態を客観的に見る力が身につく(自己覚知につながる)

支援者は「相手のために」動く仕事ですが、
実はその前に、「自分を知る力」がとても大事です。

社会福祉士や精神保健福祉士を目指す学生さんにも、きっと参考になると思うのでご紹介します。

書いた人:ぱーぱす(社会福祉士・精神保健福祉士)
自治体で働くソーシャルワーカー。児童相談所などでの実務経験をもとに発信。
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「不機嫌」は知的ではない

不機嫌は罪であるで印象に残ったのは、「上機嫌=バカ」「不機嫌=頭がいい」という考えは誤解だ、という部分です。

齋藤さんはこう言っています。

「上機嫌でいることは、知的能力の1つである」と。

たしかに、いつも不機嫌そうにしている人を見ると、「あの人は真剣に考えているんだな」と思ってしまうことがあります。
でもそれは違う。

不機嫌なままだと、自分も周りも疲れてしまい、思考力も下がってしまう。
上機嫌でいることは、むしろ知的で成熟した姿勢なんですね。

ソーシャルワーカー現場での「不機嫌」の影響

福祉の仕事では、「支援者の機嫌」は思った以上に相手に伝わります。

もし私たちが不機嫌そうな顔で面談に入ったら、
利用者さんは「話しにくいなぁ…」と感じてしまうでしょう。
それだけで関係づくりが難しくなってしまいます。

正直に言うと、私も「機嫌が顔に出やすいタイプ」です。
忙しくなると、つい表情がかたくなる。
放っておくと悪いクセになってしまうので、意識して直そうとしています。

だから、「不機嫌は罪である」というタイトルを見たとき、
まるで自分に言われているようで、ハッとしました。

支援者にとって、自分の感情を整える力は“専門性”の一部
メンタルヘルスの維持や自己覚知にもつながる。
とってもとっても大切な力です。

「おだやかな上機嫌」を目指す

齋藤さんは、人の機嫌を次の4段階に分けています。

機嫌の4段階

  1. すごく不機嫌
  2. ゆるく不機嫌
  3. おだやかな上機嫌
  4. すごく上機嫌

「すごく上機嫌」は元気すぎて周りを少し疲れさせることもある。
だから、ちょうどいいのは「おだやかな上機嫌」。

これは、落ち着いていて、自分をコントロールできている状態。
いわゆる“感じのいい人”“話しやすい人”のイメージに近いです。

仕事でも学校でも、こういう人の周りには自然と人が集まりますよね。
ソーシャルワーカーの現場でも同じです。
おだやかな上機嫌は、信頼を生む知的な明るさだと思います。

メンタルケアの基本は「体のケア」

では、どうすればおだやかな上機嫌になれるのか?
著者の答えはとてもシンプルです。

メンタルケアの王道は、体のケア。

つまり、心を整えるには、まず体を整えることが大事ということ。

本書では次のような方法が紹介されています。

  • 軽いストレッチやラジオ体操
  • マインドフルネス(今に意識を向ける)
  • 呼吸法でリラックスする

私も「4・4・8呼吸法」というやり方をよく使っています。
4秒吸って、4秒止めて、8秒かけてゆっくり吐く。
たったこれだけで、不安やイライラがすっと軽くなるのを感じます。
誰でもすぐにできるのでおすすめです。

「4・4・8呼吸法」は『ハーバード&ソルボンヌ大学 根来教授の超呼吸法』で紹介された呼吸法です。

まとめ|上機嫌は支援力の一部

本書のポイントをまとめると、次の3つです。

  • 「上機嫌=バカ」「不機嫌=知的」は誤解
  • 目指すのは“おだやかな上機嫌”
  • メンタルケアの基本は体を整えること

福祉の仕事では、人と関わる時間が多く、ストレスも大きいです。
実際、私の職場でもメンタル不調で休む人は少なくありません。

だからこそ、「おだやかな上機嫌」を保つ努力は、
自分を守り、相手に安心を与えるスキルだと思います。

不機嫌は罪である』は、難しい理論書ではなく、
私たちが日常の中でどう機嫌を整えていけばいいかを、
やさしく教えてくれる本です。

SNSなどで広がる“イライラ”や“攻撃的な言葉”にも触れており、
時代に合った視点で書かれています。
文章も平易で、読みやすかったです。

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